青年と少女のマルチプル・オンライン   作:グラハムさんとピンクマ

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グラハムの二つ名

オーランジュ・フェヒター(オレンジの剣士)〘ドイツ語〙

オーランジュ・ゲヴェーア(オレンジの銃)〘ドイツ語〙


第6話「迫りくる驚異」

土曜日の昼、森にて…

 

エディが部活の為、グラハムは1人でソードスキルの熟練度を上げていた。

 

グラハム「ヴォーパルストライク!」

 

ザシュッ!

 

グラハム「ふぅ、あと少しで熟練度MAXだな」

 

ヒュン、ザクッ!

 

グラハム「ぐぉ!?」

 

グラハムの左腕に矢が貫いた。

 

 

 

????「ここに来るのを待ってたぜ」

 

グラハム「何者だ」

 

グラハムは矢を引き抜きながら尋ねた。

 

????「俺はテーテン、ただの殺し屋さ」

 

は?何言ってんだこいつ。SAOの見すぎでゲームで死ぬとでも思ってんのか?

 

テーテン「殺し屋ってことを信じてねぇみたいだな。このコマンドをイジるだけで、、、」

 

そう言ってテーテンはグラハムに矢を撃った。

 

ザクッ!

 

グラハム「!?、、、、、」

 

痛い、痛すぎて声が出しにくい、、、

 

グラハム「な、何を、、、」

 

テーテン「ペイン・アブソーバーのレベルを1にしたんだ。レベルを下げると痛みが増す。現実の体にも支障が出る。今からお互いのレベルを0にして死を与えてやる」

 

グラハム「簡単に言ってくれる、、、」(回復結晶買ってて良かった)

 

え、マジで殺し合うの?内心泣きそうなんだけど。てかなんでペイン・アブソーバーをいじれるんだよ、チーターじゃねぇか。しかもレベル0で頭撃たれたら終わりだろ絶対。

 

テーテン「早速始めるぞ、初めましてからのサヨナラだ!」

 

そう言ってテーテンはクロスボウを放った。

 

グラハム「GNフィールド!」

 

矢がグラハムに当たるかと思いきや、それを太陽炉の力で防いだ。

 

テーテン「あげゃげゃげゃ!お前なら俺を楽しませてくれそうだ!」

 

グラハム「酷い笑い声だ。」

 

ここは第22層の森の中、そう簡単に助けはこないだろうな。メッセージを送る暇もないし。

 

ガキン!ジリジリ、、、

 

グラハムの剣とテーテンの短剣が鍔迫り合いを起こしている。

 

テーテン「さぁ、苦しめよ!倒れろよ!」

 

グラハム「あぁ、倒れてやるさ、お前を病院送りにしてからな!」

 

ガキン!シャキン!カキン!パシュ!パシュ!

 

テーテン「中距離射撃が小賢しい!」

 

グラハム「お前も同じだ!」

 

そしてグラハムがテーテンの体勢を崩すことに成功した。

 

グラハム「これで終わりだ!」

 

その時だった。テーテンがグラハムの一振りを交わし、その隙にグラハムの左目に短剣を刺した。

 

グラハム「ぐはぁぁぁ!?」

 

苦しい、左が何も見えない。俺はここで、頭を撃たれて死ぬのか?

 

…そういえば、以前も殺し合ったっけな、、、イツキ、、、

 

 

ーーーーーーー

 

1年以上も前、俺はイツキというGGOプレイヤーと【デスゲームエリア】という、イツキの仲間が生成した世界で戦闘した。その時もお互い、ペイン・アブソーバーのレベルを0にしていた。

 

 イツキ「魔王を討つのが主人公の役目だろ?」

 

グラハム「、、、主人公になった覚えはないよ。イツキ、大人しく投降しろ!」

 

 イツキ「君が引き金を引かないなら、僕が!」

 

その瞬間、サイレンがなって戦闘が終わった。

 

 イツキ「時間切れか、、、また会える日を楽しみにしてるよ」

 

それ以来、イツキを見なくなった。

 

ーーーーーー―

 

 

、、、その時に比べれば、こんな戦闘なんて怖くもない!

左目が見えなくなったからなんだ!まだ右目が使えるじゃないか!ここで死んでたまるか!

 

テーテン「トドメだ」

 

テーテンがグラハムの頭を撃ち抜こうとした瞬間、

 

グラハム「、、トランザム!」

 

シュン!、、、

 

グラハムの体が赤く輝き、高速で飛行し、矢を回避した。

 

テーテン「!どこ行きやがった!」

 

ザクッ!

 

テーテン「ぐはっ!せ、背中を切られたのか。だが、、、そこだ!」

 

ブシャ!

 

グラハム「ちぃ!3倍の速さで飛行してるのに」

 

テーテンの一振りがグラハムの左腕を切断した。

 

グラハム「素直にこの世界を楽しめば良かったのに。まぁ、ここがお前の最期だがな」

 

ブシャブシャ!

 

そしてグラハムはテーテンの両足を切断した。

 

テーテン「ハァ、ハァ、い、いいのか!俺を殺すとお前は殺人犯になるんだぞ!」

 

グラハム「何人も殺してきたお前にだけは言われたくないよ。それに、脳と心臓は外してやる」

 

グラハムは力を溜めて剣を構えた。

 

グラハム「ホリゾンタル・スクエア!」

 

ザクッ!ザクッ!ザクッ!ブシャ!

 

テーテン「ぐ、ぬわぁぁぁぁ!、、、」

 

ブスッ!

 

グラハム「な、、、」

 

テーテンの矢がグラハムの右の太ももに命中した。そしてテーテンは消滅した。

 

グラハム「俺も、死ぬのかな。俺の現実の体は普通の人より弱いし、まだ咲月も帰って来てないだろうし、、、」

 

人気のない深い森でグラハムは仰向けに倒れている。

 

グラハム「あぁ、右腕も上がらない。ログアウトできるとしても、こんな状態でログアウトしたら危ないかな」

 

????「、、、グラハ、ム?」

 

グラハム「、、、誰だ?、、この声、コハル、か?」

 

 コハル「えぇ、一緒に遊ぼうと思ってメールを送ったんだけど、いくら経っても返信がこないから探してたの。何があったの?それに、この傷は、、、」

 

グラハム「もう、話せな、、、」

 

 コハル「ぐ、グラハム!しっかりして!回復結晶は、、、あった!」

 

コハルはグラハムに回復結晶を使用した。

 

 

数時間後…

 

 

グラハム「ありがとうコハル、助けてくれて」

 

 コハル「いいよ。それにしても、グラハムは無茶しすぎだよ。チーターと戦闘するなんて」

 

グラハム「今回逃げてもまた別の日に狙われてたと思う。それに、あいつのせいで何人も犠牲が出てたから逃す訳にはいかなかった」

 

 コハル「本当によく頑張ったね、水飲む?」

 

グラハム「飲みたいけど、飲む力すら出ないから飲んでいいよ」

 

 コハル「そう?、、」

 

そう言ってコハルは水を口に入れた。そしてコハルはグラハムの顔を自分に向かせた。

 

グラハム「?」

 

チュッ、、

 

ちょ、俺が飲めないからって口移しは!

 

 コハル「ん、、、ぷはぁ、、こ、これはキスじゃないんだからね!」

 

グラハム「わ、分かってるけど口移しは、、、ま、まぁ、ありがとう」

 

 

ログアウト…

 

 

あ〜あ、苦しかった。あいつのことは通報したから、すぐ捕まるだろう。さぁ、現実の体は大丈夫か?

 

 明日人「いっ、、、」

 

左肩と右の太ももは痛いけど、全く動かせないって訳ではないな。

でも、左目はかすかな光しか見えない。

 

 咲月 「ただいま〜!」

 

咲月が帰ってきた。歩けるか?

 

 明日人「ぐっ!、、」

 

ダメだ、まともに立てない。できるだけ左足に重心をかけて歩こう。

 

 明日人「お、おかえり、、」

 

 咲月 「!ど、どうしたのその目!黒目の色が薄い!」

 

 明日人「え?」

 

そ、そうなのか。そりゃそうだよな、かすかな光しか見えないってことは目の外見にも異常が出てるだろうし。

 

 明日人「実は、、、」

 

 

カクカクシカジカ…

 

 

 咲月 「そうだったのね、、、全く、私のいない間に危険なことを」

 

 明日人「あれは不可抗力だったから仕方ないよ」

 

 咲月 「そ、そうね。とりあえず、病院行くわよ」

 

 明日人「病院、か、、、」

 

 

数時間後、フォートナイトのダーバーガーショップにて…

 

 

グラハム「ハァ、、、」

 

ピンクマ「珍しく元気ないじゃん、どうしたの?しかも左目に眼帯つけてるし」

 

 青クマ「グラハムのことだから、〘3時のおやつ忘れてた〜〙とかでしょ」

 

グラハム「俺のこと今までどんな風に思ってたんだよ、、ってそうじゃなくて、聞いてよ」

 

ピンクマ「うん」

 

グラハム「数時間前に殺し屋に襲われて左目が見えなくなったんだよね、、、」

 

ピンクマ「マジか、あ、だから眼帯を付けてるのか」

 

グラハム「そういうこと。でも、右目じゃなくて良かった。」

 

 青クマ「なんで?」

 

グラハム「だって右目がやられてたらAIMしづらいじゃん?」

 

ピンクマ「さすがオーランジュ・フェヒター、明るい話へと持っていく」

 

 青クマ(暗い話を持ってきたのグラハムだけどな)

 

グラハム「さ、バーガーも食べたし、沢山キルしてこよっと。ピンクマ行くぞ。またな、青クマ」

 

ピンクマ「あいよ〜」

 

 青クマ「バイバ〜イ」

 

ピンクマ「そういや、左から敵が来たらどうするの?」

 

グラハム「ピンクマにずっと警戒してもらう」

 

ピンクマ「あ、ハイ」

 

 

その後、グラハムとピンクマは4位という結果でログアウトした。




ピンクマ「ペイン・アブソーバーのレベル、正直よく分かってない(笑)」

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