クロスレコード   作:253

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ちょっと色々考え事してました。投稿少し遅れてすみません。
ところでマギレコやってる人はいろまど、お目当ての限定引けましたか?引けた人はおめでとう、そうでない人はドンマイです!
ちなみに私はいろまど120連爆死しました、はい。(天井涼子ちゃんでした)
あと今回オリキャラ出します。


7話 囮

「おーい、さっさと起きるんだぜ」

アビゲイルが店に来た次の日の朝、魔理沙はフェリシアを叩き起こすべくフェリシアの部屋までやって来た。

「…なんだよ話って…まだ起きる時間じゃねーだろ…」

「少しはしゃきっとしたらどうだ?アビゲイルは3時間は前に起きたのに朝まで用意してくれたぜ」

見ると隣で寝ていたアビゲイルはいつの間にかベッドからいなくなっていた。

「お前も少しは見習え」

「別にいーだろ!オレにはオレのセイカツシュウカンがあんだよ!」

「にしたってもう少し早く起きれるようになってもいいと思うんだが…いや、そんなことより話がある。下に来い」

フェリシアは着替えて下に降りる。すると部屋を掃除するアビゲイルの姿が見える。

「おはようフェリシア。お加減はどう?」

「おう、オレは全然元気だぞ!」

「ふふ、それは良かったわ。ちょっと待ってね、今朝食を用意するから」

テーブルに座ったフェリシアの前に朝の和食のラインナップが用意される。

「さて、そろそろ話を始めようか。アビゲイル、お前も座れ」

アビゲイルも席に着き、フェリシアは米から食べ始める。

「お前ちゃんと話し聞く気あるのか?」

「んあ?別に食べながらでも話位聞けんだろ?」

「…いいぜ。けど後から聞いてなかったってのは無しだからな?」

「いいから、早く話せよ。オレ本当はもう少し寝てるつもりだったんだぞ!」

「じゃあ今度こそ始めるぞ。さっきアビゲイルと話したんだが昨日頼まれたように私達はとりあえずこいつを追ってくる奴をどうにかすることにした。これに異論はないよな?」

「もひろんひぃぞ!」

食べながらフェリシアが答える。もとよりアビゲイルを守るつもりだったので当然拒否する理由はない。

「でだ、そのためにまずアビゲイルをおとりにして追ってをおびき出す。そして追手をひっとらえて情報を吐かせるぜ」

「はっ!?けほっ!けほっ!」

唐突な提案に驚いたフェリシアがむせる。

「フェリシア大丈夫!?」

「あぁ、平気だぞ…。それより魔理沙!オマエ何言ってんだよ!それじゃアビーが危ねーだろ!?」

「まぁ聞け。実は昨日お前たちが来る前にある男の情報が入ってな。それがアビゲイルを追っていそうなやつの手がかりになりそうなんだぜ。それで追手をどうにかするためにまずこいつのこと…例えば魔法を使う仲間がどれくらいいるかとかを知る必要がある」

「調べる方法は二つ。一つはさっき言ったようにアビーをおとりに敵をおびき出す方法。もう一つが地道に足で調べる方法だぜ」

「だったら地道に調べればいーじゃねーか!面倒だけどこいつが危ねー目にあうことねーよ!」

「話を最後まで聞くんだぜ。そっちの方法だと確かに一時的なリスクは減るかもしれない。でも敵はアビーを執拗に追い回しさらに魔法を使うようなやつだぜ。この男も多分使って来るだろう。だからそのうちここをかぎつけて来る。つまりおとりに使うにしろ使わないにせよ追手の奴らはアビゲイルを狙いに来る危険は変わらないってことだぜ」

「だからってこっちから危険にさらす必要ねーって!」

「いやある。多分相手もここに来てから日は浅いし、流石にまだ私たちのことを特定出来てないだろう。なら街を一緒に歩いていても偶然知り合った程度にしか思わないし、まして魔法少女だなんて分かってないだろう。だったら特定されてしっかり準備されるよりいきなり襲って来たのを迎え撃つ方がまだましなんだぜ」

「で、でもよ。それならしっかり調べて何も分かんなかったときにそれやればいーんじゃねーか!?」

「…その場合少なくとも私達のうちどちらかがアビゲイルから離れる時間が増える。その間に襲われたらかなり危険じゃないか?」

「そうかもしれねーけどよ…」

フェリシアは迷っていた。確かに魔理沙の言う通りにも思える。しかし守ると決めたアビゲイルを自分から危険にさらすようなことをしていいのか判断しかねていた。

「私は大丈夫よフェリシア」

「アビー…」

「おとりになるっていうのはね、元々私が考えたことなの」

「っ!?そうなのか!?」

思いもしなかった事実に驚く。

「うん、そうすれば追いかけてくる人達もやって来ると思ったのだけれど…」

「なんでそんなことすんだよ!危ねーだろ!」

「…フェリシアと魔理沙さん、これから私を助けるために危険なことするのでしょう?二人が私のためにそんなことをしていただくのに私だけが何もしないのはおかしいわ。だからせめてこれくらいはしないと駄目だと思ったの」

「でもよ、でもよ…」

フェリシアが困ったような声を出す。

「ま、別に必ず襲ってくるとは限らない。ただそれでも尾行ぐらいはしてくるだろう。そいつらをあぶりだすだけでも出来れば十分だぜ」

「それに決行するときはお前と私、それともう一人腕に覚えのあるやつがお前とアビゲイルの近くにいる。もし追手が攫いに来るようなことがあれば3人の内の一人か二人が時間を稼ぎつつアビゲイルを逃がす。これなら安全を確保できる」

「…分かったよ。けど攫いに来る奴来たらすぐアビーを逃がすからな」

フェリシアは渋々魔理沙たちの提案を承諾した。

「あぁもちろんだぜ。にしても随分アビゲイルを心配するな?気持ちは分からなくないがちょっとお前らしくないんじゃないか?」

「うるせー!別にいいだろ!」

その後さっさと朝食を食べ終えてフェリシアは2階へと登っていった。

「あの、ごめんなさい。私がこんな無理言ったせいでフェリシアが…」

「別にいいんだぜ。決行するのを決めたのは私だしな。それに私の方こそお前を利用しようとしているのにこんな方法しか思いつかなかった。謝るべきなのは私の方だ」

「魔理沙さんは私のために色々考えてくださった。それは謝るべきことじゃないわ」

「そういってもらえると助かるぜ。あと気になったんだがフェリシアの奴かなりお前を心配していたけど何かあったのか?」

「さぁ…?でも昨日フェリシアが私を守ってくれるって言ってくれたの。もしかしたらそれが関係してるのかもしれないわ」

「なるほどな。わざわざ危険にはさらしたくないってわけか…」

(アビゲイルの境遇はフェリシアと少し似ているからな…あいつにとって新しく妹が出来たように感じてるんだろう。だから絶対に失いたくないんだ)

「なら絶対守ってやらないとな…」

「え?」

「何でもない。お前も早く外に行く仕度をするといいぜ。あと何か必要なものがあったら言ってくれ」

「あっ、うん。わかったわ」

アビゲイルは自分の持ってきたバッグの元へ向かった。

「一応やちよの奴にも声かけておくか。さて、これで上手くいけばいいんだが…」

 

 

フェリシアとアビゲイルは街へと繰り出していた。先程話した通り相手をおびき出すためだ。具体的な作戦はフェリシアとアビゲイルが遊ぶふりをしながら町をうろつきまわり、魔理沙とあともう一人の人物が離れたところで見守る、そして不審な人物をあぶりだすというものだ。そしてもしアビゲイルを攫いに来る輩が確認されるもしくは二人に接近した場合フェリシアがアビゲイルと逃げ、そして離れている二人が時間稼ぎをする算段となっている。

ちなみにフェリシアとアビゲイルは魔理沙と同じ役割のもう一人については詳しくは知らない。魔理沙曰くそちらの方がフェリシア達が自然にふるまいやすいからとのことだ。

「なぁアビー」

隣を歩くアビゲイルにフェリシアが話しかける。

「何フェリシア?」

「オマエ怖くねーの?」

「え?」

「オマエ自分から狙われに行ってんだぞ。なのに全然怖くねーのかよ」

「…正直ちょっと怖いわ。でも危ないことを乗り越えればそれに見合うものが手に入ると思うから」

「すげーなオマエ。オレそんな風に考えたことねーぞ…」

そんなやりとりを交わしながら店のある通りにたどり着いた。

「あ、クレープ…」

「食いてーのか?」

「えと、実は食べたこと無くて…」

「えっ?一度もか?」

「…私のいたところにはなかったし、こっちに来てからはあまり外で過ごしたくなかったから食べる機会が無かったの」

「追ってくる奴らに捕まるかもしれねーからってことか。でもお前が言ってたあの人とかいう奴と一緒だったら大丈夫なんじゃねーのか?」

「あの人にあまり無理はさせられないわ…だから私のわがままで連れまわすわけにはいかなかったの。あの人がいなくなってからもずっと逃げることばかり考えていたから」

「…ずっと遊んでなかったってことか」

(そっか。アビーはずっと苦しい思いをしてきたんだ。なら少しくらい楽しいことをしてもいいよな)

「…しょーがねーな。おとりって言ってもどうせ遊ぶんだ。今日はオレがいろんなとこに連れてってやるよ!」

「ふふ、お願いするわ」

その後フェリシアはアビゲイルをいろんな場所に連れて行った。ショッピングモールを見て回り、ゲームセンターで遊び、映画を見る。普通生きていれば誰もがするであろう経験を、楽しんでいるように見えた。しかしフェリシアは何故か本当にアビゲイルが楽しんでるように思えなかった。

(どっか具合でも悪りーのか…?とりあえず昼でも食べるか)

フェリシアが周りを見渡すと一軒のレストランを見つける。

「次はあそこで昼食べようぜ」

そういってレストランに入ると二人は昨日と同じくそれぞれハンバーグとパンケーキを頼んだ。

「おまえって本当にパンケーキ好きだよなー」

「ふふ、そういうフェリシアだってまたハンバーグ頼んでるじゃない」

「へへ、まぁな」

二人は出された料理を食べ始める。先程のことが気になったフェリシアはアビゲイルを見るが特に具合が悪い様子は見られない。

(緊張してるのか?いつ襲ってくんのか分かんねーし)

「ねぇフェリシア、あなたは魔法少女なんでしょう?良ければ魔法少女ってどういうものなのか教えてくださらない?」

「いいぞ。魔法少女ってのはな、悪りー魔女をぼっこぼこにする奴らのことだな」

「魔女…!?」

その言葉にアビゲイルの顔がこわばる。

「ん?どうかしたのか?」

「いえ、大丈夫よ。ごめんなさい。ということは…その…魔法少女は誰かの命を奪ってしまうこともあるの?」

「は!?なんでそうなるんだよ!?」

「だって魔女を懲らしめるのでしょう?だったらそういうこともあるんじゃないかって…」

ここでフェリシアは自分が想像している魔女とアビゲイルが想像している魔女が別物であることに気付く。

魔法少女にとって魔女は大きな怪物だが、アビゲイルは人間の…魔理沙のような恰好をした魔女を想像しているのだ。

「おい、言っとけど魔女ってのはでっけー怪獣みたいなやつらのことだからな」

「え!?そうなの!?私、てっきり人のことだと…」

「ま、まぁとにかくそういう怪獣見て―な奴をやっつけるのが魔法少女ってわけ。別に誰か殺したりしてるわけじゃねーぞ…」

「そうだったのね…」

アビゲイルがほっとしたような顔になる。

「ごめんなさい、魔女という言葉には少し敏感になってしまうの」

「嫌いなのか?」

「そうね…あまり好きではないわ。セイレムでは魔女扱いされた人が殺されてしまうこともあったから…」

「は!?それって何か悪りーことしたからか!?」

「いえ、異教を信仰したり、儀式を行ったり魔術…魔法を使ったり…異端とみなされた人達は皆魔女扱いされてしまうの」

「何だよそれ…。何も悪りーことしてなくても殺されるってことかよ…。そんなのおかしいだろ…」

「その、もしかしてフェリシアも魔法が使えるの?」

「ああ、使えるぞ。でもオレは魔女じゃねーからな!?」

「ふふ、分かってるわよ。よければどんな魔法を使えるのか教えてもらえないかしら」

「あぁ、そういうことか…いいぞ。ほら」

フェリシアはアビゲイルの頭を軽くチョップする。

「な、何?」

「お前ここに来る前、店で最初に何食ったか言えるか?」

「え?それは…」

アビゲイルは思い出そうとする。そのお菓子を食べたときのモチモチの生地に包まれたクリームとフルーツの甘みが口いっぱいに広がるその味はすぐに思い出すことが出来た。

(でもなんで…どうして名前が出てこないの…?)

「思い出せねーだろ?」

「え、ええ…」

「それがオレの魔法。頭叩いたやつの記憶を忘れさせることが出来るってわけ。こいつを魔女の頭に食らわせてやると動かなくなるんだぜ!」

「…すごい!本当にフェリシアは魔法が使えるのね!」

「そりゃ魔法少女だからな。ちなみにオマエが食べたのはクレープだぞ」

「そうクレープ…クレープだったわ!」

「ま、他にも色々できるけどそんな大したもんじゃねーな。そろそろ食い終わりそうだしこの後行きたいとこ決めとこーぜ。なんかあるか?」

「ええと、じゃあ海の見える場所なんていうのはどう?」

「いーぞ!」

その後店を出た後二人は海の見える広場へと向かっていった。

 

 

「あいつら自分達がおとりだってこと忘れてないか?」

色々と楽しむ二人を観察しながら魔理沙はつぶやいた。ビルの上、肩に箒とカバンをかけながら双眼鏡でフェリシア達を観察しながらその周りを見回す。

「周りにはまだ誰も怪しいやつはいないみたいだが…一応発破かけとくか」

自然な演技をするため出かけるのを楽しむのは構わないが気を抜きすぎてもらっても困る。

そう思い携帯を取り出す。すると誰かからメッセージが送られてきたことに気づく。

(ん?フェリシアたちもうどこかに行くのか?)

よく見ようとした瞬間だった。魔理沙が手に持っていた携帯が粉々に砕け散った。

「…随分なご挨拶じゃないか。犬だって吠えるところから入るんだぜ」

後ろを振り向き投げナイフで携帯を砕いたであろう人物を見る。

「あら、ごめんなさい。あなたのような野良猫はきづかないうちに殺して差し上げた方が良いかと思いまして。まさか首で躱されるとは思いませんでしたけど」

その丁寧な言葉遣いでありながら他者を見下すような声色と共にいたのは魔理沙よりも背の高い女だった。見たところ年齢は十代後半。茶色の髪に黒いドレスを着ていた。

「知り合いにあんたみたいな攻撃をする奴がいてな。ま、あまり関係ないかもしれないが」

と言葉では言ってみたが

(危ない危ない…魔力の感知が遅れてたら完全にやられたぜ…)

というのが本音だった。

それからよく見ると黒ドレスの少女が首から似合わない骸骨の首飾りをつけていることに気づいた。

(あの首飾り…!)

「あんた魔法少女か?この辺の奴じゃないな?何者だ?目的はアビゲイルか?」

「さぁ?それらの質問にお答えする義務はありませんわ」

「…魔法少女にしては魔力が変だな。けど近くはある…。それにその首飾り…。まさかあんたドクロの奴らの一人か…?」

赤い服の女の眉が動く。

「あら。その言葉を知ってらっしゃるということはあなたもただの魔法少女じゃありませんわね。お名前お聞きしても?」

「霧雨魔理沙だ。あんたは?」

「生憎私は過去に名前は捨ててしまって…ですがこのようなとき、ベラ、と名乗らせていただいておりますわ」

名乗りを交わしお互いににらみ合う。ベラと名乗った女は小さなナイフを構える。

(こいつがドクロなら少しまずいな。あっちに腕利きの奴が向かってる可能性がある。フェリシア、早く気づいてくれよ…!)

 

 

 




キャラ紹介
オリジナル魔法少女 ベラ
魔理沙のもとに突如現れ、観測者と呼ばれた魔法少女。
他者を見下すような話し方で喋りながらもその上品で優雅な立ち振る舞いは、整った茶色い髪に綺麗な黒いドレスも合わさりどこか高貴な家柄を想起させる。
追記
観測者→ドクロに変更しました。それに伴いベラに骸骨の首飾りをつけさせていただきました
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