side 日南葵
私、日南葵はいわゆるすごい人間だ。
今まで、ほとんどのことはやって来た。
そして成功させてきた。
勉強でもクラスのカーストでも見た目でもそうだ。
唯一尊敬できると思っていたnanashiの正体があれだったときは少し自分に自信がなくなったけれど…
それはそうと、買い物に行った土曜日の夜、私は少し気になる事を調べていた。
「あ!あった」
そこには、
全国高等学校柔道選手権大会
90kg級 第3位 ○○高校 1年 有城 楓
と書いてある。
「ふーん。やっぱりなぁ」
柔道のことは知らないが個人競技でましてや1年生で3位だ。
しかも全国大会で。
なぜ、私がこんなことを調べているかと言うと。
まぁただ気になったからなんだけれどね。
私が興味を持つこと自体珍しいとは私でも思うんだけど。
正直、転校してきた時はこの人は本気でなにかを目指している人なんだと思った。
だが、それだけだ。
そんな人いくらでもいると言っていい。
でも考えを改めなければいけないかも。
少しずつ探ってみよう。
もしかしたら私の感じたことのないなにかを教えてくれるかもしれない。
そんな期待をしてしまっている自分を隠してね。
sideout
・
学校での朝のホームルーム。
先生「…つーわけでだなあ、以前からお知らせしていたとおり、生徒会選挙の立候補の受付が、今日一斉に開始されるぞ~。出す人は出すようにな~。投票は…えー、今週の金曜だな~。届け出は私か、職員室前の立候補ボックスか、各クラスの選挙委員に提出してくれ…っつーところかな。はーいそれじゃあ起立」
そういえばそんなこと言ってたなぁ。
今日か。
まぁあんまし関係は無いんだけどな。
やはり日南立候補するようで紙を出しに行った。
クラスのやつらは次々と声援を送っている。
「お願いしまーす」
みみみも立候補するようで日南に続いて紙を出しに行った。
そして、みみみにも次々と声援がが飛ぶが…
クラスのやつらは日南が勝つと疑っていないみたいだ。
あんまりいい気はしないな。
「えー!みみみも立候補したんだ!めっちゃやだ!」
「内申点の奪い合い、負けないよ~!」
みみみが本気で日南に勝とうとしていることを分かっている人が何人いるかね。
はぁ…どうなることやら。
・
それから数日後、選挙活動が始まった。
いつものように投稿すると、校門の前でみみみとみみみの後輩らしき女子が並んで生徒たちに呼び掛けていた。
「おぅ。やってんねぇ」
「おー!有城おはよー!」
俺からの声をかけると元気良く手を振りながら返事をしてきた。
元気でなによりだ。
「この子私の推薦人!陸上部の後輩なんだ!」
「山下由美子っす!!よろしくお願いします!!」
「おー。うちのみみみをよろしくなぁ」
「もちろんっす!」
「なになに~?遠回しの告白なのか~?」
「みみみは手のかかる妹か…ペット枠だぁ」
「な、なんだって~!?」
こんなコントじみたことをして、校門をくぐり校舎に向かう。
すると、校舎の前で人だかりができている。
そこには…
「あん?水沢か?」
日南の応援演説をしている水沢がいた。
皆、水沢の話に聞き入っている様子だ。
「日南のかぁ…人選まで完璧だわな」
水沢が演説をしている横では、日南が直接的に支持を集めている。
今は一人一人の生徒と握手をして話をしているみたいだ。
その光景は、もはやアイドルの握手会のようだった。
「ははっ…逆にここまで完璧だと笑っちまうなぁ」
俺は日南が話し終わったのを確認して歩み寄る。
「よぉ。順調そうだな」
「あっ!有城くんおはよー!」
「マジで有名人なのな。憧れの先輩ってやつか?」
「あははっ!まーね!有城くんも清き一票をお願いします!」
日南はそう言って手を出してきた。
「あぁ。まだ分からんがな」
俺は出された手を取り握手をする。
「うん!わぁ!手大きいね!バスケットボール片手で掴めるんじゃない?」
「ん?まぁできるぞ…ってかそろそろ回りの視線が痛くなってきたんだが…」
「へ?…っ!///ご、ごめん!」
俺が言ってようやく自分が俺の手をペタペタ触っていたのに気づいたらしい。
珍しく顔を赤くしている。
だが、また一瞬でもとに戻った。
「大丈夫だ。んじゃ俺は教室向かうわ。頑張れよぉ」
「はーい!ありがとー!」
そう言って俺は歩き出した。
いまだに演説をしている水沢にはこっちに気が付いていたようなので手を上げて挨拶をし、俺は教室へ向かった。
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