有城くん奮闘記(リメイク版)   作:icy tail

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第26話

喧嘩の理由を聞き出したあと、ファミレスで作戦会議をして方針が決まった。

内容は、

・今度の数学のテストで葵、文也、泉が90点以上取る。

 

・小テストのプリントを修二の家に届けに行ったときに修二の母親に点数のことをそれとなく伝える。

 

この作戦のポイントになるのは、修二の母親にアタファミをやっていても勉強に支障が出ないとゆうことを伝えるということだ。

そして、翌日の放課後。

葵による文也と泉のための数学勉強会が行われていた。

 

「なぁ、葵」

 

「なーに?楓」

 

「なんで俺まで呼ばれたんだぁ?」

 

「えっとねー!き・ぶ・ん♪」

 

「はぁー。あざとい」

 

「いたぁ!?」

 

問題なのは俺まで呼ばれていることだ。

別に構わないのだが少しイラッとしたのでとりあえずデコピンしといた。

まぁ、俺も勉強するかぁ。

そうして勉強が始まった。

 

「あー、そうそう。そこに代入すれば…ね?」

 

「なるほどな」

 

「ほぉー。教えるのうまいなぁ葵」

 

さすがに学年一位。

教えるのが上手い。

 

「でしょ?どこか教えよっか?」

 

「んじゃ、頼むわぁ。ここなんだが…」

 

せっかくだから俺も分からないところを聞こうと思い教科書を見せようとすると、葵が立ち上がって俺の隣の席にくる。

 

「あっ!ちょっと待ってね!そっち行く!」

 

「ん?あぁ」

 

「よいしょっと!どれどれー?」

 

「…なぁ。近くねぇかぁ?」

 

どうやら葵は何かを企んでいるらしく、俺にギリギリまで近寄ってくる。 

 

「そんなことないと思うけど?あれれ?もしかして照れてるのー?」

 

こいつも懲りないねぇ。

ちょっとお灸を据えないとな。

きつめによぉ。

 

「いや、照れてないぞぉ。ここを教えてほしいんだよなぁ」

 

「なーんだ、つまんなーい!…まぁいっか!どこー?」

 

そう言ってノートに視線を移した葵の腰に手を回して軽く抱き寄せる。

突然のことに、対応が遅れた葵は驚いたような声を上げる。

 

「えっ…?」

 

そして俺は葵の耳もとで…

 

「誘ってんのかぁ?食っちまうぞ?」

 

「ひゃっ!///」

 

葵は俺から距離を取り、耳をおさえて顔を真っ赤にしている。

お仕置き完了だぁ。

 

「あ、あのー。イチャイチャするなら帰ってもらえる?」

 

「私も修二と…/// 」

 

文也が呆れた顔をしていて、泉は顔を赤くしてトリップしてしまっている。

大分、カオスな状況だった。

葵ぃ。お前のせいだぞ。

なんやかんやで、仕切り直して勉強会。

 

「え、えーっと。…このXに?」

 

「う、うん。それじゃあ、さっきの公式2を使ってみるとよくて…」

 

「こ、公式2ね!えーっと。…こ、これ、どうゆう意味だっけ?」

 

「あ、あのね、これは…」

 

「うん…ご、ごめん」

 

初めはスラスラと教えていた葵だったが、時間がたつにつれてぼろがでてくる泉に少し教えあぐねているみたいだ。

俺はしばらく何も言わずに眺めていたが、2人がひと息ついたところで思ったことを告げた。

 

「泉ぃ。よくこの高校受かったなぁ」

 

「う、うるさい~!…けど、だんだんわかってきた!さすが葵先生!」

 

「んー、けど私そろそろ部活いかないとかな。優鈴はいいの?」

 

「あ!そうだった!そろそろいかないとか!」

 

「そしたらあとは各自で自主勉かな?」

 

「そ、そうだね…」

 

泉はまだ不安そうだなぁ。

そんなことを考えていると、黙々と勉強をしていた文也が口を開いた。

 

「あのさ、日南」

 

「…ん?なに?」

 

「あのさ、俺まだ不安なところあるから、部活終わったあとにまたちょっとだけ教えてくれないか?ファミレスとかでさ」

 

さすが文也だ。

回りを見てるなぁ。

 

「いいんじゃねえかぁ?泉も不安みたいだしよぉ」

 

「う、うん。葵が大丈夫なら、そうしてくれるとすごい助かる!」

 

「…うん。じゃあみんなでやろっか!」

 

「おー。頑張れよぉ。俺は練習行くわ」

 

「楓は学校でやってないんだもんね?練習頑張ってね!」

 

「もちろんだぁ」

 

そう言って俺は勉強を切り上げ帰路についた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勉強会を開いた数日後。

数学のテストが終わり、結果がでた。

 

「おめでとー優鈴!さすが私の教え子!」

 

「ありがと!葵のおかげだよほんとに~!」

 

結果は

葵が100点。泉が90点。文也が85点だった。

文也だけ達成できてないしなぁ。

 

「ワンちゃんどんまい!」

 

「文也…。まあ、悪い点数ではないけどお前…」

 

「う、うるせえ!数学苦手っていっただろ!ち、ちなみに有城は何点だったんだ…?」

 

こいつ勉強会出たメンバーで自分より点数低いやつ探しやがるなぁ。

 

「ん?ほれ」

 

そう言って俺はテストを見せる。

点数を見た文也は驚いたような顔で声を上げる。

 

「ひゃ、100点!?」

 

「なに驚いてんだぁ?葵も100点だろぉよ」

 

「いやっ…そうなんだけどさ」

 

「まぁ今回はたまたまだけどなぁ。前の学校でも定期テストは20位らへんをさまよってたわぁ」

 

「…ってことは!私のおかげ!」

 

「へいへい。感謝してますよぉ」

 

いかにも誉めろといった感じで胸を張る葵に苦笑しながら少し強めに頭を撫でた。

 

「な、ならいいけどっ!」

 

「そろそろ話進めようぜぇ」

 

「…こほん。まあ90点以上が2人いるわけだし、友崎くんも…目標よりは下だけどいい点数なわけだし、これならいい感じに説得できると思う!」

 

「じゃあ…あとは、中村にこの作戦のことを伝えるだけだな」

 

「うん。そーだね!」

 

「それじゃ週末、修二の説得まかせたよ!優鈴!」

 

「うん!私にまかせて!」

 

後は泉が上手くやってくれれば今回の家出騒動は終わるだろう。

そして週明けの月曜日。

 

「ワンちゃん遅いっしょ~!」

 

「お、おお、ごめん」

 

「修二にちゃんと伝えたよ!苦手だけどめっちゃ勉強して90点取ったって言ったら、『バカかよ』ってすごい呆れられた!90点ってバカじゃないよね?」

 

「いや、そうゆうことじゃないと思うけど」

 

「けど、ちゃんと許可もらえたよ。勝手にしろって言われた!だから、今日修二の家行って作戦実行しようってみんなで話してたとこ!」

 

「おお、そうなのか!」

 

こうして話をしていると、扉の方から久しぶりに聞く声。

 

「うぃっす」

 

「…修二~!!」

 

「サボりが長いねぇ」

 

「よっ。1週間ぶりくらい?」

 

「つーかお前ら、サボったくらいで騒ぎすぎ。よし子説得するためにめっちゃ勉強って意味不明だから」

 

「えーなにそれ~?みんなで修二のためを思ってあんなに頑張ったのに~?」

 

「はいはいありがとーございました。つーかお前はもともと出来んだろ」

 

「えー違う違う、教えるのを頑張ったんだよ?」

 

「わかったわかった。ったく、頼んでねーっつの」

 

「…おはよ」

 

「…おう」

 

まぁこれで、とりあえずは大丈夫だろぉ。

 

 

 

 




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