スーパーロボット大戦OG 無限のフロンティア 異世界からの依頼者 作:ダス・ライヒ
無限に広がる開拓地…そこは様々なありとあらゆる文化と科学、魔法の世界が繋がっていることから意味している。刻でさえ混ざり合う事もある世界さ。
前は次元の壁に隔てられていたが、ある事件を境にみんな繋がっちまった。その経緯については、あぁ、面倒くさいから今は言わないでおくか。
その世界には様々な物がある。まずは種族から言えば、人間にアンドロイド、獣人に魚人、妖精や様々な種族が居る。最近じゃ、修羅って奴らも居る。とにかく飽きることは無いだろうさ。
二つ目は様々な技術だ。化学に魔法、更には拳でなんでもぶっ壊せる物や、忍術や妖術と言った類もある。それにかつては空中国家まであったな。今は地上に落ちてウルフキングの領土になってるが。
さて、めんどくさい話はここまでだ。
最初に名乗ってなかって済まなかったな。格好良く名乗るぜ、覚えておけよ?
俺はハーケン・ブロウニング、バウンティング・ハンターをやっているさすらいの賞金稼ぎさ。最近じゃ、世界を創り変えた男なんて呼ばれてる。
お古と呼ばれそうだが、先代の親父より引き継いだ地上戦艦「ツァイト・クロコディール」の艦長もやっている。それに乗って、今日もまた気長に旅をしながら仕事をしてるってわけさ。二十年以上前の時代遅れ感のある物だが、多少の無茶をしてもまだまだ元気に走り回れるぜ。
俺の国はロストエレンシア。機械技術が発達した地域で、近くには過去に異世界から来て墜落した馬鹿デカい巨大戦艦が突き刺さってる。今はもうただのオブジェだが、艦内にある転移装置から異世界の物が出て来る。普段はガラクタとかそんな物ばっかりだが、たまに生物が出て来ることもある。
で、今のエンドレス・フロンティアだが、異世界に迷惑を掛けまくるはた迷惑な馬鹿デカい二つの勢力が、我が物顔で歩き回ってる。
しかもその二つの勢力は現在絶賛大喧嘩中だ。全く、喧嘩は他所でやってほしいもんだな。
一つは統合連邦。人間中心…いや、人間至上主義のデカい連合国家って奴だ。
ここもエンドレス・フロンティアと同じく、何かが原因で様々な世界が混ざり合ったようで、対立してる連中も一緒に来たのか、みんな仲良ししましょうとかで結託してそいつ等と戦ってる。なんでここに戦果を繰り広げるのか、全く迷惑な奴らだぜ。
理由はともあれ、自分たちの世界が荒廃すんのを避けるためだろうが、なんで他所に迷惑かけてまで戦争を続けるのかが理解できねぇぜ。
おまけに難癖付けて異世界にまで領土を広げている。ここも例外じゃ無く、西の辺りが連中の勢力下にされ、資源を貪られてる。何とかしたいが、敵は今までより巨大すぎる。それに手出しをすれば、どうなるか分からねぇ。どうしたもんかね。
それで、連邦の連中の対抗馬は惑星同盟だ。こいつらも連邦と同じ世界の連中で同じくらいのはた迷惑な連中さ。違いは宇宙人ばかりだが、やれ解放やら、民主化とかぬかしつつ、やってることは連邦や悪党と変わりやしねぇ。戦争なんてろくなもんじゃねぇな。
連中も資源採掘のために連邦とは反対側の東側を強引に占領し、同じく資源を貪ってる。
こいつらも同様で、逆らえば容赦はしねぇ。この世界の誰かが盾突けばその瞬間、住人が反逆者一人に付き十人も殺されるから下手に手を出せねぇ。指加えて見てるしかねぇってことよ。やれやれだぜ。
と、まぁ、俺たちの世界でやりたい放題する悪党共を紹介した…。でもまだあるんだよ、これが。
いま紹介した二つの帝国よりもマシなのが、異世界に行った時に共に戦った美しいバトルレディと同じ名を持つ勢力「ワルキューレ」だ。
初めはこの世界に開拓団として来た。占領軍じゃなくな。更に大砲を向けてこの世界に我が物顔でやって来た二つの帝国よりも先に、大砲なんて向けずにやって来た礼儀正しい先客さ。
俺たち現地民が話の通じる奴と分かれば、武器を持たず、テーブルに腰を下ろして面と向かって交渉して、未開拓地を貰い、そこで田畑を耕し、兵器を生産しない軍事工場を建て、街を作り上げて俺たちと数カ月の時を共に過ごした。
で、後から来た連邦や同盟がそれを滅茶苦茶にしたわけさ。
連中は自分のクロスゲート、連中から言えば次元転移装置でこの世界に入ってくるなり大砲の砲口を向け、「我々はワイルドキャットの圧制からこの世界を解放しに来た解放軍だ!」と抜かして、先客のワルキューレのお嬢さん方を見るなり所構わずその大砲をぶっ放した。
俺の知る限りじゃ、エンドレス・フロンティアに居るワルキューレは特に大した軍事施設何て無かったし、兵器を量産する工場も殆ど無かった。ただ軍病院や軍服とか軍人の日用品を生産する工場しか無い。なのにあいつ等はワルキューレと分かればとにかく撃ちまくって皆殺しにしちまったのさ。酷い連中だぜ、何が解放軍だ。
同盟軍も同様に、ワルキューレと見りゃ直ぐに大砲をぶっ放して手当たり次第に火の海にした。周りの現地住民も巻き込んでだ。
こいつ等、他所の連中がどうなっても構わねぇらしいな。けっ、笑わせやがるぜ。
それに連邦も同盟も同様に機動兵器をわんさか投入している。俺が新西暦と呼ばれる世界に来た時に見た20m級が多かった。他には動物に恐竜に化け物まで居たな。
それに気になる事がある。連邦軍に俺が新西暦の世界で共に戦った仲間の機体の量産タイプが混じっていたことだ。同盟側には敵として出て来た機動兵器もある。
まさか正義感たっぷりで、あんな邪道染みた行為をする極悪軍隊に気の良いあいつ等が入っている筈がねぇ。入ったとしても、あんな真似は絶対に許さず、身を挺して止めに来るだろう。もしくは、抜け出して抵抗組織を築き上げて連中と戦っている筈だ。
堅苦しい話はここまでにして、明るい話と行こうか。
この二つの大悪党共に、一泡吹かせた奴が現れた。
それは小さいとってもキュートな勇者ガールで、お連れにおっかないヘルファイターに、おっちゃっけボーイ、そして美しいワルキューレ、後はキザな男、後はボーイとガールを二人ずつ連れていた。
最初は俺と共に戦った仲間であるシュラボーイの故郷、
ワルキューレもその勇者ガールを狙っているのか、追跡隊が出て来て連邦のクソ共の勢力下に逃げたって話だ。
後でシュラボーイに聞いた話、そいつ等はとてもビューティでセクシーだそうだ。一度会ってみたいな。まぁ、話が通じるかどうか分からねぇが。
連邦軍の制圧下は、フェアリープリンセスの王国「エルフェイテル」全国だ。
当の我が物顔で不当に占拠してる悪党共に寄れば、「住民に圧制を敷いているから解放しに来た」だ、そうだ。俺から見れば、あんた等が住民に圧制を敷いている様にしか見えんのだがね。
そこで勇者ガール一行が訪れれば、愉快痛快な話さ。
圧制していた悪党共に一泡吹かせた。フェアリープリンセスと共に協力してな。
都合よくワルキューレの解放軍が現れ、エルフェイテルを解放してエスピナ城に凱旋した。住民の祝福を受けながらな。
勇者ガール一行はどうしたって?
そりゃあ決まってる。直ぐにトンズラして俺のところへ来たのさ。それも神様付きでな。
その神様が俺に依頼してきたのさ。「この娘をワルキューレの手が届きそうも無い世界へ送ってやってくれ」ってな。
最初は断るつもりだが、可愛らしい美少女に頼まれてはこのハーケン様が断るわけにはいかねぇ。
直ぐに料金を受け取り、近くにある同盟軍のクロスゲートを奪い取って、勇者ガール一行と神様はそこのゲートに送り込んだ。
この際に、ワルキューレのヴァイキングなワイルド追跡隊が追って来たが、神様が去る際に、「脅されてやったと言え」と告げられた。
依頼人を裏切るような真似だが、ワイルド隊は容赦しねぇから、仕方なく勇者ガール一行と神様が去った後に、そいつ等に神様が言えと言ったことを告げれば、あっさりと見逃してくれた。
もっと詳しく話せって?
おいおい、楽しみが無くなっちまうだろう? 少しは楽しめって。
その後は、仕事三昧さ。たまに昔馴染みに顔を合わせる程度だ。まだ連邦や同盟がこの世界を不当に占拠してるが、それさえ我慢すれば快適だ。
おっと、こう思ったらアウトだ。何か、こいつ等をこの世界から叩き出す良い方法は無いかね?
これを見ているユーたちは、どうやってエンドレス・フロンティアから二大悪党を追い出せると思う?
後で意見でも聞かせてくれ。参考になるかもしれねぇ。
エンドレス・フロンティアと呼ばれる様々な世界が融合した世界にあるロストエレシアと呼ばれる地区の荒野にて、白馬に跨った女が長い金髪を靡かせ、この距離からでもはっきりと見える地面に突き刺さった巨大宇宙船「シュラーフェン・セレスト」を目指し向かっていた。
女は茶色のカウボーイハットを被り、服装はその帽子に合わせた物であった。彼女は金髪碧眼の白人であり、カウボーイと呼ぶよりカウガールだろう。
カウガールは一般的に露出度が高いと思われがちだが、あれは間違いであり、あのような露出度で砂漠以上に紫外線の強い荒野に出れば、肌にやけどを負うこと間違いなしだ。
彼女は顔以外に肌の露出の少ない服装で、荒野に出る服装として理想的とも言える。
そんな彼女の腰のガンホルスターには、西部劇で有名な護身用の拳銃である回転式拳銃、いわゆるリボルバーは収まっておらず、代わりに黒光りする自動拳銃が収まっていた。
白馬には様々な旅用の装備がぶら下がっているが、白馬はそれを物ともせず、成人女性位の体重はある彼女を乗せながら軽々しく進む。なお、彼女が跨る白馬は雌であるが、雄の馬並みの体格を持っている。体力も競走馬並みにありそうだ。
「もう少しね」
遠くから見える巨大宇宙船の傷付いた装甲坂が双眼鏡ではっきりと見えたのか、彼女はもう直ぐ到着すると思い、水筒の蓋を開けて水を一口飲んで喉を潤した。
荒野と言え、砂漠と同様の気温だ。熱中症に注意を払わねばならない。その為に小まめな水分補給は不可欠だ。
「おーい、姉ちゃん! ゲヘヘ!」
そんな彼女の元へ、
乗っている全員は柄が悪く、服装も軍人とは思えず、盗賊のように着崩れており、無精髭も伸び放題だ。どうやら懲罰部隊所属のようだ。
その盗賊のような連邦兵等は、彼女の近くにハーフトラックを止めれば、手にブルパップ式の突撃銃を持って下車し、彼女を取り囲むように包囲する。
「おいおい、こんな荒野の中で一人で散歩かい?」
「そんな荒野を歩き回るよりも、俺たちと遊んだほうが楽しいぜぇ? なんたって気持ち良くなれるってもんよ、フヘヘ!!」
どうやら彼女に淫行を働くようだ。取り囲んだのはその為だろう。
だが、彼女に遭遇した彼らが無事でいるはずが無かった。
「来る…」
「来る? そいつぁ俺たちと一緒に来るって意味かい?」
「おい、とっ捕まえて直ぐに連れて行こうぜ! 偵察機に見られたら俺たちゃ…」
彼女が一言、何かが来ると呟けば、それを誘いと受け取ったと勘違いしたごろつき兵隊たちは、目前の一際美しい金髪碧眼の北欧美女を連れて行こうとした。
だが、気が短い男が自軍の偵察機に見られる前に、彼女を無理やり連れて行こうとした瞬間に、その男は地面より出て来た何者かに胴体を切り裂かれて無残に殺された。
「な、なんだこいつ!?」
「も、もしかして同盟軍の…!?」
殺された仲間を見て、同様した兵士たちは慌てふためき始める。中には失禁して居る者もおり、地面より現れた者は、それほど彼らに死の恐怖を与える者なのだ。
そんな目前の敵に向けて銃を乱射する彼らの元へ、更に地面より現れた殺戮者達が、兵士たちを次々と殺していく。それも惨く、残忍に。
一人は片一歩の脚を引き千切られ、それで顔を強打されて殺される。
「ひっ、や、止めろ! 来るなぁ、来るな!!」
何名かは生き残り、銃を乱射しながらハーフトラックに乗ろうとしていたが、地中より現れし殺戮者たちが逃すはずが無く、残らず殺し尽し、逃げ場であるハーフトラックですら破壊した。
「わぁぁぁ!!」
生き残った一人が銃すら捨てて悲鳴を上げながら逃げていたが、彼は他のごろつき達と同様に無残に斬り殺され、荒野の上にその死に様を晒し上げた。
この光景を見ていた女は、直ぐに自分の愛馬の尻を叩き、安全な場所へと逃した。
「グォォォ…!」
地面より現れた殺戮者達は異様な姿であり、両手にはごろつきの兵隊たちを殺したとされる返り血が付いた鋭利な刃の得物が握られていた。
そんな殺戮者達は、獣のような唸り声を上げ、その恐ろしい眼で敢えて残した悲鳴も上げず、ただ遠方に見える地面に突き刺さった巨大船を見つめる彼女を殺そうと、一人目が鋭利な鉈で斬り掛かる。
「グオ!?」
だが、殺戮者が鉈で斬り掛かる前に、その殺戮者は下半身から胴体を切り落され、乾き切った大地の上に赤い血を流しながら倒れた。
早過ぎて見えなかったが、殺戮者を上半身と下半身に分けたのは、彼女が右手に握っている長剣ほどの長さのある刀身である片手半剣、つまりバスタードソードだ。刀身には斬った影響で付いたとされる血がこびり付いている。
「グォォォ!!」
仲間を殺したのは目の前の女だ。
そう確信した異形の殺戮者達は、鋭利な鉈で彼女の肉を切り裂こうと、一斉に飛び掛かった。
凄まじい唸り声を上げ、手にしている鉈を振り翳さんとするが、彼女に届く寸前で飛び掛かった全ての殺戮者達は肉片と化す。
まるで斬られたことにも気付かず、獰猛な殺戮者達は自分たちが殺めたごろつきの兵士たちと同様に、荒野の上でその死に様を晒した。
「雑魚…」
そう自分が原形を留めない程に肉片にした殺戮者達に向けて吐き捨てれば、刀身に付いた血を振り払い、剣の鞘を何所からともなく召喚し、その中へ刀身を収めた。
「グォォォ!!」
「っ…!」
だが、敵はまだ残っている。油断したところを見計らって、彼女の背後から地中より飛び出して来たのだ。
両手に付けている鋭い鉤爪で自分に気付いた女を引き裂こうとしたが、素早く彼女が腰にある拳銃を素早く引き抜き、直ぐに狙いを定めて拳銃弾を撃ち込んだ。
狙った箇所は額。素早い照準の速さとは思えず、狙った場所に弾は命中する。額に銃弾を受けた殺戮者は、銃創から人と同じ赤い血を流しながら荒野の上に倒れ、そのまま息絶えた。
「こいつ等、こんな所まで…」
連邦兵達を惨殺し、それから自分に襲い掛かって来た殺戮者達に関して何か知っているのか、彼女は殺した彼らの遺体を見て呟いた後、口笛を吹いて馬を呼んだ。
白馬は口笛に応え、自分の主である金髪の女性の元へ戻って来る。
そして、自分の愛馬が近くまで寄って来れば、馬具に足を掛けて上に乗り、再び大昔に墜落した巨大宇宙船を目指した。
馬に揺られながら目標である巨大な置物へと目指す中、腰に付けている小型無線機から着信音が聞こえて来る。それを彼女は手に取り、自分に向けて掛けて来た相手に応える。
『マリ、聞こえるか?』
それは男の声であり、マリ、つまり彼女ことマリ・ヴァセレートの協力者であるミカルと呼ばれた北欧系人種の青年だ。
マリがこのエンドレス・フロンティアと呼ばれる世界に来たと言う事は、ルリに関しての手掛かりがあっての事だろう。
自分に連絡してきた同じ人種の男に対し、マリは何らの情報を聞こえると思い、彼の話に耳を傾けた。