戦姫絶唱シンフォギア 神装魔剣   作:虚無の魔術師

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一週間は優に過ぎたよね…………大丈夫?大丈夫?


偽善、そして襲来

響とクリス、戦場へと降り立った少女達はすぐさま戦いへと参加した。シンフォギア装者とシンフォギア装者、味方と敵ではあるが、これで数としては互角───無空剣を入れれば相手側、武装組織フィーネの方が不利だろう。

 

 

 

マリアの相手は翼が、緑色の大鎌使いの少女はクリス、そしてピンク色の丸鋸使いの少女は響が相手する中、無空剣は彼女達の戦闘を横目に会場全体へと目を光らせていた。

 

 

彼女達の協力者、『ソロモンの杖』の使い手の動向を確かめるのが理由でもある。『ソロモンの杖』に関して剣や響達からすればあまり驚異はない。しかしアレは対人に対して絶大な程の効果を発揮する。

 

 

だが、それも剣が動けば意味をなさない。もし敵がノイズを生み出し騒ぎを起こそうものなら剣がその場所を特定して無力化すればいい。相手もそれを危惧して、そう簡単に『ソロモンの杖』を行使できない。

 

 

何より戦闘に参加しない理由としては────今も戦っているマリア達への牽制でもある。

 

 

無空剣、その戦力は絶大なもの。この戦場内に置いては、彼を上回る者は存在しない程に。ならば戦いに参戦しない間にこのまま押し切ろう………等と考える程、マリア達は敵を甘く見てない。

 

 

 

もし彼が今も戦っている中に乱入してくれば、間違いなく一人は押し負ける。だからこそ、警戒を緩めることは許されない。例え他の相手とも戦っている最中でも、彼女達は無空剣の事を意識しておかなければならない。

 

 

 

(戦っても戦わなくても厄介……ッ!これが無空剣、最強の魔剣士という事ね。私達との格の差があまりにもつき過ぎてるッ!)

 

 

現状をよく理解していたマリアは強く歯噛みするしかない。参戦してくればアッサリと蹴散らされ、参戦していなくてもその脅威への対抗策を考えることで、戦闘中の思考が鈍ってしまう。ノイズに対して警戒を向けているのも、運に救われたのではなく、全て彼の策略通りなのではと思うくらいに──────。

 

 

 

 

 

そんな最中、ピンク色のギアを纏う少女と戦う響が、止まるように声を投げ掛ける。

 

 

 

「止めようよ!こんな戦い!今日出会った私達が争う理由なんて─────」

 

 

「ッ!黙れ偽善者ッ!!」

 

「……え?」

 

 

しかし、相手から向けられたのは拒絶の言葉だった。それも、並々ならぬ憎悪を乗せたような。

 

 

それを理解してしまったからこそ、響は言葉を失う。今まで彼女は敵対していた者にも話し合いを語りかけてきた。クリスやタクト、それを甘いと言われようとここまで憎々しいような敵意を、向けられた事は始めてだった。

 

 

 

「この世界には!貴方のような偽善者が多過ぎる!!貴方のように他人の痛みを知らない偽善者がッ!!」

 

「そ、そんなっ!私はただ、困ってる人を助けたいだけで………っ!」

 

「それこそが偽善!!」

 

 

糾弾するような少女の言葉に、響はどんどん悲痛そうな顔へとなっていく。言葉にしたくても、言われた言葉によって心を打ち付けられる。

 

 

だからこそ、言葉に詰まる響に、少女は容赦のない言葉は叩きつける。

 

 

「痛みを知らない貴方に!誰かの為なんて言って欲しくないッ!!」

 

 

 

 

────その時の事だった。

 

 

 

空をかっ切るような速度で漆黒の剣が飛来した。ワイヤーの接続されたそれは、響の援護の為に放たれたものだ。

 

体勢の崩した響の後ろから突っ込んできたそれは、直進して響に追撃をしようとしていたピンク色の少女に狙いを定めている。

 

 

 

「ッ────!!」

 

当初は驚愕していた少女もすぐに動きを改め、ヘッドギアから一際大きな丸鋸を展開すると、突撃してくる黒剣の刀身に左右から叩きつける。

 

 

激しい火花が散るが、止められている様子は見られない。それどころか速度を緩めず、強引に刀身ごと少女を無人の観客席へと激突させた。

 

 

何とか立ち上がる響、ふと自身の頭に誰かが手を置いた事に気付く。優しく撫でるような感じに次いで、僅かな呆れと理解に満ちた声が聞こえた。

 

 

 

「───あまり耳を貸しすぎるな、他人を思いやるのはお前の美徳だが、今は捨て置け」

 

「……剣、さん」

 

「選手交代だ。俺が代わりに相手をしてこよう」

 

 

響が何かを言う前に、彼女を撫でていた剣が前へと踏み出す。背中の装置がワイヤーを巻き戻し、ピンク色の少女を吹き飛ばした剣翼の一本が背中へと再び繋がる。

 

 

吹き飛ばされていた少女は近くまで剣を見ると、大きく息を呑んでいた。彼の強さを一度見たからか、畏れとどうするべきかという不安が滲んでいる。

 

 

 

「………っ。貴方の相手をするつもりはない」

 

「ほぉ、逃げるか。それでいいぞ、逃げても。他人の事を偽善者と揶揄しておきながら、都合が悪くなるとそう言い訳するんならな」

 

「────ッ!!」

 

 

無表情に近い少女の顔が、激しい敵意に歪んだ。彼への警戒と他の二人への対応を無視して、少女は歌を歌い始める。

 

 

そして直後に、無数の円盤状の丸鋸を放ってきた。軌道は複雑、しかしそれら全てが無空剣を敵として、刈り取らんという意思が見え透いてくる。

 

 

 

(引っ掛かってきた、やはり子供か)

 

 

右腕を虚空へと薙ぎ─────組み変わる装甲の中から黒耀の刀剣を展開する。それを振り払い、敵を切り裂こうと丸鋸を纏めて両断していく。

 

 

他にも飛来してくる円盤の一部を手で鷲掴み、その刃を砕き潰す。破片を地面に溢しながら、達観したように息を吐き、剣は言う。

 

 

 

「偽善者、偽善か。少なくとも、罪のない一般市民にノイズをけしかけるテロリストの言い分には思えないな」

 

 

「ッ!貴方に何が分かる!」

 

 

「さぁ、知らないな。お前達の事情など」

 

 

否定も出来ず、感情巻かせに吼える少女。彼女の言葉を剣は切って捨てた。怒り巻かせに放たれる丸鋸を叩き潰しながら、彼は告げる。

 

 

 

「俺とて全能じゃない。相手が何を抱えてるかやどんなに苦しんでるかなんて、分かるはずもない。お前に立花響がどんな風な生き方をしてきたか分からないように、俺もお前達の事情は全く頭に浮かんでこない」

 

 

普通の攻撃が通じないと悟ったのか、ヘッドギアを丸丸鋸へと変化させ、青年にダメージを与えるべく、遠慮なく叩きつける。

 

 

しかし当の本人は刃の部分を掴み取り、丸鋸を受け止めた。今にも砕きかねない程の力を込め、低い声で言う。

 

 

 

「だが、そう言えば満足か?自分達は不幸だった、それよりも幸せな立場にいるであろうお前達は偽善、語る言葉は偽善だと。──────傲慢だな、お前達は過去を盾に被害者気取る気か?ノイズを出し、民衆を人質にしておきながら、自分達のように虐げられてきた者の言葉が正しくて、それ以外の言葉は綺麗事だとでも?」

 

 

 

正直な話、剣からすれば不愉快この上なかった。

怒りを抱いてなかったかと言われれば否定せざるを得ない。望まぬ環境で、望まぬ力を与えられて、守りたかった居場所を踏みにじられた。それが許せない事だというのは、よく分かる。

 

 

 

それならば、何をしても許されるとでも?自分達が何かをされたなら、無関係の相手を責めることも、人の命を奪おうとすることも。

 

 

 

そんな事は、絶対にない。

この力が望んでいなかったものだとしても、それを使うこと自体に何の躊躇いも迷いもない。この身とこの力は、自分のいるこの世界の為に使うと誓った。

 

 

復讐の為に使おうとは考えていた事もあったが、決して無関係な人を傷つけるために使うつもりは一つもなかった。

 

 

 

「貴方なんかに…………ッ!何も苦まずに、そんな強い力を手に入れて、大勢の人を救える英雄のような貴方なんかに私達やマリアの気持ちが────」

 

 

 

「──────まるで自分達だけが地獄を見てきたような言い方だな」

 

 

 

少女の言葉に、呆れたように呟く。

自分達が悲劇にあった被害者だというのならば、自分も教えてやるべき事がある。

 

 

「地獄を見ているのはお前達だけじゃない。響や翼もクリスも、誰もが地獄を見て来てる─────勿論、この俺もな」

 

 

脳裏に過るのは様々な光景。彼が体験してきた、地獄のような悲劇の数々。思い出すだけでも怒りが滲み出てくる、負の思い出の数々。

 

 

 

 

 

しかし、それを頭に浮かべていた途端。脳裏に更なる変化が起きた。

 

 

 

「?───ッ!?」

 

思わず額を押さえ、よろけてしまう。鈍痛がした訳でもなければ、体調不良という訳でもない。

 

 

脳内に緊急のアラートが鳴った、そんな感じが的確だろう。その感覚を想像できる者は希少で、限られてるだろうが。

 

 

(今のは────)

 

直後に、通信が繋がる。

確認する暇もなく通信を聴くと、そこから聞こえたのはオペレーターの二人、藤尭に友里さんであった。

 

 

 

『───東の方角から高熱源体反応!会場に接近中!』

『サイズにして戦艦以上の炉心!想定される全体像は会場内のステージに匹敵する大きさと思われます!』

「分かってる!今確認した!」

 

 

脳内に自動的に可視化されるマップ。自分達のいる場所から少し離れた場所に赤い光点が生じる。それはゆっくりと、この場所へと近付いている。

 

 

彼等から伝えられた通り、全体像は相当大きい。このまま居ては自分達も巻き込まれる。そう思った剣は他の三人に大声で呼び掛けた。

 

 

「三人とも!警戒を怠るな!敵性は西方から移動してきてる!数分もしない内にここまで到達するぞ!」

「そうは言ったって…………何処にもんなもん見えないぞ!?」

「…………何?」

 

 

クリスに言われてその方角の方を見るが、確かにそんな巨大な影は何処にも見えない。しかし、脳裏には確かにその反応が浮かび上がっている。故障という線は有り得ない、自身の肉体内の金属パーツやナノマシンは自動的にメンテナンスを図る。バグがあるならば、もっと前から彼自身がよく分かる。

 

 

正常ならば、敵は今も迫ってきている。ならば一体何処にいるのか? そう考えていた剣だったが、その光点が自身の近くにまで接近した所で─────ようやく、答えに気付いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「下だ!!全員離れろォッ!!」

 

 

 

響き渡る剣の大声。それに釣られて響達も動き出そうとした、その時だった。

 

 

 

亀裂。地面に走ったそれは徐々に広がっていき、次第に分断された地面を持ち上げた。全員がその場から距離を取ることで巻き込まれずに済む。

 

地震かと思ったが、違う。真下から何かが這い出ようとしているのだ。地面を砕き、破壊しながら。

 

 

「…………あっ」

 

しかし、先程まで硬直していた黒髪の少女だけは遅れた。気付いた時には自分のいて地面が傾き、そのまま足を滑らせそうになり、

 

 

 

 

「───ッ!」

 

 

弾かれたように剣が地面を蹴り砕き、少女の元へと飛び掛かる。地割れのように空いた穴に落ちそうになった少女の手を掴み取り、無事な場所へと移動する。

 

 

「………おい、無事か?」

「な………なんで?」

「────温くなったんだよ、俺は」

 

 

損害のある所から離れた観客席の方に少女を座らせてやると、呆然としたまま疑問を口にしてきた。 短く言い切り、その場から離れた途端────更に地面が砕け、大きく吹き飛んだ。

 

 

 

 

砕けた地面の間から出てきたのは────機械の腕だった。甲虫の脚のような、鋭利な先端のある棒状の何か。

 

 

 

関節を三つも有した複雑な骨格の腕、振り上げられたそれは未だ残っていた会場の床に鋭い爪を突き立て、固定する。

 

 

しかも、同じような腕が複数、地面から生え出てくる。そして、合計八本の脚に支えられた巨大な機械の塊が姿を現す。

 

 

六本の武装した腕を展開した胴体を持ち上げ、全長十メートルに値する巨体が会場内に顕現する。闖入者でありながら堂々と、戦場の中を突き破ってきたのだ。

 

 

退避した一同は困惑しながらも、警戒を緩めない。それも当然だ。戦場に現れたのが無関係なものではない、自分達の敵である可能性も有り得るのだから。

 

 

「何だよアレ…………あんなテガブツも連中のモンって事かよ!?」

「いや、そうじゃなさそうだぞ」

 

戸惑いを隠せずに叫ぶクリス。しかし油断もせずに銃口を向ける少女の横から、剣は軽く制して、ある箇所を睨み付けていた。

 

 

響達がその視線の先を見ると、複数の腕のついた頭部………いや、胴体と呼ぶべき部位。そこの中心に堂々と、見たことのあるイニシャルが描かれていた。

 

 

 

円に突き立てられた剣。その中心にアルファベットの羅列────【LOSTGEAR-PROJECT】と冠された紋様。

 

無空剣がかつて、自分達を追っている組織のものだと、教えてくれた。という事はつまり、これはこの世界には存在しない【魔剣計画】の製作した兵器という事になる。

 

 

しかし、そのイニシャルを細かく見通していた剣だったが、怪訝そうに顔をしかめた。その口から、疑問混じりの言葉が出てくる。

 

 

 

「データに………無い?─────いや、新世代個体(リニューアルナンバー)か」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『───その通りだ、序列三位』

 

 

 

突如、エコーの掛かった声が、見るも無残な会場内に響き渡る。周囲を見渡すが、声の主はいない。分かりきっている、声の主は目の前─────巨大な鋼の塊の中にいるのだ。

 

 

 

 

声の主は大して気にした素振りをしない。まるで自然な動きで、そもそもその巨体自体が生き物であるかのような人に近い動きを、複数の手足を有する兵器にさせている。

 

 

『コイツを知らないお前らに紹介してやろう────大規模殲滅特化型多脚機動兵器「フルメタル・エクステッド・アグレッサー」、【魔剣計画(ロストギア・プロジェクト)】が造り出した兵器の一つ』

 

 

二つの腕、物を掴み取るようなアームを振り回し、演説でもするかのように語り出す。その声音は誰かに話しているようだが、相手を見ていない……………ある意味での独り言だった。

 

 

 

『「大規模な戦争で核兵器を使用せず、敵国を一掃する為の効率的かつ人道的な兵器」だとさ。………笑えるよな。この兵器は街ごと敵を踏み荒らすように造られたクセに、人道に配慮してますだってよ。一応量産型の一つだし、世界中にばら撒きゃあ文句は言われないって寸法らしいぞ? 無茶苦茶だな、汚い大人共の言う事は』

 

 

話を終えた巨体の中にいるであろう声の主、それを見据えた様子で、前へと踏み込んだ剣が険しい声を投げ掛ける。

 

 

「…………【魔剣計画(ロストギア・プロジェクト)】は中止されてる筈だ。本筋の序列、いなくなった以上」

 

『俺達を造った【魔剣計画(ロストギア・プロジェクト)】は、な。あれを動かしてる連中────セフィロトだったか?奴等とヤルダバオトは今でも活動している。こんな代物を副産物として造り出すくらいには、色々とお盛んだ。今も昔も変わらないさ、俺達の命の価値もな』

 

 

フッという小さな笑いを漏らす声の主。剣は顔色を変えなかった。ただ分かるのは、声の主の言った事は自虐であり、無空剣に対して傷口を抉るような事でもある。

 

 

言葉から、その声音からでもよく分かる。他者に対する悪意を隠す事なく、陰湿に滲ませているのが。

 

 

 

 

 

『そもそもの話、お前も分かってるだろうが。あのプロジェクトは次の段階まで進んでるんだ』

「…………何?」

『存外に浅いな。あのプロジェクトの本当の目的は、魔剣士を造り出し、最強の戦闘兵器へと昇格させる事にある。─────そう、お前ら「序列」をな』

 

 

複数あるアーム、刺股状の腕が格納されていたであろうブレードを展開させ、掴み取るとそれを剣へと向けた。相手に指を差して糾弾するように。

 

 

形状は普通のカッターの刃を何百倍にもしたような大きさをしたブレード、その先には生々しい悪意が溢れていた。動かしている張本人の心情を明らかにするであろう、深い悪意が。

 

 

 

『その時点で、既に連中の思惑は別の起点へと動いていた。知ってるか?【魔剣計画】はお前を取り戻すつもりは無いらしいぜ?お前にご執心なあの狂人(エリーシャ)は例外中の例外らしいがな。と言っても、お前に価値がない訳じゃ無いらしいが。

 

 

 

 

 

 

 

ま、そんなお前を奴等に引き渡せば首を縦に振るうだろうな。計画の続行に対して』

 

 

 

剣は気負わない。

凶器を向けられても尚、敵を射抜く鋭い視線を、兵器の中に住み着く『誰か』へと向けながら。

 

 

魔剣士として生きてきた青年は、『誰か』の話の内容から、ようやく確信を得ていた。

 

 

 

 

 

「そこまで知ってるって事は─────お前も魔剣士(ロストギアス)の一人か」

 

『───ご明察。流石は序列三位。最強の立場から逃げた小者と思っていたが、少しはやるようだな。その勘の鋭さに免じて、俺の事を教えてやろう』

 

 

僅かに機体越しに強まる視線。それに乗せられた嫉妬心と見下すような醜悪な感覚。決してその感情を緩めることなく、機体を操る青年は告げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

『─────俺は、如月刹那(きさらぎせつな)。魔剣士の順位は四位。知ってるだろ? お前とは違い、後天的に魔剣士へと至った男だ』

 

 

 

 

 

 

 

 

───基本的には、正規の魔剣士に順位がつけられる。総合的なステータス、戦闘力、様々な戦場への適応能力、人格、破壊力、そしていずれどれだけ強くなるかという期待を持たれる形で。

 

 

その中でも『序列』という枠組みはある意味では通常の魔剣士から外れる。彼等は【魔剣計画】から強くなる事を結論付けられ、計画の主柱として大事に扱われている。だから、『序列』一位から三位以降の魔剣士は精々おまけ程度の価値しかない。

 

 

だが、剣が【魔剣計画】から抜ける前にある話を聞いた事があった。偶然戦場で捕虜にした青年が魔剣士になる事を望み、彼等はそれを受け入れたという事を。

 

 

結果はあっさり成功。問題は適合した青年がすぐさま順位を上げていった事にある。数年前から己を鍛え上げていった上位の魔剣士達を越え、ついに序列を除いた中で最強と呼ばれるまでに至ったという話を、彼は知っていた。

 

 

 

 

 

 

その青年こそが、如月刹那(きさらぎせつな)。今、あの巨体を操っている魔剣士────恐らくだが、風鳴司令と緒川や、安藤達が遭遇した青年で間違いないだろう。

 

 

 

チッ、と舌打ちを隠すことなくしてしまう。

こんな状況下で魔剣士が現れた理由なんて目に見えている。混乱に乗じた襲撃。だが、その為だけにこんな兵器を動かしてくるのは大方予想外すぎた。

 

 

どうするべきかと、巨体を前に立ち尽くす剣達。そこから少し離れた場所で、マリア達は動きを見せた。

 

 

 

「────了解、マム。二人とも、撤退するわ」

「………待ってマリア」

「あんな馬鹿デカイロボットが動き出したらえらいこっちゃデスよ!?」

 

 

通信か何かを受け取ったマリアの言葉に、二人の少女達は抗議の意思を示した。流石に彼女達からしても、あの兵器は見過ごせないのだろう。

 

 

しかしマリアは確信に近い自信のある瞳を剣達に向け、少女達に言い切った。

 

 

「……………だからこそ、彼等に任せるわ。彼等の力ならアレを止められるかもしれない─────何より、私達の目的も果たせる」

 

 

そう言うと、マリア達は背を向けて会場から撤退を始める。どうやら、これ以上自分達が居座る理由がなくなったらしい。だが、わざわざこんな大事を起こしといて、自分達だけ逃げるというのはどう考えても割に合わない。

 

 

 

胴体部位に接続された頭部らしき部位。眼球のように設置されたレンズが、彼女達の姿を凝視するように拡大する。

 

 

僅かに持ち上げられた複数のアーム。しかしそれらが、実際に動き、逃走する彼女達に追撃をする事はなかった。

 

 

『ふん、逃げたか。…………まぁいい、俺の目的は別に連中でもない。最も、米国の連中からすれば血眼になってでも殺しておきたいらしいがな』

 

「米国………?何故彼の国が出てくる!!」

 

 

言葉の中に入っていた意味のありそうな単語に、全員が耳を疑う。それを聞き逃せなかった翼は《エクステッド・アグレッサー》に対して、アームドギアを向けて問い質す。

 

 

下手すれば機嫌を損ねても可笑しくないのに、それを操る如月刹那の声音は全くと言っていい程、変動しなかった。

 

 

『そりゃあ当然。自分達の不始末は自分達で済ませたいらしいしな。この鉄屑も、元々はその為に動かそうとかしてたらしいしな』

「…………?」

『分からないか?────武装組織フィーネは!米国が秘密裏に用意していた聖遺物研究機関 F.I.S.から独立した反乱分子って事だよ!』

 

 

響達は理解できなかったようだが、剣だけは少しだけ眉を動かした。ほんの少しだけだが、驚愕が彼にはあった。

 

 

聖遺物研究機関 F.I.Sという組織。その名称と存在は、ノワール博士から耳にしていた。米国の極秘ネットワークに侵入し、フィーネの事を調べていた際、そこと取引をしていたという事を。

 

ならば、あの黒いガングニールも、今は亡きフィーネが関わっていてもおかしくない。

 

 

 

「マリア達が米国から離反したテロリストというのは分かった。だが、お前の話からするとまさか────」

『そうだ。この鉄屑は米国の奴等がエリーシャとの取引で引き渡してた兵器だ。数ヶ月前、フィーネに与えた「アルビオン」とそのコアと同じようにな。知らないってのは当然だろ─────何故なら米国の連中はエリーシャとの取引について一言も明言してないからな』

「んな事じゃねぇ!自分等の不始末は自分等でやるってぇ事は…………」

『そうさ。このデカブツをフィーネの連中にぶつけるつもりだったようだ。最も、この俺が勝手に使わせて貰った訳だが』

 

 

 

如月刹那の口から語られる事実は、あまりにも衝撃的だった。

 

 

要するに、《エクステッド・アグレッサー》は刹那本人が持ち込んだ物ではなく、エリーシャが米国との秘密裏の取引で受け渡していたものらしい。勿論、秘密裏だからこそ、世界中には明かされている筈もない。

 

 

そして、この会場ごとテロリストである武装組織フィーネにこの兵器を送り込むことで殲滅しようとしていた。自分達の後始末の為に、暴れるだけで民間人すら巻き込みかねない凶悪な兵器を。

 

 

敵の言葉を鵜呑みにし過ぎるのは良くはないが、ここで刹那が嘘を言うメリットはない。彼は頭は回るが、決して集団行動や誰かの命令で動くような人間ではない。ならば今の彼には後ろ楯はいない─────つまるところ、刹那は何の躊躇いもなく、他の国の秘密を明かせる立場にいるという事になる。

 

 

そんな最中、一歩前に出た響が声を上げた。剣達にではなく、巨大な機体を手繰る青年に向けて。

 

 

 

 

「───あのっ!刹那さん!どうしてこんな事をするんですか!?」

『…………あぁ?』

 

機体越しに、呆れたような声が聞こえてきた。何言ってんだ、コイツ? みたいな感じの様子に、響は更に声を投げ掛けた。

 

 

どうしてわざわざこんな事をするのか、自分達にこうも色々と教えてくれる人が、何かあるなら教えてくださいと。響は出会ったばかり、顔も知らない相手から小さな善意を感じ取ったのかもしれない。

 

 

 

勿論、剣はどういう相手かは分からない。正直な話、理解したいとも思いたくない。好き好んで魔剣士になるような奴だ、正常である筈がないから。

 

 

 

 

 

《エクステッド・アグレッサー》、それを手繰る刹那は沈黙を通していた。しかし、彼はあっさりと響の疑問に答える。

 

 

 

『─────そうだな。この鉄屑を壊せたら教えてやるよ、俺の目的を』

 

 

 

親切心からではない。相手を馬鹿だと嘲笑うような、悪意のある言葉だ。それは誰でも、刹那に対して声をかけた響にでもよく理解できるのだろう。

 

 

 

 

 

『話は終わりだ』

 

あらゆる善意を拒絶する言葉と共に巨体がゆっくりと動き出した。瞬時に全員が身構えるが、それは無意味に終わった。

 

 

 

巨体は、八本もある脚を上げただけだった。体勢を変えると、そのまま力を抜いて堂々と立ち尽くした。無防備、攻撃を受けることを望んでいるかのように。

 

 

そして、それが実際にそうだという事を、彼の口から語られた。

 

 

『一発だけ、お前達の本気で来い。一撃でこの鉄屑をぶち壊せる技でな。さもないと俺はこの会場を飛び出して外で大暴れしてやろう。人的被害に関して躊躇すると思うなよ。それまで、一発までは黙って見ててやる』

 

 

自信あるように言うと、巨体は静かに直立する。眼を細めて監視してみるが、大きな変化も少しの変化も見られない。

 

 

嘘ではない、刹那の挑戦的な言葉が事実だと改めて理解する。

 

 

「クソッ!あたしらに先手を譲るってことかよ!?嘗めてやがるのか!?」

「だが、幸運だ。もし奴が言葉通りにするのならば、この場で無力化し、観客達への被害は失くすことが出来る。力ずくで暴れる奴を倒すよりかは、指示に従うのが効果的だ」

 

 

甘く見られてると感じるクリスだが、翼はこれをむしろ好機と見ていた。アレは暴れることで効果を発揮する兵器。もしそれがわざわざ周囲に被害を出さないで、一撃で仕留められるのなら此方としても悪くはない。

 

 

 

だが、勿論問題がある。

 

 

「無空、何か手はないのか?」

「……………」

「絶技では無理なのか?あの時の、【アルビオン=カラドボルグ】の時のような」

「悪いが火力が足らない。俺達はフィーネの時のように特別な状況下ならより力を解放できる。だが、あの装甲を剥がして、無力化するのに何発分撃てばいいと思う?その間に奴が暴れまわる方が先だ」

 

 

あの機体を破壊し得る程の力。魔剣絶技、それを使えば可能ではあるが、それで倒すのには想定しても最低四発は必要。その間にアレが会場から出て被害を増大させる方が明らかに早い。

 

 

だが、お手上げと言う訳ではない。まだ一つ、彼女達シンフォギア装者の切り札が残されている。

 

 

 

「………絶唱。絶唱です!」

 

 

咄嗟に声を上げた響、その内容こそが答えだった。絶唱。シンフォギア装者にだけ許された、命を掛けた必殺技。場合によっては─────いや、ほぼの確率で、魔剣士すら重傷に追い込む諸刃の刃。

 

 

それであれば、もしかしなくても──────、

 

 

「………確かに。それなら上手くいくかもしれん。絶唱であれば、あの装甲を破壊ふるのも容易い」

「だが、あのフォーメーションはまだ未完成なんだぞ!?」

 

 

 

「────なら俺も加わろう」

 

 

 

 

 

「魔剣士である俺がお前達の絶唱の負荷を打ち消す。理論上なら不可能ではない筈だ」

 

 

 

 

「やるからには成功させる。俺達の力を、見せようじゃないか」

 

 

 

 

今、響達が行おうとしているのは彼女達なりのフォーメーション。ルナアタック………双竜事変を経て、彼女達も多くの事を理解した。本来であれば、無空剣がいない場合を想定した時のコンビネーションアタック。彼だけに頼らずとも、自分達の手でいずれ出会うかもしれない敵を止める為の連携技。

 

 

だが、今だけは例外中の例外。成功した事はない、下手すれば失敗した時のバックファイアで自滅してしまうかもしれない。しかし、それだけの絶唱の負荷をどうにかする手はある。

 

 

無空剣が、その負荷の多くを相殺する。

彼の中に宿る魔剣の力。そして誰にも口にすることの出来ないもう一つの力、その一部をも解放し、絶唱による負荷の多くを剣へと集め、それを何とか無力化する。

 

 

勿論、試したことなどない。

これは元々シンフォギア装者だけのコンビネーション。それを成功させると共に出来るだけ威力を向上させる為に、剣もこのコンビネーションに加わっているのだ。何なら失敗しても仕方ないとすら言われるかもしれない。

 

 

 

 

三人の装者が、一人の魔剣士が。互いの手を繋ぎ、歌声を奏で、生じる力をコントロールし、少女達の力へと変換する。

 

 

激しい程のエネルギーに、流石に痛みが走った。だが、所詮は肉体の痛みだ。止める事もなく、彼は思考を加速させ、絶唱の力をより濃密に、そして少女達への負担を消すために脳を高速回転させる。

 

 

 

「スパーブソング!」

 

 

 

「コンビネーションアーツ!」

 

 

 

「セットハーモニクス!」

 

 

 

「チャージシフト!オーバーブースト!!」

 

 

 

 

 

 

「「「「S2CA(エスツーシーエー)!!フォースアタックフルバースト!」」」」

 

 

 

 

 

そして、四人を中心に膨大な光が吹き荒れた。虹色に包まれた光、神秘的にも見える光景に周囲の人々が言葉を失いながらも、その光景に見入っている。

 

 

 

 

対面していた青年も、機体越しにその力の恐ろしさに息を呑んだ。

 

 

『───ッ!!なんてエネルギーだ!!たかが数人の歌程度でこれ程の力が出るのか!!』

 

 

正直、軽く見ていた。

シンフォギア、歌う音色を力に変える武装。だが、所詮はノイズとか言う雑魚に特化した程度のもの。そんなものでこの兵器をどうにか出来るわけないと。

 

 

 

だが、その歌が、刹那をも予想だにしなかった力を生み出した。認めたくはないが、これが現実だ。今、こな機体でアレを受ければどうなるか─────

 

 

 

「─────ッ!!」

 

 

瞬間、刹那の身体は動いていた。コントロールする為のモジュールに手を伸ばし、脇に接続された二つの装置に両手を押し込み、接続させる。

 

 

手先から装置へと、装置から機体へと。神経を伝うように、《エクステッド・アグレッサー》の制御を可能にした。そして、一秒の時間も逃すことなく、青年は機体を動かす。

 

 

 

ゴォォォォォォォォォォンッッッッ!!!!

 

 

地の底から響く怪物ような、巨体の咆哮。その瞬間、連結したアームが有する赤熱したブレード、鋼鉄をも融かし斬り捨てる為の武装が展開される。それも全ての腕に。

 

見せびらかす余裕もなく、容赦せずに彼女達の元に刃を振り下ろした。

 

 

 

しかし、青年と少女達と包み込む光がそれを許さない。最初に触れた赤熱の長刃は虹色の光によって熱を失い、消え去った。他のブレードも同じような末路を辿る。

 

 

更に彼等の中心とした光が会場に広がることで、《エクステッド・アグレッサー》は莫大な力と光に当てられてしまう。通常兵器では傷を通さない筈の装甲も、虹色の光によって分解され、消し飛ばされ、破壊されてしまう。

 

 

巨体を支えていた多脚すらも削ぎ落とされてしまい、ついに逃げることすら敵わなくなる。絶叫のような爆音を響かせた巨体が身を振るわせると同時に、《エクステッド・アグレッサー》から全ての装甲が消失した。

 

 

光に包まれながらも起きた変化を見逃すことなく、翼が皆にも聞こえるように叫んだ。

 

 

 

「見えたッ!あれが奴のコアだッ!!」

 

 

胴体部位、胸元らしき所にある巨大な球体。深紅に光りながらも鼓動を続ける心臓に似た何か。無数のケーブルに直接繋がってる光景はグロテスク以外の何物でもないが、アレを倒せば《エクステッド・アグレッサー》が止まることは明らかだ。

 

 

しかしながら。

そう簡単に快進撃を許すほど、敵は弱くも甘くもない。

 

 

 

 

 

 

グゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォンンッッッッ!! と。

 

 

装甲を失い、金属の骨格が露出した《エクステッド・アグレッサー》はボロボロになった身体を無理矢理にでも動かす。自身の身体が朽ちようと関係なく、破損した腕の一振を振るった。

 

 

《エクステッド・アグレッサー》の全ての腕は破壊された。無事なものでも、間接からその先は存在してはいない。しかし、それは生命体ではなく機械だ。機械は生命体とは違い、部品によって修復すれば問題ない。

 

 

 

全ての腕が、互いの破損を結合することで補い、たった1本の剛腕をすぐさま造り出す。そのアームが装填されていた巨大な高熱ヒートブレードを展開する。

 

 

そこまでして敵を駆逐しようとする兵器の動力源は何なのか。単なる命令を実行する為のものか、そうしなければならない脅迫概念でもあるのか。

 

 

魔剣士を造り出す計画のオマケ程度に造られた兵器、《エクステッド・アグレッサー》は紅蓮の断頭を天へと翳し、振り上げる。己に下された天命、敵対する者達をまとめて踏み荒らす事の邪魔になる敵を、文字通り高熱の刃で切り砕き、焼き尽くす為に。

 

 

 

そこでようやく、《エクステッド・アグレッサー》は違和感に気付いた。内側に内蔵されていたカメラのような眼光が、とある事実に気付いたのだ。

 

 

 

光の中で歌を歌っていた少女達、その中にもう一人の少女と青年の姿が見えなかった。何処に消えたと、白熱した思考を停止させ、処刑の一撃をも止めてしまう。

 

 

 

困惑していた兵器には、気付くのが遅れる。そもそもの話、関係なく振るっていればどうとでもなかったしれはい。機械として性格に仕留めるという思考パターンが遅れをとった。

 

 

 

 

兵器が気付いた時には、件の二人は─────既に懐まで迫っていた。

 

 

 

「これが!俺達の!!」

 

 

「絶唱だぁぁぁぁあああああああッッ!!!!」

 

 

無空剣と立花響。二人は一寸も違わない動きで迫り、それぞれの拳を、アームドギアを────遠慮もなくぶちかますッッ!!

 

 

 

二人の拳がコアへと叩きつけられ─────一気にガラスのような球体にヒビを入れ、崩壊させる。巨体を動かしていた大規模なエネルギーが爆発する直前に、虹色の光に呑まれ、そのまま消失する。

 

 

 

直後に、行き場を失った虹色の嵐は《エクステッド・アグレッサー》の機体の内部からたった一振の巨腕へと渡っていく。灼熱の刃すら呑み込みながら、空へと昇っていく。

 

 

 

こうして、全国中継されていたコラボレーションライブは波乱と共に幕を終え、これからの戦いの狼煙があげられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

会場から出ていく際に、響達のコンビネーションを見て唖然とするマリア達。彼女達の跡を追う存在がいた。彼は気付かれぬように建物の屋上に居座りながら、深い息を吐く。

 

 

 

「………………アレがシンフォギアの絶唱、序列三位が加わっていたとは言え、あの鉄屑を簡単に打ち破るとはな」

 

如月刹那、そう呼ばれていた青年は自身についた埃を軽く払う。彼はとある段階────虹色の光が《エクステッド・アグレッサー》を破壊する際に、逃げ出していた。その後、あの機体に『奴等を殺せ』と命令を組み込んでおいたが、結果無意味だったと理解したが、特段気にしてはいない。

 

 

絶唱の力を見て気を引き締めるマリア達。それと対称的に、如月刹那は薄く笑みを浮かべた。挑戦的な、強大な何かに挑むようなやる気に満ち溢れた顔つきへとなる。

 

 

「ま、そうでなくては。この俺が越える障害にすら値しない」

 

 

立ち上がり、ロングコートのポケットに両手を突っ込む。この隙にと、何処かへと退避していくマリア達を視線の中に入れ、刹那は軽く鼻で笑った。

 

 

 

 

 

「─────俺が序列を越える為だ、精々利用させて貰うぞ」




兵器紹介

《フルメタル・エクステッド・アグレッサー》

分かりやすく纏めると被害なんて関係なしのヤベー兵器。敵地に投入すれば民間人も負傷者も敵ごと皆殺しに出来るよ!! あと辺りの地面と一緒に踏み潰すから死体はあんまり残らない!やったね!処理が楽だ!


とか言う、頭可笑しい兵器です(笑)某メタルギアとかもそうだけど、こんなゲテモノ兵器を作る人ってロマンに生きてるんだろうなぁ、って思います。


感想や評価、お気に入りなど是非是非お願いいたします!!





───大体察してるかもしれませんが、今回出てきた魔剣士の方が今回の敵です。何を使うのか、についてはヒントを出しときます。


前から出てた聖遺物が、彼のロストギアです。

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