(仮題)とある転生者の異文化体験 作:ピッピの助
「バリバリムキムキマッチョマンの女装を想像したら、流石にキモすぎて無理でした_:(´ཀ`」 ∠):」 おおむね解釈一致と思っていただけたら
「マフィア○田が女装している姿を幻視しました(ヽ´ω`)」 よりにもよって、その人ですかw
「ゆりゆらのエギルを幻視した」 また懐かしいものをw
「180越えの筋肉ムキムキが女装してんの想像したら草生えますよ」「実際に見たら腹筋崩壊しそうww」 作者の高校時代はガタイの良い野球部が新入生への部活紹介でやってました。当時人気だったアイドルの踊りを披露してくれましたよ。もちろん大受けでした。作者も涙出るくらい笑ってました。
今回は主人公の母視点です。
私の息子は天才だ。
幼い頃からピアノを弾きこなしていた。
同じくピアノを習っていた身からすると、神がかってると言ってもいい程の成長スピードだ。
でも、夫に言わせれば、こんなもの、らしい。
子どもが小さければ小さいほど、音に対する吸収力は凄まじいものがあり、大人には信じられないほど、ものすごい速さで成長する。
それにしたって、小さな手でこんなに上手にピアノを弾きこなす子はいないと思ったんだけど、それも夫から言わせれば、息子には私たちの才能が充分に受け継がれているから、とのことだ。
プロのピアニストである夫と、辞めたとはいえ、コンクールで優勝経験のある私との愛の結晶だ、と言われた。
嬉しかったので、納得することにした。
だが、息子の才能はこんなものじゃない。
なんと幼いながら、作曲もこなすのだ。
思いついた、なんて言って、既存の曲には囚われない独自のリズム、独特の抑揚がある曲を作るのだ。大人だって、そんな曲を作れる人なんて限られている。
でも、夫だって昔からそうだったらしい。
なるほど! 夫の血だったか!
納得した。
息子は少し前からVtuberなんてものを始めた。
私たちも動画を見るのだが、息子はピアノだけじゃなくて、歌も上手い。
いや、幼いころから色んな楽器を使いこなしていたので、ピアノだけじゃないことは知っていた。でも、こんな人を感動させるほどの歌を歌えるとは思わなかった。
でも、夫に言わせると、昔は家庭教師にオペラの専門家を呼んだことがあっただろ、とのこと。
そうだったね。講師が、教えることなんて何もないって泣いて帰ったことがあったね!
納得ー!
やっぱり音楽については夫に似たんだなと思った。
私も才能があったと思うけど、夫みたいな天才ではない。天才の理解者は天才である。夫と息子にしかわからない何かがあるんだなと思った。
でも、息子の外見は私似だと思う
厳つい顔に大きな体格。さすがに私もあそこまでは大きくないけど、他の人に比べて背丈は大きい。
息子は子どもの頃から肉が好きな子で、ミートパウダーやエキスは好きじゃない子だった。嫌がるというより、それを肉にカウントしないのだ。別にミートパウダーがかかっていても気にしないけど、それ以外の肉がないと悲しい顔をする、不思議な子だった。
私も肉は嫌いじゃないけど、肉料理のレパートリーは全くなかったので、ほとんどトメさんに任せっきりだ。
トメさんというのは、海堂家の家政婦だ。息子が産まれた当時、40代のベテラン家政婦で、男がいる家庭の家政婦もしたことがある人だ。
経験豊富なだけあって、トメさんを雇うには通常の3倍以上の値段が必要だが、この人にお世話になったことを考えれば、それだって安すぎる方だと思ってる。
私は仕事が忙しくて、一月に数回しか家に帰れないし、夫は作曲のインスピレーションを得るために、年中、日本各地の別荘を渡り歩いている。偶に家に帰るのは、私の休日と合わせてデートするときか、ピアノ協会の仕事で東京に用事があるときだけだ。
そんな家にいない私たちに代わって、息子をこんなに立派に育て上げてくれたのがトメさんだ。もう50代になる人だが、その動きは衰えるところがない。
最近は、毎日のようにガールフレンドを連れてくる息子がおもしろくて仕方ないらしい。
連れてくる子次第で、甘いイチャイチャを見たり、ドラマでも見ないような痴話喧嘩を見たり、誘い受けの如く息子のわがままに付き合うドM少女を眺めたりと、一生で滅多に見ることができない現場を日々、目撃しているらしい。
少し前にも、息子が悩みを抱えた少女を自宅に招待したんだとか。2人で仲良くお喋りをしたり、地下の練習場でセッションしてたみたいだ。晩ごはんもトメさんを含めて3人で食べて、気づいた時には息子の部屋から嬌声が聞こえていたらしい。
2人とも一切そんな素振りはなかったのに、夕食後に片付けが終わったら、そんな状況になっていたのだとか。
早業すぎて、さすがのトメさんでも追いきれなかったらしい。息子は将来有望だ、と言われたが、全く嬉しくない。
そんなトメさんの最近、一番気になることは、隔週で家にピアノの練習をしにくる外国籍の少女と息子が、どのような経緯で関係を持つのか、ということらしい。
性格チェックは済んでるので安心してください、と言われた。この分だと、あと数年のうちに孫の顔が見れるらしい。
なんだか、私以上に息子を楽しんでる。
ガールフレンドと言えば、さっきも言ったけど、息子にはたくさんのガールフレンドがいる。
世間的に素晴らしい話なのだが、私からすると不思議で仕方ない。
だって小さい頃から、将来は父さん、母さんみたいな夫婦になりたい! て言ってたのだ。
私たちはすごく仲の良い夫婦だ。私は夫を心の底から愛しているし、夫も私のことだけ一途に思い続けてくれてる。
だから息子だって、将来は大好きなお嫁さんを見つけて、2人で仲良く暮らしていくんだろうなって思ってた。
それなのに、高校に入ってすぐ、複数の女性と付き合い始めたのだ。
女性に興味があることは嬉しかったけど、不思議に思ったのは覚えてる。
まあ、どの子もすごく良い子らしいから、真剣に向き合っていくうちに好きになってしまったのだろう。
でも、その後も息子はガールフレンドを増やし続けた。まるで考えが変わってしまったかのような振る舞いに、正直に言うと驚いた。でも、やっぱり息子は幸せそうだし、付き合っている子一人ひとりに優しく接しているらしい。
どうなるかわからないけど、様子を見守っていきたい。
ちなみに最近、うちの会社のCMに白鳥ひめを起用したんだけど、気立てのいい、すごく可愛い子だった。厳つい顔した私にも積極的に声をかけてくれるし、こんな子が息子の嫁に来てくれたら、きっと良い関係が作れると思った。息子にガールフレンドがいなければ、試しにお見合いさせてもよかったんだけど……まあ仕方ないね。
息子はピアノの才能に溢れていた。でも、事件があって引退してしまった。
これについては、私は激怒したというよりも、悲しくて仕方がなかった。
あんなに好きだったピアノを、あんな形で辞めることになった息子が可哀想で仕方がなかった。
激怒したのは夫の方だ。
つまらないことで息子の未来を潰した審査員、それを受け入れたピアニスト、それに連なる派閥、全てに怒りが向いた。
あの様子を見たとき、私と息子は、これは大事になるって確信した。
この話の責任を取らせただけでは終わらない。徹底的に追い詰めるんだろうなって確信した。
なぜって……夫はドSなのだ。
今まで散々、偉そうにしていたピアノ業界の大御所たちだ。男のピアニストである夫に対しても、やり過ぎない程度に小馬鹿にしていたらしい。
夫は日頃から、その人たちを毛嫌いしていた。しかし、さすがに権力があった人たちなので、ケンカを売っても勝ち目がない。でも、この事件でその足場にヒビが入った。
息子の引退表明に悲しい顔と怒りを露わにした後、思いついたかのように見せた笑顔が忘れられない。
大きな問題を露見させた大御所たちだけど、やはり抵抗もあった。夫はそれを実に楽しそうな顔をしながら、一つ一つ丁寧に潰していった。抵抗していた人の、その反抗心が折れるまで、つぶさに様子を伺っていたのは覚えている。
夫が性癖を大いに振るわせ始めてから早4年。今ではピアノ業界は夫の手中にあると言っても過言ではない。
まあ、夫はとても頭が良いので、外にはそんな姿をおくびにも出さない。やってることだって、夫の性格を知らない人から見れば、音楽業界のために身を粉にして働いてるようにしか見えない。
実際に、息子がこんな事態に巻き込まれた怒りもあるし、いつか、息子が再びピアニストへ戻るときの足場固めをしたいという思いもあるのだろう。
家族にはとても優しい人なので、ただの意趣返しだけではないはず。そこは安心している。
夫の最近、気になることは孫がいつできるかだ。
たぶん私と同じことを、トメさんに言われたんだろう。
まあ、息子の結婚相手は私だって気になっている。なにごともなければ、今のガールフレンドたちと結婚することになるんだろうけどね。
トメさんが言うには、女の子同士の仲も良好で、このまま同居生活をしても上手くいくとのこと。
フワフワした性格なのに、ガールフレンド達をまとめ上げている女の子がいるらしくて、その子を中心に、みんな上手くまとまっているみたいだ。
嫁に関して問題ないのはホッとする。嫁姑(よめしゅうとめ)問題は勘弁してほしい。
私もあまり家には帰れないけど、息子と結婚した嫁に、家に帰るたびに嫌な顔をされるのは我慢できないだろう。まあ、最悪の場合は、息子が買い取った隣家の空き地に嫁さん宅を建てて、そこで暮らしてもらうのも有りだ。
これでも私は一端の会社の代表取締役だ。力関係で遅れを取ることはないしね。それこそ、弦巻でもなければ、どんな嫁が来ようと大丈夫だ!
弦巻にも年頃の娘がいるけど、まあ、そんな偶然あるわけないから大丈夫だろう。弦巻当主も男嫌いで有名だからね。
昔、息子が小さいときに、個人で弦巻のパーティーに参加したことがあるけど、そのときも男はダメっていう暗黙のルールがあったから、夫も息子も連れて行かなかった。変に興味を持たれると嫌なので、願ったり叶ったりだったけどね。
とにかく、トメさんに任せっきりだったが、息子は順調に育っている。
最近は息子のVtuber活動に対して、なにやら海外が揉めているらしい。夫がアップを始めてるって聞いた。私も手伝いたいけど、仕事が忙しいし、何より国際問題なんて、どう対処すればいいか見当がつかない。
でも、息子が何かされるようなら、何があっても守らないといけないと思ってる。あるいは夫がやり過ぎないように見張るだけでも効果があるかもしれないね。今度はどこに、どこまで噛みつくかわからないし。
とにかく、無事にこの問題が終わることを祈っている。