飛んで火に入るインデッハの火葬式   作:つヴぁるnet

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第29話

役目を果たし、約束を果たすため。

 

 

帰ってきた。

 

 

 

 

「……」

 

 

 

 

周りを見渡す。

 

 

手入れが行き渡ってないのがよく分かる。

 

 

いや、そうなるのも仕方ないだろう。

 

 

今はそんな時代なのだから。

 

 

 

「…」

 

 

 

数年ぶりのフォドラの大地。

 

 

そしてここ"ロディ海岸"のとあるお墓の前に立っている。 そのお墓はとある悪友の母親が眠っており、数年前に西方教会とドンパチ賑やかにやった場所なのを思い出した。 もうあの頃より背も伸びたし、あの頃とは違って辛い思いも、使命も、贖罪も、何も抱えていない。 ただ今は約束を果たす(ベルナデッタに会う)ためにやってきた。

 

ただそれまで約3年の期間が空いていた。

 

フォドラを出たこの数年、フォドラの外にある団長の故郷"ダクザ"まで家族や仲間達と逃れて、疲弊しきった皆を癒し、ダクザの言葉を覚え、そしてあの頃の活力を取り戻すため費やしたが、いつのまにか3年間の時間が経過していた。 本当は1年程度のつもりだったが、思ったよりもやる事が多く、全てが落ち着くまで本当に時間が掛かった。 それから俺は旅団を助け終えると生まれ故郷であるフォドラまで旅に出た。

 

そう、相棒のマンディと一緒に。

 

それはそうとマンディと言えば、なぜ男の俺を乗せることに抵抗が無いのかは3年間経った今も分からずじまいだ。 逃れた先のダクザにもペガサスナイトはいたが当然のように女性しかおらず、そんな俺はダグザでも度々ペガサスに乗る機会はあったが、やはりパルミラ戦線の時と同じように周りから不思議がられた。 ペガサスに男性が乗るのはどの大陸でも異常らしい。

 

しかし中央教会を嫌ってダクザまで付いて来た"ハピ"って名前の女の子はマンディの事を"ダークペガサス"じゃないかと言っていた。 ただハピが言うダークペガサスとはフォドラの天馬ではなく『とある"異国"』の天馬であり、マンディのように男性を乗せる事に抵抗ないらしい。 因みにその"異国"とは"サムライ"の伝統があり、また"シノビ"もいる「らしい」との事。

 

この話を聞いて、もしかしたら25ターンも待ってくれるあの人(リョーマ)がいる国の事だろうか?と記憶が蘇る。 なんなら完璧主義のあの人(ツバキ)そうだから(男性の天馬乗り)ハピの話は納得できるし、なんならその国がこの世に存在する証拠もある。 何せフォドラのソードマスターってまんま『侍』であるからだ。 最上級職の『エピタフ』もそうだが、これが『白夜王国』に影響されて出来上がった職業スタイルならば、その国がこの世に存在もあり得ると仮説を立てた。

 

本当にあるなら行ってみたい限りだね。

 

さて話をマンディに戻すが、一つ不思議な事がある。 マンディは体が成長していない。 天馬は食べ物さえ気をつければ長く生きていられ、その力も衰えず、もちろん生き物だから身体的成長はする。 しかしマンディは力が衰えずとも身体は全く成長しなかった。 ハピから聞く以外では、ダクザでそんなペガサスの内容を探しても全く手がかりなし。 もしマンディが南のダクザではなく、ダスカーやパルミラなど北方のペガサス種なんだろうかと想像もした。 それこそ本当にあるかもしれない白夜王国のペガサスかもしれない。 こう考えるとフォドラって実際は小さな大陸かもしれない。

 

 

さて、それはともかく…

 

 

 

「西方教会に人影も無いな。 もしや帝国に潰されたか?」

 

 

 

信仰を謀って侵略する不良集団だったから簡単に鎮圧されて解体させられたのかも知れないな。 おそらく乱世フォドラの今、中央と東西南北それぞれに位置する教会に力は無いだろう。 昔挨拶代わりに放たれた遠くのバリスタも錆びている。 この一帯が管理されてないと言うことは、もし人影があってもそれは賊なんだろう。

 

哀れ、西方教会。

 

 

 

「マンディ、王国領沿いを飛びながらガルグ=マクに向かうぞ。 あそこの現状が気になる」

 

「ひひーん」

 

 

 

おそらく帝国に支配されてるか、または放って置かれているか。 それとも傀儡化されながらもガルグ=マク大修道院は動いて……いる訳ないよな。 もし大修道院が今も健在ならば侵略された意味が無い。

 

そうならば、ガルグ=マクの現状は確実にあの頃の活気は無いだろう。

 

だからこの目で確認するためガルグ=マクまでマンディを飛ばした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわっ、アレ礼拝堂の屋根か? 思いっきりぶち抜かれてんじゃねーか」

 

 

 

羽を広げた飛竜よりも大きく天井がぶち抜かれいた。 とりあえずそこからマンディと侵入する。 屋根から入り込むなどかなり罰当たりな事をしたが、もうここは機能してない事がよくわかった。 中を除けば誰もいな…いや、いる。

 

てか、個性的なのがそこにいた。

 

 

 

「( ´_ゝ`)なんか来たよローズ」

「本当だねマリー(´ー`)」

「僕たちの邪魔でもしに来たのかな( ´_ゝ`)」

「天馬だから騎士だよアレ(´ー`)」

「なんだか( ´_ゝ`)怖いねローズ」

「(´ー`)おっかない時代だよマリー」

 

 

「まず俺は騎士じゃねぇし」

 

 

盗賊だ。 会話を弾ませる度、互いに近寄ったり離れたりと右に左に忙しい二人組。 見ていて面白いけどなんだか怖い。 それはともかくこの盗賊二人はガルグ=マクまでお宝でも探しに来たのだろう。 あと天馬=騎士のイメージが大きいため盗賊達から大体警戒されるのが普通なのだが、この二人からはそんな雰囲気は漂ってこない。

 

相当腕に自信があるのか…

 

てか、コイツらどこかで見たことあるような…

 

 

 

「とりあえずどうするローズ?(´ー`)」

「俺たちは武器は持ってるよマリー( ´_ゝ`)」

「じゃあ(´ー`)処することにする??」

「( ´_ゝ`)それがいいねマリー」

「ついでに金目の物も(´ー`)奪おうよローズ」

「それは名案だよ( ´_ゝ`)だよマリー」

「天馬は高く売れるかもよローズ(´ー`)」

 

 

 

「……あ、思い出した」

 

 

こいつら確かGBAの作品で登場したよな。

なんなら名前も同じだし。

アンナ的な奴らか?

 

ローズ&マリーの二人が出てきたのはレベル1ダークマージの子(ソフィーア)と、泣きぼくろの故人《イグレーヌ》が加入する前のとある砂漠のステージで、途中から現れる奴らだ。 懐かしいなぁ。 どうあがいてもソドマス(ルドガー)の餌だったが。

 

 

 

「じゃあ( ´_ゝ`)このキラーアックスの錆にしよう」

「そうしてやろうよローズ(´ー`)」

「手加減はいらないねマリー( ´_ゝ`)」

「(´ー`)じゃあ、死のうか」

「死んじゃえ( ´_ゝ`)死んじゃえ」

「死んじゃえ(´ー`)死んじゃえ」

 

 

 

「なにコイツら、やだ…」

 

「ひひーん…」

 

 

 

てか、つい数時間前までマンディに因んで白夜王国(IF)の話してたのに唐突なアドバンス(封印や烈火)など別作品の要素が()ち込まれたりフォドラに実在してるのでは?と、だんだん混乱してきた。

 

もうこれわかんねぇな。

 

 

 

「ふふーん、マリーにカッコいいところ見せるよ!」

 

 

「!」

 

 

二人三脚なコンビに少し怯んでいるとバーサーカ特有のキラーアックスが振り下ろされる。 マンディはいち早く空に逃げ、俺は後方に飛び退きながらファイアーを投げ込んで牽制。

 

ローズの顔面に"豪速球"の火球が直撃した。

 

 

 

「熱いよ! あとなんだか額が痛いよマリー!」

 

「どういうことだいローズ!?」

 

 

 

そりゃ石コロをぶつけたからな。 もちろんファイアーの魔法を放ったが、それは投げた石コロにファイアーに纏わせただけで、ローズにダメージを与えたのは石コロによる打撃だ。

 

しかし打撃込みとは言え、火球程度で戦意を失うとは随分と軟弱なバーサーカだ。 いや、まて。 そもそもガルグ=マクに"バーサーカ"なんて職業はいなかったよな? そうなるとコイツの場合"ウォーリアー"が正しいか。 逆賊には変わりないが、油断はしないでおこう。

 

 

 

「仇を取るよローズ!」

 

 

 

「そうかい、ならおかわりのファイアー」

 

 

 

二発目。

 

今度は普通のファイアー。

 

すると…

 

 

 

「下級魔法程度これで打ち消してやる! ごくごくごく……むぐむぐ、ぶふーぅ!!」

 

 

「はぁ!? 聖水を口に含んで吐き出しやがった!?」

 

 

 

なんとファイアーの魔法は、口に含んだ聖水を吹き出して消しやがった。 はへー、すっごい。

 

炎を水で消したのも大きいが、攻撃魔法の効果を和らげる聖水を直接ファイアーに振りかけて相殺するとかコイツら頭飛んでいるな。 まさに使用回数3回分の効果を強烈な1回にした荒技だ。

 

 

 

「お宝空っぽになってしまったよローズ!」

 

「それは大変だマリー!!」

 

 

 

「いや、お宝って聖水かよ、くだらなっ…」

 

「ぶるる…」

 

 

 

この後面倒くさくなったのでローズ&マリーのコンビはお得意のCQCで無力化して、腕と足の関節を強引に外し、大修道院を繋ぐ大橋の上から真っ逆さまに落としてやった。 しかし落とされる危機にも関わらず「なんだか痛いよローズ」「そうだねとても痛いよマリー」と緊張感無い2人だったが、この時期は川に水が流れているだろうから地面にキスは無いだろう。 それで互いに名前を呼び合いながら流れていく。 もちろんその2人は原作忠実に左右へ近づいては離れたりと、アドバンスで見たことある光景を見せつけながら元気に流れて消えていった。

 

関節外してんだがなんで元気に泳いでんのさ…

 

わけわからねぇ…

 

 

 

「ガルグ=マクも廃墟と化すとあんなのが現れるのか。 無法地帯過ぎだろ」

 

 

 

管理されてないのだから盗賊の大きな餌と化したガルグ=マク大修道院。

 

また鉄格子の鎖も錆びて引きちぎれたのか、鉄格子は重力に従って落ちたまま。 大人が1人が通れるように鉄格子の一部が破壊されていたりとあの頃の堅牢な大修道院はもう無い。

 

大橋を通りすぎて、廊下を歩く。

 

その先にある大広間も机や椅子が散乱。 しかも酒ビンも転がっており窓ガラスも割れているあたり、マナーの悪い輩が暴れたのだろう。 壁の隅を走って逃げる小汚いネズミを横目に、上を見上げれば綺麗だったステンドガラスも()せていた。

 

大広間を出れば園庭が広がる。手入れされてないため足元の雑草は伸びたい放題。 毎日剪定されていた葉壁や葉柱も荒れており、通れた筈の道を遮る。 唯一、テーブルと椅子だけが埃を被りながらも定位置に残っている。 お世話係時代にフレンやマヌエラやハンネマン、またホルストやアケロンにモニカ。 なんならセテスやイエリッツァに門番さんなどと、楽しくお茶会をしたあの頃の光景が一瞬だけ浮かぶ。

 

その場を通り過ぎて、お茶会のために茶器を良く借りていた食堂に潜り込む。 すごく散らかっている。 賊達に食べ物でも漁られたのだろうか、タルなどが破壊されている。 RPGゲームの勇者でもやってきて破壊したのか?ってレベルでバラバラになっていた。 食い物が見つかるイメージを持つ食堂だけが、大広間よりもひどく荒れていると言うことは、ガルグ=マクは飢饉に脅かされているのだろうか? 想像がつきやすい。

 

食堂を出て釣堀を眺める。 水面には藻が浮き出過ぎて管理されて無いのが分かる。 何匹か魚が浮いていて、鷲などが食い荒らしていた。

 

 

「うわっ、あれメガミノツカイか?」

 

 

綺麗な色をしているはずの鱗は濁っており、メガミノツカイは浮いて死んでいた。 あー、勿体なさ過ぎだろ。 水を巡回する水車が働いていない故に水が汚くなりすぎたからだ。 メガミノツカイは綺麗な水で無ければ生きていけない繊細な生き物。 どうやらクソまずアミッドゴビーだけはしぶとく生きてるみたいだ。 ここもダメだ。

 

次に釣堀のとなりの温室を覗く。 案の定雑草まみれ。ガルグ=マクを出るまでこっそり育てていたスイレンが雑草に食われてる。 何故か食虫植物は元気だ。 明らかにここはジャングルだな。 あ、岩ごぼうあるじゃん。

 

 

「あ、でも腐ってやがる、遅すぎだんだ…」

 

 

温室をそこそこに外に出れば夕方となった時刻。 そして次は生徒が使う領内を歩く。 ところどころ部屋は荒らされているが、綺麗な部屋もある。 床は抜けたりとひどいがまだ綺麗な方だろう。 しかし全て片付けられており、どの部屋も椅子と机しかない。

 

 

 

「ライブラリー」

 

 

 

何かだけど、人の気配を感じる。

 

しかし目星は付かない部屋の多い場所だからこそ片手にファイアー、片手にライブを使い、人物感知を発動した。

 

反応は……………あった。

 

 

一番奥の部屋か。

 

 

 

「体温が低い、寝てるな」

 

 

昔よりもより精度が上がったライブラリー。 効果範囲が広まっただけではなく、対象者の体温まで分かるようになったので、温度の上下でその者の状態を把握できる。 例えば、体温が高ければその者は起きてる事が分かる。 なんなら闘争心が心臓に伝わり心拍数上がってることでこちらを察知しているかの有無も判断できたり、また逆に体温が低ければその者は今寝ているとか、血の流しすぎ弱ってるとかも判断できる。

 

そして今回のライブラリーの結果、動かないで体温が低いのは眠っていることが分かる。 人間は寝ている時は体温を下げるからな。 夜寝るときに冷風に当たりすぎで風邪ひきやすいのはそう言う事だ。

 

あともう一つ分かるのは…

 

 

 

「しかも魔力量が半端じゃないな? これは…」

 

 

逆感知を恐れてライブラリーを終わらせる。 そして投擲に便利な投げナイフを数本取り出して忍び寄る。

 

軋む床に気をつけながら……

 

 

「ッ!!?」

 

 

 

感じた事ある魔力を感じて回避した。

 

 

それはあの"ソロン"の時と同じ感覚。

 

 

自衛式の『ダークスパイク』だ…!!

 

 

 

「あぶねぇっ…!!?」

 

 

威力は最小限であるが、床は破壊せずに闇の槍は床の隙間に吸い込まれて、闇の力が集約するとそこからまた飛び出して攻撃してくる器用な一本の闇の槍だった。 容易く体を貫くだろう。

 

 

「ちっ! ウィンド、マジックシールド!」

 

 

 

片手にウィンド、もう片手にマジックシールド。 どちらにもセスリーンの血(メシマズの結果)が流れているので彼女が得意とする"風"と"信仰"の魔法を使い合わせて対応する。 床の隙間に風を流し込み、マジックシールドの力で闇の槍をかき消した。

 

 

 

「……追撃は無いな。 それなら部屋の主を…」

 

 

まず片手で扉を開ける感じに体の大半を壁に隠す。 そして一気に開いて姿勢を低くして潜り込む。 するとそこには…

 

 

 

「なっ、何ですか、あんた!?」

 

 

「ふぁ!?」

 

 

 

 

 

元ガルグ=マク大修道院の生徒。

 

 

 

甘いものが大好きな印象が強い小さな子供、

 

 

 

身長の伸びを悩ませる至って普通の少女。

 

 

 

『リシテア=フォン=コーデリア』がそこにいた。

 

 

 

 

 

 

つづく





礼拝堂の屋根に大穴空いてるけど、アレって補修大変だよな。
複雑に壊れてるから尚更大変だ。



《ローズ&マリー》

FE封印の剣に出てきたバーサーカ(盗賊?)コンビ。
砂漠のステージに出てくるオカマ口調な敵ユニットで、ルドガーやハードブースト化したフィルの餌になりがち。 会話するたびに画面内で左右に動き回る。 見ている分は面白い。


ではまた
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