文也の部屋。
会議を始めるまでに色々とあったが、中村・泉くっつけ作戦の案を出し合っている。
「やっぱり肝試しは必須ですよみなさん!ベタがなによりも美しいっ!」
「たしかにそのくらいしてやらねーとあいつらなんも起きなさそうだもんな。ありだな」
「た、たしかに、吊り橋効果ってよく言うもんな」
「そうそうそれそれ吊り橋効果!さすが友崎分かってるねえ!」
「2人っきりで深まる仲!」
「うんうん。青春だねぇ」
「おっさんくせぇぞ楓!」
「ははっ。まあなんにせよ、あとはきっかけだけだろうなぁ」
肝試しには皆賛成のようで、俺がそう言うとみんなが頷く。
「優鈴はもう確認したから間違いないしね」
「それに、なかむーも絶対ちょー気になってる!私にはわかる!」
「いや、それは誰にでもわかるから」
「さすがにねぇ」
「え!?嘘!?」
「いやホントホント。文也だってわかるよな?」
「おう、さすがにわかる」
「ええー!?」
みみみの場合、本当に自分だけだと思ってたっぽいよなぁ。
そんなみみみをよそに、文也が意見を出す。
「バーベキューするんだよな?」
「ん?そーだな」
「そしたら、そこの役割分担でも2人っきりにできるんじゃないか?」
「いいんじゃねえのぉ?」
「火おこしとかな!」
「いや、それよりも…食材カットとかがいいんじゃない?」
「そうか?」
「まぁたしかに火おこしは難しいからなぁ。そっちでいいんじゃないかぁ?」
こんな感じで話し合いが進んでいった。
ある程度の方向性が決まってきた所で孝弘が呟くように言った。
「けどまあ、あれだよな」
「んーどうした少年?」
「ほら、俺らそろそろ3年になったら受験だろ?」
「そ、それは言わない約束…!」
「いや、じゃなくて、さ」
あぁ、そうゆうことか。
やっぱり色々考えてるんだなぁ。
「もう好きに遊べる時間少ないから、この合宿でくっつけてやりたい、でしょ?」
「まぁそれがあいつらの為にもなるよなぁ。どうせくっつくんだろうしよぉ」
「まあ、そんな感じ」
仲間思いだねぇ。
本当にいいやつばっかだ。
そう思っていると、珍しく文也が孝弘をいじりにいった。
「水沢、さては照れてる?」
「だよね!?私も今思った!タカヒロ照れたっしょ!この~!いいやつぅ!」
「ははは。だろ?俺はな、いいやつなんだよ」
「本当にいいやつだなぁ。孝弘ぉ!俺はそうゆうとこ好きだぜぇ」
本当にこいつらといると、今までできなかった経験が色々できて楽しいな。
俺は嬉しくなって孝弘の肩を組にいく。
そうしてわちゃわちゃしてると…
「でもさー、ワタクシもその気持ち、わかりますよ!せっかく両思いなんだし、あの2人、絶対相性いいからもったいないよね!それに、青春は…いつか終わるから…うう」
「だよな」
うん。本当に好きだこいつらのこと。
もっと仲良くならないとな。
そしてその後も色々と話をして、時刻は午後6時頃。
そろそろ解散の時間だな。
俺も練習あるし。
「あ、私そろそろ帰らないとだ!おばあちゃんと家族で夜ご飯食べに行くことになってるんだよね!」
「あー。俺もそろそろ。練習行くからよぉ」
「夏休みも練習あんの?頑張るなあ」
「おー。毎日なぁ」
「え!?毎日!?合宿は大丈夫なの?」
まぁ当然の疑問だろう。
もしかしたら、気を遣わせてるとか思われるかもしんないしな。
「あぁ。気分転換に行ってこいってよぉ。まぁ夏休みに試合もあるしなぁ、練習だけだと逆に。むしろちょうどいいくらいだぁ」
「なら良かった!」
「そしたら解散にしとくか!語り尽くしたしな!」
「ははは、そ、そうだな」
「あ、楓!LINEグループ誘っとくね!現地での作戦会議にも使えるから!」
「おーぅ。よろしく」
「あ、あと友崎くんも!」
「おお、おっけー」
「よーし、いくか。忘れ物ないか~?」
「DVDを見つけられなかったことが心残りではあります!」
「ありゃ、見つからなかったのかぁ?いい線いってると思ったんだけどなぁ」
「まだ言ってるの?」
そうして玄関に向かい、文也の妹に見送られて帰路に着いた。
俺は1人歩きながら物思いに更ける。
こんなにも何かが楽しみになるのなんて初めてだな。
大切にしなきゃな。
あいつらのことも…この時間も。