飛んで火に入るインデッハの火葬式   作:つヴぁるnet

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第12話

帝国歴1180

 

 

 

投げナイフの技術は演劇団に仕込まれた。

 

仕込まれた理由は、ひとりの団員が練習で複雑な怪我を負い、欠員が出た事で俺が抜擢された時に覚えさせられたからだ。 一応、投げナイフに関しては父親からCQCの中でその技術も仕込まれていたが、まさか演劇でそれをやるとは思わなかった。

 

しかし基礎は出来ていたようなので、演劇を活かす技術を俺にたたき込み、そして無理矢理演劇へ駆り出された記憶がある。 それで欠員の代わりとして出たその日は乗り越えたが、せっかく固め始めた技術だ。 自衛手段の一つとして投げナイフの技術もしっかり習得しようと思い、演劇団の投げナイフの練習に参加したと投げナイフを覚えた。

 

そしてそれは旅をしている今でも、磨きがかかる。

 

 

天馬の上……または『マンディ』の上から使い捨てのナイフを投げる。

 

 

 

「ぎぃあ!!」

 

 

鎧をまとったドラゴンナイトのパルミラ人を撃退する。 しかしただのナイフが鉄の鎧を貫通して刺さるとは思わなかった。 いや、でもそれはとある事を行なって投擲したからだろう。

 

 

 

「回して三倍は通用するんだな、流石ファンタジー」

 

 

 

いや、これは多分たまたまだと思う。

 

よく見たら撃退したドラゴンナイトのパルミラ人の鎧はボロボロで、至る所に裂け目があり、使い古していたモノを装着してたらしい。 つまり防具のメンテナンスを怠った戦士の末路は、ただの投げナイフで死んだ馬鹿野郎だったとさ。

 

 

 

「マンディ、ホルストと合流だ。 このくらいやればパルミラ人も流石に引いてくれたりはするだろう」

 

 

「ブルル…」

 

 

「わかってるよ。 俺も正直に言えば面倒な気持ちでいっぱいだ。 勝ち目ないだろう戦いでも命賭けて戦い、それの誇りにするなんて本当にバカだ」

 

 

 

ツィリルから聞いたことがある。

 

パルミラ人はそんな奴が多いと。

 

ツィリル自身もそんな志で戦うパルミラ人は命が惜しくないのか?と言っていて、その意味も理解したくもなかったらしい。

 

そして生き残った奴は勝っても負けても宴を催し、騒いで、次の日にはまた戦う。 血筋がそうなんだろう。 同調して足並み合わせるなら楽しいかもしれないけど、それを相手にするのがこの上なく面倒だ。 ホルストもパルミラ人との小競り合いが一番面倒だと言っていたが、まさにそうだ。

 

こうなると対話して引いてくれるパルミラ人がまだ珍しいとか。

 

 

 

「ほら、さっさと退けよ。 それともここで死ぬか?」

 

 

「惨めに引くくらいならここで死ぬ!」

 

 

「そうかよ、じゃあ惨めに死んで行け」

 

 

「うおおお!」

 

 

 

ドラゴンナイトが突っ切る。

 

しかし…

 

 

 

「お前は元気でも傷を負った飛竜は追いつかないだろうに…」

 

 

「まだだぁ!!」

 

 

 

飛竜のバイタルを置いて気合だけでなんとかしようとするドラゴンナイトに俺の声は聞こえてないだろう。 それはともかくマンディの機動力に勝てないパルミラの飛竜は息絶え絶えであり、見ていてかわいそうだ。 それからマンディで真上を取ると宙返り。 俺は手綱を話すと真っ逆さまに落ちて、敵ドラゴンナイトの飛竜の背中に着地。

 

 

 

「なに!?」

 

 

「右」

 

 

「ぐっ!?」

 

 

「左」

 

 

「かはっ…」

 

 

 

残念ながら勇者の剣は二回攻撃。 片方を大ぶりで誘い、槍でその攻撃を防がせると余っている片方の剣で素早く首筋を切り裂く。 勇者の剣を片方だけ納刀して、手ぶらになった片手でドラゴンナイトの頭を掴み、首を横に曲げて固定。 大きく見える喉元を一気に裂いた。 飛竜の上で血しぶきが上がり、俺はそれを避けながら人と飛竜と繋ぐ紐を切り離す。

 

安全帯と手綱を無くしたドラゴンナイトは飛竜から蹴り落とす。 そいつは真っ逆さまに落ち、あとは見届けずともミンチよりひでぇことになるだろう。

 

さよならだ。

 

 

 

「おーい! マンディ! こっちに……っと、やはり賢いな」

 

 

 

既に飛竜の真下に待機しているマンディに感心しながら飛び降りてマンディの背中に着地。 主を無くした飛竜は彷徨い始め、どこかに飛んでいった。

 

 

 

「やっと逃げたか」

 

 

 

今回は戦力の減少が45%ほどで敗走を選んでくれたパルミラ人。 その後ろ姿をしばらく眺めると、地上の戦線を制したホルストの元まで飛び、使える投げナイフは回収した。

 

 

 

さて…

 

ここに来て数ヶ月が経過した。

 

現在はホルストからは表向き傭兵として雇ってもらい、"フォドラの喉元"と言われる国境沿いで異国人の侵攻を止める戦いに手を貸していた。 主に相手をするのがパルミラ人だから、俺はこれをパルミラ戦線と呼んでおり、ここの主戦力として使われている。

 

しかし訓練以外でのドラゴンナイトとの戦闘は同盟領に来てから初めてであり、最初の内は地上戦主体で交戦するが苦戦していた。 だが決まって斧を使うパルミラ人と、そんな奴らとの戦いに慣れたホルストから対ドラゴンナイトを学び、地上戦で戦うのではなくマンディの機動力を活かした空中戦を考えた。

 

しかし安全帯を付けず手綱だけを握って天馬に乗る姿はパルミラ戦線の仲間のペガサスナイトから正気を疑われた。 また他者の飛竜に飛び乗って、ナイト(乗り手)だけを狙うやり方は狂気だとかなんとか。

 

そのお陰で男性が天馬に乗るとあんな危ない姿になるのか……と、思われた。 天馬が男性を乗せたがらない理由はこれなんだと勘違いされた上に、ついたあだ名はドラゴンナイト"だけ"を絶対殺すマン。 乗り物の飛竜を殺さないで、乗っているドラゴンナイトだけを討つ姿からそう付いた。 ちなみにあだ名の出所はホルストでした。 妹さん引くぞ。

 

それから使い捨て可能な投げナイフをホルストから支給してもらい、マンディに乗りながら投げナイフを使う練習を重ね、今このように戦えている。 投げナイフは手槍よりは命中率は高く、近づくようならばマンディの機動力を活かして敵の飛竜にダイナミックエントリーして勇者の剣で切り裂くだけ。 そして下に蹴り落とす。

 

こんな戦いを数ヶ月続けていたのだ。

 

 

 

「ユークリッド、やはり正気を疑うようなやり方だな。 お前いつか死ぬんじゃないのか?」

 

 

「それ言ったらホルストの方が長く戦ってるし、お前の方が死にそうだろ」

 

 

「いや、そうじゃなくてだな、敵の飛竜に乗り込むそのやり方だよ」

 

 

「投げナイフじゃ倒せない時が多いし、天馬に乗りながらの接近戦なんて難しい。 あと天馬の操作に意識しないといけないから腕に力を入れ辛かったりと色々理由がある。 それなら直接乗り込んでやっちまえば良いじゃんって話になった。 安全帯付けてないのもそう言う理由」

 

 

「どうしたらその解答に至るんだ…」

 

 

「しかしなぁ、勇者の剣は貴重だからあまりそれで人肉斬りたくないんだよなぁ」

 

 

「気にするのはそこか!? そこなのか!? だがユークリッド、敵の飛竜に乗る発想は流石に危険すぎる」

 

 

「パルミラの飛竜は大きいからな、一人分乗れるスペースはあるし。 だからやるならパルミラ戦線だけだよ」

 

 

「普通はやらないだろ! 限定するなよ!」

 

 

 

数ヶ月も経てば変化は起きるもの。

 

こんな戦い方になるのも仕方ないのでは?

 

 

 

「ならない」

「おかしい」

「ありえない」

「それよりポテチ食べたい」

 

 

 

共に戦う仲間からしたらそうはならないらしい。

 

どの世の中も理解者がいないとツラいね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、秋になりパルミラ戦線も落ち着きを見せて来た。 夏場はホルストと暴れたのかしばらくは落ち着きを見せるだろう。 因みに俺のホルストの合計撃退数は歩兵が400、空兵が100近くだ。 歩兵は主にホルストだとして、空兵の8割は俺だ。 因みに大体殺している。

 

生かして返すなど漫画やアニメだけにしてくれ。 そもそもパルミラ人は生きて帰ると絶対に戦線に戻ってきて面倒からな。 そう言った意味では容態的な人種差別は無いけど、俺はパルミラ人の精神が嫌いだ。 なんせ俺と戦って敗走した奴がいて、それで再び俺の合間見えたソイツはもうそりゃ実に喜んでこちらを倒そうとしていた。 鬱陶しかったから次は逃さず確実に殺してやった。

 

そんな訳で殺伐と時間が多かったが、心は荒んでいる訳でもなく、互いに協力しながらパルミラ戦線を支えてきた。

 

さて、フォドラの喉元から戻りしばらくの休暇。 互いに戦いを忘れて私服になり、それぞれのソファーで紅茶なりポテチなりで寛いでると、手紙を開いて読んでいるホルストがこんな話題を投げ込んだ。

 

 

 

「妹からだが、もうすぐ鷲獅子戦が開かれるらしい」

 

 

「あ、もうそんな時期? そうなると妹さんの活躍でも見に行くつもりか?」

 

 

「そうだな、そうするか」

 

 

「だがパルミラの戦線から離れることになるけど良いのか?」

 

 

「数日は問題無い。 それに俺以外にも戦える奴は多く、しばらく落ち着きを見せるだろう」

 

 

「そうか。 あ、でもそうなると俺、鷲獅子戦が終わったらガルグ=マクに戻るかもしれない」

 

 

「?」

 

 

「この数ヶ月、同盟領で見つけた旅団をガルグ=マクに案内してやらないと。 そこで招集させるからさ」

 

 

「そうか。 なら、仕方ないか。 元々その旅をしていたからな。 むしろ引きとどめて悪かった」

 

 

「いや、ホルストの伝手を使って同盟領に散りばめられた旅団を纏めやすかったんだ。 俺はとても感謝してる」

 

 

「そうか。 なら、飛竜の説(9月くらい)でユークリッドの傭兵契約は終わりだな」

 

 

「あまり傭兵らしくは無かったがな。 ホルストの屋敷に住み込みなんてそりゃねぇ?」

 

 

「その分周りから有無を言わせないだけの活躍はした。 何も問題ないさ」

 

 

 

 

そんな感じに話は決まり、俺は旅団にその話を投げ込んでガルグ=マクへの道が決まる。 そのために鷲獅子戦へ向かい、レアさんに出会って帰り道に同行する流れだ。

 

あの方なら一緒の帰り道を許してくれるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

そして…

 

 

 

 

 

 

「おーい、腹痛の調子は?」

 

 

「こ、このくらい平気…だ」

 

 

「あっそ。 で? 今回は何を食べた?」

 

 

「美味しそうなキノコがそこにあってだな…」

 

 

「それ一番アカンやつだぞ」

 

 

 

金鹿で一番強く、そしていまでは勇将と讃えられるホルストだが、彼のダメなところはこの拾い食いの癖。 キノコなり、きのみなり、食えそうなものをついつい手に取って食っちまう。 理由としては良く空腹になる事だ。 あれだけ戦える分エネルギーの消費は早いらしく、空腹になると何かしら摂取しないと倒れるらしい。 戦っている分は多少の空腹は気にはならないが、場が落ち着くと身体が摂取を訴えるらしい。 そして食べれそうなものは手が伸び、大体こうなるらしい。

 

FE覚醒なら『軍の中で一番拾い食いをする』の説明が当てはまる個性的なホルストの胃袋は、拾い食いを繰り返して鋼鉄になってきたが今回のキノコはそれを上回ったらしい。

 

さて、今回はどんな色のモヤモヤの煙が出てくるかな?

 

 

 

「出発前から胃もたれ的な意味も含めて気が重いな、ホルスト」

 

 

「ユ、ユークリッド、お前は先に行け、俺は遅れて向かう。 俺の護衛はそのままグロンダーズ平原まで貸すから、先に向かってくれ」

 

 

「わかった」

 

 

 

友人の腹痛を祈って同盟領から出た1日だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「レアさん、お久しぶりです!」

 

 

「あら? ユークリッドじゃありませんか。 元気にしてましたか? あと、いま天馬から降りてきませんでした?」

 

 

「この子はマンディです。 めちゃくちゃ賢いです」

 

「ブルル」

 

 

「あら、お辞儀もするなんてお利口さん。 まるで"人間みたい"ですわね」

 

 

「!」

 

「本当、人間並みに賢いですよね」

 

 

 

レアさんと久しぶりに出会ったので声をかける。

 

周りは鷲獅子戦の準備に取り掛かっており、丘の下では沢山の天幕が張られている。

 

その付近でガルグ=マク大修道院の生徒たちもそれぞれ準備を進めていた。

 

 

 

「鷲獅子戦は明日で、まだ今日は準備期間ですか」

 

 

「ええ、その通りです。 しかし懐かしいですね、去年はあなたもこの鷲獅子戦に付いてきましたから」

 

 

「俺が生徒服を着てあの輪に参加すれば案外バレないのでは?」

 

 

「まぁ、それは面白いかも知れませんね。 教員も参加するくらいですから明日あたりやってみます?」

 

 

「………冗談ですよね?」

 

 

「ふふっ」

 

 

 

いやー、これは半分程本気だな。

 

ありだ! って顔が一瞬してたからな。

 

 

 

「ユークリッド、それ以上変な事は言うな」

 

 

「あ、お久しぶりです。 セテっさんも元気で何よりです。 妹さんも元気ですか? まさかまた開いちまった開かずの扉に押し込んだとか?」

 

 

「可愛い妹にそんな事するか! こほん…フレンなら青獅子の学級(ルーヴェンクラッセ)に属している」

 

 

「…え?」

 

 

「察してくれ、色々あったのだ」

 

 

「あ、はい」

 

 

 

本当に色々あったんだろう。 なんなら胃薬が似合いそうな立ち位置してるからな、この人って。

 

 

 

「ところでこのタイミングでピッタシに来れたと言う事は、どこかでその情報を得たと言う事だな?」

 

 

「ホルスト卿から聞いたんですよ。 ここに来るまで同盟領にいたので」

 

 

「なるほど、ホルスト卿の元に。 そういや彼とは親しい仲だったな。 ……む? 同盟領? ……おい、つかぬ事を聞くがもしやフォドラの喉元で異国人の侵攻を止めている血濡れた男性天馬兵とはお前のことか?」

 

 

「いや待て。 そんなあだ名知らないし。 血濡れてないけど、ホルスト卿からは傭兵と雇ってもらい、フォドラの喉元で戦ってたのは確かだ」

 

 

てかなんだよ血濡れた男性天馬兵って…

 

血塗られたのはパルミラ戦線の大地だろ。

 

俺が空からパルミラ人を蹴り落としてトマトの様につぶれ、地面に血が広がってたことからそんな名前がこっそり広がったのは知ってたが。

 

 

「あら、そうですか。 しかしフォドラの大地を守ってくださったのですね。 女神ソティスがお喜びになりますわ」

 

「…やはりお前か。 フォドラの喉元に派遣したセイロス傭兵団からその話聞いてるぞ。 なんとも天馬に乗ってるのが男とか、飛竜の背に飛び移ってドラゴンナイトだけ狙うとか、ドーピングコンソメスープ味のポテチで武力を上げたりとか、天馬兵の癖に手綱だけしか握らない自殺行為手前とか、ホルスト卿と親しく共に戦ってるとか」

 

 

「あ、その辺りは全部その通りですね」

 

 

「相変わらず、何やってんだお前は…」

 

 

 

セテっさんは呆れながら仕事に戻り、レアさんにはベレスが先生やってることを聞いたので俺はそれを確かめるべく会いに向かった。 ちなみに鷲獅子戦の終わった帰り道の同行は旅団共々許された。

 

 

 

「シベレスリアンハスキー先生、お久しぶりー」

 

 

「!?」

 

 

 

青獅子の学級まで足を進めればベレスはいた。

 

声を呼ばれたら尻尾と耳がピーンとなり、こっちを振り向く。

 

 

 

「ユーク先生?」

 

 

「先生はやめろ、ベレス先生」

 

 

「なら私も先生をやめて、ユーク先生」

 

 

「なら先生になったベレス先生が先生でもない俺をユーク先生って呼ぶのをやめろよベレス先生」

 

 

「今は先生だけど私が先生になる前はユーク先生が先生のようなものだったから先生って呼んでしまうのは許してほしいかなユーク先生」

 

 

「それでもだめだベレス先生、俺をユーク先生って先生呼ばわりに馴染むのはベレス先生がみんなのベレス先生とし生徒に先生の後ろ姿を見せないと先生の意味がないから先生にはったベレス先生がユーク先生と先生呼びに___」

 

 

 

「だぁぁぁあ!! 先生、先生、先生って! まどろっこしいぞあんたら!」

 

「シルヴァン! またあなたサボって!」

 

「いやいや待てイングリッ卜! 俺は先生を呼びにだな!?」

 

「あらあら、何かあったのかしら?」

 

「おい、また何かシルヴァンがやらかしたのか?」

 

「殿下?」

 

「あの殿下、どうかしたんですか?」

 

「ドゥドゥー、アッシュ、いや、大したことじゃない」

 

「えー!なになに!お友達ですか!」

 

「ちっ、やかましい…」

 

 

 

 

賑やかな学級だ。

 

良いクラスについたなベレス先生。

 

その上…

 

 

 

 

「ま! ユークリッドさんではないですの!」

 

 

「ま! フレンさん! お久しぶりですわ!」

 

 

「ま! その口調は未だに引きずっていますの! つまりわたくしに未練タラタラなんですね?」

 

 

「たわけですわ! アウトドアになった小娘に未練(みれん)もフレンも無いですわよ! ごめんあそばせ!」

 

 

「あはは、少し黙りやがれですわ!」

 

 

 

「「「フ、フレン?」」」

 

 

 

俺からしたらフレンもいつも通りだと思うが、周りの生徒からしたら羽目を外しすぎたフレンの姿に驚いていた。

 

 

 

「ともかくベレス、鷲獅子戦は見てるから頑張れよ」

 

 

「任せて、私が全部倒して勝つから」

 

 

「生徒にも活躍させろよ。 って、何その剣?」

 

 

「これ? 天帝の剣。 レア様からお譲りを受けた」

 

 

「先生の剣じゃなくて、天帝の剣?」

 

 

「そう」

 

 

「ふーん。 じゃあ、ベレスてんてー、で」

 

 

「え?」

 

 

 

「「「ぶっ」」」

 

 

 

聞き耳立てていた生徒が何名か吹き出したが、それは放って置いて俺は邪魔にならない程度にしばらくベレスと話し、先生になった経緯や青獅子を選んだ理由などを聞いた。

 

結構ザックリとした答え方だが楽しそうなので、おーけー、です。

 

 

「誰でしょうか、あの人」

「話の限りだとベレス先生と知り合いみたいだな」

「先生とても楽しそうに話すね」

「も、もしかして先生との!? きゃー!!」

「それは無いんじゃない? まるで友人と話すみたいだよ」

「ベレス先生が先生って言ってたくらいだからね」

 

 

「おい、お前達。 早く準備を済ませるんだ。 まもなく夜ご飯にするぞ」

 

 

「「「はい! 級長!!」」」

 

 

 

 

夜が開けたら、始まるは鷲獅子戦。

 

俺は旅団に今後の進展を告げ、鷲獅子戦が終わるではしばらくグロンダーズ平原に滞在することを決めた。

 

するとどこか疲れたような顔してやっと到着したホルストを迎えながら、明日の楽しみを待つことにした。

 

妹に会える顔じゃないから明日会うらしい。

 

 

なんかその、お疲れ様。

 

 

 

 

 

 

 

つづく





《回して3倍》
GBAの非現実なコミカル的アクションから生まれた用語。
剣とか、弓とか、斧とか、槍とか、様々な武器を回してから攻撃するアクションに「ズガガガン!」とクリティカル音が聞こえて気持ち良い。
しかし風花雪月でもグレモリィがクルクル回ってたよね。
魔法も遠心力が大事なんかな……?


ではまた
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