ハーモニクサーD×D   作:無玄

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ちょっとした寄り道的な?



第6話

翌朝、スパァーーンッ!スパァーーンッ!と聞いていて気持ちのいい音が、街に鳴り響く。

 

「はぅぅ……堪りません。」

 

完全に取り返しのつかないことをしてしまった感がする。しかし反省はしないよ。やっちゃったことを一々悔やんでいるような俺じゃないし。

 

「次はスリッパでお願いします!」

 

「任せろ。」

 

懇願されたので、最近某黒光りするアイツを潰した方じゃないスリッパを持ってくる。そしてそれを勢いよくシスターの背中めがけて振り下ろす。さっきより気味のいい音が響き渡った。具体的には、さっきのがスパァーーンッ!なら、ッスッパァーーン!!って感じに。

 

「これがいいんじゃろ?これが。」

 

「ああ……幸せですぅ。」

 

前言を少し修正しよう。正直、かなり楽しいです。ハイ。だって一発叩くたびに幸せそうな顔するんだもん。

 

「さて、今回はこのくらいでやめにしておこう。」

 

「そんな……ハッ!これがいわゆる放置プレイというやつですね。」

 

シスターよ、そんな発想をするお前の魂は汚れきっているぞ。そんなんだからあんな変な神父と組まされるんだよ。

 

「学校があるからしょうがない。ま、実はサボってもいいんだけどね。」

 

別に学校に未練があるわけじゃない。そもそも学校に通っている理由はただ一つ、あの(俺以上の)変態コンビが手に入れてくるエロ本が欲しいだけだからだ。え?生身?ごめん興味ない。

 

「それなら仕方ありません。」

 

「俺がいない間に出かけるんなら戸締り確認してくれよ。」

 

シスターに伝えるべきことは伝えて、自分は学校に行く準備をする。とはいえ昨日は制服を着たまま眠ってしまったので軽くシャワーを浴びて、鞄に必要なものを詰めて持って行くくらいだ。

 

「ん?」

 

ふと気がつくと、外から変な黒猫が室内を……というか俺たちの行動を覗いていた。

 

「あ、行っちゃった。」

 

俺が黒猫の存在に気づいたことを悟ったのか、いきなりどっかに去っていった。変な猫だ。

 

「気にしても仕方ないか。んじゃ行ってくるわ。」

 

いつも通り高校への道を歩き出す。あ~マジ平和だわ~。

 

 

 

 

 

んで、結局何事もないまま午前の授業が終了しちゃった。オカ研からの呼び出しもないし、俺は昼寝をするためにいつもの場所に向かった。学校の屋上にある変な小屋の屋根の下が、俺のお気に入りの昼寝スポットだ。スマホにメールやら何やらが来てないかをチェックして、屋根の下の日陰になっているところに寝転ぶ。

 

「いい天気だ。」

 

光が苦手な悪魔にとっては逆に悪い天気というべきなんだろうか。だが、俺はなぜか普通に昼間でも以前と変わらずに活動出来るようだ。

 

「ふわぁ~。」

 

おっと欠伸が出てしまった。いやぁ最近ロクに寝てなかったからなぁ……。そう考えると昼寝なんてしたのはいt……zzz

 

 

 

 

 

塔城小猫です。今日は天気がいいので昼寝をすることにしました。以前から絶好のスポットがないか校内を探索していたので、目星を付けていたところに行ってみようと思います。

 

「あ。」

 

以前から気になっていた屋上の小屋に着きました。驚くべきことに、そこには兵藤先輩がいました。謎の箱を枕にして、ものすごく気持ちよさそうに寝ています。その姿を見ていたら私も眠くなってきました。

 

「ふわぁ~。」

 

ここから移動するのも面倒なので、このまま寝ます。それではおやすみなさい。

 

 

 

 

 

「ううん?ここはどこ?私は誰?」

 

なんて定番のネタやってる場合じゃねぇ。本当にここはどこだ?なんか墓場みたいな……

 

「ああ思い出した。グレイヴヤードだ。」

 

過去に何回か来たことがある。俺の心の中の空間らしい。本当かどうかは知らないけど、ここでソウルをアレコレするとフュージョンできるモンスターが増えるから、とりあえず本当だと思う。ともかくせっかく来たんだし、何か解放していくか。

 

「せっかくだから、俺はこの地の墓石を選ぶぜ。」

 

地の墓石に今まで貯めたソウルを流し込む。

 

「何が出るかな?何が出るかな?」

 

飛び出してきたのは……青みがかった灰色の毛並みを持った二足歩行する猫。なんか爆弾投げたり泥棒したりする獣人族がリアル等身になった感じだな。正直これとフュージョンするのは躊躇われるな。するけど。

 

「コォォォォォ……」

 

いきなり変な呼吸を始めたぞ。こう……太陽のエネルギーでも生み出しそうな感じの。

 

「ふむ。呼吸による回復かな?それとも攻撃力でも上がったか?」

 

とりあえず戦闘態勢に入る。フュージョンモンスターは倒さないと使えるようにならないからだ。他のやつはどうだか知らんけど。せっかくなのでその力を見せてもらおう。

 

「コァッ!」

 

やつが突き出した手のひらから見えない何かが飛んできた。当たった感触から察するに、これは気弾だ。となるとこちらも遠距離から攻撃できたほうがいいんじゃないか?

 

「ふむ、ここはアモンだな。」

 

冷静ぶって作戦でも立ててみる。結論、アモンでごり押し!べ、別に何も思い浮かばなかったわけじゃないんだからね。

 

「ガァッ……ウォォォォォッ!」

 

融合成功!さてと……やりますか。

 

「コァッフゥゥゥゥゥゥ!」

 

気弾連射か……それならこっちは掴んで投げ返すのがいいか。気弾連射なんてただの悪あがきよ!フハハハハ!

 

 

 

 

 

小猫です。これは夢です間違いありません確定的に明らかですですから早く目が覚めてくださいお願いしますだいたい何故私はこんなところにいるんですか助けてくださいお姉様。……取り乱しました。実は先程から変な墓場にいるのですが……そこでは兵藤先輩(怪物)が笑いながら(に見える)変な珍獣とキャッチボールをしているのです。

 

「コ、ア、ツ、フ、ウ、イ、ミ、ニ、ヤァァァァァァ!」

 

しばらくしたら珍獣の方が奇声をあげ始めました。もう正直こんな夢こりごりです。早く目が覚めるのを待つだけです。

 

「コァコァコァコァコァコァッ!」

 

珍獣の方の動きがいきなり早くなりました。それに応じて球を出す速さも増しています。流石にこのまま続けてもらちがあかないと判断したのか、怪物先輩の方が一旦距離をとりました。

 

「コァ?こぁこぁこぁ?」

 

先程から珍獣扱いしていましたが、どうやら6等身の二足歩行する猫のようです。よく見ると動きがちょこちょこしてて可愛いです。

 

『くらえっ悪魔光線』

 

何か聞こえました。それと同時に、あの猫もどきが、極太ビームによって消し炭にされました。お持ち帰りしたかったのに……。

 

「ふぅ、中々に手ごわい奴だったな。」

 

元の姿に戻った先輩が額の汗を制服の袖でぬぐいながら何かをつぶやいています。あ、今ちょうど目が合いました!

 

「あるぇ~?小猫嬢がなんでこんな所にいるの?ここ俺の心の中だよねぇ。」

 

ここが先輩の心の中?いいえ先輩、ここは私の夢の中です。その証拠にあんな変な猫人がいるんですから。

 

「アレは新しく生まれたフュージョンモンスターだよ。」

 

「サラッと心を読まないでください。」

 

「いやーだってここ俺の心の中の世界だから、ある程度なら何でもアリだって。」

 

先輩がへらへら笑いながら説明してきます。

 

「それで?仮にここが先輩の心の中だとして、出る方法はあるんですか?」

 

「そこの門から外に出ればいいんじゃないかな?」

 

見ると確かに門があります。でもその向こうには何もなくて、正直進むのが怖いです。

 

「んじゃ、お先に失礼。」

 

先輩は迷わず、真っ暗な道を進んでいきます。度胸がありますね。心臓に毛でも生えてるんでしょうか?

 

「俺の心臓は膨らましすぎて破裂寸前の風船みたいなものだ。デリケートなので取り扱いにご注意ってダンボールに書かれてないかい?」

 

また心を読まれました。それにしても先輩、かなり機嫌がいいみたいですね。

 

「わかる?いやー朝から楽しいことばっかりで狂っちゃいそうなんだよ。」

 

心を勝手に呼んでくれるのって慣れると便利ですね。自分が喋らなくてもいいんですから。

 

「ほうほう。便利ついでにスリーサイズを公開しようか?服でも作ってやるぞ。」

 

「前言撤回。それと先輩一発殴らせてください。」

 

「じょ、冗談だよ。」

 

この人はデリカシーというものがないんでしょうか?……っとそんなことをしているうちにいつの間にか先輩に付いて行ってたようで、あの墓場は見えなくなっていました。

 

「お目覚めの時間だ。」

 

キーンコーンカーンコーン

 

 

 

 

 

今日は変な一日だったなぁ。シスターをイジる事から始まって、心の中でフュージョンモンスターを解放したと思ったら小猫嬢が現れた。

 

「そしてこの状況である。」

 

学校から帰ってさぁ家で寝ようと思ったところで、玄関の目と鼻の先で、目の前でシスターが堕天使の群れ(3人)に囲まれて連れて行かれそうになってる。というか連れて行かれた。なんでボーっと見てるのかって?今もう一人の堕天使と戦ってるからだよ。

 

「レイナーレ様の恨み、晴らさせてもらう!」

 

「つーわけで、ホレ。」

 

「ん?キャァァァァァァァァァ!」

 

ちょうど玄関先に置いてあった、某黒光りするアイツを潰したほうのスリッパの底を見せつけながらぶん殴る。ちょっとした精神攻撃だよ。グフフ……しかし可愛い声で鳴くじゃないか。ちょっと興奮してきたぞ。

 

「お・す・わ・り・♡」ニコッ

 

「は、はいぃ///」

 

堕天使に笑顔で命じたら、ものすごいうっとりとした表情を浮かべながら命令に従った。

 

「さて問題です。ここに一本の縄跳びがあります。俺はこれをどうするのでしょうか?」

 

「ゴクリ……どうしちゃうのかしら?」

 

答えは当然、これで堕天使をひっぱたく。――なお、ここからしばらくは音声のみでお送りいたします。――

 

「そぉれ。」バチィンッ

 

「あん///」

 

「こうか?」チタァン

 

「あぁ///」

 

「これが良いのか?」ピシピシピシピシ

 

「も、もっと///」

 

「こんなのはどうだ?」ギュゥッ

 

「あひぃ///」

 

「ちょっと趣向を変えて。」グリグリ

 

「そこはダメェ!」

 

「ついでにこんなのは。」グイッ

 

「むぐーむぐー///」

 

 

 

 

 

ふぅ、つい熱くなっちまった。

 

「も、目的は達成したから下がらせてもらう。あ、こっちに近づかないで!お願いだから……///」

 

と、衣服が乱れきった堕天使は捨て台詞を残して飛び去っていっちゃった。最近の堕天使はSPが足りないなぁ。俺なんてこの程度じゃちっとも減らないよ?

 

「仕方ない。そろそろシスターを助けに行くとしますか。」

 

調教中、すっかりシスターの存在を忘れていたのは内緒だぞ。ということでアモンにフュージョンしてひとっ飛びだ!と思ったが、場所は多分教会だろ?一応部長の許可をもらってくるか。という考えに至り、今来た道を全速力で逆走ダッシュ!なんでフュージョンしないのかって?冷静に考えてみろ。一々フュージョンして、移動して、解除して、会話して、許可もらって、またフュージョンして、教会に行くなんて精神力が神や仏の領域じゃない限りいくつあっても足りんわ!

 

「あ、チャリで行けばよかったんじゃね?」

 

その事実に気づいた頃には、既に視界内に校舎が見えていた。

 




次回、1巻終了(出来たらいいな)。


今回登場したオリジナルフュージョンモンスターの簡単な説明です。

名称:毛獣人

属性:地属性

特技:深呼吸(体力回復)遠当て(地属性攻撃)九字(SPDアップ)

説明:塔城小猫の魂の影響を受けて生まれた小凶神。地の力と不完全ながら仙術を操る。
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