青年と少女のマルチプル・オンライン 作:グラハムさんとピンクマ
フォニア宮殿、皇帝の部屋…
グラハム(、、、眠い)
現在は昼過ぎ(現実では夕方)、グラハムは学校から帰るとすぐにマルチプル・オンラインにログインし、今まで溜めていた業務をこなしていた。1つの仕事はそこまで難しくないのだが、塵も積もれば山となる状態なのでかなり疲労が溜まっている。
皇帝の制服を着ていると集中力が続くと思ったのにな。
グラハム(あと2つ、終わらせられる、、、けど寝そう、、、)
コンコンコンッ…
グラハム「っ!は、はい!」
グラハムが完全に寝落ちをする前に、誰かが扉をノックした。
一般兵「お忙しいところ、失礼します!」
グラハム「いや、大丈夫」
一般兵の用は、模擬戦の内容や陣形の組み換えの相談のようだ。
普段ならスティラが指示をしているようなのだが、スティラ自身も忙しいようなので代わりにグラハムに確認したとのことだ。
一般兵「では失礼します!」
パタンッ…
グラハム「ふぅ、、、」
一旦休憩し、傍の台車に置いてある紅茶の入ったティーカップを手に取り、外の景色を見ながらゆっくり飲む。
こんな優雅にお茶をするなんて初めてだ。
コンコンコンッ…
グラハム「ぁ、どうぞ!」
再びノックが聞こえたので、ティーカップを台車の上に戻し扉に視線を向ける。
スティラ「失礼します!」
扉が開くと、総合騎士長様がはきはきと声を出す。
流石の気迫だ。
そういえば初めてこの世界へ来て去った時、スティラに皇帝の座を託したのだが、本人は「荷が重い」などの理由でグラハムが継続して皇帝になっている。
グラハム「お帰、、、り?」
「お帰り」でいいのかと思いつつもすぐにそんなことは気にしなくなる。
グラハム「お疲れ様、今仕事を終えたところ?」
スティラ「はい、街の見回りや中級兵の指揮、その他も全て迅速に対応し終わらせました」
グラハム「おぉ、流石、、、えっ、てことは昼ご飯食べてないんじゃ?」
スティラ「はい、軽く携帯食料を食べたくらいですね」
グラハム「それで倒れちゃったら困る。そうだ、これ食べて」
グラハムが手に取り、スティラに差し出したのは『サンドイッチ』だ。本当はいくつか譲りたかったのだが、グラハムが昼食に食べていたために2つしかない。
スティラ「あ、ありがとうございます。それではお言葉に甘えて、、、隣に失礼します」
礼を言い、サンドイッチを貰うとグラハムの横に座った。
数分後…
スティラ「グラハムさん」
グラハム「ん?」
グラハムは仕事を終え、スティラはサンドイッチを食べ終えるのと同時に聞いてきた。
スティラ「せいゆーって何ですか?」
せいゆーって、あの『声優』だよね?スティラの口からこんな単語が出てくるなんて珍しいな。
グラハム「声優は声を割り当てる?人のことだよ。例えば、ここに人の絵がある」
そう言いグラハムは紙に人の顔を簡単に描く。
グラハム「これの声を人が担当する仕事だ」
別に絵は書かなくてもよかったかも。
スティラ「へぇ、、、そのような仕事もあるのですね」
グラハム「うん、それで、どうして急に声優のことを?」
スティラ「それは、この前咲月さんと瑠璃で出かけていた時に男の人が寄ってきて、すると、すかうと?をしてきたので聞きました」
グラハム「マジか、それでなんて返事したの?」
スティラ「私はこの仕事があるので適当な理由を付けて断り、咲月さんはそのすかうとを受け、瑠璃は面白そうとの理由で引き受けていました」
グラハム「お、おぉ、、、」
驚く点が2つ出てきたぞ。咲月が声優になるのか、、、。萌キャラ担当なのかな?そして瑠璃は面白そうだからかよ。いいのかその男の人。
グラハム「そうだったんだな、、、。ありがとう、いい息抜きになったよ」
スティラ「いえいえ、息抜きになったのであればなによりです」
コンコンコンッ!
グラハム「どうぞ」
ガチャッ!
一般兵「失礼します!」
一般兵は焦っている様子で扉を開けた。
一般兵「闇の軍勢の残存部隊が攻めてきております!」
グラハム「本当か!」
まだ生き残っていた奴らがいたのか。
グラハム「分かった。スティラ、陣形を任せるよ」
スティラ「承知しました」
いつもの優しい顔つきから立派な騎士の顔つきに変わったスティラは、一般兵と急いで敵を迎え撃つ準備をする為走って部屋から出ていった。
グラハム「俺も向かうか」
本来皇帝は戦闘に参加しないようだが、傍観しているだけでは申し訳ない気持ちを背負ってしまう為、グラハムも後から皇帝の部屋から飛び出す。
ピンクマ「そして闇の残存部隊を全滅させましたとさ」