教室で話しているのを聞いたあと、俺は廊下を歩きながら考えていた。
文也なら何とかしてくれるだろぉ。
俺が認めた男だからなぁ。
それにしても、決着をつけることが結構あるが…俺の気持ちのことは後回しだ。
はぁー。考えることが多くて困っちまうなぁ。
とりあえず今日は帰るか。
そして翌日の2時間目の休み時間。
紺野がわざとらしく花火の机の脚を蹴る。
しかし…
「…っ」
花火は我慢した。
とりあえずはこうゆう方針かぁ。
花火が頑張ってんだ、俺も我慢しないとなぁ。
そして、放課後。
どうやら、今日は孝弘も一緒みたいだ。
せっかくだから俺も合流する。
「ほら、みんみ!帰るよ!」
「え?あ、うん…?」
「おーぃ!」
「あ!楓!」
「よぉ。俺も一緒していいか?」
「もちろんいいぞ」
「さんきゅ。じゃ行こうぜぇ」
そうして駅までの道を5人で歩いている。
すると、唐突にみみみが口を開く。
「ていうかみなさん!これはどうゆう集まりなんですか!」
「えーっと…。まぁ、紺野エリカ対策会議って感じかな」
「さすがにほっとけなくなってきたからな。あれでクラスに居場所がなくなるのは、さすがになしだろ。まぁ楓がいるから1人ぼっちにはなることはないだろうけど」
「俺の場合はほっとくって選択肢がないからなぁ」
「なるほどぉ!けど友崎はともかく、有城とタカヒロに守られてるなんて贅沢だねぇ!両手に花!」
「俺のあつかいひどっ!」
みみみの言いように文也が思わず声を上げる。
「ははは。てか男2人のときも花って言うのか?」
「えー言わない!?じゃあなに?」
「じゃあ、両手に騎士様とかそんなんでお願いしとくわ」
そしてちらりと俺を見る。
あぁ。そういえばなんかやったなぁあのとき。
やれってことかぁ?
「おー!でるか!?有城の騎士モード!」
「…仕方ねぇなぁ」
仕方ないと言いながらも結構ノリノリだったりする。
俺はそう言って芝居がかった声と表情を作り花火の方を向き、片膝をつく。
花火は不思議そうな顔で首をかしげている。
「?」
「花火様。私が一生お守りいたします。あなたの騎士として」
そう言って花火の手を取り、あろうことか手の甲にキスをしてしまった。
「にゃっ!///か、楓なにしてるの!」
「っ!悪い!やり過ぎた…」
花火は顔を真っ赤にしてあたふたしている。
「いや、その!べ、別に嫌ってゆう訳じゃ…///」
「そ、そうかぁ!ならいいんだぁ」
気持ちを後回しにするとか言っときながらこれだ。
制御が効かなくなってるなぁ。
気を付けねぇと。
「おーおー!見せつけてくれちゃって!」
「もうたまは私のたまじゃないんだぁ!よよよ」
俺の様子に気づいた孝弘とみみみが上手い具合にいじってくれた。
さすがに今のを無かったことにされるのが空気的に1番辛いからなぁ。
「う、うるさい!///」
花火は照れているようでみみみの口を塞ぎに突撃していった。
そんな時、1人仲間外れにされていた文也が口を開いた。
「みんな俺のこと無視してるし。へこむなあ」
「あっ!友崎のこと忘れてた!」
みみみのドストレートな言葉が文也に突き刺さる。
「そんなはっきり言うか普通!?」
信じられないと言った顔をしている文也だが、追い討ちを掛けるように全員が同意をした。
「うん。忘れてたな」
「私も!」
「右に同じくだぁ」
「泣いていいよな?泣いていいんだよな!?」
「くくっ。まぁ俺が言うのもなんだけどよぉ。文也はもうちょい自分に自信もてよぉ」
「え?お、おう。さんきゅ」
人のために動けるなんて、なかなかできないことだしなぁ。
少なくとも文也を認めてるやつはここに1人だ。
・
翌日の放課後。
花火と竹井が向かい合うように座っている。
「よぉ。てかお前ら何やってんだぁ?昨日対策会議とかいってたからそれ関係なんだろうけどよぉ」
「おー、楓か。いや実はなーーー」
そして話を聞くと…
「んで今は竹井と仲良くさせるって感じかぁ」
「うん。そうゆうこと」
まぁ、話し方だったりトーンだったり言い回しを盗むって感じか?
取り敢えず、見守るかね。
「そうかぁ。花火、頑張れよぉ」
「うんっ!がんばる!」
「クラスでも楓と話す時みたいにしてくれたら1発で解決なんだけどなあ」
「あはは。まあたまちゃん自身に自覚が無さそうだからね」
そして、花火と竹井の話が始まった。
「っていうかたま、大丈夫なん!?ごめんよ~なにもしてあげられなくて!」
「ううん、いいよ。ありがとね」
「止めたくてもなかなか勇気が出なくてさぁ!」
「あはは。紺野、怖いもんね」
「そうなんだよ~!エリカって1回怒ったら長いからさぁ!俺はたまは悪くないと思ってるよ!?」
「そっか。ありがと、竹井」
「ありがとじゃないよこっちこそごめんだよ~!」
「あはは。わかったって」
俺と文也と孝弘は教室の端っこで2人の会話を聞きながら話している。
「文也、どう思う?」
「んー、こうやって見てても、やっぱり竹井の隙って言うと、本音が丸出しってところなように見えるんだよなあ」
「ま、たしかにそこが目立つよな。楓はどうだ?」
「そうだなぁ。…なんかよぉ。俺と話してるときのギャップでそう感じるのかも知れないけどよぉ。なんつーか他人に関心がないっつーのかなぁ」
俺がそんなことを言うと、丁度竹井から他の生徒の名前がでた。
「ん?ほら聞いててみ?」
俺達は花火と竹井の会話に耳を傾ける。
「美佳とかも最近ちょっとエリカやりすぎって言ってたから!」
「えーっと、美佳って?」
他にも…
「それから優子も心配してたからさぁ~!」
「優子って?」
同じクラスの女子で名前と顔が一致しない。
「ほらなぁ?」
「たしかに…」
「あれは関心とゆうか興味がない…だね。俺も経験してるから分かるかも。俺からたまちゃんに伝えるよ」
「おぅ。分かったぁ。そんじゃ…花火!」
そう言って花火を呼ぶ。
「楓?どうしたの?」
「文也が気づいたことがあるってよぉ」
「ん?なにかわかったの?」
「うん。あのさ。…これは、俺もずっと同じだったから、わかるんだけど」
「うん。…なに?」
「たまちゃんって、クラスのみんなに、興味ないよね?」
「うん。正直、あんまりない」
「やっぱりなぁ」
「…やっぱり、そこか」
「やっぱりそこ、って?」
「まあなんてゆうか…経験談なんだけどさーーー」
そうして文也は話始めた。
「だからたしかに、たまちゃんがみんなに自分を受け入れてもらうために、仲良くするために、表面的な明るいしゃべり方とかを鍛えるのもいいと思う。けど、それよりもさ、まず自分から興味を持って、みんなを受け入れることが大事なのかなって思ったんだよ」
「…うん。たしかに、そうかも。私がみんなに興味ないって思ってたんじゃ、仲良くなんてなれないよね」
「深いこと言うねぇ」
「だな。ちょくちょく驚かされるよな」
「な、なんだよそれ」
「大丈夫だぁ。褒めてるからよぉ」
「いや、ならいいけど…」
「まぁなんにせよ。気づけることがあったから良かったなぁ。な、花火ぃ?」
「うん!あ、みんみたち帰る準備してる」
「ほんとだな。よし、いくか」
「そうだなぁ」
どうやら、これで少し前に進めそうだ。
そうして俺達は教室を出た。
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