飛んで火に入るインデッハの火葬式   作:つヴぁるnet

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第38話

数年前のこと…

 

 

父の仇を討つために小娘は天刻の力を幾度なく使う。 救われるかと思われた父の運命。 だが結果として救えず、更に儂は力を使い過ぎて眠りへと堕ちはじめた。 小娘は大雨の中で涙を零す。 次に湧き上がるのは怒り。 小娘の思念はこれまでにないほどに膨れ上がり、無色に等しかったその感情は儂が知らぬほどに荒ぶっていた。 握りしめた天帝の剣は迷いを晴らし、父のためだけでは無く生徒やその仲間達のために厄災を打ち払おうと駆ける。 そのような姿だから儂は堕ちそうになる瞼を堪え小娘の先を見守った。 異色ながらも小娘は友人(ユークリッド)には恵まれていたようで、厄災はその二人の活躍で解決に至る。

 

 

儂はそれらを見届けると眠りについた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

___フォドラの大地が泣いている。

 

 

 

 

 

 

 

 

儂は薄っすらとだが、目を覚ましはじめた。

 

穏やかとはかけ離れた空気。

 

気づけば小娘は激闘のど真ん中に立ち、来たる敵を討つべく戦っていた。 戦士の雄叫び、人々の悲鳴、鉄と武器の音、戦争の音が、これから始まる地獄の始まりが、聞こえていた。

 

それに抗うガルグ=マクの者たち。

 

 

だが多勢に無勢。

 

ガルグ=マクは帝国の軍に轢き殺されると、最後の希望である小娘は不意を打たれて崖から落とされた。 下へと落ちるも小娘は諦めず、天帝の剣を蛇腹にして崖へ伸ばす…が、崖に届く寸前で天帝の剣は力をなくしてしまう。 激戦にて天帝の剣は劣化し、機能しなくなった。

 

成すすべなく真下へと落下。

 

そして『グシャリ』…と、ひどい音が聞こえる。

 

打ち所が悪く、後頭部から地面に打ち付けられ、そのまま水の中へ溺れ堕ち、力なく流された。

 

 

 

___お主! お主! ベレス!しっかりするのじゃ!

 

 

 

 

儂というものがいながら見守ってやれなかった。 ベレスは父親を亡くし、母は遠くの昔に亡くなっており、身内は誰一人いなくなる。 だから儂だけがベレスを見守ってやり、導いてあげれたはずじゃった…

 

 

 

 

___ッ…!!

 

 

 

 

ベレスは生き絶え始める。

 

それでも手を伸ばし

 

這い蹲いながらも

 

生徒たちを思い

 

戦場に戻ろうと

 

導いて見せようと

 

もう動かないその体で…

 

 

 

 

___ここで朽ちるなど…ッ! 儂が許さぬ!!

 

 

 

 

儂はベレスに宿るだけの魂。

 

ただ儂は願いによって生まれ、ソティスの名だけを語る存在…本物ではない。

 

じゃが、ベレスを想う儂の思いは本物だ!

 

女神らしい事なんざできない半端者だが、ひとりの人間を救う事なら儂にだって出来る筈!

 

いや! 出来る"筈"じゃない! やってみせる!

 

 

 

 

___時の縁を辿りて……儂が、ベレスとして……

 

 

 

 

儂は玉座から立ち上がり、ベレスの魂をそこに座らせる。

 

そして儂がベレスの肉を得て、儂がベレスとなった。

 

それから天刻でその肉体の時間経過を止め、絶える寸前の命を繫ぎ止める。 炎の紋章の力で内側から傷を癒す。 完全に治すのに二年程の時間が経った。

 

ベレスは止まっていたが、世界は2年分が動いていた。

 

しかしベレスは目覚めない。

 

だから目覚めるまで儂がベレスとなった。

 

地に伏していたこの体を立ち上がらせ、ガルグ=マクを目指して歩き出した。

 

その道中でセテスらに助けられると、生き延びたガルグ=マク兵が王国に居ると言い、儂はそこに向かう。

 

フラルダリウスに向かい、三年程とある旅団が身を隠すために使っていた建物…の、地下に儂は招かれる。 軟禁のような状態だが、セテスは儂が何者かをよく知っていた。 だからベレスがウチの中に眠り、儂が表に出てベレスになって居る事も信じてくれた。 心強い理解者を手に入れたが、安定しないこの身。 急激に眠くなったりと不自由していた。

 

10日眠れば3日や7日ほどは一睡もせずに目を覚まし続けていれば、1ヶ月も眠りその日は半日だけしか目を覚まさない事もあった。 儂がベレスになるのはそれほどにエネルギーを使うのだろう。 もとより意思をしっかり保って存続してるのが奇跡なレベルじゃろう。 炎の紋章が儂を活かしてるとしか思えない。 いや、炎の紋章があるからこそ儂が居るのだろうか?

 

だがそれがどうだろうと関係無い。

 

儂はベレスを見守ろうと決めた。 生まれた時に声も出さない赤子の頃から儂は共にあった。 女神らしいことなんざちっとも出来なかった半端者だが、ひとりの人間を近くで寄り添えるくらいなら儂も出来る筈。 それが、自身が、女神だろうが邪神だろうが、関係無いのじゃよ。

 

 

 

我が名はソティス。

 

 

始まりの者と言われて……

 

 

いや、違うのぉ…

 

 

正しくは…

 

……そう言われていただけのお節介者じゃよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、人との出会いとは唐突なんだけど、女神と出会いは唐突の一言で済ませていいのだろうか? 目の前にいるのは人間のベレスだが中身は女神のソティスだ。 その姿で「のじゃ」口調は非常に面白い限りだが、とりあえずどうなっているのかの説明を受けて納得したところ。

 

 

 

「てか、ベレスに関しては危うく死にそうになってんじゃねーか」

 

「全くじゃ!! 此奴が死ねば我も絶えると言うのに!! そもそも大司教に『生徒を任せます』と言われておったのに助けに戦線に戻るなど……ッ、かー!! ミイラ取りになってアホも極まっておるわい!! どこまでも世話のかかる小童じゃよ本当に!!」

 

「…で? 俺は再会のためだけに招かれた訳じゃないよな? それとどうやって俺が王国に来る事を知った?」

 

「別に。 時の縁が招いてくれただけじゃよ」

 

「嘘つけい! そんなん答えにもなっとらんわ! 確信持って俺を招いたろ! ピンポイントでイングリットが来たし…なぁ、イングリット!」

 

 

「え!? あ、ええと…そう、ですね、はい」

 

 

 

イングリットは頼まれただけにしろ、俺が通る明確な位置に飛んできて、タイミングもバッチリだった。 しかも遠距離攻撃可能なスレンドスピアの武器を使うあたり接近戦を拒否する目的であり、間違いなく俺への対策武器だ。 あちら側にとって俺が敵だった時のための保険として…

 

これは間違いなくソティスが未来予知的なパワーで俺を察知した。 時間を操るくらいだからそれくらいは可能だろう。

 

 

「あとロドリグさん、本当にお久しぶりです! あとその節はお世話になりました!」

 

 

「気にすることはない、私はソルテに恩を返したまでだ。 しかし本当に久しいな。 ソルテは元気か?」

 

 

「今もバリバリお世話係してます」

 

 

「そうか、息災であったか。 ところユークリッド殿、イングリットから私に用が有ると聞いた。 しかし今ほかに手をつけれる程の余裕がない。 私からの助けはあまり期待を…」

 

 

「いや、むしろ俺が助けになりますよ」

 

 

「え!? そうなんですか!?」

 

「なんと!? 王国に力を貸してくれるのか!?」

 

 

「はい。 そのために俺は王国まで来ました。 帝国を倒すための情報も持ち込んで」

 

 

 

俺は手紙をロドリグさんに渡す。 手紙はローレンツ本人が書いたもので、ミルディン大橋を攻め入るための準備が整っている事が記載されている。 そのままメルセウス要塞まで雪崩れ込み、帝都アンヴァルまでの進路を確保する流れまでが書かれていた。

 

 

 

「ミルディン大橋を落とせるのか! これはでかい情報だ!」

 

「もし落とせたのなら帝国へ反撃が可能ですよ! ミルディン大橋に隣接する弓兵が多いヴァーリ領を制圧すれば私たちの天馬部隊がガルグ=マクから南下してメルセウス要塞を挟撃できます!」

 

「そうかここまで大きなチャンスが巡ってきたのか………くっ、殿下がここに居られないことが悔やまれる…」

 

 

「?? …ディミトリがどうかしたのか?」

 

 

「む?…お主、知らぬのか? ディミトリは今捕まっておるぞ?」

 

 

「……は?」

 

 

 

話によるとつい最近、王都フェルディアは陥落した。 そこで戦っていたディミトリは帝国に敗北して捕まってしまう。 それから帝国はゴーティエとフラルダリウスに攻め入る準備を進めているようでロドリグは迎え撃つ準備を進めているところ。 ソティスに関しては保護する場所を移そうと考えていたらしく、護衛のためのイングリットと共に今日この場所にロドリグさんは来たのだが、タイミング良く俺がこの話を持ち込んで来た。

 

 

 

「ディミトリが捕まると言うのはそれほどに帝国は強力な軍を持っているのか」

 

 

「訳の分からない大きな機械仕掛けの人形が襲いかかって来た。 私の魔法すらも効かず、アレに蹂躙されてしまったのだ…」

 

 

 

大きな機械仕掛けの人形??

 

あれ、なんか最近見たような気が…

 

 

 

「ロドリグさん、その機械仕掛けの人形って大剣を持っていて、それを振り回すとなんか刃的なのが飛んでこなかった?」

 

 

「!」

 

「あ、私それっぽい攻撃は見ました! 狙われていて危なかったですね…」

 

 

「イングリットは身を持って知ってるらしい。 そう、アイツらはここにまで手を伸ばしてたか。 でも今回の王都侵略までが其奴らの輝きだろうな。 可哀想に」

 

 

「「どういうこと?」」

 

 

「それ関係は後で教えますよ。 さて、ディミトリもそうだけど、まずはソティスとベレスから何とかしないとな。 ……頭叩いて起こす感じで良いのか?」

 

 

「そんなことでよければお主じゃなくてもよいわ!」

 

 

「たしかに、そうなるとラファエル辺りで良いよな」

 

 

「目覚めるどころか二度と目覚めない気がするからやめい! まったく…こっちは緊張感持ってお主を連れて来たのに、お主自身は相変わらずじゃのぉ」

 

 

「そうだ、連れて来た云々で話戻すけど、ソティスは王国に来る俺をどうやって知ったんだ? イングリットが迎えに来たかのようだったし」

 

 

「さっきも言ったのじゃ、時の縁だと。 儂はベレスになっても時折急激に眠くなる。 しかし儂はこんなのでも女神じゃからの、フォドラの行く先を夢の中で見ておる。 その中で一つの光が彗星如く流れて落ち、凶星に向かって弾けた光景を夢の中で見た。 これが彗星はユークリッド、凶星はベレスなんだと儂は分かったのじゃ」

 

 

「予知夢って奴か」

 

 

「まさにその通りじゃ。 して、この話には続きがある。 三つの色とりどりな星々が並び、そこにもう一つ大きな星が襲いかかる。 これはベレスとユークリッド、そしてディミトリの三つなんじゃろう。 もう一つ大きな星とやらは帝国の事じゃな。 そのように儂はこれから先のフォドラを知ったのじゃ……お主が来る前日にな。 すると予知夢通りに今日、別のところから異質な力の持ち主が王国に来ている事を儂は感じた。 予知夢通りならこちらに来るのはユークリッドと考え、今日儂のところまで来たイングリットにユークリッドを招かせた。 ま、こんな感じゃな」

 

 

「女神だからこそ予知夢もあり得るか。 うん、伊達に冬眠してないな」

 

 

「やかましいわ! 儂とて安安と眠りとぉ無いわい! せっかく理性を持って保たれておりんじゃよ、眠ることなど勿体ない限りじゃ!」

 

 

「わかった、わかった、落ち着けって。 ……そんで、ここまでが全てフォドラに流れる時の縁としたら。 ここまで計画されて決まったことであるなら。 俺は次にベレスを叩き起こす必要がある訳だな? それはどうやる?」

 

 

「簡単じゃよ。 儂と一緒に寝ることじゃ」

 

 

 

 

「ぶっ…!?」

 

 

 

イングリットが噴き出したけど、俺はその言葉に語弊があることは直ぐ分かったので「誤解を産むな」とジト目でソティスを睨むことにした。 ロドリグさんも眉間を抑えたそうにしているが、大貴族で大紳士なのでそんな素振りは見せない。 今のはソティスが悪い。

 

 

 

「あ、初夜を過ごす訳じゃないぞ!? この体でそんなことしたらベレスが悲しむわい!!」

 

 

「わかってる。 そもそも俺の初夜はベルナデッタと決めてるから」

 

 

 

「ぶっ…!」

 

 

 

またまた吹き出すイングリットはとりあえずとして、ソティスは俺と意識をリンクさせて精神世界に招くようだ。 そこで俺がベレスを目覚ましドッキリにてベレスを起こし、ソティスと入れ替える手伝いをする?

 

ちなみに俺は「やる」と一言も言ってないが、ソティスは「とっとと寝坊助を起こすぞ!」と早速準備に取り掛かる。 俺の意思関係無く事を進めるソティスに「早よせんか!」と手招きで急かされて、こちらの手のひらを握るとソティスの体が淡く光る。

 

 

 

「見出せ…己が答え!」

 

 

 

次の瞬間、視界は真っ暗になり、身体から力が抜け落ちる。

 

最後に聞こえたのは二人の床に倒れる音、そしたてロドリグさんとイングリットの声だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「玉座まで随分と長い階段だな」

 

 

『人の心の距離を表すのじゃよ。 あの小娘は今、眠たくて、眠たくて、それで…痛くて、苦しくて、悲しくて、今の自分が情けなくてどうしようも無くて、それで今は関わりを持たぬよう無意識に皆との接触を離そうとする。 人はな、辛いことがあると自己防衛のために一度閉じこもる生き物。 そしてこの精神世界は主導権を得たベレスの意思を強く尊重する故に、儂すらも押し退けてしまう。 本当に……情けない」

 

 

 

それはどっちに対しての「情けない」だろうか。

 

ソティスか、ベレスか。

 

または二人ともか。

 

だが俺はその意味を尋ねる必要を感じず、玉座に座って眠るベレスを見上げる。

 

 

 

「……」

 

 

 

階段に足を掛ける。

 

一段、二段、三段と…

 

 

 

「まるで死んだように眠りやがって。 いや、死にそうになったんだから間違いでは無いのかな」

 

 

 

この世界は俺でなければ入ることは出来ない。

 

だから俺が何とかするしかない。

 

俺がベレスを起こすことができるだろうか?

 

最終的には力技で起こしてやろう。

 

目覚ましにCQCはかなりくるぞ。

 

 

 

『何と……玉座の前まで何事もなく』

 

 

「で、ここからどうすれば良い?」

 

 

『ともかく起こすんじゃ』

 

 

「わかった」

 

 

 

とりあえず起こせば良いんだな?

 

そんじゃ………手荒に行くか。

 

 

 

「そぉい」

 

 

『……は?』

 

 

 

俺はベレスの胸倉を掴み、階段を見下ろす。

 

 

腕に力を入れると玉座からベレスを持ち上げ…

 

 

そして階段にぶん投げた。

 

 

 

『はぁ!?!?』

 

 

 

ゴロゴロゴロゴロ…

 

 

グシャ

 

 

 

『お主ィィいいい!!? 何しとんじゃワレェェ!!?』

 

 

「精神世界だろ? 傷つかないだろうし平気だって」

 

 

『もっと真心と愛情無いのかお主は!?』

 

 

「ベレスは丈夫だから心配すんな。 それよりもソティス、玉座が空いたろ? 早く座れよ」

 

 

『なっ……わ、わかっておるが。 ええ…こ、こんな、力技でやってしまうのか…? 予想してた光景とちがうのじゃ。 なんなんだ本当にこの小童は…』

 

 

 

ぶつぶつ言うソティスをよそに俺は階段を降りて、地面に潰れたカエルのような姿で倒れてるベレスのもとに向かう。

 

するとベレスはもぞもぞと動き始め、顔は下にダランとしながら立ち上がり、寝起きの可愛らしい顔がクイっと前を向く。

 

 

 

「ん…ぅぅ……?」

 

 

「おはようベレス。 お前の有給は遠くの昔に終わってるぞ」

 

 

「……ユークリッド…?」

 

 

「そうだ。 久しいな。 俺はとても久しい限りだ。 なんせお前が眠り込んでから外は3年以上経過してるからな」

 

 

『ほ、本当に起きおったわい……儂の苦労はなんなんじゃ…』

 

 

 

玉座に座ったかと思いきや降りてきた。

 

あれ? もう大丈夫な感じ?

 

なんか椅子取りゲーム的な感じで呆気ない。

 

 

 

「あ、ソティス………え? …え!? ソティス…!? ………まじ?」

 

 

『マジじゃよ、このっ…寝坊助が! まったく! 三年も眠り込んだ割には寝相が良すぎてなかなか玉座から動かんから主導権が奪われっぱなしで儂はヘトヘトじゃわい!!」

 

 

 

と、言うが少し泣きそうなソティス。

 

ベレスが目覚めて嬉しかったのだろう。

 

 

 

「え? ど、どう言う意味? 三年? 主導権? あれ? わたしって…さっき、崖の上から………あ!! ガ、ガルグ=マクが!」

 

 

「あ、それもう三年前に陥落してるから。 それでガルグ=マクは政治崩壊。 内政もバラバラの散り散りになって逆賊の住処と化し、フォドラは血の海だ。 分かりやすく言うとお前が寝坊してるから教室で暴動が起きた状態だよ」

 

 

「暴動……そ、それは、お仕置きが必要?」

 

 

『そうじゃな! お主に対するお仕置きが必要じゃ!』

 

 

「…え?」

 

 

「そうだよ。 実際のところお前は周りにかなり迷惑を掛けている状態だ。 お前の命を救うためとは言え、ソティスがすごく苦労してたからな? その分の恨みとか、怨みとか、憾みとか? 晴らさないとならないらしくてな」

 

 

「う、うらみの量が3倍…!?」

 

 

 

若干話について行けないベレス。

 

それも仕方ない。 玉座に腰掛けてる間は眠っていて、しかも時間の流れは遅かったようで、三年も経過したことも知らない。 だが理解できたことは、ソティスが激おこプンプン丸であり、俺が悪ノリを起こそうとしていることだろう。

 

そういった方面ではベレスも戸惑いに溢れていは。

 

 

 

『ユークリッド、手伝うのじゃ、ベレスを反省させるぞ』

 

 

「いいねぇ、そういうの好き」

 

 

「え? …え? …ええ?」

 

 

『しかし丈夫じゃから痛いのは効果が無いじゃろう……鞭のような反省は元よりする気は無いがな』

 

 

「別に打撃与えて苦しめるとかは無い、てかナンセンスだ。 だからこういう時のために丈夫だろうと関係ないとてもとても苦しいお仕置きを俺は知ってるぞ、ソティス」

 

 

『ほぉ? それはそれは、興味があるのぉ』

 

 

「え、ユーク? ソティス? 何を……」

 

 

 

だんだんと顔が引きつり始めるベレス。

 

状況把握が出来るくらいに目が覚めてきたらしい。

 

 

 

「まずソティスもベレスに触れれるように実体化できる?」

 

 

『可能じゃ。 玉座は取り返したからのぉ、この世界ならある程度は理を変えれるのじゃよ。 ほい、これで触れることが出来るようになった』

 

 

「よし、ならあとは実行する迄だ」

 

 

『ほいきたのじゃ』

 

 

「それでは………ハジメマスカ??」

 

 

 

 

わきわきと手を鳴らし、ベレスを挟み撃ちするようににじり寄る。

 

久しぶりに出会えた喜びを上乗せさせながら逸楽のために近づく俺と、笑ってるけど目が笑ってないソティスを見たベレスはゴクリと飲み込み…

 

 

 

「ぅ………や、優しく…し___」

 

 

 

「生かして返さん」

『生かして返さんのじゃ』

 

 

 

 

 

今日この日。

 

 

 

ベレスの表情には笑顔が絶えなかった。

 

 

 

 

 

 

 

つづく

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