東方殺女王   作:ダイナマイト

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今回は今まで張ってきた拙い伏線の回収回。

予想していなかった!と思われたらうれぴーです。


射命丸文は恋をするその4

 

アナザーワン・バイツァ・ダストの能力解説。

 

影斗の成長により、一日一回の制限が一時間に一回に成長している。

 

時を1時間巻き戻す能力、しかし時を巻き戻しても運命は変わらない。

 

10時半にナイフでけがをした。

11時に時を巻き戻す。

巻き戻した10時半、そのナイフに触れてなくてもケガをする。

 

といった感じで、運命は変わらない。

時を巻き戻しても、出会う人間は出会うべくして出会うし、死ぬ人間は死ぬ。

まさしく過程を変えるための能力と言えるだろう。

しかし影斗の場合、時間を消し飛ばす能力を持っているので、自分の運命だけは変えることが出来る。

 

 

 

 

 

 

 

今日の服、ディアボロの服

 

5:30 影斗起床

 

6:30 人里にて、死津藻の分身と交戦

 

7:00 幽香の家にて、死津藻についての説明を受ける。

 

7:20 魔法の森にて、死津藻の分身3体と交戦

 

7:40 射命丸文 死亡

 

7:57 妖怪の山にて、はたてに出会う

 

8:00 アナザーワン・バイツァ・ダスト作動

 

 

 

 

 

 

「分かるかしら?今この状況の深刻さが・・・

って影斗?どうしたの?いきなりそんな呆けた顔をして・・・?」

 

「ン・・・あ、ああすまない、少し考えていたんだ。」

 

どうやら・・・無事、時間は巻き戻ったようだ。

影斗はそう思い、少しほっとした。

だが次の瞬間、先ほど見た文の姿が思い出される。

 

まだ腕に少しだけ残っている力ない重み、もう何も言うことのない少女の姿・・・

記憶を失ってから・・・初めて感じた・・・身近な者の死・・・

その『運命』を変えるために・・・自分は戻ってきたのだ・・・ッ!

 

そう思って、影斗は決意を固める。

 

「それならいいんだけど・・・」

 

時間が戻っていることは知らない幽香には、影斗の表情の理由が分からない。

だから幽香は、多少腑に落ちなくても無理やり納得することにした。

 

「なあ幽香?体調の悪い君に・・・こんなことを頼みたくはないのだが・・・

恥を忍んで頼む・・・君もついてきてはくれないか?」

 

影斗は『運命』を変えるための手を打つ。

 

「・・・礼は弾んでもらうわよ・・・。」

 

その真剣な表情に打たれ、家で休んでいるつもりだった幽香も、そう答えた。

 

「わたしにできることなら・・・どんなことでも。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

7:20

 

「まさか・・・時間を巻き戻せるなんてね、あのメイドにもできないじゃなかったかしら?」

 

「そんな便利なものじゃあないんだがね・・・」

 

そんな会話をしながら、影斗と幽香は妖怪の山を目指して飛んでいた。

 

「鴉天狗を・・・救うためね・・・」

 

ちょっと妬けちゃうわ・・・と幽香は呟くが影斗の耳には届かない。

 

そこで急に影斗が止まった。

 

「どうしたの・・・急に・・・」

 

「見つけたぞ・・・」

 

その声と共に、3体の死津藻の分身が姿を現した。

 

「出会うべくして、出会うということか・・・」

 

「・・・?なんのことを言っているんだ?貴様・・・」

 

「貴様らの相手をしている暇などないんだァ────ッ!」

 

そう言って時を止めようとする影斗の横を、一筋の光線が通った。

その光線は、分身たちを包み込む。

その光が途絶えたとき、もうそこに死津藻の分身の姿はなかった。

 

影斗は思わず後ろを振り向いた!

 

「ドーン♪」

 

そこには、先からシュウシュウと煙を上げる傘を前に向け、実にイイ笑顔を浮かべた幽香がいた。

影斗は口をあんぐりと広げたまま呆然としていた。

 

「ほら、急ぐんでしょう?さっさと行くわよ。」

 

(彼女を連れてきたのは・・・やはり『正解』だった・・・ッ!)

 

足早に飛んでった幽香の後を、影斗は追いかけていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

7:25

 

「本当にこっちでいいの?」

 

「ああ、間違いない、さっきの時間軸の通りなら・・・この辺のはずだ・・・。」

 

幽香の言葉に、影斗は落ち着いた風に答えたが、内心焦っていた。

 

(先ほどの文は・・・まだ温かかった・・・、それにまだやわらかかった・・・死後20分くらいと言ったところだろうか・・・

この地点から20分圏内・・・いや、はたては文を背負っていたから、10分~15分くらいだろう・・・。

広いッ広すぎるッ!戻ってきてから約30分ほど・・・制限時間は10分ほど・・・)

 

間に合うのか?

そんな不安が影斗の胸を締め付けるッ!

 

(違うッ!間に合わせるんだッ!この身が朽ち果てようとッ、必ずッ!)

 

そんな影斗に、一筋の光明が現れる。

 

「おや・・・お前は・・・」

 

現れたのは以前、文に紹介してもらった白狼天狗、犬走椛だった。

 

(あれは・・・犬走椛?確か彼女の能力は・・・ッ!)

 

考えるよりも先に体が動いた。

 

「犬走椛ッ、頼むッ!力を貸してくれッ!」

 

彼女に近づき、影斗はまくしたてる!

 

「なんだ?急に・・・」

 

「君の能力で・・・文を探してほしいんだ・・・」

 

椛の能力、千里の先まで見通す程度の能力・・・その力で・・・文を探してもらおうと思ったのだ。

 

「文様を・・・?残念だが・・・今いまいち能力が使えないんだ。そもそもお前のために、わたしがそうする理由・・・が・・・」

 

椛はそれを断ろうとしたが・・・最後まで言うことはできなかった・・・

影斗が泣いているのだ(・・・・・)ボロボロと涙を流しながら椛に頼み込んでいた。

 

「・・・ッ!」

 

流石にこれに椛は動揺した。

それほどまでに切羽詰まった状況なのか・・・?この霧のようなものは・・・?

そう思った。

 

「頼む・・・能力のことなら問題はない、さっき持ってきた・・・頼む・・・君しかいないんだ・・・。」

 

「・・・分かった、文様を探せばいいんだな?

何があったかは知らない・・・聞かない・・・だから能力のほうを早く・・・ッ」

 

「ッああ!」

 

そう言って影斗は一枚のディスクを頭に差し込んだ。

 

(さっき、わざわざ家に寄ったのはこのためだったのね・・・誰かに協力してもらうために・・・)

 

数メートル離れた場所で、幽香はそんなことを考えていた。

 

(それじゃあ、もうひとつのあれは何に使うのかしら?)

 

幽香がそう考えているうちに、G・Eによる治療の終わった。

 

「・・・いた、ここから南南西に0,5里(約1,5キロ)行ったところ・・・、そこで何者かと戦っているッ!

かなり不味い状況だ・・・ッ!」

 

「分かったッ!すぐに行くッ!」

 

そう言って、影斗はすぐに飛び立った。幽香もその後に続く。

 

「文様を頼んだぞ・・・」

 

そう呟きながら、椛は影斗たちを見送った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

7:37

 

「うぐっ・・・」

 

「どうだァ?だんだん体が動かなくなるというのは?なすすべもなくいたぶられるというのは?

我は実に気持ちがいいぞ?鴉天狗・・・」

 

妖怪の山の森の中、1人の少女が、1人の男にいたぶられていた。

言うまでもなく文と死津藻だ。

 

「だがそろそろ飽きてきたなァ・・・終わりにするか・・・あの男にも借りを返さねばならんしな・・・」

 

そう言って死津藻は腕を振り上げた。

 

(影斗さん・・・)

 

最近出会った1人の男のことを思い浮かべながら、文はその衝撃を待った。

なんだか最近、彼のことばかり考えている気がする。

とてもかっこよくて、とても優しくて、とても強い彼のことを思い浮かべる。

いきなりこの幻想郷に現れて、そして自分を信用してくれている彼、文もそんな彼のことを信用していた。

 

(最期まで、影斗さんのことを思うだなんて、やっぱり好きだったのかな?)

 

思えば出会った時から、彼に惹かれていたのかもしれない・・・

そう思う文の顔は、これから止めを刺されるモノの表情ではなかった。

 

(出来れば・・・伝えたかったなァ・・・)

 

そう思って、文は眼を閉じる。

しかし、いつまでたっても衝撃は来ず、感じたのは何か優しいモノに包まれる感覚だった。

 

7:38

 

「間に合ったようだな・・・」

 

その声に反応して、文は恐る恐る目を開ける。

ショッキングピンクの肉体、所々にドクロがデザインされた衣装に身を包んだおどろおどろしい姿、愛しき彼の分身・・・スタンド・・・

キラークイーンが、死津藻の攻撃を受け止めていた。

 

(と言うことは・・・)

 

そう思って、今の自分の状況を確かめる。

無駄な贅肉のない引き締まった肉体と腕に包まれている。

顔を上げてみるが、日差しがまぶしくてよく見えない。

だが文には、これが誰なのか分かっていた。

 

「影斗さんッ!」

 

「ああ、文、久しぶりだな・・・。」

 

にっこり笑って、影斗は答えた。

 

「貴様が・・・我の分身を葬った奴だな。」

 

「そうだ・・・死津藻。」

 

「すぐにでも殺してやろうと思っていたが・・・まさかお前のほうから・・・むっ!」

 

死津藻は影斗に攻撃しようとしたが、横から来た新たな攻撃に、それは叶わなかった。

 

「あなたの相手は、このわたしよ、死津藻。」

 

「風見・・・・・幽香・・・・・」

 

そう言って、2人の戦闘が始まった。

 

7:39

 

その二人を後目に、影斗は文のボロボロの傷を治しながら、立ち上がる。

 

(自分に適性があるのかは分からない・・・・・だがッ!『運命』を変えるにはこの方法しか思いつかなかった・・・・・ッ!)

 

「文・・・わたしは君を救ってみせるぞッ!」

 

「へ・・・」

 

文の言葉に反応せず、影斗はポケットからあるモノ(・・・・・)を取り出し、それをキラークイーンに刺した・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 




短編集に伏線を置きすぎた・・・orz

感想待ってマース。
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