提督を辞めたい提督   作:神楽 光

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2年目
肆月


 肆月諮日 天気:晴れ

 俺がこの鎮守府に着任してから1年。

 よく1年耐え抜いた。その祝いに何か贅沢をしよう……と、したが。

 何も思い浮かばない。まて。贅沢って何だ……何が贅沢なんだ……。

 あれ、待って。これ俺仕事人間になってないか……?

 ハハッ。いや、まさか。違うはず……。

 

 やっと……やっと終わったよ。春人。ありがとう。これで、もう大丈夫だ。

 

 肆月鬆日 天気:曇り

 友人に贅沢を聞いてみた。「お前は何を言っているんだ」と言われた。泣きたい。

 

 もう、返してくれない……か。そりゃそうだよな。自業自得だ。でも最後にこれだけは書かせてくれ。いずれ消え去るものだけど、君のこれからの人生に幸多からんことを。遥か彼方より、願っている。

 

 肆月瀨日 天気:雨

 取り敢えず思いつくのは高級なご飯だろうか?

 銀座にでも行って食べるか。……ふむ。秋月型も呼ぶか。そうだなぁ……4日後が確か空いていたはず。その時にでも誘おう。

 

 肆月麤日 天気:晴れ

 今日の秘書艦は秋月。真面目な子で執務は滞りなく進んだ。今日は銀座に行く予定なので秋月にそのことを話、姉妹にも来ていいように言うと遠慮しだした。強引に言いくるめて秋月型と俺で寿司屋へと行く。

 初めの方は全然食べなかったのだが一口食べると猛烈な勢いで消費しだした。と言うか泣いて食べるな。俺が良いものを食べさせてやらなかったみたいで店員と他の客に変な目で見られたじゃないか。

 ちなみにお金はそこそこ消費できたと思ったのだが全然有り余っていた。

 

 肆月咜日 天気:曇り時々晴れ

 なんとも清々しい朝だった。いつものルーティーンをこなし、さぁいざ仕事……したかったのに青葉が「取材ですっ!」とドアを壊すような勢いで入ってきた。取材じゃなくて秘書艦だろ……。

 青葉と仕事をこなしながら青葉の質問に答えた。

 青「好きな食べ物はなんですか?」

 俺「なんだろうな……忘れた」

 青「えぇ……じゃあ好きなスポーツはなんです?」

 俺「うーん……ない、かな?」

 青「あー……じゃあ趣味は?」

 俺「趣味……シュミ……しゅみってなんだ?」

 青「」

 大体こんな感じだった。ヤバいな俺。

 

 肆月智日 天気:雨

 今朝から小降りの雨。哨戒などは問題ないが海域攻略はできなそうだ。と言うわけで戦闘部隊に休暇を与えた。臨時休暇だけど。

 各々何をしているのかと見回りに行った。

 長門型の場合

 長門が走り込みや腹筋などをしていた。休めよ。陸奥はと言うとそんな長門を見てより過酷な訓練に身を投じていた。休めよ。

 一航戦の場合

 赤城は食堂に入り浸っていた。お前は動け。

 加賀は弓道場で精神統一をしていた。いや、休めよ。

 川内型の場合

 川内は寝ていた。何故か安心した。

 神通は陸奥と同じ訓練をしていた。休めって。

 那珂は歌ったり踊ったりしていた。うん。まぁ、楽しんでいるならいいんじゃないだろうか。赤城を突っ込んでおいた。

 陽炎、不知火、黒潮の場合

 戦術研究をしていた。休めって言ってるじゃん?

 吹雪の場合

 俺を見ていた。少し怖い。

 この……何? これ。みんななんで休んでないの? いや、吹雪はよくわかんないけど。あと川内はちゃんとしてた。赤城は知らん。

 

 どういうことだよ……勝ち逃げみたいなことしてんじゃねぇよ! さっさと話せ!

 

 ……君と体を1つにしている。()()()()はそれが気に入らなかったらしい。だから君の魂を消そうとした。俺がそれに抗っただけの話さ。

 

 は……?




 仕事のしすぎで楽しむことを忘れる主人公とそうさせてしまったと感じた艦娘達。情報源は青葉。
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