提督を辞めたい提督   作:神楽 光

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 お久しぶりです。
 小説にしようか日記にしようかすごく迷ってたらいつの間にかこんなに……まぁ結局一緒にすればいいやと思いまして。
 少ないですが楽しんで頂ければ幸いです。


小説Part
提督は逃げる


 漆月譜日 天気:曇り

 兎に角走る。遠くへ遠くへと。鎮守府近辺は基本的に森に囲まれているので、振り切りやすい。まぁ追っ手は無いだろうが。

 暗闇の森というのは何かと怖いな。野生動物もいるからいつ襲われるのか判断がしにくい。道も悪いし。何度か転けた。

 今日は野宿だ。食糧類は持てるだけ持ってきたので大丈夫だろう。

 ……彼女たちには少し申し訳ないが、俺は彼女たちの命を預かることができない。俺には……重い。

 

 漆月 日 天気:晴れ

 若干寝不足ではあるが、日中動かなければならない。まだ鎮守府が近いのだから。今朝は大騒ぎになってるんじゃないか? まぁそれでも俺が居なくなって清々する娘も多いだろう。霞とか曙とか満潮とか。

 艦娘は陸上では普通の女の子だ。その筈だ。そこら辺は調べてなかったから分からないがそうだと希望を持とう。

 しかし逃げる生活というのは辛いな。全方位に神経を張り巡らせなければいけない。というか何で俺逃げてるんだ?

 

 漆月鋪日 天気:雨

 今日は雨か……この生活では凄く不便だ。なんせ移動ができない。もうそろそろ街だと思うが、雨だと濡れてしまう。そんな状態じゃあ変な目で見られることは必須。それに風邪も引くだろう。地面もぬかるんで滑りやすい。痕跡が残らないのは有難いが……な。

 さて、もう2日経過したが向こうはどうなっているかな? 普通の生活を送っているかもしれない。そうなるように努力したからな。無いだろうが阿鼻叫喚になって出撃すら出来ないなんてことも? まぁ無いだろうが。

 さて、1日休んだら次は街だ。街さえ着けば交通機関を使える。明日までの辛抱だ。

 

 

 

 

 

 

 提督が居なくなった。その衝撃は瞬く間に広がった。

 嘆く者、怒る者、悲しむ者。それぞれの反応ではあったが、提督が居なくなって喜ぶ者は1人たりとて居なかった。

 それはまさに阿鼻叫喚の地獄絵図。彼自身が無いだろうと切って捨てた光景がそこにはあった。

 特に悲惨なのは曙と満潮。

「アハハ……私が、私が全部悪い……」

 血走った目で言いながら12.7cm連装砲を自身に向ける。発砲する寸前で姉妹艦によって止められた。それでも己を害しようと動き、長門の手によって眠らされた。

「すまない……だが、これは君たちだけが原因じゃない。彼が居なくなった理由は、私たち全員にある」

 誰かが悪いのではない。そう言って長門は曙と満潮を医務室に連れ込んだ。

 

 一方執務室では。

「夕立」

「……何っぽい」

「貴方なら彼を追える?」

「……でも」

「分かってる。だけどまだ彼に謝罪ができないでいる娘たちがいる。私もその1人。それに……彼じゃない司令官に指揮されて、貴女は満足に戦える?」

「……っ」

「そう。無理よ。私でも身の毛がよだつわ。だから、連れ戻すの。もちろん、私たちが変わらなければ彼はまたスグに離れてしまうわ。だから……」

「……分かったっぽい」

「うん。お願い」

 

 彼を連れ戻す為に、狂犬が動く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「分かってる」

 

 

 

 

 

「アンタがやりたくないってことは」

 

 

 

 

 

「でも、私たちにはアンタしかいないの」

 

 

 

 

 

 

「どうしても……」

 

 

 

 

 

 

 

「だから、お願い」

 

 

 

 

 

 

 

 

「汚名は全部私が被る」

 

 

 

 

 

 

「嫌いになってもいい」

 

 

 

 

 

 

 

「だけど……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「────私たちの傍にいて」

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