夏休み2日目の夜。
寝る前に少し携帯をいじっていると
「ん?日南か」
日南からLINEが入った。
内容は…
『こんばんは!8月の4~5日って空いてるかな?』
『空いてるぞ。なんかするのか?』
『バーベキューに行くんだけど、どうかな?』
『バーベキューか。いいな。俺も行くよ』
『おっけー!それで、みみみの家に集まって会議することになってるんだけど…明日か明後日は空いてるかな?』
『夕方までならどっちでも大丈夫だな』
『りょうかい!そしたら、明日の14時に北与野駅集合ね!』
『了解した』
バーベキューか。
息抜きには丁度いいな。
そんなことを思いながら眠りについた。
そして翌日の会議の日。
集合場所には15分前に着いた。
まだ誰も来てないな。
ちなみに今日の服装はサンダルにカーキのハーフパンツにネイビーのポロシャツ、そしてキャップだ。
そうして待っていると、水沢が来た。
そういや、誰が来るのかとか全く聞いてなかったなぁ。
「おう、有城」
「おーぅ。水沢もいるのかぁ」
「んー?メンバー聞いてないのか?」
「あぁ。聞くの忘れたんだよなぁ」
そう言うと水沢は笑いながら俺の隣に来る。
そして話ながら待っていると文也がきた。
「おう、文也」
「よぉ。文也もか」
「お、おお」
「それにしても暑いねぇ」
「ほんとだな。あっちい」
「そ、そーだなー」
「うまくいくといいなー、合宿」
「くっつけ作戦、なんだもんな」
なにやら合宿には目的があるみたいだ。
本当に何も聞かされていない。
と言うか俺も聞いてないからなぁ。
「んー?なにをくっつけるんだぁ?何にも聞いてないんだよねぇ」
「はっ?まじか?誰に誘われたんだよ」
「日南だなぁ」
「ふーん。まぁあれだよ。優鈴と修二」
「あの2人かぁ。うまく行くんじゃねぇの?どっちかが踏み出せばくっつくだろうよぉ」
「はは!だよな!でもあいつらお互いに純情だからな」
「泉だけじゃなくて…中村もそういう感じなのが意外だよな」
「あいつはもともと単純っつーか、そうゆうやつなんだよ。ほらアタファミとか。思い当たる節あるだろ?」
「あー、たしかに」
「不器用そうだもんなぁ」
そうして3人で話していると、みみみと日南も着いたみたいだ。
手を振りながら小走りで駆け寄ってきた。
「おおーっ!早いね男子~!待った~!?」
「おまたせ~」
「おーぅ。別に待ってないぞ」
「ホントに有城は目立つよね!もはや目印だよ!」
「それよく言われるんだよなぁ」
そんな話をしていると文也の様子がおかしいことに気づいた。
なんか決心した顔してるねぇ文也のやつ。
そして、文也は唐突に口を開いた。
「な、なんか、有城と水沢がならんでると王子とそれを守る騎士みたいだよな…なんて」
「ちょっ!ブレーンなにそれ!?」
と言いながら笑っているみみみ。
ほぉ、ならここは…文也の勇気に免じて乗ってやろうではないか。
俺は日南に手招きをして、水沢の隣に立たせる。
そして水沢と日南の前に立ち芝居がかった口調で…
「この悪い魔法使い達からは私がお守り致しましょう。孝弘様、葵様」
2人とも呆けているが…はたして乗ってくるか?
「うむ!くるしゅうないぞ!」
「誉めてつかわす!」
ナイスだ。
みんな笑ってるようで良かった。
ん?少し日南の顔が赤いように見えるな。
まぁいいかぁ。
そうして、結局文也の家に向かうことになりその道中。
「有城ってあんなことするんだね!びっくりしちゃった!」
「ホントにねー!一瞬なにが起こったのか分からなくなっちゃったもん!」
「まぁ日南と水沢がのってきてくれなかったらただの痛いやつだけどなぁ」
「くくっ。それな!てかさっきみたいに名前でいいぞ?俺も楓って呼ぶし」
「ん?そうか?なら孝弘って呼ぶなぁ」
「あ!わ、私も…いいかな?」
日南が下から覗きこんで言ってくる。
俺のが大分背が高いから仕方ないかもしれないが…こいつはわざとやってる…と思う。
「うーん…あざといなぁ」
「えっ!ひどくない?今の流れは普通に呼んでくれるとこじゃん!」
「冗談だ。葵様ぁ」
「っ!」
「んー?照れてんのかぁ?」
おぉ、また一瞬でもとに戻った。
毎度どうやってんだろうなぁ。
「べつにぃー!よろしくね楓」
そう言って葵はみみみの方に合流していった。
すると、少し後ろを歩いていた文也が何かを呟いた。
内容こそは聞こえなかったが、何か驚いているような感じだった。
「日南のあんな顔初めて見たな」
「文也?なんか言ったかぁ?」
「い、いや!なんでもない!」
「そうかぁ。ま、俺らも早く行こうぜぇ」
気にしても仕方ないと思い、会議場所になった文也の家に向かっていく。
そして、文也の家に着いたのだが…
友崎の妹らしき子が出てきて俺たちを見て驚いている。
ってか、どっかで見た顔なんだよなぁ。
「ひ、日南先輩に…七海先輩に…水沢先輩に…あ、有城先輩まで!?」
あの慌てっぷり…思い出したわ。
「んー?…あぁ。あの時のプリントぶちまけてた子じゃんかぁ」
確か…転校して1週間たったくらいだったか?
階段のことで盛大にぶちまけてたなぁ。
「そんなことあったのか?」
「う、うん」
「それで、優しくされて好きになったと?」
相手が身内と言う事もあってとてもいきいきしながら妹をいじっている。
皆もなんか暖かい目を向けている。
「うん。………はっ!ち、違う!」
「ははっ!ちょっとショックだなぁ」
妹ちゃんは恥ずかしさと文也へのイライラでうつむいてプルプルしている。
遂には顔あげて文也を睨みはじめたが、なにかに気づいたように家の中へ入っていった。
「お母さーん!お兄ちゃんが友達…なのかな!?と、とにかく同級生のすごい人たち連れてきたー!!」
「え!?文也が…同級生を!?友達!?ど、どういうこと!?」
すると、次は母親らしき人が出てきて騒ぎ出した。
2人してあたふたしてるなぁ。
そして、そんな2人をよそにみみみが笑いだし言った。
「いやあ、友崎んちおもしろいね!」
「なんか褒められてない気がする…」
「いいじゃねぇか。賑やかでよぉ」
「だな!案外褒めてると思うぞ?」
「はあ?そ、そうか…?」
家にお邪魔する前にこんなことがあったが、無事に通してもらった。
みみみ、水沢の順で入っていくが…
「みみみ、孝弘。靴ぐらい揃えてけよぉ?」
「あっ!そうだね!ごめーん!」
「たしかにそうだな。悪い悪い」
2人とも素直に直して中に入っていく。
俺も続いて入ろうとすると、驚いた顔でこっちを見てるのが1人。
「なんだぁ葵?そんなに意外かねぇ?」
「ううん!しっかりしてるんだって思って!」
「まぁ礼儀は一通り習ったからなぁ」
「武道だもんねぇ!………強いだけじゃないんだね」
「ん?どうしたぁ?」
「なんでもないよ!私たちも行こっか!」
こうして、ようやく会議場所である文也の部屋に到着した。
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