東方殺女王   作:ダイナマイト

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影斗の世界その1

 

ドドドドドドドドドドド

 

凄みを効かせ、にらみ合う2人。

しかしキラークイーンが影斗の隣りに出現したとき、吉良の表情は驚きで埋められた。

 

「・・・スタンドを持っていることはいい、わたしがいるんだ、スタンド使いは惹かれあうともいうからなァ・・・

人里の子が自慢げに使っているのも見たよ・・・

だがッ!何故貴様がわたしと同じスタンド・・・キラークイーンを持っているんだァッ!」

 

予想外のことに、吉良は若干焦りながらまくしたてた。

 

「・・・さあね、むしろこっちが聞きたいくらいなんだが・・・」

 

自分が神に頼んだことなのだからもちろん知っているが、影斗はこっちも驚いてるとでも言いたげにそう答えた。

 

「・・・まあいい・・・どちらにせよ殺してしまえば・・・それで済むことだッ!

木っ端微塵に消し飛ばしてやるッ!キラークイ――ンッ!」

 

吉良は一瞬のうちに冷静さを取り戻し、即座にキラークイーンに攻撃させた。

振り上げた拳、人差し指がピンとたち、影斗に触れようと振り下ろされるッ!

 

「ふっ!」

 

その一撃を 影斗は右に飛ぶことで回避し、そのままキラークイーンで殴らせる。

吉良はその拳をキラークイーンにいなさせる、飛んでくる拳を その横から少し押し出すことで、影斗のキラークイーンの体勢を崩させた。

 

「よしッ!」

 

その勢いのまま、吉良は手刀で影斗のキラークイーンを突き刺そうと左腕を伸ばす。

しかし影斗は、その崩れた姿勢をそのまま利用し、吉良のキラークイーンに裏拳を叩き込んだッ!

 

「グハァッ!」

 

その一撃を受け、キラークイーンとリンクしている吉良は後方にぶっ飛んだ。

 

「ドラァ・・・」

 

体勢を整えながら、影斗はそう呟いた。

しかし次の瞬間、『異変』が起こった・・・

 

「な・・・ッ!」

 

何故か影斗の体も後ろにぶっ飛んだのだ・・・

 

(・・・さっきから感じていた異変はコレだったのかッ!)

 

スタンドと本体はリンクしている・・・

だったら、スタンドが同一の存在だったらどうなる?

 

(ドンストッピーナで強化してあるはずのわたしのキラークイーンのスピードに・・・吉良のキラークイーンがついてこれたのがおかしいのだ。)

 

 

 

 

 

つまり・・・吉良と影斗は、キラークイーンを通じて お互いがリンクしているのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は少しさかのぼる

 

霧雨魔理沙、博麗霊夢の場合

 

「ふ~ん・・・人里で行方不明者が出てる・・・ね・・・」

 

「ああ、物騒だよなー。」

 

霊夢と魔理沙は博麗神社の縁側で煎餅をかじりながら話していた。

女性の行方不明者が出ている事件・・・

最近、人里ではもっぱらこの話が噂されている。

目撃証言もないことから、妖怪の仕業なんじゃないかと言われているのだ。

 

こうなると困ってくるのは霊夢のほうだ。

いわく

――博麗の巫女は何をやってるんだ。

――まさか、その妖怪と手を組んでるのではあるまいな。

 

当然、そんなことを言われて黙ってはいられない。

 

「ったく、本当にめんどくさいわね。」

 

煎餅を食べ終わった霊夢は、スクッと立ち上がりそう呟いた。

今日、何かが起こる、霊夢のカンがそう告げているのだ。

 

「おっ・・・行くのか?」

 

霊夢は除霊用の道具を持ち、魔理沙は箒にまたがって人里を目指した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

十六夜咲夜の場合

 

咲夜は今、人里を目指して飛んでいた。

帰りには影斗の家に寄ろうと言う魂胆もあるが、第一の目的としては食材を買いに来ているのだ。

買い物だけでなく、掃除洗濯と、何でもやるのだから恐れ入る。

 

「人里と言ったら・・・」

 

ふと呟いた。

あの噂だ・・・

 

そう言えば文が捜査してるんだったか・・・

 

「まあ、わたしには関係ないわね。」

 

咲夜はそう呟きながら飛んでいく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

西行寺幽々子の場合

 

「はぁ~、妖夢も吉影いないしヒマねぇ~。」

 

白玉楼の一室、幽々子はお茶をすすりながらそんなことを呟いていた。

 

「人里ではあんなことが起こってるのに・・・暢気なものね。」

 

不意に・・・幽々子の隣の空間が裂けた。

そこからスッと紫が現れた。

 

「相変わらず・・・心臓に悪い登場の仕方をするのね。」

 

「心臓なんてとっくの昔に止まってるくせによく言うわよ。」

 

幽々子の言葉に、若干呆れた笑みを浮かべながら紫が答えた。

 

「それで・・・なんの用よ?」

 

「あら、用がなくちゃ来ちゃいけなかったかしら?

貴方もヒマしてたみたいだし、ちょうどいいじゃない。」

 

「用があるから来たんでしょうが・・・」

 

「フフフ、分かるの?」

 

胡散臭い笑みを浮かべながら答える紫。

 

「何年、あなたの友人やってると思ってるのよ、分かるわよ、それくらい。」

 

「・・・あなたのところの外来人のことよ。」

 

「・・・吉影のこと?」

 

そこで幽々子の頭に嫌な予感が過ぎる。

来て早々、紫は人里の事件について触れた、そして今の言葉だ・・・

頭のいい紫のことだ、バレている可能性が高い。

 

「影斗に頼まれて外の世界を調査したのだけどね・・・

彼には借りもあったし、別にそのことで文句を言うつもりはないの・・・

だけどね・・・そこで面白いものを見つけたわ。」

 

もったいぶったように話す紫に、幽々子は少々イラつきながら聞いていた。

 

「SPW財団を調査したとき・・・それを知ったの。

吉良吉影・・・杜王町の連続殺人犯の名前よ・・・」

 

「ッ!」

 

その言葉を聞いて、幽々子に動揺が走るッ!

やはりバレていたのか・・・ッ!と・・・

 

「確認されているだけでも50人以上の人間を殺害してるわ・・・

もちろんそれだけなら・・・危険だけど、わたしが動くほどのことじゃあないわ。

だけど彼・・・実は『スタンド使い』だったのよ。

名前は・・・・・『キラークイーン』

影斗のものと一緒ね・・・」

 

「・・・何が言いたいのよ。」

 

「はっきり言って彼は危険だわ、わたしが動かなくちゃいけないほどに・・・

現に幻想郷でも被害が出ているわ。」

 

「でも彼は・・・ッ!」

 

「分かってるわよ、この数日だけでも、彼はあなたにとって大切な存在になりつつあることも・・・

でも・・・ここ幻想郷を脅かす存在は・・・許してはおけない・・・

たとえ、幻想郷は全てを受け入れるとしても・・・

危険は・・・取り除くッ!」

 

覚悟を決めた表情で立ち上がる紫を、幽々子は見つめることしかできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フフフ、フハハハッハハハ!なるほど、そういうことか。

キラークイーンを使ったことには少々驚いたが、何ひとつ問題はなかったということか。」

 

「グっ・・・」

 

気分がいいのか、声高らかにそんなことをのたまう吉良。

影斗にはどーすることも出来なかった。

 

(どうする・・・?吉良もわたしを殺すことは出来ないが、それは私も同じことだ・・・

元々わたしは乗り気じゃあないからそれでもいいが、文もいる・・・どうする?)

 

「でも・・・悠長に話している暇はないようだ。」

 

何処かを見つめながら呟く吉良、影斗はつられて吉良が見つめる先を見た。

 

「なっ・・・」

 

吉良が見つめる先、そこには霊夢と魔理沙がいた。

 

「確か・・・博麗霊夢と霧雨魔理沙だったか・・・わざわざ2人そろって人里に来ると言うことは、わたしの犯行でも調べに来たか?

聞いたあいつの性格によると・・・君を心配して攻撃の手を緩めるなどということはしないのだろうね・・・

それに・・・」

 

続いて吉良はまた違う方向を見た、影斗もそれを追う。

 

「咲・・・夜・・・」

 

咲夜もこちらへと向かってきていたのだった。

 

「彼女も君の友人なのだろう?

・・・流石にこの人数をあいてにするのは厳しいなぁ。

だから・・・逃げさせてもらうよ。」

 

「シアーハートアタックッ!」

 

吉良はそう言った次の瞬間、吉良のキラークイーンの左手からシアーハートアタックが発射される。

 

「なん・・・だと・・・」

 

影斗はそれに気づいてなんとか止めようとするが間に合わない。

すでにシアーハートアタックは発射されてしまっている。

 

「シアーハートアタック・・・わたし以外(・・・・・)の存在を始末してくるんだ。」

 

「待ちなさいッ!」

 

そう言ってそのまま逃げようとする吉良を、文が捕まえようと飛び出す。

吉良はチラリと影斗のほうを一瞥しながら、その手に持った小石をこちらに弾いた。

 

「危ないッ!」

 

それに気づいた影斗は文を抱きかかえ、遠くに離れようと地面に転がった。

 

カチッ

 

ドグォォオオンッ

 

スイッチを入れる音と共にその小石が爆ぜる。

それと同時に爆音と爆風、爆煙が広がる。

 

(危ないところだった・・・)

 

キュルキュルキュルキュル

 

『コッチヲ見ロォォォ』

 

「なっ・・・そうか、こいつがいたのを忘れていたッ!」

 

小石の爆弾に気をとられ、意識の外へいたシアーハートアタックが襲ってくるッ!

 

影斗はすぐに起きあがりそのまま跳躍する。いまだ煙に包まれているそこから抜け出すと、森の方向に吉良が走っていくのが見えた。

 

(このまま奴を追うか・・・?

イヤ、駄目だ。もうすぐここに来る霊夢たちはシアーハートアタックのことを知らない。死んでしまう可能性もあるし、もしかしたらわたしは左手を失ってしまうかもしれてない・・・ッ!)

 

「・・・わたしはあいつを追います。」

 

影斗が思考をめぐらせていると、彼の腕の中にいた文がそこから抜け出し飛んで行った。

吉良はすでに森の中へと姿を消している。

 

(クソッ!わたしとしたことがッ!

・・・いかに文のスピードをもってしても、今からじゃあ吉良には追いつけない、なんせあの森の中なんだからなァ・・・

文のことは心配だがッわたしのすべき今ッ『最善』のことは『シアーハートアタック』を速やかに倒しッ!『文に追いつく』ことだッ!)

 

そう決心し、影斗は地面へと降りる。すでに煙は晴れていてシアーハートアタックがあたりをキュルキュルとまわっていた。

そこに先ほどの3人がやってきた。

 

「影斗!これはいったい!?」

 

「そうだぜ、それにさっきの爆音・・・」

 

「まさかッ!?誰かに襲われたんですかッ!?」

 

そんな現場を見たからだろうか、3人は影斗のもとにつくなりそうまくしたてた。

 

「ああ、人里を騒がせている例の事件の犯人と交戦していたんだ。

・・・とこんなことを話している暇はなかったな・・・まずあれを止めなくてはッ!」

 

「ん?あれを止めればいいのか?」

 

「ああ、だが待ってくれ、あれはわたしの左手と「マスタースパァ―――――クッ!」

・・・だから待ってくれt「夢想封印ッ!」

は・・・話を聞いt「3 FREEZEッ!」・・・ぬおおおぉぉぉぉぉッ!」

 

影斗は説明しようとするが、3人は話を聞かずシアーハートアタックに攻撃を仕掛けた。

マスタースパーク、夢想封印ともにほぼ無傷で耐えたシアーハートアタックだったが咲夜の重力を操る能力は、やはりというか封じ切れなかったようで、そのまま地面にめり込んだ。

 

当然、リンクしている影斗にも効果が表れ、影斗ははでにすっころんだ。

 

「へ・・・なんで影斗が・・・?」

 

「そうだぜ、わたしらが攻撃したのはあの趣味の悪いおもちゃの戦車だぜ?」

 

「だから話を聞けと言ってるんだッ!!

詳しいことは後で話すが、あれとわたしの左手はリンクしている・・・だからこうしてわたしの左手が重くなっているんだ。」

 

呑気にそんなことを言う2人に、影斗は少々イラつきながらもそう答えた。

 

(しかし・・・こうして敵に回すと本当に厄介だなァ、この能力は・・・

敵を自動追尾し、確実に始末する・・・、そして何ものにも破壊されないほどの防御力を誇る・・・

クソッ!まさに『無敵』ではないか・・・ッ!

・・・いや?待てよ・・・?たしか体温ほどまで温度が上がれば爆発するんだったな・・・、だったら・・・)

 

「咲夜!能力を解除してくれ!」

 

「は、はいッ!」

 

何かを思いついたのか影斗は咲夜にそう告げた。

咲夜が能力を解除すると影斗にかかっていた重みが消える、それと同時にシアーハ-トアタックも自由を取り戻した。

 

『コッチヲ見ロォォォ』

 

そう言いながらこちらに近づいてくるシアーハートアタックに対し、影斗は3人をかばうように一歩前に出た。

 

「WRRRYYYYYYYY――――――ッ!」

 

なに影斗?シアーハートアタックが倒せないだって?

影斗、それは破壊しようとするからだよ。

逆に考えるんだ、『凍らせちゃってもいいさ』と考えるんだ。

 

パキパキパキパキ

 

そんな音と共に、シアーハートアタックは氷漬けになっていく。

 

「『気化冷凍法』・・・ではないが、ドン・ストッピーナで凍らせてもらった・・・ッ!

左手がちと冷たいが・・・重くなるよりはましだな・・・」

 

どちらかと言えばホワイトアルバムか・・・

そう呟きながら影斗は森を見る。

 

破壊できないのなら破壊しなければいいッ!

温度が上がると危険なのなら温度を下げればいいッ!

まさに逆転の発想ッ!

影斗はシアーハートアタックを打ち倒すことに成功した!

 

「さて・・・早く文を追わなければ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 




吉良と影斗はこんな感じになりました。
こうでもしないと勝負になりませんからね。

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