東方殺女王   作:ダイナマイト

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いよいよ2けたの話数を越えました。

嬉しいです。


影斗のキラークイーンその2

咲夜に案内された部屋にあったのは、一つの机と二つの椅子だった。

日の光が入らないほど分厚いカーテンのせいか、部屋は少々薄暗い。

 

「では、お嬢様をお連れしますので、どうぞおかけください。」

 

「ああ、よろしくたのむ。」

 

咲夜はそう言って部屋から出て行った。

少し部屋を見渡す、この部屋も紅い。

なぜここまで紅いのだろうか、いったいどんな趣味をしているんだ。言っちゃあ悪いが、かなり悪趣味だ。

ところでここの主人はいったいどんな奴なんだろうか?齢は500を超えるという。文という前例はあるが、彼女の年齢は知らないので、ここの主人がどのような姿をしているのかわからない。

咲夜がお嬢様というからには、未婚なのだろう。如何せん情報が少なすぎる、考えるだけ無駄だろう。

もうすぐ本人が来るのだ、だったらそれを待てばいい。そう思いわたしは思考を打ち切った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レミリア・スカーレットは考える。

ここに、あいさつに来たという人間のことだ。咲夜や美鈴を倒してきたという。

それだけならレミリアは別段驚くことはなかっただろう。

その男はなんと肉弾戦でこの2人を倒したというのだ。この幻想郷の新しいルールだとかいうスペルカードではなく・・・

・・・妖怪の美鈴と、時を止められる咲夜を、純粋な戦闘でだ。

聞けばそいつも少しの間ではあるが時を止められるらしい、さらにスタンドなどという不可視な能力までもっている。

面白い・・・人間というちっぽけな存在がそんな大それた力をもっている。

気に入ればここの従者の一人にしてやってもいい。

 

レミリアは少しの興奮を覚えながらその男の待つ客間へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蒼々 影斗は考える

咲夜に続いて入ってきた少女を見て、わたしは素直に驚いた。

少女・・・いや、少女というよりは幼女だろう、小学校の高学年にも満たない女の子だ。

若い女性ということはある程度想像していたがこれは若すぎるだろう。

幼女はこちらの視線に気づいたようで、苛立ちを隠さずこちらを睨んできた。

 

「なんだ人間、もの珍しそうにこっちを見て・・・

わたしがここ、紅魔館の当主、レミリア・スカーレットだ。」

 

どうやら彼女は心底、人間を見下しているようだ。冷ややかな目をしている。

言うならばあれだ、養豚所の豚を見るような・・・

『かわいそうだけど、明日の朝にはお肉屋さんの店先に並ぶ運命なのね』って感じのあれだ。

こちらの命などいつでも奪えるという、実に子供らしい傲慢さだ・・・

影斗はそう思った。

 

「あ、ああ・・・すまない、少々驚いてしまってね。その・・・なんだ、可愛らしい姿をしていたものだから・・・

人間は難儀なもんでね、どうしても見た目で第一印象を決めてしまう。」

 

「・・・ふんッ、まあいいわ、それでなんの用よ。」

 

レミリアは椅子に座りながら、影斗にそう問った。

ここの主人として威厳に満ちた姿で応対しなければならない、出鼻は挫かれたがまだ大丈夫だ。

レミリアはそう考える。

 

「わたしは蒼々 影斗という。君たちの言う外から来た人間だ。

わたしがここに来たのは、これからここ、幻想郷で平和に暮らすにあたって、君にあいさつをしておいた方がいいと思ったからでね。」

 

「そうか・・・その殊勝な心掛けに免じて、客として扱ってやるわ。咲夜!お茶を。」

 

「はい、ただいま。

 

ズバ────z____ンッ!

 

そう言われ、咲夜は時を止めた。

最初は少しハラハラしたが、お嬢様が可愛らしいのも事実だし、案外仲良くやれそうなのを見て、咲夜はホッとした。

影斗は咲夜が時を止めたことに気がついた。そっと目配らせ、影斗は咲夜が帰ってくるのを待った。

 

レミリアにとっては一瞬のうちに、咲夜が紅茶を用意した。

 

フフフ・・・咲夜と影斗が笑いあっているのを見て、レミリアは若干不機嫌になりながら言った。

 

「・・・ずいぶん仲がいいじゃない、それも何か目的があるのかしら?」

 

レミリアがそういうと、影斗は顔を歪めて答える。

 

「心外だ、レミリア、わたしだって友人くらいつくるさ。

わたしと同じ人間で、同じように時を止めらて、そのうえ尊敬できる人となりをした彼女と仲良くしたいと思うことがそんなに不自然かい?」

 

「君は引力を信じるか?」

 

「引・・・力・・・?」

 

レミリアは思った。

何を言っているのだろうか?

咲夜が少し頬を赤らめているのは気に食わないが、咲夜と友人になった理由は納得のできるものだった。

確かに自分と似たようなことが出来る人間に親しみが湧くのは当然だろう。

しかし引力とはなんだ?今、関係があることなのか?物体が引き合う力だということくらい知識として知っている。

なぜ、今言うのかが分からない・・・

レミリアの思いをよそに影斗は続ける。

 

「ああ、もちろん一般的な引力のことじゃあない。

人と人の間にある引力・・・人と人とが引き合う力のことだ。

わたしがこの世界に来て、君たちに出会えたことに何か意味があると思えないか?

わたしは君の名前を聞いてここに来た。それも引力のせいだと、わたしは考える。

出会うべくして出会った・・・そう言えるだろう。」

 

「出会うべくして出会った・・・ね。」

 

「ああ。」

 

影斗の態度がでかいのは気に食わないが、大方自分の力を過信しているのだろう。

人間よりずっと強大な存在として、そのくらい可愛いものだと見逃してやるのが務めだろう。

しかし、面白い考えだ、素直に感心できるものだ。

1つ質問をしてみよう、もしかしたら面白い意見が聞けるかもしれない。

 

「じゃあ、わたしからも聞かせてもらうわ。

貴方にとって運命とはなに?」

 

「運命・・・運命ねぇ・・・」

 

影斗は少し考える仕草をすると、ゆっくりと言葉を紡いだ。

 

「読んで字のごとく、『命を運ぶモノ』とも言えるが、それだけじゃあないな

だったら・・・ちっぽけでゆるがなくはないもので・・・それでも敵わないものかもしれない。」

 

「敵わないもの?」

 

「ああ、ふつうはどんな未来だろうと受け入れなければならない、人間は運命に従う眠れる奴隷だ。

もちろんわたしは、運命なんてものは、自分の力で切り開くものだと思っている。

・・・がッ!それでも逃れられない運命というものがあるだろう、何もしなければ変わらない・・・眠っていては変えることのできないモノだ。

それでも、人間は目覚めれば結果は変わらずとも、過程は変えることが出来ると信じてる。

どんな暗く、闇に閉ざされた運命だろうと、人間の覚悟は、自らが進むべき道を切り開くッ!

・・・わたしはそう思うよ。」

 

「いい考えね、おもしろいわ。」

 

期待以上の答えを言ってくれた。レミリアはそう思った。

レミリア自身、運命を操る能力を持っているが、それは先ほど影斗が言ったように結果というものは変えることができない。

出会うはずの人間は、必ず出会うし、自分が負けるという未来も変えることはできない。

運命というのは、それほどまでに強靭なものなのだ。

 

「・・・ところで、君は吸血鬼なんだよな?」

 

「ええ、そうよ。」

 

「その、やっぱり人間の血を吸ったりするのか?」

 

「当たり前じゃない。」

 

「君は今まで何人くらいの血を吸ってきたんだ?」

 

「そうね・・・・・」

 

レミリアはその質問を待ってましたと言わんばかりに口角をグイッと歪ませた。

 

「君は次に『貴方は今まで食べてきたパンの枚数を覚えているの?』・・・と言うッ!」

 

「貴方は今まで食べてきたパンの枚数を覚えているの?・・・ハッ!」

 

「別に君が何人の人間を糧にしてきたかなんて実のところ興味はないんだ。わたしの知らないやつが何処でどうなろうと、わたしの知ったこっちゃあないからね。」

 

「・・・そう、ならいいわ。」

 

レミリアは面白くなさそうに言った。

自分では決まったと思ったのだろう。しかし今、頬を膨らませる彼女は子供そのものだ。

 

「・・・んで、話は戻すけど、わたしに何をしてほしいのよ」

 

「別に何かしてほしいと言うわけでもないのだが・・・、そうだ、ここに来る許可がほしいかな。」

 

「ここに来る許可?」

 

「ああ、愛すべき友人にも会いたいし、パチュリーにもいつでも来てと言われたからね。」

 

別にいいわよ、レミリアは興味なさげにそう言った。

しかし、次の瞬間椅子から前のめりに立ち上がり、影斗にむかって言葉を紡いだ。

 

「それで貴方はなにをしてくれるのかしら?タダでなんてふざけたこと言わないわよね?」

 

「お嬢様ッ!」

 

レミリアが影斗を挑発するように言うと、咲夜がそれを咎めるように声を荒らげた。

 

「いや、咲夜、レミリアの言う通りだ。自分の願いだけを聞いてもらおうだなんてムシが良すぎる。

・・・しかし、わたしが出来ることなんて、かなり限られてくるぞ?

そうだな、何か壊れたものはないか?わたしの能力なら、そういうのを治すことができるが・・・?」

 

「あいにくだけどうちのメイド長は優秀なの、物を壊すなんてヘマはしないわ。」

 

「しかし、そうなるとだな・・・」

 

「だったら、1つお願いしてもいいかしら?」

 

「ン?ああ、わたしのできることならオーケーだ。」

 

「ええ、簡単なことよ。」

 

レミリアは心底楽しそうに口角を歪ませながら言った

 

「うちの妹と遊んであげてくれないかしら?」

 

 

 




咲夜さんマジ空気wwwww


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