(仮題)とある転生者の異文化体験   作:ピッピの助

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たくさんの感想ありがとうございます。全て拝見させていただいています。
「ベットじゃなくてベッドだと思う」 inをつなげるんであれば、確かに英語基準の方がいいですね。ご指摘ありがとうございます。修正しました。
「R18版も読みたいでござる!」  R18版は恥ずかしく無理でござる!
「某ウイルスや体調に気をつけて頑張ってください!」  来週は冷えるそうです。皆様も体調にはお気をつけださい。
「歪な男女比はハーレムやるための軽いフレーバーくらいに思ってたら」  フレーバーです(きっぱり)。まさにおっしゃるとおりのフレーバーです。


時系列としては、ガルパ本番 数日前となります。

呼び方
香澄 → 幹彦くん
たえ → 幹彦
沙綾 → 海堂くん
りみ → 海堂くん
有咲 → 幹彦


11.5話(戸山香澄視点)

ガルパ本番を数日後に控えて、私たちポピパは有咲んちの蔵で、練習を頑張っていた。

 

「今のよかったよね!」

 

ライブのセトリを順々に演奏したあと、達成感を感じながら後ろを振り返る。

 

「まあ、悪くねえんじゃねーの?」

 

「香澄、さっき言ったところ、バッチリだったよ」

 

「有咲も最高だったよ! おたえもキレッキレだった!」

 

笑顔が隠せてない有咲、楽し気なおたえ。

 

「うん。今まで一番いい出来だと思う」

 

「香澄ちゃん、良かったと思うよ」

 

「沙綾のドラム、今日も痺れたよ! りみりん、ぽっぴん’しゃっふるのとき、フォローしてくれてありがとね!」

 

さわやかな笑顔の沙綾、優しい顔のりみりん。

 

ライブの準備は順調だし、演奏もすごくよくできた。これならきっと、ガルパで良いライブができる!

 

「うーん! 早くライブがしたいよー!」

 

「落ち着けよ。どうせ数日後には嫌でもやることになるんだから」

 

「有咲、嫌なの?」

 

「嫌じゃねーよ! ただ、また前みたいなことがあっても、もう待てないぞってだけだ」

 

「それなら大丈夫だよ。みんなの気持ちは一緒だから。きっと前みたいにはならないよ!」

 

ミニライブ後、ぶつかりにぶつかり合った5バンドだったけど、まりなさんとポピパのみんなのアドバイスで、また1つにまとまることができた。

 

お互いに譲れないところはあるけど、みんな演奏をするときは同じ気持ち。みんな音楽を楽しんでる。

 

それなら、仲良くできないわけがないよね!

 

ガルパのコンセプトは、笑顔のおすそ分け。

 

私たちが感じてる、楽しいー! って気持ちが、お客さんみんなに伝わるといいなって思ってる。

 

「これも強制連行のおかげかな?」

 

おたえが考えるように言った。

 

「本当だよ。強制連行がなかったら、どうなってたかわからないよー!」

 

「でも二度とやるなよ。みんなが連れてこられたときの顔を思い出すと、心臓に悪い。特に白鷺先輩」

 

「だよね。まさか文字通り強制連行してくるとは思わなかったな」

 

「あはは……紙一重、だったよね」

 

「えー! 有咲だって、それしかないかって言ってたじゃん!」

 

それぞれのバンドが離れ離れになったとき、私たちは各バンドをCircleへと強制連行した。

 

有咲も初めはびっくりしてたけど、このままじゃマズいと思っていたのは一緒だったので、最後は納得してくれたはず。

 

「あ、あのときはそれしかないって思ったんだよ。お前は見てないかもしれないけど、白鷺先輩、こえー顔してたんだぞ!」

 

「でも有咲、そのあと幹彦に慰められてたよね」

 

「え、おたえ、なんでそれを……!?」

 

「いや、みんな、あの部屋にいたからね。隅のほうでなんかイチャイチャしてるなーって私も気づいてたよ」

 

沙綾が少しあきれたように言った。

 

「有咲、バレてないつもりだったんだ」

 

幹彦くんって、ただでさえ目を引くのに、同じバンドじゃない有咲といたら、どうしたって目立つよ。有咲って身長が低いから、幹彦くんが巨人に見えたし。

 

「う、うるせー! あいつから急に来たんだよ! お疲れ様って! 急に来られて、こっちはビックリしてたんだって!」

 

「えー、でも有咲、笑ってたじゃん」

 

真面目な顔をしてたけど、彼と話すたびに笑顔が見えてたのを覚えてる。

 

「そうそう。そのあとの各バンドの演奏のときも、ずっと幹彦の隣にいたよね」

 

「ああ、たしかに。有咲いないなーって私も思った」

 

「優しい人だから、近くにいると、たぶん落ち着くんだよね?」

 

「そう! そうなんだよ、りみ! 別に近くにいても気にならないから、まあいいかって思っただけなんだよ」

 

「幹彦くん、すっごい優しいよね。ちょこっとしか話せてないけど、今度、香澄ちゃんとゆっくり話したいって言われちゃったよー!」

 

香澄ちゃんの歌はすごく好みだって言ってもらえた。すごく嬉しかった。

 

「優しいし、音楽にも真剣だし。これでウサギが好きだったら完璧だね」

 

「あ、あはは、確かに優しいよね。……私はそれよりも、有咲がこの前、海堂くんを家に呼んだ話を聞きたいなー」

 

「ちょ、沙綾、お前なんで今そういうこと言うんだよ!」

 

「私も聞きたい! 男の子と遊ぶってなにしたの? デートっていまいちピンと来ないんだよねー」

 

ドラマみたいにショッピングとか、水族館とか映画館とかに行くなら想像できるけど、お家でなにするんだろ?

 

「オスとメスがそろったら、やることは一つだよ?」

 

「お、おたえ、オスとメスって言い方はどうかと思うよ……」

 

沙綾が冷や汗をかきながら言った。

 

「ヤってねえから! ただ、茶を飲みながら話しただけだから!」

 

「好きな人とお茶を飲みながらおしゃべりって良いよね。私も憧れるなー。有咲ちゃん、良かったね」

 

「え、なにもなかったの? 幹彦からはモモちゃんと同じ感じがするから、そうなってるものだと思ってたよ」

 

「別に好きじゃねえって! モモちゃんっておたえんちのウサギだろ!? ウサギと同じ感じってなに!? ケモノと同レベルってことか!?」

 

「う、ウサギはよくわからないけど、海堂くんって女の子と関係を持つことに前向きで、ためらわない人だって思ってたから、なんか意外かも」

 

「私はそんなつもりで家に招いたわけじゃねーからな。それに……婆ちゃんが家にいたんだよ」

 

「有咲のお婆ちゃん、店じゃなくて家にいたの!?」

 

デートでお婆ちゃん同席ってどうなんだろ。

 

「お婆ちゃんにご挨拶済み……!」

 

「お婆ちゃんがいるのに家に呼ぶ有咲がすごいのか、お婆ちゃんがいる家に乗り込んでいく海堂くんがすごいのか」

 

「有咲ちゃんのお婆ちゃん、それでいつも以上にニコニコしてたんだね」

 

「い、いや、そんなことは……あるか? そういや婆ちゃん、あのときから、ずっと機嫌いいような……」

 

有咲のお婆ちゃんとは今日の朝もお話ししたけど、りみりんの言うとおり、なんだか嬉しそうな雰囲気だった。

 

そっか、幹彦くんと仲良くなれたから嬉しかったんだね。

 

「お婆ちゃんと海堂くんはどうだったの?」

 

沙綾が興味津々といった様子で聞いた。

 

「両方とも好印象だったよ。特に婆ちゃんは、幹彦くんなら安心して有咲を任せられるって言ってた。……てか、私なんでこんな恥ずかしいこと言ってんだ?」

 

「お婆ちゃん公認! 良かったね、有咲。そうしたら早く子どもの顔を見せてあげないと!」

 

「だから、そんなつもりはねえって! おたえはなんで、そっちに結びつけようとするんだよ!」

 

「? オスとメスが一緒になるって、そういうことだよ?」

 

「だからオス、メスって言うんじゃねえ! ウサギとはちげーから!」

 

「あ、あはは、もしそうなったら、ポピパで演奏できなくなっちゃうね」

 

沙綾の言った言葉に驚いた。

 

たしかに有咲に子どもができたら、バンドをやる時間はなくなっちゃうかもしれない。

 

「有咲、お願いだから子どもを作るのはもう少し待って!」

 

「バンドができなくなるのはダメだよ! 私からもお願い! 代わりに子どものウサギを好きなだけ触りに来ていいから!」

 

「わ、私も有咲ちゃんと一緒に演奏できなくなるのは嫌だな」

 

「だから、そういうんじゃねえって言ってんだろー!!」

 

有咲が両腕を上げて言った。

 

そして、はあ、はあと荒くなった息を整えて、椅子にドカッと座り、お茶を飲み干した。

 

「でも有咲、幹彦に強く求められたら受けちゃうでしょ?」

 

有咲が落ち着くのを見計らい、おたえが言った。

 

「ま、まあ。頭下げて頼むんなら……考えなくはない」

 

「頭を下げられたらヤラせちゃうんだ……」

 

「さすが有咲!」

 

「どういう意味だよ!」

 

再び立ち上がる有咲を、沙綾がドウドウと落ち着かせる。

 

ゆっくりと椅子に座る有咲。

 

今度はりみりんが口を開く。

 

「わ、私は薫さんとの関係が気になるかな?」

 

「薫さん? 幹彦は薫さんのことすっごく尊敬してるよ。薫さんって、けっこう意味がわからないこと言うけど、あいつは全て肯定してたな。そのとおりですとか、さすがですとか」

 

「全肯定?」

 

「……全肯定マシン?」

 

私の疑問に、おたえが疑問で返した。

 

全肯定マシン?

 

「へえ、なんか意外だね。海堂くんと白鷺先輩のやり取りを見てたけど、海堂くんって年上相手にも強気なイメージがあったなー。意外と上下関係がしっかりしてる感じ?」

 

「それはないな。沙綾が思ってるとおり、あいつは年上でも態度を変えないぞ。口調は正すけど、相手がバカなことやってるなって思ったら、容赦なく攻め立てることもあるし」

 

「ああ、うん。想像どおりだよ。じゃあ、なんで薫さんだけ接し方が違うんだろうね?」

 

「私は、わかる気がするな。薫さん、すっごく優しい人だから、きっと海堂くんも尊敬してるんじゃないかな?」

 

「まあ、私もミニライブのチラシ配りで助けられたし、薫さんがすげー人だっていうのは、わかる」

 

有咲は少し内気なところがあるから、チラシ配りが恥ずかしくて、なかなか声をかけられなかったらしい。でも、そんな有咲に気づいた薫さんが、有咲を助けてくれたみたい。

 

「有咲もファンになっちゃった?」

 

薫さんにはファンが多い。りみりんだって大ファンだ。

 

「それはない」

 

「有咲は、ほら。もう熱心な追っかけだから」

 

「セントー君のこと?」

 

ニヤッと笑った沙綾に、おたえが返した。

 

「追っかけじゃねーから!」

 

「セントー君といえば、パスパレって最後の曲に、セントー君の曲を歌うんだよね。こないだ沙綾ちゃんに見せてもらったパスパレのセトリに書いてあったよ」

 

「奏、な。良い曲だから悪くないと思うぞ」

 

「良い曲だよね。でも、カバー曲ってライブで使っても大丈夫なのかな。私、チスパの頃からカバー曲って著作権がマズいんじゃないかって思ってるんだけど」

 

「普通はライブハウスが著作権協会と契約してるから大丈夫だよ。ただ、契約してないライブハウスもあるから確認してからのほうがいいと思う。Circleはどっちかな?」

 

「契約はわからねーけど、セントー君の歌なら問題無いだろ。本人的にも、オーナー的にも絶対に大丈夫」

 

「おお、さすが有咲! おたえも詳しいね!」

 

おたえも有咲も頼りになる!

 

「そうなんだ。ま、有咲が言うなら大丈夫だね」

 

「有咲ちゃん、すごいね」

 

「有咲よく知ってるね。なら、問題ないかな。SPACEのときはコピーバンドとかもいたから、なんだか懐かしい」

 

「だったら私たちも今度、カバー曲とかやってみたいよね!」

 

セントー君の曲も歌ってみたいし、ガルパの他のバンドの曲も歌ってみたい!

 

「カバー曲か……うん、いいと思うよ。ポピパの曲も大好きだけど、チスパのときはできなかったし、みんなが知ってるカバー曲って盛り上がるから賛成」

 

「セントー君の曲、良い曲がたくさんあるから、迷うよね。お姉ちゃんもセントー君が好きみたいだから、聞いてみようかな」

 

「有咲はどの曲がいいと思う?」

 

おたえの言葉に、みんなが有咲に視線を向ける。

 

「そうだな……少し古いけど、ミュージック・アワー! とか、午後のパレードとかいいんじゃねーの?」

 

「ミュージック・アワー! いいよね。私も歌ってみたい! でも、午後のパレードは聞いたことないかも」

 

ミュージック・アワー! なら、ときどき動画を流しながら一緒に歌うこともある。

 

「わりと初期の曲だからな。でも、名曲だぞ。すっげえノリがいいから、ポピパに合ってると思う」

 

「わかった! 聞いてみるね!」

 

セントー君の曲って良い曲ばかりで、メドレーを聞くと、初めに気になった曲にハマるから、なかなか次の曲を探す気になれないんだよね。

 

「あとは、なんか作ってもらうのもいいかもな」

 

「作ってもらう?」

 

「あいつに、なんかポピパっぽい曲ねえの? って聞いてみるんだよ」

 

「ええ!?」

 

「いいの!?」

 

「それはさすがに……ダメじゃない?」

 

わたしはビックリしちゃったけど、おたえはノリ気だ。沙綾は少し戸惑っている。りみりんはビックリして言葉もないみたい。

 

「大丈夫だって。あいつ、自分じゃ歌えない甘々な曲をいくつもストックしてるから。むしろ、私たちが歌うからくれって言えば、喜んで持ってくると思うぞ」

 

「そ、そうなの?」

 

歌いたいって思う曲を作るんじゃないのかな。

 

「歌えないのに、作ったの?」

 

「音楽バカなんだよ。好きな曲を思いつくと、作らずにはいられないタチ。本人は作曲が楽しくて仕方ないらしいけど、作った曲も歌い手がいないから、結局お蔵入りしてる。後先考えない典型だな」

 

「な、なんかイメージと違うね」

 

「私も。自分が歌いたい曲を作って、なんでも歌いこなすイメージがあったよ」

 

私もりみりんと沙綾と同じだ。動画で見るセントー君は、とても余裕がある人に見える。作る歌だって、リクエストと自分が歌いたい曲を考えながら、冷静に作ってるイメージがある。雑談動画で怒るときもあるけど、それは余裕を残した怒りで、本人はたぶん後に引きずらないんだろうなって思ってた。

 

そこが批判されることもある人だけど、有咲に言わせれば、そこもたまらない、らしい。

 

「たぶん、作るのがメインだな。思いついたら、とにかく作ってみる感じがあってるかも。そのなかで、自分が歌っても大丈夫なヤツを公開してる」

 

「大丈夫って、音程的な話?」

 

おたえが尋ねる。音楽に関することなら、おたえは常に前のめりだ。

 

「いや、精神的な話。これは自分が歌うのは恥ずかしいって思ったやつはお蔵入り。だから、そんなかでいいのない? って聞くのは、あいつにとっても嬉しいことだから大丈夫」

 

「有咲、すごい!」

 

ファンって、こんなに好きな人のことを理解するものなんだ!

 

「つまり、セントー君は有咲にとってのウサギなんだね」

 

「う、ウサギのくだりはよくわからないけど、さすが毎朝の日課で、セントー君の歌を聞いてるだけはあるよね」

 

「そうだね。有名人と直で交渉できるってすごいよ、有咲ちゃん」

 

みんなの言うとおり、やっぱり有咲ってすごい!

 

こんなことを言うと、恥ずかしがって否定されちゃうけど、有咲だって人一倍、情熱があると思う。そうじゃないと、毎朝その人の曲を聞いたり、その人を知り尽くすことなんて出来ないと思うから。

 

私がバンドを始められたのだって有咲のおかげ。本当に冷めてる人だったら、私がランダムスターに出会ったとき、迷わず通報されてるはず。こんな優しい友だちに出会えて、私は本当に幸せだって思う。

 

「私からすれば、面識もないパスパレに、アポ無しで突撃した香澄の方がすごいと思うぞ」

 

「えー、そう? いやー照れるなー」

 

確かに、芸能人を突然、尋ねるっていうのは勇気が必要だったけど、まりなさんが大丈夫だよって言ってくれてたからね。

 

きっと良い人だと思ったら、むしろ早く会いたくなっちゃうよ!

 

「褒めてねえからな」

 

「……あれは、すごかったよね。私、付いていくのが精一杯だったよ……」

 

「私もそのまま付いてったけど、考えてみると、すごいことしたよね」

 

「音楽は情熱。香澄は立派なバンドマンだと思うよ」

 

「おたえ……! ありがとう!」

 

「うん? バンドウーマンかな?」

 

「バンドウーマン?」

 

「うん。バンドウーマン」

 

「?」

 

「?」

 

「なんだよ、この会話!」




イメージ曲
ミュージック・アワー!(ポルノグラフィティ)
午後のパレード(スガシカオ)

前者はポピパがカバーしてる曲です。みなさんご存じですよね。本家に比べて甘さマシマシの歌に仕上がってます。本家と別物って考えれば、文句なしのカバーだと思います。
後者はとにかくPVを見てほしい曲です。歌自体も名曲なんですが、PVから楽しい感じがすごい伝わってきます。古臭い構成で、ダサ目のダンスが入るんですが、それがたまらなく良いです。


勢いで書いたエピソードでしたが、話し方に苦労しました。なにを話すかは悩まないんですが、誰が話してる言葉がわかりにくいかもです。
実力不足ですね。あとキャラの研究も足りてない感じ。でも、キャラを動かすのは楽しいので、また挑戦したいです。
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