まさかのアニメが月一になりましたね。
とりあえずアニメ終了までには間に合うかな……!
基地に帰投してから、出撃していた艦娘から様々な話を聞いた。
彼の大戦のような激戦だったと。大破中破は当たり前。横須賀艦隊がいたからか、轟沈者は
資源回復及び艦娘の療養のために休暇が設けられた。しかし、未だ敵が減る様子はない。現在も断続的に襲撃をかけて来るし、それに対応するため相応の資源と艦隊の体力が奪われる。正直に言って、じり貧だった。
戦闘意欲が無いわけではない。しかし、こうまで長く続くと流石に疲弊する。戦いが始まってから早一ヶ月。宿毛基地もおとされかけている。そう感じる日々だ。
「クソッ。資源が足りない……」
「やはり、か」
「遠征を出したとしても間に合わん」
「他からは持ってこれんのか?」
「要請はしているが……あまり期待しない方が良いだろう」
「このままでは……」
「……放棄も視野に入れるか」
「……」
長門と宿毛基地の提督が話し合う。今後についてどう動くべきか。作戦、戦術、戦略。会話を重ねるがそれでも解決口が見つからない。まるで迷路にでも入ってしまったかのようだった。
そんな折、会議室にノックの音が響いた。2人とも口を閉ざし、宿毛基地提督が「入れ」と言った。
「やぁやぁ宿毛基地の提督殿、どうやら危機的な状況……何故ここに艦娘がいる」
陽気な声を上げながら会議室に入ってきたのは、でっぷりと太った将校……岩国基地の提督だった。
「岩国の。今は忙しい。悪態を吐くだけなら即刻持ち場に戻れ」
「はんっ。私が直々に手伝ってやろうというのに何度その態度は? まぁ良い。それよりもそこの艦娘を下がらせろ」
「ちっ……長門殿。すまないが」
「あぁ、了解した」
宿毛基地提督は小さく舌打ちして長門に促す。岩国基地提督は彼の物言いに疑問を感じ、首を傾げていた。
「では、失礼する。また後程」
「あぁ」
長門は立ち上がって扉へと向かう。その際、どうしても岩国基地提督のそばを通らねばならず、目礼だけして出ていこうとした。そして、岩国基地提督は汚らしい笑みを浮かべる。
「おんやぁ? もしかして彼のビッグセブンの長門かぁ?」
「……あぁ、そうだが」
ねっとりとした声で長門を呼び止め、いやらしい視線を長門に向ける。
「あ? 上官に舐めた口を利くじゃないか。これは罰則ものだなぁ?」
不愉快そうに顔を歪め、しかし視線は長門の胸部装甲に固定されている。
「今現在は緊急事態故ご遠慮願いたい」
硬質的な声音でそう返し、さっさと踵を返して会議室を後にした。
「チッ! 何だ今のは! 躾がなっていないんじゃないかぁ? 宿毛の」
悪態を吐いて、ギリギリと歯ぎしりをする岩国基地提督。それに対して宿毛基地提督は嘆息しながら無表情に言葉を投げつけた。
「言っただろう。今現在は緊急事態だ。悪態を吐くだけならば即刻持ち場に戻れと。それと、彼女は私の艦娘ではない」
「おいおい。手を貸してやろうって言うのに……んぅ? 貴様のでなければどこのだ。呉か?」
「いいや。横須賀だ」
「は……? 横須賀……?」
岩国基地提督はポカンと間の抜けた顔をした。
場所は変わり、大本営。
そこで一つの騒ぎが起こっていた。
「おい、貴様! 何故外へ出ている!」
「なんだ、だめなのか?」
「うぐっ……」
苦虫を嚙み潰したかのような顔になる緑よりも濃い色の軍服を着る男。それに対してもう1人は澄ました顔をしていた。
(やべぇ……拳銃持ってる)
内心恐々としていたが。勢いよく地下から出たものの、自分のいる場所がどこでいつなのかがわからない。だからこそうろついているのだが、完全に迷子になっていた。
(こんなところ艦娘達に見られたら恥ずかしいなぁ……)
内心羞恥に悶えながら恐らく憲兵だろうと思われる男を無視して歩き出す。
「おい、止まれ」
別の方向からまた声をかけられたが、自分ではないと考え歩みを止めなかった。
「止まらないと撃つぞ?」
低く、本気の意思を感じる声に思わず立ち止まる。
視線を感じる方を向くと、拳銃を構えた先ほどよりも少し豪華な軍服を着る男がいた。
「なんだ?」
「元居た場所に戻れ」
「なぜ?」
「それが決まりだからだ」
「うん? 私はそんな決まり聞いたことないが?」
「貴様がいないうちに決まったのだ。さっさと戻れ」
「ふむ。ならば横須賀鎮守府に戻るとしよう」
「は? 何を言っている。貴様が戻るべきは────」
「戻るべきところは鎮守府だろう? 私は提督だ。ならば持ち場である鎮守府へと帰るのが道理だと思うが? 違うか?」
「ぐっ……だが、今貴様には出頭命令が─────」
「そんな話は知らんな。書類も見ていない。誰かに連れてこられた記憶もない。寝ている間に移動させられたのか、目が覚めたらここにいたのだからな。さしずめお前たちは誘拐犯と言ったところか?」
「なっ! 我々を犯罪者だというのか!」
「でなければ何故私はここにいる。先ほど私が知らない間にといったな? おかしいよな? 作戦の指揮を預かる提督が。大本営の規則を知らされていないなんて」
「……」
言葉を重ね、憲兵らしき男に詰め寄る。問い返すうちに男は口をつぐみ、苦々しい顔つきになり、俯く。
拳銃に撃たれまいと思考をフル回転させた結果相手を詰る結果になり、思わずやり過ぎた、といった顔をする。しかしそれは誰にも見られることは無かった。
このままでは居心地が悪いと、再び口を開く。
「なぁ。軍人とはなんだ」
「……は?」
明後日の方向に思考が投げられた。内心またやってしまったと後悔し、それでも言葉を紡ぐ。意図せず零れた言葉は、内心感じていたものだったから。
「かの大戦時、軍に所属していた者たちは、その命を投げ出す覚悟で戦った。その根本にある願いは様々だったのだろう。今の私たちに推し量ることはできない」
絶えず言葉を紡ぐ。その言葉は、一人の妖精によって館内放送される。器用にも彼らのいるところの放送だけを切って。
「だが、彼らはなんのために戦ったのだと思う? 彼らは何を思って戦ったのだと思う? 死にたくないという思いがあったはずだ。戦いたくないという思いがあったはずだ。それは私たちとて変わらない」
知らず知らずのうちに涙がこぼれる。
「彼らが必死になって繋いだこの世界を。今、私たちはこの世界に何をしようとしている?」
悔しかった。会いたいと願う程に好きだった艦娘達が、まるで人形のように扱われていたから。
「そして、異なる脅威が現れ、私達の為に戦おうと大戦時に没した軍艦の英霊になにをしている?」
悲しかった。様々な憶測がありながらも、誰からも愛されていた彼女たちが、酷い扱いを受けていたから。
「誇りは無いのか。勝利を見たくないのか」
憎かった。彼女たちを悲しませるこの世界が。そして────、
「人だ兵器だと言っている場合か?
恐ろしかった。愛しい彼女たちが、海に沈むのが。
「
そう。そうなのだ。
彼女たちのいる世界に、
画面越しに、システムに縛られながらも懸命に戦う彼女たちに。
やっと触れられるのだから。
やっと、共に戦おうと言えるのだから。
「
涙をぬぐって宣言する。男は今、そのぐらいの覚悟でもってこの場にいるのだから。と。
呆然とする男を無視し、また先へと歩み始める。振り返り様、いつの間にか右肩にいた
まるで
「
異世界で彼女たちと画面越しの絆を育んだ英雄は、戦場へと向かう。
思ったんですけどもしかしてアニメ10周年に合わせるために伸ばしたんじゃ……。
10周年記念が豪華になりそうだなぁ……イベントもそれまでお預けだろうし……。なんならアニメに合わせるんだったらイベントがレイテ沖海戦になりそうな予感。決戦モードとか見れるのかな……。