俺の自己紹介のあと、すぐに授業にはいった。
そして休み時間。
俺の回りには先程の自己紹介の時に質問をしてくれたメンバーが集まっている。
「柔道かー。すごいねぇ!痛くないの?あっ!こちら私のたまちゃんです!」
「唐突だなぁ。まぁ痛いけどさ。えーっと、たまちゃん?よろしくなぁ」
「私はみんみのじゃない!あ!有城よろしく!夏林花火ね!」
「よろしくね。夏林」
みみみと一緒に来ていたのは夏林だ。
通称たまちゃん。
背が小さいが、見た感じだと思ったことをズバズバ言うタイプだと思う。
2人は俺をよそにわいわいやっている。
そんな時水沢が話しかけてきた。
水沢の隣には竹井ともう1人男子が来ている。
「てかさ、うちの高校って柔道部なんてあったか?」
「あー。それ俺も思った。俺は中村修二な」
「中村ね。よろしく。この学校には柔道部は無いみたいだね。多分、高校の名前だけ借りて大会とかは出ることになると思う」
「ふーん。大変なんだな」
「まぁ、いままでもそうだったから別に大丈夫かな」
「大変だよなぁ!」
そんな話をしていると、水沢が転校のことについて聞いてきた。
まぁ普通は気になるよなぁ。
「そーいえば、転校多かったんだよな?何回くらいしてんの?」
「そぉだな…高校生になってからここで4回目だ。父さんの転勤が多くてなぁ。ひどい時は1ヶ月ってのもあったぞ」
「それはそれは…」
「まぁ、やっと落ち着いたらしいから今回は大丈夫だろぉな。だから仲良くしてくれなぁ」
「おう。もちろん!」
中村と竹井ももちろんだと言ってくれた。
すげぇ嬉しいな。
もう転校の事を気にする必要はなさそうだし進んで関わっていこう。
そして、話を終えて中村と竹井は席に戻った。
水沢は友崎に用事があるみたいで残っている。
「友崎」
「…ん?えーっと、また呼び出し…?」
「はははは!違う違う!普通に話しかけただけ。どんだけ呼び出されなれてるんだお前!」
「普通に話しかけただけ、って?」
「だけ、って?もクソもねーだろ。ほら、こないだすごかっただろ?」
「こないだ?ってああ、紺野エリカとの…」
紺野エリカって誰だ?
まぁ今なら入れそうだな。
せっかくだから話に入ってみるかね。
「あー。なんかあったのか?」
「有城気になる?いやさー、こいつがエリカの恨み買ってさ、めっちゃ面白かったわ!」
「ちょっ!う、うるせ!」
だからエリカって誰よ。
とにかく、事の顛末を聞いてみた。
そして、俺が思うのは…。
ほー。友崎かっこいいじゃんかぁ。
そんなこと言える男だったのか。
びくびくしてるように見えるけど芯はしっかりしてんだな。
まぁアタファミ愛にはビックリだけどな。
「友崎。お前かっこいいなぁ。なかなかできることじゃあねぇよ」
「へ…?」
「有城もそう思う?俺も嫌いじゃないんだよな」
「ちょっ、え?み、水沢まで?」
なんかめっちゃキョドってる。
こうゆうのにも慣れてないんだろうなぁ。
でも、話を聞いた限りだと素直に称賛できる。
「多分俺も、柔道のことをなにも知らないやつに馬鹿にされたらむかつくしなぁ。ましてや、なにも努力してないやつに言われんのはさらに腹立つ。だから、友崎がしたことは誇っていいと思うぞ。少なくともキモいとかだせぇなんて俺は思わん」
「俺もそう思う。しかも、あんなことを堂々と言えちゃうお前にちょっと感動したっつーか、俺らみたいな味方もいるぞって伝えときたかったっつーかさ」
「み、味方」
なんか噛み締めてる感じするなぁ。笑
嬉しいんだろうがなんか面白い。
「ま、だからなにってわけじゃないけどさ。今度ゆっくり何人かで飯でもいこーやって話!」
「お、おっけー」
「それさ、俺も行って大丈夫か?」
せっかくこんな良い奴らに出会えたんだ、ここで踏み出さない選択肢はないな。
「もちろん!友崎もいいよな?」
「お、おう」
「もちろん修二はなしでな」
「え、ああ」
あれ、中村呼ばんのか。
まぁ逆に中村が気まずいか。
友崎と水沢もそんな話してるしな。
俺がそんなことを考えているうちに上手くまとまったみたいだな。
「じゃあまた声かけるわ~!」
「おーぅ」
「おっけー」
そうして話は終わった。
ちょっと楽しみだな。
主人公プロフィール
有城 楓(ありしろ かえで)
小さい頃から柔道をしている。
背が高く体格は良いが普段は覇気がなく、語尾がよく下がる。
勝負事になるとスイッチが入り雰囲気が一変する。
柔道の時は特に顕著にでる。
別段、鈍感と言う訳ではないが恋愛経験がないためか少し疎い部分がある。