有城くん奮闘記(リメイク版)   作:icy tail

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第17話

ナンパを撃退して、今は川で遊んでいる。

俺は孝弘、葵、みみみ、竹井と腰の辺りまで水があるところにいる。

葵はいつの間にかいつも通りに戻ってたなぁ。

まぁ楽しもうかね。

少しの時間がたったところでみみみが声をかけてきた。

 

「ね!ね!有城!」

 

「ん?なんだぁ?」

 

「さっきみたいな感じで私のこと投げて!ドーン!って!」

 

「おぉ。いいぞぉ」

 

「やった!じゃお願いしまーす!」

 

「そんじゃ、失礼しますよーっと」

 

俺はみみみをかかえて振り子の要領で遠くに投げてやった。

やっぱ軽いから結構飛んだなぁ。

 

「ぷはぁー!なんだこれ!楽しー!もう1回!」

 

「はは、元気だねぇ」

 

そうして何回か繰り返していると、誰かに肩をたたかれる。

振り向くと…

 

「ん?どうしたぁ?葵」

 

「私も!投げて!」

 

「おぉ。いいぞぉ」

 

みみみと同じ要領でかかえてやると、葵が俺を見上げながら言った。

 

「ねぇ楓!」

 

「なんだぁ?」

 

「優しく…してね?」

 

こいつ…

さっきの仕返しかなんかかぁ?

 

「はぁー。だからぁ!あ・ざ・と・い!」

 

と、思いっきり投げてやった。

少しグッときたのは内緒な?

葵が抗議の声をあげてくるが、俺は悪くない。

 

「けほっけほっ…ちょっとひどくなーい!?」

 

「俺は悪くないだろうよぉ」

 

「…だって悔しいんだもん!」

 

「だもん!じゃねぇ。ってかやっぱり仕返しかよぉ」

 

そんなやり取りをしていると、明らかにそわそわして仲間に入りたそうな竹井が目に入った。

 

「それはそうと男供も投げてやろうかぁ?お前らくらいなら楽勝だぁ」

 

「はは、俺は遠慮するわ」

 

「俺はもちろんいくよなぁ!」

 

竹井は嬉しそうに寄ってきた。

ふむ…結構深いし大丈夫だな。

 

「おーし。じゃぁ竹井は特別に背負い投げしてやろうか」

 

「まじ!?やってやって!!」

 

「おぅ。お前ら少し離れてろよぉ」

 

俺はそう言って少し離れさせると、勢いを着けて7割程度の力で投げてやる。

 

「……ふっ!」

 

「っ!?うおっ!」

 

竹井が浮いて、水に叩きつけられたことで大きく水飛沫が上がり見ていた3人も頭から水をかぶった。

 

「あっはっはっ!迫力すごー!」

 

「竹井死んだ?笑」

 

みみみと孝弘は笑いながら拍手をしている。

葵は…

 

「…っ///」

 

(なに!なんなの!あんなのズルい!うぅ~カッコ良すぎる~!///)

 

髪で表情は隠れていて見えないが、顔をうつむかせて震えている。

何かあったのかと思い葵のもとに向かおうとすると、投げられた竹井が水から勢い良くあがってきた。

 

「ぶはぁっ!背中いって~!」

 

「おー!竹井生きてたな!」

 

「あはは!背中真っ赤~!」

 

竹井に気を取られて一瞬視線が外れて、またすぐに葵に視線を戻すといつも通りに戻っていて孝弘とみみみと一緒に竹井を見て笑っていた。

…大丈夫なら別にいいか。 

そして、しばらく遊んだあと、竹井と一緒に浅瀬で遊んでいる修二たちの方へ向かう。

 

「おーい優鈴っち~!水着着てんなら優鈴っちも深いとこいこーぜー!」

 

おー、またこいつわ。

空気読めないというか、読まないというか。

まぁ作戦伝えてない俺が言えることではないかぁ。

 

「えーだって濡れちゃうし~」

 

「んなこと言わないでさ~!ほらちっちゃいカニ」

 

「うえぇ!?」

 

竹井がいきなり泉の顔の前に捕まえたカニを見せる。

別に悪気はないのだろうが、驚いた泉は足を滑らせて体制をくずす。

 

「…っ!」

 

近くにいた俺は急いで向かおうとしたが…俺が行かなくても大丈夫そうだ。

修二がいたなぁ。

 

「あぶな…っ!!」

 

修二はギリギリのところで泉が転ぶ前に助けることに成功した。

ナイスキャッチだな。

泉は顔を赤くしながらお礼を言っている。

 

「…っ!あ、ありがと…修二」

 

「…大丈夫かよ」

 

「う、うん…どこも、痛くない」

 

「…つーか、なに転んでんだお前。だっさ」

 

「う、うるさい!…けど、ありがと」

 

これは絶対に距離縮まったなぁ。

案外ナイスだぞ竹井。

そして、急いで謝りに行こうとしてる竹井を俺が止めておく。

 

「竹井ぃ!ストップだぁ!ハウス!竹井、ハウス」

 

「でもよぉ!俺悪いことしたっしょ…?」

 

「まぁ、謝るのはあとでいいだろぉ」

 

「う、うん?」

 

俺の言ったことに首をかしげている竹井は置いといて、泉と修二の方に視線を向ける。

ふむ。キスはしなかったかぁ。

そしてこちらに気づいた葵が声をかけてくる。

 

「大丈夫~?」

 

「だ、だいじょうぶ~!なんとかなったー!」

 

そう言って葵達の方に手を振る泉だが…

ん?

ありゃちょっとまずいなぁ。

修二も気づいてない。

多分まだ俺しか気づいていないが、泉が水着の上に着ていたTシャツが体に張り付いてラインがクッキリ見えてしまっている。

 

「修二ぃ!」

 

「ん?」

 

俺の声に気づき、 こっちを向いた修二に合図を送ってやる。

 

「…っ!?おい優鈴。このまま行くぞ。サンキュー楓」

 

「えっ!?う、うん///」

 

そうして修二は泉を抱きかかえたまま、更衣室へ向かっていった。

間に合って良かったなぁ。

 

 

 




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