やはりこの世界は間違っている。   作:フラットテスト

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十七話

俺は遺書を提出するため、CCGへと来ていた。小町と一緒に行こうと思い、誘ったのだが

「小町はもう局内で書いて提出したよ」

と言われたので、1人で来ることになってしまった。お兄ちゃんは寂しいよ。雪ノ下上等や葉山も今日提出する予定なので、もう来ているかも知れない。俺は急いで雪ノ下上等のデスクへと向かった。

「遅いぞー。比企谷君」

雪ノ下上等が頬を膨らましている。

「すいません」

既に二人は来ていて、俺が最後だったようだ。

俺は鞄から遺書を取り出して、雪ノ下上等に手渡した。

「うん、これでOKだね。じゃあ提出して来るよ」

そう言って雪ノ下上等は、部屋から出ていった。

「いよいよだな。緊張してるか?」

葉山が話し掛けてくる。

「するに決まってんだろ。死ぬかも知れないんだぞ。怖くない奴いんの?」

「まあ、そうだな。俺も怖いさ」

そう言いつつもすました顔のコイツは遺書にどんな事を書いたのだろう。家族へ向けてのメッセージなのだろうか?もしかしたら友人や恋人へかも知れない。だが、俺はその答えを知ることは無いだろう。葉山とはアカデミーが同じ同期なだけだ、俺は飛び抜けて優秀という訳では無かったから毎回トップのコイツと関わりなんぞ無かった。

今は仲間として捜査を共にやってきた身だ。これでも少しは信用している。背中を任せる事はあまりしたくないが、背中を任されたらある程度は守ってやれる

「まぁ雪ノ下上等がいるし大丈夫だろ」

もちろん、雪ノ下上等が。俺にはキツい。

「あの人だって勝てない喰種はいるさ」

軽く言ったつもりだったのだが葉山の表情は険しくなる。俺は雪ノ下上等が負けた所を見た事が無い。何時も返り血を浴びている事はあれど自らの血を流している所を見た事が無い。俺の中じゃ無敗だ。だが、今回はSSSレートとその手下だ。俺は彼女の敗北を初めて目にする事になるやも知れない。

「そうだな。どんな奴がいるかなんて分からない」

この戦いは何一つ約束されていない。生きるも死ぬも、勝つも負けるも。

 

✕ ✕ ✕

 

そしてついに俺達は20区の喫茶店へと来た。相当な人数がここに来ている。俺達の班の人数は局員捜査官も合わせて50人程だ。その中には雪ノ下もいる。未だ雪ノ下とは会話をしていない。

正面にいる訳では無いが、何が起こるかわからない。周りの緊張感も伝わって来る。

そして、作戦が開始された。

暫くして突入の命令が出されると、中から二体の猿と犬の面を付けた喰種が出てきた。その二体が攻撃を仕掛けてくる。次々と、捜査官が殺されていく。動揺が捜査官に広がる中、建物の屋上からも喰種が現れ、暴れ出す。

その中でも局長から冷静な指示があり、俺達も封鎖のために動き出した。

指定の位置まで行くと喰種も追って来ていた。俺達は、それに応戦する。

「比企谷君は左警戒、隼人は右、私は正面から行く」

雪ノ下上等からの指示があり、俺達は戦う。俺達の所へ来た喰種はそう多くは無いようだ。このくらいなら対応し切れるだろう。しかし、何が起こるか分からない。

少し落ち着いたあたりで連絡が入ったようだ。第二隊、第三隊が何者かにやられたようで、第四隊が向かうそうだ。第二隊には特等が居たはず、そんな相手に亜門さんや小町達は勝てるのだろうか。

だが、そんな心配をしている場合でも無かった。後方で悲鳴が聞こえた。

「比企谷君、隼人行くよ」

俺達は急いで後方へと向かう。その時、雪ノ下と目が合った気がした。

後方へ向かうと三体の喰種がいた。

「マジかよ......」

奴らは俺と雪ノ下が遭遇した喰種だった。

「姉ちゃん、随分前にいた奴らじゃない?」

「ああ、そうだね。今回はコイツもやる気だし行けるよ」

そう言って親指であの羽赫の喰種を指さしている。

どういう事だ。あの喰種は戦いを好んでいたようには見えなかった。わざわざこんな所に来るなんて。

「比企谷君、隼人やるよ」

そうして俺達は戦闘を始めた。

羽赫の喰種が打ってくる。容赦なく殺しに来ている。他の捜査官ももう何人も殺されている。この短い間に何が起きたんだ。そう思いつつ姉弟喰種の相手をしている。

このまま行けば勝てそうだ。雪ノ下上等や葉山の力はやはり大きい。前に俺と戦っていた時と比べて余裕があると思っていたのだろうか。案外簡単に勝てそうだ。羽赫の喰種が増えても、それを遥かに二人は上回っていた。そして、順調に追い詰め、捜査官の一人が弟の方を切ろうとするとその捜査官と周囲にいた捜査官の首が飛んだ。あの飛ばし方は......

「久しぶりだね、八幡。今日は戦おうね!」

トツカサイカだ。

俺は奴を睨めつける。

「そんな怒んないでよ、この子達が八幡と戦った事は聞いたから、説得して一緒に戦おうと思って。梟なんて奴、直接は知らないけど利用させて貰おうと思って」

羽赫の喰種が戦っているのはコイツのせいなのだろう。梟は関係ないと言うが信用する必要もないだろう。

「あなたは私の大事な仲間を奪おうとした。奪われない為には先に奪っちゃえばいいって、全部奪えば恨みも無くなるって分かったの。だから、あなたとそこの仲間も奪うね」

あの時と変わらない優しい声で羽赫の喰種が宣言をすると、羽赫が俺に向かって飛んできた。防ぎきれる量では無い。

「はあ、まだまだだね」

そう言って俺の前に立ったのは雪ノ下上等だ。

「ダメだよ邪魔しちゃあー」

トツカサイカは不満そうに言って雪ノ下上等に突っ込む。そして、雪ノ下上等とトツカサイカの戦闘が始まった。

「比企谷君、隼人コイツは任せて、二人でそこの三体はお願い!」

そうして俺と葉山は目の前の喰種に対峙する。

「ヒキタニ君は、サポートお願い」

そうして葉山と共に戦う事になった。雪ノ下上等から連携の練習と言われ二人で何度も戦った事がある。何となくお互いに動きは予想できる。そうして俺達は追い詰めて行く。他の捜査官の協力もあり、姉の方に強力な一撃が入り、トドメを刺すだけだ。俺はクインケを振り下ろす。

「姉ちゃん!」

弟の方が突っ込んで来るが葉山がそれを阻止して、俺は首を撥ねた。

「アァァアァァァァ!」

首が飛ぶと同時に弟が暴れ出すが葉山は冷静にかぐねを切り落とす。

弟の方もトドメを刺そうとした所で、羽赫の喰種が接近し弟の方を抱え、距離をとった。

「姉ちゃんが!殺された!仇討ちしないと!殺さないと!なんで?なんで?殺さないの?ねぇ!」

弟の方は抱えられてさわいでいる。

「今は無理みたい。でも、いつかは奪い切れるよ」

いつかのように諭すような声で言っている。

「嫌だ!今殺す!」

すると、羽赫の喰種の赫子が弟の方を貫いた。

「ガゥアァァァ!」

「もう、そんなんだと簡単に奪われちゃうよ。君まで奪われたくない」

先程と変わらぬ声で羽赫の喰種は言いそのまま逃げていった。

すると、近くで大きな音が鳴る雪ノ下上等達のようだ。ふと見ると雪ノ下上等が弾き飛ばされている。

「雪ノ下上等!」

「陽乃さん!」

俺達は叫んだ。そのまま雪ノ下上等は近くのビルの2階の窓を突き破った。あれで、生きていられるのだろうか?

「アハハハハ!惜しいなぁ」

トツカサイカの笑い声が響く。負けたのか、雪ノ下上等が、アイツに。そのビルの2階からは音がしない。雪ノ下がビルに駆けていく。何かを持っている。応急処置用のキットだろうか?

とにかく俺達は雪ノ下上等も 負けたトツカサイカと戦わなくてはならないのだ。勝率がゼロにほぼ等しくても。




原作の流れを少し狂わすような展開になってきたと思います。
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