来者の巴   作:彩加

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第7話

実際に学校に行くのは月に数回だ。

普段はバーチャル学校で授業を受ける。

そのため、佐為ともあれから会っていなかった。

 

もちろん、バーチャルでも授業の合間、休憩中に話すことは出来るため、休憩の度にいつ見せてくれるのかと聞きに来る。

 

「ヒカル!」

「また佐為かよ! しつこいぞ」

「いいえ、しつこくありません。私はただ、今度がいつなのか聞いてるだけです」

「……あぁ、もう! 分かったよ。今度の日曜に学校集合な」

 

あまりにもしつこいため今度の休みに会う約束をしてしまった。

 

「! はい!!」

 

満面の笑みを浮かべる佐為。

 

(こいつの執念にはホント参るぜ)

 

ヒカルはげんなりしつつも口元は少しほころんでいる。

佐為の喜ぶ姿を見ていると何だか嬉しい。

それにまた自分で打てる碁が出来ると思うとワクワクしてくるのだ。

 

その後パタリと休憩中に来なくなった佐為に、

 

(ホント、ゲンキンな奴め)

 

と少々苛つきながらも問題なく授業を受けたヒカルであった。

 

 

 

 

 

日曜日。

佐為との約束を守り学校に行く。

 

一人用バイクに乗って走らせていると校門前には既に佐為がいた。

少し遠く離れていたものの、佐為がヒカルに気付くと、両腕を頭上高くまで伸ばしパタパタと振る。

 

恥ずかしさから苦笑いしつつもヒカルも片手を小さく振った。

 

 

佐為の前にバイクを止める。

 

「おはよ……」

「ヒカル! さっそく行きますよ」

「うわっ! ちょっと待て! まだ電源切ってねぇって」

 

挨拶を遮ってヒカルの腕を引っ張る佐為。

倒れそうになったバイクを慌てて支え、電源を切るヒカル。

邪魔にならない所へ寄せてバイクを停める。

 

「お待たせ。どこに行くんだ?」

 

ヒカルが振り向いて佐為に聞くと、前のめりになって佐為が答える。

 

「前の所です!!」

「ん……。じゃ、行くか」

 

迫力に負けて少し後ずさりながらも佐為の行こうとする方向へ足を向ける。

この前行ったばかりの場所なので、2人は並んで、、、と言いたい所だが今回も待ちきれない佐為がヒカルを引っ張って足早に向かう。

 

 

 

 

ガチャ……

 

「ヒカルは先に座ってください!」

「お、おぅ」

 

ドアを開けると同時に佐為が着席を促す。

ヒカルは奥の空いてる席に座ろうと足を進める。

佐為は受付に行き記名とお金を払う。

 

「いらっしゃい」

「お願いします!」

 

受付への挨拶もそこそこに、ササッと済ませて佐為もヒカルが座った席へ着いた。

 

 

「さぁ! 見せてください!!」

 

佐為は碁笥を2つともヒカルに渡して覚えている棋譜を並べるように催促する。

 

「分かったよ……」

 

ここまで来てそのまま帰る気はないが、佐為の凄みに参る。

 

「うーんと……やっぱ一番印象的なヤツだな」

 

ヒカルは少し考えてからそういうと並べ始めた。

 

 

「これは……」

 

佐為は息を飲んだ。

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