有城くん奮闘記(リメイク版)   作:icy tail

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第24話

夏休みが終わり今日から学校だ。

教室に着くと、孝弘と修二と竹井が後ろで集まっている。

とりあえず声をかけに向かった。

 

「はよー」

 

「おっす、楓」

 

「おー」

 

「おいーっす!」

 

その後なんでもない話をして席に着いた。

文也はまだ来ていないみたいだ。

 

「有城、おはよー!」

 

「おー、はよー」

 

すでに席に着いていた泉と挨拶を交わしていると、文也もきた。

 

「おお、2人とも久しぶり」

 

「久しぶり!合宿以来だね~」

 

「おー、久しぶりだなぁ」

 

そして挨拶もそこそこに話題は泉と修二のことになる。

 

「てかさ、結局あれから中村とはどうなの?」

 

「俺も気になるなぁ」

 

「え!?えーっとね!ま、まあ、夏休みは修二が家のことでいろいろ忙しかったらしくて、まだ出掛けたりとかはできてないんだよね…」

 

「ふーん。そうかぁ」

 

「そーなんだよね。…けど、さ」

 

「うん、けど?」

 

「来週末…2人で買い物いくことになった」

 

「おお!そうなのか!やったな!」

 

「おー。そりゃ良かったぁ。頑張れよぉ」

 

「うん。ここまできたら、がんばる」

 

うんうん。青春だねぇ。

この2人はもう時間の問題だろうな。

 

「ていうかさ!2人こそどうなの?」

 

そんなことを考えていると、泉がこんなことを聞いてきた。

文也はなにかあたふたしているが、俺は夏休みにあったことを思い浮かべてみる。

 

「え、な、なにが?」

 

「俺もかぁ?」

 

「なんか最近はそうゆう恋バナ的なの、ありそうじゃん!?」

 

「い、いや…と、特には…」

 

「そうだなぁ…」

 

恋と聞いても、まだちゃんとした実感はない。

頭にはある2人が思い浮かんでいるが…

 

「怪しいな~」

 

そうして頭を悩ませていると、みみみが会話に入ってきた。

 

「なになにお三方!?ひょっとして、えろい話!?」

 

「聞いてよみみみ!実はいま2人のね…」

 

「いや泉いいから!説明しなくていい!」

 

「おーっと!?やっぱりこれはえろい話フラグ!」

 

「いや、違うけどなぁ」

 

みみみを加えて4人で話していると、もう1人こちらに寄ってきた。

 

「女の子がそういうこと大きい声で言わない!」

 

「おおう…。たまのお叱り、疲れた体に染み渡るぅ…!」

 

「おい、みみみ。そろそろやめろよぉ?」

 

そう言って、花火に突撃しようとしているみみみの頭に軽くチョップをかます。

 

「たははー!怒られちった!」

 

「花火ぃ。朝から大変だなぁ」

 

「あっ!楓!いつものことだから気にしてない!」

 

「ん?んん?楓?花火?んんん??」

 

そう話していると、みみみが俺と花火の顔を交互に見てくる。

そして、驚いた様子で質問をしてきた。

 

「も、もしかして!夏休みに何かあったのかー!?」

 

「あー。夏休みに花火のいむぐっ…」

 

俺が花火の家に行ったことを言おうとすると、いつの間にか横にきていた花火が俺の口を抑えてきた。

 

「な、なんもない!」

 

言わないでほしいってことかぁ。

 

「ぷはぁー。まぁ想像にお任せするわぁ」

 

「絶対になんかあったじゃん!」

 

「なんかあったのは確実だね!」

 

「むむむ!またしても私のたまにー!」

 

そう言って花火に抱きつきにいく。

 

「ちょ、ばか、みんみ!」

 

「ね、ねえ。たま…」

 

急に真剣な声になるみみみ。

急なことに、花火も聞く体制をとっている。

 

「…え?」

 

「ひょっとして…」

 

あぁ、これはアホなこと言うなぁ。

 

「な…なに?」

 

「…ボディソープ、変えた?」

 

ほらなぁ。

花火は顔を真っ赤にしながらみみみを叱る。

だが、それだけじゃ罰が軽いなぁ。

 

「人の体の匂いを勝手に覚えない!」

 

「てへ!」

 

そんなアホなみみみに俺はさっきより強めにチョップをお見舞いする。

 

「おい、アホ。少しは抑えろよぉ。…花火、大丈夫かぁ?」

 

「う、うん!///ありがと!」

 

「い、痛い…」

 

自業自得だなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みみみに制裁を加えたあと、先生が来てホームルームが始まる。

 

「よし席につけ。チャイム鳴ってるぞー」

 

皆が静かになったのを確認して、先生が話し始めた。

 

「…さて、みんなはまだ2年生だが…」

 

そうして説明を聞き進路調査のプリントを書いて提出する。

どうやら時間が余ったみたいなので、他のことも済ますようだ。

 

「…うん。それじゃあ時間も余ったことだし、こっちも決めておこうか。3週間後にある、球技大会の話だなー」

 

球技大会があるのかぁ。

楽しみだな。

 

「待ってました!」

 

「ああそうだな、待ちわびたな竹井。と言っても、この時間から決められるのはそうだな…男女のそれぞれのキャプテンくらいか」

 

今の時間はキャプテンを決めるのに使うらしい、それにともないキャプテンの仕事を先生が説明する。

 

「ーーー誰か立候補者はいるかー?」

 

「俺やるっすー!」

 

1人やる気を出していた竹井は案の定立候補をした。

こう言う時に竹井みたいな人がいると助かるんだよなぁ。

 

「よーし、他にいないなら男子は竹井で決定だな!」

 

「っし!絶対サッカー取ってくるわ!」

 

「お前そう言って去年じゃんけん負けて、バレーボールになってただろ」

 

「いいっしょそのことは!てなわけで葵!相棒はお前に決めた!」

 

「ん~?けどたぶん、私はダメですよね、先生?」

 

「あーそうだな。日南は今学期から生徒会長としての仕事が入るから、球技大会キャプテンとの掛け持ちは、残念ながら却下だ」

 

「まじかよーっ!?ぜったい葵立候補すると思ったから手挙げたのに!?」

 

「ははは。まあそこはあきらめるんだな。それとも、やっぱりやめとくか?」

 

「いや、わかりました!でも俺やるっす!」

 

どうやら、葵は生徒会長だから掛け持ちができないようで女子の方は男子のようにあっさりとは決まらなそうだ。

 

「はっはっは。そうかそうか。じゃあまかせたぞ竹井。ということで男子は決定として…女子はどうだー。いないかー?」

 

葵ができりゃすぐ決まったろうけどなぁ。

どうやらやりたがる奴はいないみたいだ。

 

「ドンマイ。みんな、お前と一緒じゃいやだってさ」

 

「人気ないなぁ。竹井」

 

「え!?そーいうことなの!?」

 

俺は暇だから孝弘に乗っかって竹井をいじりに参加していた。

喋りづらい空気を察知した先生が口を開いたが、また数秒の沈黙が流れた。

 

「んー、女子は誰もいないのか~?」

 

「てかさー、優鈴やれば?」

 

その時、面倒くさそうな声が教室に響いた。

紺野だ。

 

「え。えと、私?」

 

「なんかさー、優鈴たしか1年のとき、2組のキャプテンやってなかった?」

 

「あーうん。…やってた、けど」

 

「やっぱそーだよね!じゃあ慣れてるし、丁度よくない?」

 

「あー、えっと…いや、でも…」

 

「なに?」

 

「私、今年はキャプテンやりたくないっていうか…」

 

「あっそ。じゃあいいけど」

 

どうやら1年の時は泉がキャプテンをやっていたらしい。

まぁ押し付けではないから別にいいけどよぉ。

こいつが口開くとろくなことにならねぇんだよな。 

そしてまた、沈黙が流れる。

次に口を開いたのは、またしても紺野だった。

 

「じゃあさー、平林がやればー?」

 

「…ぇっ?」

 

そして、次に紺野が名指ししたのは明らかに面倒くさいからこいつに押し付けようと言った雰囲気だった。

あぁ、やっぱり気に食わねぇ。

泉の時はまぁ、仲良いんだろうし実績があるからまだ分かる。

だが、これは違ぇ。

俺は我慢できずに口を開いた。

 

「あのさぁ、紺野がやればぁ?」

 

「…は?」

 

「だからぁ。そんなに言うんだったらお前がやれよ」

 

さっきまでなにも関心なさそうにしていた紺野がこっちを睨んでくる。

全然怖くねえなぁ。

 

「は?なに言ってんのあんた?」

 

「なんだぁ?理解できなかったのかよぉ?キャプテンはお前がやればって言ってんだよ」

 

そう言って軽く睨んでやる。

 

「…っ!」

 

俺が追い討ちをかけようと思ったところで、この雰囲気に耐えられなくなったのか、紺野に名指しされた平林が自らかってでた。

…悪いことしたなぁ。

 

「わ、私、やります」

 

「あ、ああ、そうか。平林が大丈夫ならいいんだが」

 

「えっと…大丈夫です。はい」

 

そう言った平林の顔には不安はありそうなものの、諦めたような雰囲気は感じられなかった。

はぁー、だめだ。熱くなっちまったなぁ。

 

「えー、ではこのクラスの球技大会キャプテンは、竹井と平林、ということでいいな?」

 

「おっけーっす!ミユキちゃんよろしくぅ!」

 

「あ、え、えーっと、うん…よろしく」

 

そうしてキャプテン決めが終わった後の休み時間。

 

「平林。悪かったなぁ。俺が紺野に噛みつかなけりゃ断ることだってできたろうによぉ」

 

「あ、有城くん。わ、私は大丈夫だよ。むしろ、少し勇気もらえた…かな」

 

勇気…なぁ。

 

「ははっ、そうかぁ。まあなんかあったら頼ってくれぇ」

 

考えすぎだったなぁ。

こうして、朝のホームルームは終わった。

 

 




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