昼休みになり教科書を片付けていると、前の席の友崎が動いた。
多分、泉を誘いに行くのだろう。
ずっと、そわそわしてたからなぁ。
俺はとりあえず見守ることにした。
「泉」
「ん?」
「あの、昨日中村そろそろ誕生日って話したじゃん」
「またその話!?そろそろでもないし!まだまだだよ!」
泉は中村の名前が友崎から出ると顔を赤くしている。
ほうほう、泉は中村が好きなのか。
そうかそうか。
まぁ中村はモテそうだし、納得だな。
経緯は知らんけど。
そして、話を聞いてると誕生日プレゼントを買うらしい。
なんか、いいなぁ。
俺も誰かを好きになれるんだろうか。
「実はいま水沢と有城と日南とどっか飯でも行くかーみたいな話があって、じゃぁもう1人くらいほしいよねって話になってて…」
「うん。あ、それで私?って、有城くんも?」
と言って泉はこちらを見る。
こっからは俺も参加しよう。
「おーぅ。泉だよな?よろしくなぁ」
「うん!よろしく!」
笑顔で元気に言ってくる泉。
うん。この子は良い子だな。
中村も罪な男だ。
「まあそんな感じ。それで、ほら、プレゼント買うんでしょ?なら、水沢とか中村と仲良いから、なにか買えば良いかとかわかるから、いいと思って」
「たしかに!」
やっぱりいい子や。
なんか浄化されそう。
そんなこんなで上手く話がまとまるかと思っていたが…
なんか、断られてるんだが。
「私の買い物のためにみんな付き合わすとかわるいし!」
ふむ…そうゆうことか。
ここは俺の出番かな。
「俺たちも中村にプレゼント買おうと思っててさー。だよなぁ友崎」
様は、泉が遠慮しないようにすりゃいいわけだ。
あとは友崎が気づいてくれれば…
「…!そう!そうなんだよ!だから行こう!やっぱり俺と中村はこないだあんなことあったしさ、仲直りって言うかね。アタファミも好きになってくれたみたいだし、悪いやつじゃなさそうだし。これを気に仲良くなれたらなぁなんて」
よし、ナイスだ友崎。
俺の意図がしっかり伝わったようでなにより。
それにしても…急にめちゃくちゃ喋りだした。
泉もぽかーんってなってるし。
そう思ってみていると…
「……いい!!それいいよ友崎!実は私ちょっとやだなーと思ってたんだよね。私が仲いい同士だから、できれば喧嘩みたいな感じになっててほしくないなーって!」
今度は泉が急に動き出してめっちゃ友崎のこと揺さぶりながら熱く語りだした。
てか本当にいい子だな。
俺も友達認定されたいなぁ。
少し頑張ってみようかねぇ。
「だから私、協力する!一緒にプレゼント買いいこ!」
「ああ。…あれ?」
「ふむ…立場逆転してんなぁコレ」
まぁこれだけは言っとくけど
飯だけ誘えば良かったんじゃないかとか思ってないから。
本当に。
俺のフォローが無駄だったとか思ってないから。
思ってないったらないから。
てか、こんなの俺のキャラじゃないな。
慣れないことはしないもんだ。
・
泉を誘うことに成功した次の日。
いつも通りの日課を終えて学校に着くと友崎が話しかけてきた。
「有城。買い物の日程今週の土曜日になったから」
「おー。了解。てかいつの間に決まったんだな」
俺が聞き忘れていただけかと思っていると、友崎が急に携帯を操作し始めた。
「ん?ちょっと待って」
「うん?どうかしたかぁ?」
数秒後、申し訳なさそうに顔を上げた友崎は言った。
「あ、あのー。LINE教えてほしいなぁ…なんて」
その一言で全てを察してしまった。
俺のことを忘れたままLINEで日程が決まったのか?
…悲しくなんてないから。
「…もちろん。いいぞ」
そしてすぐにグループに招待されて参加する。
とりあえずこれだけは送っておかなければ。
『転校生の有城楓です。みんなよろしくね』
送信と。
そして、周りを見渡す。
すると、日南と目があった。
苦笑いしながら手を振っている。
水沢も気づいたようだ。
笑いをこらえてやがる…。
泉も気づいたな。
こっちに向いて手を合わせてきた。
うん。泉は許そうではないか。
あとの2人は知らん。
結局、みんなLINEで謝ってきました。
ちゃんと許したとだけ言っておこう。
・
朝の一幕が終わり、ホームルーム。
なんか、生徒会選挙があるらしく用紙が回ってきた。
うーん。これはちょっと。
というか、めっちゃパスだな。
元々ガラじゃないし。
用紙から顔を上げると前の席で友崎がキョロキョロと辺りを見渡している。
視線の先には…日南か。
なんかあったのかね。
そんなことを思っていると…
「ういっす友崎!有城も!」
「おーっす。今日も元気だねぇ」
「うおぁお!?」
みみみが寄ってきた。
俺は普通に返事をしたが、友崎はアホみたいに驚いている。
こっちまでビックリするわ。
「どーした2人して葵のこと見つめちゃって!見とれてたのか~?」
みみみは笑いながら言ってくる。
ここで、どもったらだめだぞ友崎。
冷静にクールに徹しないと。
「み、見とれてたわけじゃ…」
うん。戦力外でした。
フォローはしないぞ?
「俺は友崎が見てた方を向いたら日南がいたってだけだぞ」
俺が正直にありのままを話すと、非難の視線を頂戴した。
おいおい。友崎よ、そんな目でみないでくれよ。
本当のことしか言ってないんだからさぁ。
そんな事をふざけ半分に話していると話題は選挙のことになった。
「いやあ、やっぱり立候補するみたいだねぇ」
視線の先には日南。
まぁそうなんだろうなぁ。
「まあ、あの日南だもんな…立候補するよな」
「あ、やっぱりそう思う?」
「え?いやほら、なんでもトップになるからさ。今回も当然のように当選しそうだなって」
「…だよね!まったくほんとに完璧な子だよあの子は!」
ふーん。やっぱ日南はこうゆうときに名前が上がるようなタイプか。
知らないからなんとも言えないがな。
それよりも…みみみのやつなんかおかしくないか?
気のせい…ではなさそうだ。
みみみの顔に一瞬影が射したのをみていたからな。
少し気になるな。
その後は普通に会話をしていたが、大丈夫だろうか。
友崎の方もなんか百面相してるし。
まぁ今は気にしても仕方ないな。
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