東方殺女王   作:ダイナマイト

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【挿絵表示】


影斗の容姿はこんな感じですかね。
絵が下手なのはわかっています、申し訳ありません。


影斗のキラークイーンその3

「妹ォ?」

 

「ええ、妹よ、わたしの可愛い妹・・・

あの子はまだ、人間を見たこと(・・・・・)もないの。だからちょっと話し相手にでもなってあげてほしいの。」

 

そう言ってレミリアは咲夜のほうを向いた。

その眼には何も言うなという意思が込められている。

いつもは仲のいい二人なのだが、こういう時のレミリアには有無を言わせぬ何かがある。所謂カリスマというやつなのだろう。

拾ってもらった恩もあってか、咲夜は影斗に何も言えなかった。

影斗はそれに気づいたが、咲夜の立場が悪くなる可能性もあるので気づかないふりをした。

 

「ああ、別にかまわないよ。それだけでいいのなら。」

 

「そう・・・じゃあ咲夜、案内してあげて。」

 

「・・・かしこまりました。」

 

影斗は咲夜の案内のもと、部屋から出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

図書館のさらに奥、その地下に、わたしは案内された。

目の前には可愛らしい装飾が施された扉がある。

道中、パチュリーに

(いつでも来てとは言ったけど・・・いくらなんでも早すぎないかしら・・・)

とでも言いたそうな顔をされた。わたしも好きでこんなに早く来たわけでもないのだから許してほしい。

咲夜はずっと神妙な面持ちで一言も話さなかった。

 

「こちらが・・・妹様の・・・お部屋です・・・」

 

咲夜は何とも言い難い顔をしている。

 

「・・・別に君が気を病むことはないんだぞ。咲夜。」

 

「ですが・・・ッ!」

 

「君が何をそこまで警戒しているのかは分からないが・・・大丈夫さ、死にはしない。」

 

「でも・・・ッ!

友達なんだから・・・心配くらいしますよ・・・」

 

何故、咲夜がここまで警戒していたのかが分かった。

どうやら彼女も、わたしのことを友人と思っていてくれているらしい。少なくとも死んだら悲しいと思われるくらいには。

これは嬉しい、少し頬が緩んでしまう。人にここまで思ってもらえて嬉しく思わない人間などいないだろう、それも咲夜のような可愛らしい女性にだ。

 

「クックック・・・ありがとう、でも大丈夫さ、わたしは女の子を悲しめるようなことはしないんだ。」

 

わたしはにっかり笑って、彼女を諭すように言った。

 

「///・・・分かりました・・・

どうか・・・ッ!ご無事で・・・」

 

咲夜の声を受けながら、わたしはその部屋に入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あら?あなただあれ?

 

暗く、光を通さぬ地下室の一室、そこにいたのは1人の少女だった。いや当たり前だろう、レミリアの妹と言われてグラマラスな女性が出てきたら、それはそれで恐ろしい。

レミリアとは違う吸血鬼らしくない宝石のような羽に、レミリアと同じようなふんわりとしたドレスに身を包み、純朴な瞳でこちらを見つめる彼女は年相応・・・いや、見た目相応な雰囲気をしている。

咲夜はなんの心配をしているのだろうか?

たった今出会ったばかりの私と、長らくこの館に勤めている咲夜の意見を比べるのは少々おこがましいだろう。

それに、部屋に入った瞬間から漂ってきているこの気配・・・嫌なものを感じる。

だからわたしは警戒を怠らない。

 

「わたしは蒼々影斗という、君のお姉さんに、君の遊び相手にでもなってほしいと頼まれてね。」

 

「へえ~、あいつ(・・・)が?

わたし、フランドール・スカーレット、フランって呼んで。

よろしくね。」

 

「ああ、よろしく頼む。」

 

そこまで言って、わたしは1つの違和感を覚えた。フランは姉のレミリアのことをあいつ・・・と言ったのだ。

 

「あいつ・・・?と言うのはレミリアのことか?」

 

「ええ、そうよ。だって私のこと、この部屋から出してくれないんだもん。」

 

そう言いながら彼女は天蓋付きの豪華なベッドにポスンと座った。

 

「ほら、あなたも座ったら?」

 

フランは自分の隣りをポンポンと叩きながら言った。促されるまま彼女の隣りへ座った。

 

「この部屋から出してくれない?」

 

「ええ、生まれて495年、この部屋から出たことがないわ。

別に出たいわけでもないんだけどね、なんか気に食わないじゃない。」

 

フランはそう言ったが、わたしはそれを話し半分くらいにしか聞いていなかった。

この部屋・・・入った時から違和感を感じていたがそれが分かった。

部屋にあるものほとんどに修理の跡があるのだ・・・それにこの部屋を漂う空気・・・何か嫌なものを感じる。

 

そういえば・・・とフランは言った。

 

「影斗って私と遊んでくれるんだよねッ?」

 

「ああ、じゃあ何をしようか?」

 

「んーとね、じゃあ鬼ごっことか!」

 

「そうか、分かった、範囲はここの地下全域だ。

それじゃあどちらが鬼をやる?」

 

「わたしがやるわ、だって吸血”鬼”だもん。」

 

「そうか・・・じゃあわたしは逃げるとするよ、ちゃんと100数えるんだよ、フラン。」

 

「うん!分かった!

・・・コワレチャダメダヨ・・・。」

 

底冷えするような声でフランはそう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

咲夜があれほど心配する意味が分かった。

彼女は気が触れている、悪気がないだけにたちが悪い、純粋な狂気だ。

わたしは長い廊下を走りながらそんなことを思った。今だけは咲夜が広げたこの廊下に感謝したい。

 

・¥

何度か廊下を曲がったところで破壊音と共にフランの声が聞こえてきた。

 

「アハハハハハハ、影斗、何処隠れたのよ―ッ!」

 

(まずいな・・・時期にここにも来るだろう。)

 

狂気に犯されたフランから逃げるため、廊下をジグザグに逃げる。

 

(キラークイーンッ!)

 

念のためキラークイーンも出しておいた。

いまだに破壊音は廊下を響かせている。

自身のスピードを上げておくのも忘れない、そして・・・

 

突然、目の前の壁が壊れた・・・

 

「見ィツケタァ・・・」

 

(チィッ!まさか壁そのものを無視してくるとはッ!)

 

こいつに常識というものはないのか?目の前に壁があったら普通は引き返すだろう、誰だってそーする、俺もそーする。

しかし非常にまずいことになった、逃げられないことはないだろうがジリ貧になってしまう。

 

(仕方ない・・・少し痛い目にあってもらおう。)

 

遊んでくれと言われたがこれでは仕方ない、気絶させてさっさと帰るとしよう。

そう考え、フランと対峙する。

 

「簡単に壊れちゃだめよッ!」

 

フランはそう言って緋色の弾幕を繰り出してきた。

神社で見たものとは違う、吸血鬼の膨大な妖力とやらをめちゃくちゃに打ち込んでいるだけだ。それでも人間一人を殺すには十分な威力ッ!。

先ほどまでの破壊音はこれだろう。

 

「ザ・ワールドッ!時よ止まれィッ!」

 

時を止めてそれを躱す、彼女に近づく余裕はない。

 

「すごいッすごいッ!あれを避けれたんだッ!

どうやって避けたかわからないけど、すごいのねッ!あなた。」

 

「ああ、そこまで余裕があった訳じゃあないんだがね。」

 

「じゃあ、もうちょっとだけ本気出すッ!」

禁忌『クランベリートラップ』

 

フランは一枚のカードをその懐から取り出し、そう宣言した。

 

(あれはスペルカード・・・ッ!)

 

その瞬間から放たれる規則性を伴った光弾、それらがわたしに襲いかかるッ!

先ほどとは違った意味で厄介なものだ・・・。

しかし・・・ッ!

 

「わたしだってそれくらいはできるさ、舐めてもらっちゃあ困る・・・ッ!」

 

今朝見た弾幕、パチュリーとの会話、そして何より今ッ・・・実感することができた。

パチュリーいわく、スペルカードと言うのは自身の能力などをそのまま利用することが多いらしい。

咲夜なら時止め、パチュリーなら魔法だ。

 

「わたしは今、攻撃を受けている、ならばこのカードだ・・・。」

 

そう言ってわたしは一枚のカードを取り出した。

絶頂『キング・クリムゾン』

 

わたしからいくつかの光弾が放たれる。慣れないせいか、まだ霊力弾の数は少なく、密度も低い。

しかし初めてで形として出せるだけすごいとパチュリーは言っていた。

キラークイーンのスイッチを押す。時間は消し飛んだ。

消し飛んだ世界では、何物もその行動を認識することはできないッ!

フランの弾幕はわたしのいた位置を通り過ぎ、後ろの壁を破壊する。

フランはわたしの放った弾幕が近づくことに気づかない。

 

「そして時は再び刻み始めるッ!」

 

「へ・・・」

 

ボムギッ!

 

フランにとっては、いきなり目の前に現れた光弾、彼女は無防備にそれを喰らった。

顔面からは血をたらし、服はすすけている。

 

「痛い、イタイ

どうやってヤッタノかシラナイけドモウ許さない・・・ッ!

殺す、殺す、コロす、ころす、コロスコロスコロスッ!」

 

少し失敗した、気絶させるつもりで放ったのだが、吸血鬼の頑丈さを正直舐めていた・・・、慣れないことはやるもんじゃあないな・・・。

わたしの思いをよそに、フランは出血場所を左手で抑え、右手を開いて前へ突き出した。

 

「きゅっとして・・・・・」

 

ゾクッ!

 

彼女の声色は先ほどよりも冷たさが増し、より狂気を孕んだものだった。

だからわたしは、とっさに右に飛んだ。

 

「・・・ドカーン・・・ッ!」

 

わたしの左腕が吹き飛んだ。

 

 

 




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