来者の巴   作:彩加

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第4話

「そ、そんなぁ! 一緒に神の一手を目指すのではなかったのですか?!」

 

 

佐為はヒカルの覚えてない発言に大きく落胆した。

 

 

「神の……一手?」

 

ヒカルは小さな心のざわつきを覚える。

 

「そうですよ! 囲碁で! 神の一手を一緒に極めると約束したではありませんか!」

「囲碁で? 神の一手を極める?」

 

生唾を飲み込むヒカル。

その言葉になぜか分からないけれど大きく心が揺れ動くのが分かる。

 

(なぜだろう……。すごく重要な気がする)

 

考えにふけるヒカルに佐為は腕を掴み顔を近づける。

 

「放課後、私に付き合ってください! 良いですね?!」

「う、うん」

 

ヒカルは佐為のあまりの凄みにイエスと思わず顔を縦に振る。

 

 

 

キーンコーンカーンコーン……

 

チャイムが鳴り先生が入ってくる。

 

「さぁ、席について!」

 

女性の先生が教壇の前に立って着席を促すと教室にいた生徒は皆その辺にある椅子に腰掛ける。

全員座ったのを確認して先生が口を開く。

 

「まずは入学おめでとう。今日はオリエンテーションで自己紹介をしてもらうわ。」

 

 

 

 

 

自己紹介中、ヒカルの心はずっとざわついていた。

 

(囲碁、、、すごく心がざわめくような安心するような。なんだろう。……そういや、小さい頃はじいちゃん家にあった囲碁セットを見せるとよく安心したように泣き止んでたってお母さんが言ってたっけ。佐為と関係があるってことか?)

 

「藤原佐為です……好きなことは囲碁で____」

 

佐為の自己紹介が始まるヒカルは佐為と言う名前に反応する。

 

(佐為……聞いた覚えがあるような無いような、、、。昔の友達? いや、もっと前から知ってるような? でも藤原ってよりは佐為の方がしっくりくるし、やっぱ知ってる気がする……)

 

うーん、と頭を抱えるヒカル。

そうこうするうちに自己紹介が終わってしまった。

 

「これで全員終わったわね。それじゃ班分けをするから班ごとに分かれてテーマについて話し合ってください」

 

先生が言うと時計に班分けが表示される。

それに従って移動し、親睦を深めるためのオリエンテーションが数回行われた。

 

キーンコーンカーンコーン……

 

終わりのチャイムが鳴る。

 

「はーい! それじゃ、そこまで。明日からは通常のAR授業なので指示に従ったIDで集合するように。以上」

 

先生がそう言うとそのまま話し続ける子もいた中、真っ先に佐為がこちらに向かって来た。

 

「ヒカル! 行きますよ」

「……どこに行くんだよ?」

 

ヒカルはやっぱり来たか、と諦めモードで佐為に行き先を確認する。

 

「もちろん! 碁会所ですよ」

「ゴカイジョ?」

「碁が打てるところです!」

「碁が打てる所? オレ、そんなの打てないぜ」

「良いんです! 私が見せますから」

 

話しながらグイグイとヒカルの手を引っ張って行く佐為。

 

バイクも使わず徒歩圏内にあった碁会所へ連れていく。

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