提督を辞めたい提督   作:神楽 光

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 もう既にわかっている人もいるかとは思いますが、艦これ第一期の最終作戦をモデルにしています。特にアニメは意識していなかったのですが被ったことに驚きでした。西村艦隊を出すかどうかは悩みますね……。


捷号作戦、レイテ沖海戦 開幕

「ふぅ……どうするべきだろうか」

 長門は悩む。それは横須賀鎮守府が得た情報を、どうやって大本営及び他の鎮守府に伝えるのかということを悩んでいた。

 哨戒班からの話によれば、深海棲艦同士の通信ではなく、人間と深海棲艦の通信だったおかげで盗聴ができたとのことだった。恐らく、人間の機材では通信ができないからと深海棲艦側が合わせたのだろうと思われる。しかし、それは人間と深海棲艦が繋がっているという事実を示唆していた。

 長門は判断に迷った。直接大本営に通信しても、奴らは動かないだろう。動いたとしても、情報収集だけで何日もかかる。そんなことになれば恐らく多大な被害が広まっているだろう。いや、むしろ既に被害が出ているかもしれない。そんな中で、長門達に何ができるだろうか。

「こんな時に、提督がいれば……」

 思わずつぶやいてしまう長門。ハッとして自身が何を言ったのか思いなおす。

「クソッ。この期に及んで何を私は……」

 一瞬にして気分は急降下して自己嫌悪に陥る。

「はぁぁぁぁぁ……」

 深い深いため息をつき、でろんと執務机に上半身を預ける。横を向いて様々な資料が納められた大きな棚を見る。

(そうか……提督は、毎夜ここで血反吐を吐きながら仕事をしていたんだな……本当に、私たちは愚かだ。一度謝るだけで許されるはずがない。私自身が許したくない。しかし提督のことを思うと……)

「はぁ……」

 またため息を吐く。最近は考えすぎて滅入っているのかもしれないと長門は考えた。

 

 それは、偶然だった。チラと提督の努力の証を眺めていた時、通信が入った。

『───ザ───ザ─』

『────こ──ら─』

『──さ────ん』

『──ぜ───鎮守府─』

『タウ────かいめ────』

 

「は……? 何の通信だ……?」

 途切れ途切れであまり聞こえない通信に耳を傾ける。使われていた回線は……全鎮守府に向けて発されていた。

 

 

 

 

 

『────誰か! 助けてぇ!!!』

 

 

 

 

 

 集中して情報を得ようと耳を傾けた時、艦娘の声がハッキリと聞こえた瞬間に通信が途切れた。

 救助を求める声。先ほどまで聞こえていた途切れ途切れの通信。そしてレイテ沖に集結中の深海棲艦。

 長門の顔が真っ青になり、大淀へと繋ぐ。

「大淀! 全鎮守府に通達! 深海棲艦がレイテ沖に集結中! 決戦の用意をせよ!」

『っ! 了解!』

 長門がとったのは先ほどの通信のように全鎮守府に向けて横須賀が得た情報を伝えることだった。しかし、行動はあまりにも遅かった。

「続けて、現地に向かっている艦娘に通達! タウイタウイ泊地を調べろ!」

 既に戦争は始まっていた。日本側は完全に出遅れていた。

『長門さん!』

「どうした!?」

『レイテへ向かっていた二航戦から連絡……タウイタウイ泊地が、壊滅』

 いつの間にか上げていた腰を、力が抜けたように椅子に降ろした。

 

 タウイタウイ泊地の壊滅により、決戦の狼煙があげられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 海上。

 横須賀鎮守府は情報を得てからすぐさま艦隊を組んでレイテ沖へと出撃した。二航戦を基幹として、突発的な戦闘にも対応できるように重巡那智、軽量編成及び高速航行の為の軽巡阿武隈、駆逐五月雨、野分の艦隊。

 彼女たちは南中高度にある太陽に照らされ、キラキラと輝く海面を航行していた。

「にしても……ほんとに深海棲艦の通信を聞いたのかなぁ?」

「なーに? 蒼龍。あの子たちが嘘を吐くと思ってるの?」

「いやぁ~そういうわけじゃなくてね? もしかしたら勘違いだったんじゃないかなと思って」

「それを今から確かめに行くんだろう?」

 那智が飛龍と蒼龍の会話に入り、疑問を持つ蒼龍に告げる。

「それは、そうだけどぉ……提督探しの方に参加したかった~」

「あはは。それはここにいる全員も思ってることよ」

 飛龍が苦笑しながら諭すように蒼龍に言う。言葉を発さなかった五月雨と野分もこくこくと頷いていた。

 そして、6隻全員が通信を傍受する。

『───ザ───ザ─』

『────こちら─』

『──さ────ん』

『──ぜ───鎮守府─』

『タウ────壊滅────』

「今のは……」

「どこからだ?」

「通信回線は鎮守府共通回線ですね」

「聞き取れたか?」

「いえ……ただ、壊滅、と」

「私もそう聞こえました!」

 口々に考えたことを共有する彼女たち。しかし、状況は切羽詰まっていた。

 

 

 

 

 

 

 

『────誰か! 助けてぇ!!!』

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「「っ!?」」」」」」

 

 誰の声かは定かではない。しかし、彼女たちの心を揺さぶるには十分な悲痛さが伴っていた。

「偵察機を────」

「場所が────」

「私が────」

 今すぐにでも確認しなければ、助けなければという想いが先行して、様々なことを口に出す。しかしどれも危険で、無意味になりそうなものばかりだった。

「クッ! どうすれば……」

 そして、大淀から通信が入った。

『皆さん! タウイタウイ泊地を調査してください! 二航戦のお二人は偵察機を! 他の方々は護衛と目視での確認をお願いします!』

「タウイタウイ……蒼龍!」

「うん! 彩雲、発艦!」

 通信が入ってすぐ、二航戦の二人はすぐさま偵察機を発艦させる。

「みんな! タウイタウイ泊地へ向けて速力一杯よ!」

「「「「「了解!」」」」」

 飛龍が号令をかけ、全速力でタウイタウイ泊地へと海上を駆ける。

 それから数時間、言葉少なに予想できることを話し合っている最中、大型電探を装備していた那智が声を張り上げた。

「電探に感あり! 方向、2時! 距離、6000!」

「数は!?」

「6隻!」

「偵察機で発見! 艦種は軽空母2! 軽巡1! 駆逐3の軽量空母機動部隊! 飛龍!」

「わかった! 那智、五月雨、野分は軽巡及び駆逐を! 私たち二人で空母を斃すわ!」

「「「了解!」」」

「「二航戦、第一次航空隊! 発艦!」」

「行くぞ!」

「「はい!」」

 二航戦の二人から発艦された戦闘機、爆撃機が音を立てながら飛んでゆくのを見送り、那智は五月雨と野分に発破をかける。

「野分は左舷から、五月雨は右舷から挟撃せよ! 私は正面から行く!」

 野分、五月雨に指示を出し、速力をさらに上げる。既に目視可能な距離まで近寄っており、砲撃距離は目と鼻の先だ。

「軽巡ホ級elite! 及び駆逐ロ級後期型elite2隻目視!」

「了解! これより砲撃戦へ移行する!」

「制空確保!」

 深海棲艦も彼女たちを見つけたのか、進行方向を変え、同行戦へと変わる。そして先手必勝だったからか、すぐさま制空権を確保する。

「飛龍! 第二次航空隊、発艦!」

「蒼龍! 第二次航空隊、発艦!」

 更に攻撃機を発艦させて艦攻撃へと移る二航戦。大勢はすぐに決した。攻撃機と爆撃機によってヌ級はすぐさま退場し、那智の砲撃によりホ級eliteが大破。五月雨及び野分の攻撃でロ級後期型eliteは轟沈した。那智の次弾装填によってホ級eliteもすぐさま轟沈した。

「ふぅ……このくらいなら楽勝ね。すぐに向かいましょう」

「「「「「了解」」」」」

 そして。

 

「っ!? 蒼龍!」

「わかってる! もう鎮守府につないだ!」

 二航戦の二人が先に発艦していた偵察機より、入電があった。

「偵察機より入電……」

 

 

「タウイタウイ泊地、壊、滅」

「生存者────無し」




 もうちょっと戦闘細かくかけたかな……でもそうしたら次数がすごいことになりそう。
 感想、高評価宜しくお願いします!
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