やはりこの世界は間違っている。   作:フラットテスト

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十三話

トツカサイカが襲来してから十分経ったが後続の隊が来ない。戦闘中なのだろうか。体力も回復してきたので、俺達は戻って様子を見てみる事にした。

しばらく戻ると後続の隊らしき人達が二体の喰種と戦っていた。片方の喰種は大きな怪我を負っていてもう一体の喰種は庇いながら戦っているように見える。戦い方を見ると高くてAレート程度だとは思うので上等が居れば倒せそうだが、多分横たわって血を流してるおっさんがその上等だろう。他は高くて一等捜査官に見える。少し厳しいかも知れない。

「雪ノ下は怪我人を見ておいてくれ、俺は加勢に行く」

「分かったわ」

俺は喰種と戦っている捜査官の元へ向かった。

「比企谷二等捜査官です。加勢します」

「助かるよ。」

戦っている捜査官の人にお礼を言われる。俺は頷きつつ手負いの喰種に向かって攻撃を仕掛けてみる。

「大志に手ェ出すなァー!」

庇っていた喰種は予想通りこちらを攻撃してくる。と言うか女の喰種か、庇ってるのは彼氏か何かか?だとしたらタイシって奴は情けねぇな。俺はクインケを切り返して赫子を受け止める。出せる赫子は1本だったようで隙が生まれる。その隙に他の捜査官が女の喰種を切り付けた。

「ガハッ!」

「姉ちゃんっ!」

タイシとか呼ばれた喰種が叫ぶ。姉弟だったのか。なら守るのも納得だ。俺も小町が襲われていれば全力で守るだろう。喰種にだって家族は居るのだ。真戸上等なら下らないとか言いそうだけどな。でも、俺は下らない事とは思えなかった。

そんな事を考えてしまったからだろうか、体制を立て直されてしまう。ただ傷は深そうでもう少しで倒せそうだ。

その時部屋の壁が割れて羽赫が飛んできた。真っ赤なルビーのような羽赫だった。

「あっぶねぇ」

俺はクインケで防げたが何人かは食らってしまったようだ。これ以上戦うのは不味いだろう。このままでは死人が出るかもしれない。引こうかと後退りしたところ向こうも女の喰種がもう一人を抱えて壁に出来た穴から逃げていった。攻撃してくる様子もないため、羽赫を出した喰種も離れていったようだ。あの羽赫の量ならA+ほどはありそうだ。不意打ちを食らったこの部隊なら向こうの勝率も高そうだし、襲ってくる可能性も高かった。アオギリにいながらあまり、戦闘を好まない喰種だったのだろうか。

考えを巡らせていると雪ノ下が労いの言葉を掛けてくる。

「比企谷君、お疲れ様」

「ああ、この数の負傷者で先に進む訳にもいかないし戻ろうかと思うんだが」

俺は現状を見て提案する。その意見には雪ノ下も同意なようだ。

「ええ、引き返しましょう。比企谷君も怪我をしている人に手を貸してあげて」

「言われなくとも」

そうして俺は近くの負傷した捜査官に肩を貸しつつ来た道を戻っていく。

本陣へ戻ると騒がしくなっている。なんと、隻眼の梟が出たようだ。隻眼の梟の話は真戸さんに何度も聞いた事がある。レートはSSSで最高レートで羽赫の赫者だと言う。特等が多く集まっても勝てず、未だ脅威であり続けている。十年前、有馬特等が両腕を奪い、姿を消していたそうだが、また現れたと言うことか。今回は有馬特等は来ていないはずだ。大丈夫なのだろうか。確か雪ノ下上等と葉山もそちらに向かっていた。

しばらく俺達は待機をしていた。すると、制圧が完了した、と聞こえた。終わったのだろう。

五分ほど後に丸手特等の声が響いた。

「23区の収容所がアオギリに襲撃された!この後余力のある者は応援に行ってもらう!」

マジかよ。こっちだけじゃなかった訳か。羽赫もうちょい食らっとけば良かったぜ。

その後俺は雪ノ下上等達と合流した。二人とも無事だった。雪ノ下は、上司に呼ばれたためここで別れる事になった。

そして俺達は23区へと向かった。やっと終わったと思ったのに......

移動中は雪ノ下上等や葉山の話を聞いていた。

「比企谷君はダーククロスと会ったんだね。戦わないって妙だけど」

「ええ、そうですね」

確かに妙だ。まるで積み木を壊すために積む子供のようで恐ろしかった。

「私は、せっかく梟が出たのに私参加させて貰えなくてさー。しかも尾赫兄弟は亜門君が倒しちゃうし、ジェイソンは什造君が貰っちゃったって言うしさ、何のために速く行ったんだか」

ほとんど愚痴ばかり聞かされてめんどくさくなった俺は意識を飛ばそうとするが、葉山に叩かれる。

「お前だけ夢に逃げるのはずるいぞ。俺なんて作戦終了後からずっと聞かされてるんだからな」

葉山がいかにも疲れたように耳打ちしてくる。流石に叩かれながらは眠れないので、俺は雪ノ下上等の愚痴を聞き続ける羽目になった。最悪だ。葉山よ、お前だけ犠牲になれば良かったものを......

「禿げろよ葉山」

「急に酷くないかい?」

おっと声に出ていたようだ。

「ちょっと?聞いてる?」

雪ノ下上等が不機嫌そうに言う。

この愚痴はいつ終わるんだろうか。そう思いながら、俺は車に揺られていた。




アオギリ戦は終わりです。23区の戦闘は正確な描写も無いため書きません。
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