スーパーロボット大戦OG 無限のフロンティア 異世界からの依頼者 作:ダス・ライヒ
スーパーロボット大戦が始まり、更に戦闘が激しさを増して、双方とも膠着状態に陥る中、ワルキューレの増援部隊が惑星サジタリウス周辺宙域に現れる。
その規模は百隻余りの大艦隊であり、乱入してきたネオ・ムガルの部隊を圧倒するほどの数だ。
大艦隊の先攻としてか、青い巨大なロボがネオ・ムガルの無人機を次々と両手のブレードで破壊しながらゼンガーらの元へ近付く。
『むっ、あれは…!?』
『ワルキューレの増援部隊か! それにあれはソウルゲイン! アクセル・アルマーか!!』
「ゼンガーにレーツェル、貴様たちのピンチと聞いて助けに来た。これがな!」
気付いたガドヴェドが声を上げた後、ゼンガーは増援部隊に先行して無数の敵機を片付けながら近付く青い特機「ソウルゲイン」を見て、即座に新西暦の世界の戦友である赤毛の青年、アクセル・アルマーだと見抜く。
戦友が来たと聞いてか、レーツェルも敵機を撃破しつつ近付き、アクセルとの連絡を取る。
『アクセル・アルマー、君はヴィジヤマ戦線に居たのではないのか?』
「ちょうど他の隊と交代でな。貴様たちが連邦軍の制圧下で苦戦していると聞いて駆け付けて来た。どうした? この程度の敵、お前たちなら造作も無い筈だが?」
『君はまだネオ・ムガルと交戦していないから分からないが、彼らは思ったよりも強力だ。英霊たちが来なければ、どうなっていた事か』
ゼンガーとレーツェルが居るのに、この程度の相手に苦戦していると勘違いするアクセルであるが、連絡を取って来たレーツェルは英霊たちが来なければネオ・ムガルに潰されていたと返した。
そうと聞いて見慣れないロボット軍団が英霊たちの駆る物であると分かれば、アクセルは救出後に脱出することを告げる。
「そうか。あの見慣れないロボの連中は、英霊の連中と言う事か。まぁ良い、地上へはラミアとアルフィミィを向かわせた。時期に戦闘が終わるだろう。そしてここから脱出だ、これがな」
『脱出か。だが、敵はまだ戦意がある! 大将首を討ち取らねば、敵は撤退せん』
「それなら、あの馬鹿デカい派手な戦艦を潰すまで! 行くぞ!!」
脱出と聞いてか、ゼンガーは敵の諦めが悪いことを知らせれば、アクセルは遠くに派手に目立つ戦艦が旗艦と判断して単独で向かう。
途中、幾らか妨害があったが、英霊たちが派手に暴れ回って殆どが一掃された後なので、すんなりと進めた。道中、赤く光って無数の敵機を一掃したパトリック・コーラサワーが乗るジンクスⅣと出会う。
『どうだ!? このコーラサワー様の実力を! 俺が本気を出せば、この程度朝飯前…』
「退け!」
『うわぁぁぁ!? 俺の扱い酷過ぎだろぉぉぉ! てか、お前は誰なんだ!? 勝手に現れて退けなんてよ! 聞いてんのか!』
そう自慢げに話すパトリックのジンクスⅣを、アクセルは躊躇なく跳ね飛ばし、先へと進んだ。
何とか持ち直したパトリックは、アクセルのソウルゲインに向けて怒りをぶつけるが、彼は聞かずに敵旗艦へと単独で突っ込んだ。
「邪魔だ!
盾になろうとする敵の駆逐艦に対し、アクセルはソウルゲインの射撃技とも言える物を行う。機体が両手を合わせてエネルギーを溜め込み、十分な程に溜まれば駆逐艦に向けて放つ。
その威力は凄まじく、一撃で駆逐艦が真っ二つに割れる程の物であった。直ぐに代わりの随伴機や護衛艦が立ち向かって来たが、アクセルのソウルゲインに敵うはずが無い。
「
代わりとして現れた軍団に対し、アクセルはソウルゲインの両手にエネルギーを込め、連続パンチを食らわせる。
凄まじい速さで打ち込まれる拳は立ちはだかった全ての護衛機と護衛艦に打ち込まれ、その全てを撃破する。数十機と数隻ほどの爆発が巻き起こり、爆炎で包まれる中、ソウルゲインはそこから現れ、空かさず次なる攻撃を盾になろうとする戦艦に行う。
「そうはさせん!
アクセルがそう叫べば、ソウルゲインの前腕部はスピンしながら右腕から飛び出し、戦艦にぶつかった。俗に言うロケットパンチだ。
飛んできた前腕部を受けた戦艦はバランスを崩し、航行不能状態に近い程の物になる中、アクセルは機体の両腕にあるブレードで容赦なくとどめを刺す。
「一気に決める! コード
早期に勝負を付けるため、アクセルはソウルゲインの必殺技を発動した。
両腕のブレードが伸び、機動性も通常状態の倍以上の速度が出る。対空砲火の弾幕を避け、一気にブリッジまで接近すれば、躊躇なくブレードをブリッジに叩き込み、敵旗艦を沈める。
「失せろ、この世界からな」
そう決め台詞を吐けば、敵旗艦は爆発しながら沈んでいく。
『き、旗艦が!?』
『て、撤退だ! 撤退せよ!!』
旗艦をソウルゲインにやられたネオ・ムガルの部隊は、蜘蛛の子を散らすように撤退を始めた。
『ゼンガー・ゾンボルト! この勝負預けるぞ!!』
『ご老体、次の機会にまた手合わせ願おう!』
『その間に、他の誰にも負けることは許さんぞ!』
流石のガドヴェドもここまでと判断してか、残りの部下たちを率いて撤退を始めた。かくして、宇宙におけるスーパーロボット大戦は、ネオ・ムガルの旗艦が増援として来たソウルゲインに撃沈されて終了した。
「ラミア、幽霊さんと凶鳥さんが喧嘩をしておりますの」
『アルフィミィ、お前の任務は都市部の友軍の救出だ。私は敵の本部にカチコミに行く。取り敢えず、余り潰さないようにしくよろ…ではなくようにな』
「分かりましたですの」
通信映像に映るラミアと呼ばれる女性に、目前でマリが乗る白いヒュッケバインとデアが駆るゲシュペンスト・タイプMが交戦しているのを見ていたアルフェミィと呼ばれる少女は、それを伝えれば、彼女は自分等に出された指令を伝えてから、自分の任務に向かう。
命令を受諾すれば、アルフィミィは自分の愛機…もとい半身である機動兵器型の物「ペルゼイン・リヒカイト」を駆って連邦軍機を含め、ネオ・ムガルの機動兵器に強襲を仕掛ける。
「ヒュッケバインとビルトシュバインの量産機は連邦軍…破壊ですの」
『な、なんだあいつは!?』
『あの例の戦場に居た奴か!』
『今は単機だ! 囲んでやっちまぇ!』
「ペルゼインちゃんは大人気ですの」
最初に標的にした連邦軍機のパイロット達から、自分が乗る機体の事を知っていたので、子供のように喜ぶアルフィミィであるが、相手は殺す気で来ているので容赦なく機体が唯一持っている携帯火器である刀「オニレンゲ」を握りながら近付く。
『奴の武器は日本刀一本だけだ! 離れて…』
「武器はオニレンゲだけではありませんの」
敵はペルゼイン・リヒカイトの武器が日本刀一本だけだと思っていたが、何の前触れも無しに機体全体より光線が放たれたので、ネオ・ムガルも含む数十機が撃墜された。
突然、全体から光線が出て多数の味方機が落とされたのを見て慌てふためく連邦軍に容赦なくアルフィミィは追撃の手を掛ける。
「まだまだですの」
機体両肩の鬼面を変化させ、周囲に居る連邦軍機やネオ・ムガル機のみを標的とさせ、口から光線を吐かせた。
放たれる光線は正確に敵機のみを撃墜し、モスバサシティ上空で戦闘を行っていた連邦軍やネオ・ムガルに相当な損害を負わせることに成功する。圧倒的な強さであるペルゼイン・リヒカイトを前に、ネオ・ムガルの部隊は統制が乱れ、各々がバラバラに逃げ出し始めた。
「ネオ・ムガルの方々が逃げ出し始めたですの」
『この化け物が!!』
ネオ・ムガルが敗走するのを見ていたアルフィミィであるが、背後より迫るONIの所属のゲシュペンストがプラズマカッターで斬り掛かって来た。それに気付いたアルフィミィは、直ぐに背後より迫り来る敵機に振り返らせ、オニレンゲを胴体に突き刺す。
『う、うぉぉぉ!?』
「後ろから襲い掛かる失礼な人はマブイタチですの」
突き刺した刀身を抉るように、何度も刺してからそれを引き抜く。引き抜いた後に、機体のオイルがペルゼインの胴体に返り血のように降り掛かる。刀身には、パイロットの血がオイルに混じって付いていた。
『死ねぇ! 化け物!!』
「人を化け物扱いする人にはお仕置きですの」
それから物の数秒ほどで、同型機の二機が仲間の仇をまたペルゼインに向かって来たが、傀儡が何所からともなく出した刀で両断され、一矢報いることなく撃破された。
ペルゼイン・リヒカイトの参入により、連邦軍の損害も馬鹿にならなくなり、ODSTのPT部隊は撤退し始めた。その様子が盗聴機能を備える無線機より聞こえて来る。
『被害甚大! もう戦闘が行えません! ODSTが撤退を始めました! 機動歩兵もです!』
『なんてこと! データ回収は!?』
『完了して撤収中! 中佐も早く!』
『分かったわ! こいつを引き離してからね!』
「早く逃げてくれて助かりますの」
指揮官のデア中佐が撤退すると言ったので、アルフィミィは笑みを浮かべた。
デアのゲシュペンストとマリのヒュッケバインとの戦いは、デアが蹴りを相手の胴体にいれて離脱したので、引き分けと言う形で終了した。そんなマリの白いヒュッケバインが、ライフルを向けながらアルフィミィのペルゼインに近付いてくる。
『あんた、何者?』
「白い凶鳥さんに乗ってる人ですか? 私は味方ですの。ペルゼインちゃんはこんな顔ですけど、味方ですの」
『そう、じゃあもう戦闘が終わったってこと?』
「そう言う事ですの」
無線で問い掛けて来るマリに対し、アルフィミィはそう返せば、デアのゲシュペンストの戦闘でボロボロになった白いヒュッケバインはライフルの銃口を下げた。
アルフィミィのペルゼイン・リヒカイトがモスバサシティの連邦軍機やネオ・ムガル機の掃討を行っている頃、ラミア・ラヴレスの駆る翼の生えた女騎士のような出で立ちを持つ機動兵器「アンジュルグ」を駆って上空に居るネオ・ムガル機を実体剣で斬り捨てながら本部へと向かう。
「敵の本部は…護衛が大量に居る方だな」
直ぐに大量の敵が居る場所が本部だと分かれば、アシェンは次々と敵機を斬り捨てながら敵の本陣へと突き進む。
「ん? あれはゲシュペンスト・ハーケン! 誰が乗っている?」
無数の敵機を撃墜しながら向かうラミアは、道中に二人の強者と死闘を繰り広げるハーケンとアシェンが乗るゲシュペンスト・タイプHを発見した。この時、彼女はハーケンたちがこの世界に来ているとは知らなかったので、誰が乗っているか確認するため、そこへ向かう。
『な、なんだ貴様は!?』
『俺の楽しみを邪魔しやがって!』
ダイビングビートルとブルグレンに攻撃を仕掛ければ、その二つの機体に乗るパイロット達からの攻撃を受ける。
「雑魚とは違って腕が良いな」
ハーケンを追い詰める技量を持つ二人なので、ラミアは少し苦戦するが、なんとか動きを見て対処する。
『おい、まさかとは思うが、シンデレラのシスターか?』
「その口調は、やはりハーケン・ブロウニングか。お前さんは何しに来たっちゃ?」
そのゲシュペンストを助ければ、以前に新西暦の世界で顔を合わせた男が映像に映り、問い掛けて来る。次に自分の姉とも言える女性が出て来る。ラミアも次に移った姉であるアシェンと同じく言語機能に障害を持った人造人間であるのだ。
『おう妹よ、久しいのぅ。あの練習はしているか?』
「いや、あれマジで無理っす。つか、白兵用じゃねぇし。それより苦戦しているようですが、アシェン姉さま」
『ふん、この程度の悪党相手に手こずっていては、大事に障るっちゃ! 行くぞラミア!』
「了解です、アシェン姉さま。今こそ駆け抜ける時!」
『おっ、随分やる気だな。アシェンもシスターシンデレラも。OK、空の奴は任せる! 俺たちは地上をやるぜ!』
「了解、空は任せるなりよ」
ハーケンの次に出たアシェンに、例の練習はしているかどうか問われれば、してないと答えた。
それと二人の強敵に手こずっている様子なので、調子が悪いのかと問えば、アシェンはやる気を見せた。これに乗ってか、ハーケンはダイビングビートルの対処に回ると告げ、空のブルグレンを任される。その指示に応じ、ラミアはブルグレンの対処に入った。
『なんだこのデカい変な機械ぁ! 派手にぶっ壊してやるぜ!』
「壊されるのは貴様だ、完全悪人面」
自分の邪魔をしたラミアに対し、ブルグレンに乗る男はレーザーで執念な攻撃を仕掛けて来る。それにラミアは悪口で答え、レーザーを回避しながら低射撃武器であるシャドウレーザーを撃ちつつブルグレンに接近しようとする。
『く、クソぉ! デカいくせにはぇぞ!』
「お前が撃つのが遅いんじゃないのか?」
『だ、黙れぇ! このアマ! 引き摺り出して嬲殺しにしてやる!!』
ブルグレンのパイロットが苛立ちの声を聴いたラミアは、相手の冷静さを奪おうと、挑発的な言葉を掛ければ、相手は思った通りに逆上して更に攻撃を強めて来る。
攻撃が強まって少し被弾したが、なんとか近付くことに成功する。接近した際に、ミラージュソードを実態からエネルギー状態へと変えて斬り掛かる。
「ミラージュソード・Eモード!」
『ぬぁ!?』
突然、実体剣からエネルギー状態に変わったので、驚く敵機のパイロットであるが、その間に左腕を斬りおとされる。
『お、俺の機体の左腕が!?』
「ミラージュサインを使う!」
相手が怯んでいる間に、ラミアは機体の格闘の必殺技を使う。
機体の翼を大きく広げ、瞬間移動しながら五芒星を描くようにブルグレンを斬り刻んだ後、正面から超高速の突きを入れてとどめを刺した。
『くっ、クソォ! なんでだ!?』
自機が破壊されたパイロットは、脱出装置を起動させて爆発直前のブルグレンより脱出した。
敵機を撃破した後、索敵に入りつつハーケンらがダイビングビートルをどうしているか見た。案の定、彼らもダイビングビートルを追い詰め、撃破寸前の所まで行っていた。
「おっさん、もう降りられないぜ!」
『う、うわぁぁぁ!』
ハーケンはゲシュペンストではとどめを刺さず、直接自分の手に握った展開ギミックを備えたリボルバーであるロングトゥーム・スペシャルでとどめを刺そうとしていた。
エネルギーが銃身に溜まる中、機体の足の一本を破壊されたダイビングビートルの乗り手は、死に怯えて機体を捨てて逃げ始める。
その瞬間に高エネルギー弾が放たれ、それを受けたダイビングビートルは爆散した。乗っていた悪人面のパイロットは爆風で吹き飛ばされて地面に顔面をぶつけたが、しぶとく生き残り、悲鳴を上げながら逃げて行った。
「た、助けてくれぇぇぇ!!」
「ちっ、仕留めそこなったか」
『艦長、また仕掛けて来ると思いますが、今は良いっしょ。ラミア、早く行ってやりな』
これにハーケンは舌打ちをしたが、アシェンはひとまず脅威は去ったと言って、ラミアに敵の本部を潰すように告げる。
「アイアイサー、アシェン姉さま。ケリを付けに行きます」
『早く終わらせて、特訓するぜよ』
それに応じ、ラミアはアンジュルグの翼を更に羽ばたかせ、高度を上げて地上にある敵本部を狙える位置まで向かう。当然ながら、ネオ・ムガルのSPTやその他諸々の空中戦が可能な機動兵器が邪魔立てしてくるが、展開したイリュージョン・アローの早撃ちで撃破される。
「次が来る前にカードを切らせて貰う。コード・ファントムフェニックス発動!」
瞬く間に全機を撃破したラミアは、機体のリミッターを解除させ、イリュージョン・アローで使用する弓を右手に握り、左手から高出力の矢を発生いさせて敵本部に狙いを定める。
エネルギーが十分に溜まれば、直ぐにその強力な矢を本部に向けて放つ。放たれた矢は炎を帯び、やがては不死鳥となって敵本部へと直撃し、凄まじい大爆発を起こす。爆発は周囲の守備隊を巻き込み、敵本部は跡形も無くこの地より消え去った。
「敵本部沈黙を確認。敵部隊、撤退を開始中だわさ。なんだこの言語モードは?」
敵本部をアンジュルグの必殺技で吹き飛ばした後、敵軍の撤退を確認してからラミアは自分の言語機能の異常を見付けて疑問に思った。
『この状態は!? クソッ、本部がやられたのか!? なんとも情けない奴らだ! だが、これでは立て直せん…! やもえん…!』
敵本部の消滅により、ネオ・ムガルは更に混乱して宇宙と同様に散り散りに逃げ始めた。
ヴァンのダンと一騎打ちを行っていたメッツァを駆るウィリアム・ウィル・ウーは、自軍が混乱して敗走状態になっているのを見て、このままでは自分も落ち武者狩りに遭うと判断してか、勝負を捨てて撤退を始める。
「おい待て! 自分から喧嘩を吹っかけておいて逃げんのか!?」
『黙れ! 勝負は預ける! その間に首を洗っておけ! 欠番ナンバー!!』
「ちっ、つくづく勝手な野郎だぜ」
味方の敗走を知って勝負を捨てて撤退するメッツァに乗るウィリアムに問うヴァンだが、彼は負けを認めず、首を洗って待っておけと言ってから戦場から飛んで離脱した。
あのダイビングビートルとブルグレンのパイロット、それに正規兵等は殆どの者を置いて拠点がある世界へと次元転移で逃げて行った。
「ま、待ってくれ!」
「置いてかないでくれ!」
正規兵等を除く咎人らはその場に置いて行かれ、ワルキューレの追撃隊に順次皆殺しにされるまで掃討された。
「終わったか…」
戦闘の音はまだ聞こえているが、戦闘は終わったので、ヴァンはダンから降りて周囲を見回す。それと同時にボロボロのダンは、元の中継ステーションがある場所へと待機状態となって戻って行った。
「腹減ったな…」
ダンが去った後のヴァンは、その場に座り込み、腹が減ったとぼやいた。
それと同時に、宇宙からはアクセルのソウルゲインを含めたゼンガーのダイゼンガーとレーツェルのアウセンザイターが降りて来て、空からはハーケンとアシェンのゲシュペンストを含むラミアのアンジュルグ、アルフィミィのペルゼイン・リヒカイトが来た。それに地上からはツァイトを含めるマリのヒュッケバインも来る。
「なんだこりゃあ?」
知らない者も含めるのが来たので、ヴァンは頭を傾げた。そんな彼に、ハーケンは拡声器で声を掛ける。
『よう、ブラック・タキシード! 生きてたか?』
「おう、チャラ男! お前も生きてたか!? そんでこいつ等なんだ!? また馬鹿デカいヨロイがあんぞ!!」
『ヨロイ? 何を言ってるんだ?』
拡声器で無事を問うハーケンに対し、ヴァンは聞こえるくらいの大声でアクセルたちの事を問う。それにハーケンは機体から降りてから答えた。
「あぁ、このスーパーな連中か。こいつ等は、エトランゼの時に世話になった連中さ」
「エルドラみてぇなもんか」
ハーケンからアクセルたちの事を聞いて、ヴァンは自分の世界に居たスーパーロボットに疑似したヨロイのことを思い出した。そんなヴァンの元へ、レーツェルとアクセルたちが機体から降りて挨拶をしてくる。
「君が知らぬ異世界より来た者か。私の名はレーツェル・ファインシュメッカーだ」
「俺は夜明けのヴァン。そのカウボーイからビックハントのヴァンとか言われてる」
「ほぅ、通り名で名乗るか。姓名はあるか?」
「ねぇよ。俺は生まれた時から野良犬見てぇに生きてたからよ。父ちゃんも母ちゃんの顔も知らねぇ」
「そうか。済まない事をした」
初めに挨拶してきたレーツェルに、握手のための手を取って通り名を名乗る。
通り名しか名乗らないヴァンに対し、レーツェルは姓名を問うが、彼は生まれた時から野良犬のように自分の力だけで生きて来たので、親の顔などいざ知らず、分からないと答えた。これにレーツェルが謝罪した後、次はアクセルが自己紹介を始める。
「親知らずとな。俺はアクセル・アルマー。元はシャドウミラーと、クロガネ隊所属だが、今は第94機甲師団の師団長直属部隊の隊長だ」
「ワカメみてぇな頭してんな、お前」
「なっ!? き、貴様! それを最初に言うか!?」
自己紹介したアクセルに対し、ヴァンは自分の第一印象を伝え、彼を怒らせる。そんなアクセルを置いておき、ラミアとアルフィミィが自己紹介を始めた。
「ワカメは置いておき、私の名はラミア・ラヴレス。一応サイボーグなんでしくよろ」
「私、アインスト・アルフィミィでございますの」
「ら、ラミアと…アインスト…あぁ、覚えられねぇ」
二名の女性の自己紹介を聞いたヴァンだが、彼は愛する女性の名以外、他の女性の名は中々覚えられない。
「ヴァンさんはそっち系ですの?」
「いや、そいつは愛する女一筋。そんでもって童貞ぜよ」
「見た目に沿わず、中々ロマンチックな奴だろ。チェリーだがな」
「本当にロマンチックですの」
これにアルフィミィはヴァンをゲイだと思ったが、アシェンに愛した女一筋で童貞だと教えられ、ハーケンからはロマンチックな男であると告げられる。
「ほぅ、中々と凄い奴だな」
「これは驚きだ。こんな男、そうは居ないだろう」
「…お前たちも言えた義理では…いや、この俺もか」
ロマンチストで童貞と聞いてか、レーツェルとアクセルが乗って来る。彼らもまた変わった人間であるとゼンガーに注意されるが、自分も似たような物なので、言える立場ではないと思って敢えて言わずに黙る。
「腹減ったな。飯とか持って来てねぇのか?」
その後に腹が減ったとヴァンが告げれば、ハーケンはツァイトを指差しながら艦内で食事を取ろうと言ってマリが居た方向を見たが、そこに彼女の姿は無かった。
「腹が減ったか。それじゃあ、みんなで俺の自慢の戦艦、ツァイトで…おや、あのミステリアスレディは何所へ行った?」
「慣れ合うつもりは無いと言って、何処かへ行ってしまいましたの。お供そうなお二人も一緒に行ってしまいましたの」
「勝手な女だ。自己紹介もせずに勝手に行くとは」
マリがミカルやリンダと共に何処かへ行ったとアルフィミィが告げれば、彼女を知らないアクセルは勝手な女と表した。
「でも、ちゃんと報酬は払ってるでヤンス」
「そこは律儀だな。OK、エブリワン。さぁ、ツァイトで食事を取ろうか」
消えたマリであるが、ちゃんと報酬は払っているので、ハーケンはそれを水に流してその場に居る全員をツァイトへ案内した。
惑星サジタリウスで行われたスーパーロボット大戦より一カ月後、マリ・ヴァセレートの姿は惑星同盟軍の制圧下にある世界の要塞へと無理に改造された惑星にあった。
彼女は魔法やハッキング技術を駆使して要塞の奥深くへと忍び込み、そこでコンピューターを操作して自分の旅の目的とも言えるルリの行方を探っていた。目撃者の情報通りにここまで来たが、サジタリウスと同様に既に去った後のようだが、マリは諦めず、キーボードを超人的な速さで打ちながら次の手掛かりを探す。
「おい、女! 大人しく…っ!? お前はワラキアの…!」
彼女の背後から、惑星ワラキアで剣を交わしたことがある大剣を携えし大男、[[rb:瀬戸 > せと]]シュンが現れ、マリの姿を見るなり驚きの声を上げた。
彼の背中にはあの大剣、スレイブがあるはずだが、その巨大な鉄塊のような剣は無く、それらしきストラップを右手に握っている。腰には何らかの装置を付けたベルトを身に着けている。ここで強敵であるマリと鉢合わせするなど、彼からしてみれば予想外の展開であったが、彼女は何も驚くことなく、席を離れてシュンを睨み付ける。
「なんでここに居るか知らねぇが、取り敢えず、そこにある紫色に光っている水晶みてぇなのを外してこっちに渡せ。やり合うつもりは更々ねぇからよ」
席を離れて睨み付けるマリに対し、シュンは臨戦態勢を取りながらも彼女の近くある紫色に光る水晶を渡すよう命じる。
だが、ルリに関しての手掛かりが掴めずに苛立つ彼女はそれを聞かず、八つ当たりとしてシュンに魔法による魔弾攻撃を仕掛けた。
「っ!? このアマ!!」
これにシュンは避けきれず、魔法の攻撃を受け、壁を突き破って向こう側まで吹っ飛ばされる。
「な、なんだお前は!?」
「いきなりかよ。相変わらず容赦ねぇ女だ…!」
壁まで突き破って吹き飛ばされたシュンは、先ほど自分の侵入に気が付いた同盟軍の警備兵に銃口を向けられていたが、そんなことをお構いなしにあれほどの攻撃を食らったのにも関わらず、立ち上がって右手に握っていた大剣のストラップを、あの巨大な鉄塊のような物へと変えて柄を握る。
「うわぁぁぁ!? な、なんだこれは!?」
「いきなり右手から馬鹿デカい剣が!?」
「全く、あの瞬間にバリアジャケットを着てなきゃ今ごろお陀仏だぜ」
驚きの声を上げる警備兵らを無視し、シュンは大剣を構え、追撃の手を加えて来るマリに警戒する。そんなシュンの姿は、黒い甲冑を身に纏い、その上から黒いマントを羽織った漆黒のような剣士の姿へと変わっていた。
マリの攻撃を受けた瞬間に、自分のバリアジャケットと言う管理局の魔導士が戦闘の際に身に纏う戦闘服を身に着けていたのだろう。ベルトからはロシア語でマリの接近を知らせる音声が流れる。
『魔女が接近中! 魔女が接近中!!』
「んなもん、言われなくたって分かってんだよ」
「貴様何者だ!? うわっ!?」
それを分かっているシュンはベルトに言い返す。何が何だか分からない警備兵は、シュンに銃口を向けながら問い詰めるが、追撃に来たマリの魔弾を受け、頭を吹き飛ばされて即死する。
「ヒィィィ!?」
「早速来たか…!」
この攻撃にシュンは臆することなく、左腕のガントレットにボウガン式のプラズマ砲を装着し、それをマリに向けて撃ちまくる。
発射されたプラズマ弾は凄まじい速さの連射力であり、それに火力も高く、壁が砕けて行くが、マリは飛んでくるのが分かっているかの如く、避けながら迫る。
「ちっ、とんだ魔女だぜ!」
これにシュンはプラズマボウガンでの対処を止め、床に突き刺している大剣を片手だけで引き抜き、片手半剣で挑んで来るマリの剣撃を防いだ。
剣と剣がぶつかり合う音が要塞内に響き渡る中、マリとシュンの双方の剣士による常人離れした斬り合いが繰り広げられる。ワラキアで行われた初の手合わせでは、統合連邦軍ある最強の兵士との戦いで終わっていたが、この要塞に改造された再開された。
激しい打ち合いが行われる中、マリは単なる八つ当たり、シュンは目標を達成させ、生き残るためと思いを込めて目前の相手に剣を打ち込んだ。