やはりこの世界は間違っている。   作:フラットテスト

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十二話

この日が来てしまった。ついにアオギリとの戦いが始まる。

「テメェらァちゃんと玩具は持ってきたか」

「オオ」

「よーし良い子だ!」

丸手特等が音頭をとっている。

「P.O.D!P.O.D!」

周りがうるせぇな。こういうノリホント止めてほしい。これで俺も混ざったら変な目で見られるじゃん。どうなってんのホント。日常に張り巡らされた罠を躱す俺は天才だと思う。

「比企谷、緊張してるのか?」

葉山が黙っている俺を見て話しかけてくる。

「いや、こんなノリは好かないだけだ」

正直に答える。嘘は言ってない。緊張なんてしてねぇし。足全然震えてなんかねぇし。

「ノリに乗る事も大事だぞ。チームワークに関係してくるからな。アカデミーで習っただろ?」

そんな事を葉山が言ってくる。アカデミーと言われれば、あの人の事を思い出してしまう。奴は居るのだろうか?もし、出てきたとして俺に何が出来るだろう。いや、本当は分かりきってる。何も出来やしないんだと。

音頭の声も収まってきた。

「比企谷君、隼人、今回は私と隼人で前衛を行くわ」

陽乃さんが、今回の戦い方の説明を始めた。

「比企谷君は私達の後ろで警戒しておいて。今回は手柄をあげるわよ!」

いつにも増して楽しそうだ。俺が前衛ではないだけ良しとしよう。キツそうだからな。

「了解です」

俺達は準備体操などをしつつ突撃の時を待っている。

小町や雪ノ下、亜門さんも何処かに居るのだろう。小町がどれだけ強くなったか兄として楽しみだ。俺より強かったりして。それは兄としては、成長を喜べば良いのか、不味いと焦るべきなのか。

そんな事を考えながら待っているが一向に突撃する気配がないまま、三時間程たった

。銃声が聴こえてはくる。というか、雪ノ下上等が露骨にイライラしてるから早くしてほしい。

「ねぇ二人共、もう良いよね?私突撃しちゃっても。もう待てないしさ、仕方無いよね?」

「陽乃さん待って、ダメだよ」

葉山が必死に止めている。俺は知らないフリして星を見ていた。綺麗だなー。

雪ノ下上等が足で地面を叩く回数が増えてきた。頑張れ葉山。負けるな葉山。禿げるな葉山。あの人とずっと組んでるとマジで禿げるんじゃね?葉山。俺は雪ノ下上等に関しては諦めてるから良いけど葉山は何とかしようとするからな。スキンヘッドの葉山を想像していると緊張が解れてきた。葉山のスキンヘッドは緊張を解す効果があるようだ。今度からスキンヘッドで来てもらおう。禿げろよ葉山。

突然どこからかバイクの音が聞こえてくる。おいおい、今何時だと思ってんだ。今東京で一番騒がしいことをしようとしている自分を棚にあげて文句を言ってみるが、どうやらこの音も俺達CCGの誰かが出してるらしい。アオギリのアジトの方をみるとバイクが宙を走っていた。なんだありゃ......バイクから白い頭のが飛び出してなんかやってるかと思えば丸手特等が突撃とさけんだ。泣き叫んでいるようにも聞こえる。

「行くよ!隼人、比企谷君!」

俺達も後に続き突撃した。あのバイク誰のだろう......持ち主には合掌だな。なむなむ。

 

✕ ✕ ✕

 

そして戦闘が始まった。悲鳴や銃声、クインケと赫子のぶつかる音が聞こえてくる。ふと左を見れば亜門さんが無双している。あの人ゲーム世界からから来たんじゃね?戦国か三國だな。

小町はどこかなー?と探してみるとすぐに見つかった。あいつクインケ自分で持たずに喰種にぶっ刺してやがる。しかも抜く時に同時に結構切ってるし。めっちゃ笑ってるけど笑顔が返り血で赤いし。あいつすげぇな。ぼくのいもうとこわい。あんな美少女に殺されるなら喰種に産まれても良いかもとか思っちまったし。それは無いなやっぱ喰種に産まれたくは無い。

そして俺達も雪ノ下上等を先陣に進んで行く。凄いスピードで。

「姉さん、流石にペースが速すぎるわ」

いつの間にか雪ノ下が付いてきていた。何でいるんだと思ったが、言ってる事は正しい。後ろの隊と離れすぎてしまった。

「分かったわ、少し待つわよ」

不満そうに雪ノ下上等が足を止めた。

「なんでいんだよお前」

俺は気になった事を聞いてみる。

「あんな無鉄砲に突っ込んで行く人がいたら止めようとするのが普通では無くて?」

全くその通りですね。なら、コイツは止めるために着いて来たのか。

「すまんな」

「いえ、悪いのは姉さんなのだし、貴方が謝る必要は無いわ。むしろ私の方こそ姉さんがごめんなさい」

雪ノ下が謝ってくる。

「あー二人とも酷いぞー」

そう雪ノ下上等が怒る。

その時天井が崩れた。あの時のように。あの時の記憶がフラッシュバックして動きが一瞬止まってしまう。しかし、雪ノ下が俺の腕を引っ張り崩落には巻き込まれずにすんだ。だが、上の方から崩れているのか、瓦礫が高く積み上がり雪ノ下上等と葉山とは別になってしまう。

「おーい比企谷くーん!雪乃ちゃーん!無事ー?」

瓦礫の向こうから雪ノ下上等の声がする。

「はい、俺達は無事です!」

聞こえるように大きな声で返事をする。

「二人は安全な所で後の隊を待ってて。私達は先に行った隊に合流するから!」

「分かりました!」

そうして俺達は後続の隊を待つことになった。

雪ノ下上等と葉山が走っていく音がきこえた。

その後すぐに天井の穴から声が聞こえる。

「久しぶりだね。八幡」

あの声だ。

「あの時と同じような登場とは粋な演出だな、ダーククロス......」

「はちまーん、僕は戸塚彩加だよ。そんな名前で呼ばないでよ」

少し怒ったように言ってくるが、俺としては恐怖でしかなかった。また、俺と関わった人が殺されてしまうのでは無いかと考えてしまう。

「安心してよ。今日のは挨拶だから、攻撃する気は無いよ」

まるで心を読んでいるかのように返してくる。

「しかもあの時の女の子も居るなんて奇遇だね!」

そう言って奴は俺達の前に下りてきた。俺はクインケを構え、雪ノ下もQバレットを向ける。

「だから、攻撃しないってば」

そう言って両手を挙げているが、赫子は手を使わずとも出せるし、全く意味が無い。警戒を解くことは出来ない。

「攻撃しないのなら何しにきたのかしら。挨拶なんて下らない事だけ?」

雪ノ下が奴に問う。

「下らなく無いよ、挨拶大事だよー。まあ、言うことがあるとしたら、八幡強くなったねーとか。八幡の妹さんの戦い方凄いねーとか。そんな感じの世間話しか無いけどさ。そんなに警戒しないでよ」

俺は再び固まった。俺が強くなったかは今日何処かで見ていれば分かることだ。しかし、小町の事は知らないはずだ。警戒なんて解けるはずがない。

俺が固まっていると奴はまた上へと跳んでいった。

「じゃあね、八幡。今回は偉い人に怒られちゃうから無理だけど、次は戦おうね」

そんな言葉を残して。

「本当に攻撃してこなかったわね。何なのかしら」

雪ノ下がそう言ってくるが、俺はまだ固まっていた。俺は奴に監視されていたのかと、いつか小町に危害が及ぶのではとそう恐怖した。




アオギリ戦はまだ続きます。
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