俺はクインクス達の暮らすシャトーという建物の前に来ていた。真戸暁上等が挨拶をしてきたらいいと言うので来たのだが、誰かの家を訪ねるのは聞き込み以外で初めてなんですけど......
覚悟が決まらず、インターフォンを押すに押せず俺が戸惑っていると、後ろから話しかけられた。
「なんか用ッスか?」
後ろにはチャラそうなやつが立っていた。
「あんたはQsか?」
ここにいるって事は多分Qsだろう。
「そうッスけど。CCGの人ッスよね?」
「ああ、比企谷八幡二等捜査官だ。佐々木琲世一等はいらっしゃるか?」
こいつに言うよりも佐々木琲世一等に直接あった方が良いだろう。
そんな事より手汗がヤバい。ぜってえこのチャラそうなやつ苦手なタイプだな。悪いやつでも無さそうだが。
「サッサンなら中に居るッスけど」
「お邪魔しても?」
「ああ、いいと思うッス」
そして、俺はシャトーの中に入った。
「サッサン!お客さん来てるッスよ。引き出しナントカって人ッス」
俺を引っ張っても開いたりしねぇし、中にタイムマシーンもない。
「はーい」
奥から写真で見た通りの佐々木琲世一等が現れた。
「比企谷八幡二等捜査官です」
「真戸上等から、聞いてます。すみません、わざわざ来ていただいて」
「いえ、真戸暁上等に急かされたものですから。手伝うと言っても何をすれば良いんでしょうか」
ホント、俺に何が出来るんだか。
「アハハ、僕も真戸上等に手伝いが来ると言われましたが、良く分かってないんですよ」
マジかよ、もう何もしなくて良いんじゃね?
「これが、俺の番号です。何かあったら連絡ください。では」
取り敢えず番号だけ渡して、俺は帰ろうとする。
「もう行ってしまうんですか?お茶でも」
あまり親しくなったと思われると面倒事押し付けられそうだ。友達多いやつって大変なんだろうな。
「いえ、悪いので遠慮しておきます」
そうして、俺はシャトーを後にした。一軒家で共同生活か、俺には出来そうもねぇな。
暫くして、佐々木一等から連絡があった。トルソーとかいう喰種を部下が単独で追ってしまっているらしく、先回りをするつもりのようだ。包囲に参加して欲しいという。
トルソーと言うと、Aレートで下口班の担当だった気がするんだが......なんで追ってんの?
俺が指定された位置へ行くと、何人か捜査官が集まっている。佐々木上等はどこに居るのだろう。辺りには見当たらない。
暫くしてタクシーとバイクが走ってきた。タクシーの中から人が出てくる。上半身裸で、頭にシャツを巻いている。恐らく、トルソーだろう。包囲していた人の首が次々に飛ばされる。流石Aレートだ、格好はアレだが強い。俺は避けるのがやっとで、車の影に隠れる事にした。受け止める事は出来るのだろうが、無駄にリスクも負いたくない。取り敢えず銃口だけでも向けとくか。
すると、先程までバイクに乗っていたやつが、羽赫の赫子らしき物を出して、トルソーに撃つ。良く見れば、この前のチャラいやつだ。本当に喰種と同じような能力なんだな。もう1人バイクにいたやつも、赫子を出してトルソーを切った。この速さで戦われるとあいつらに当てかねない。
二人が暫く戦っていると、トルソーの出てきたタクシーから、もう1人出てくるが、戦いに参加する様子もない。
突然俺の近くにあった、車が吹き飛ぶ。
「あっぶねぇ!」
トルソーや、Qsではない。
「その確保」
あれは......
「中止」
オロチかよ......
S~レートの喰種で、平子班の担当だ。
相当ヤバいな。
Qsも全く歯が立っていない状況だ。早く来いよ、佐々木一等。
そして、Qsにオロチの赫子が向かっていく。
その時、佐々木一等が現れ、赫子を防いだ。
おいおい、遅れてやってくるとか、お前はヒーローかよ。つーかどこにいたんだよ......
佐々木一等が攻撃をするが、オロチに反撃の蹴りを喰らい、吹き飛ばされる。流石にS~はキツいのか?
すると、立ち上がった佐々木一等が、赫子を出し、指を鳴らした。雰囲気も変わった気がする。
突然動きが速くなるが、すぐに反撃を、受けて吹き飛ばされる。
Qsが駆け寄って行くが、佐々木一等は待機を命じて、ストレッチを始める。
明らかに先程とは違う。さっきよりも更に強くなっている。すぐさま、オロチをボコボコにして追い詰めてしまった。後はトドメを刺すだけと言う時に、佐々木一等の動きが止まり、苦しみ出す。どうしたんだろうか。その隙に、オロチは逃げ出してしまった。
気付けば、後ろからは平子班が来ていた。オロチを追っていたのだろう。
「オロチの追跡は中止だ」
平子上等が命じる。
そして、それぞれがクインケを起動して戦う。
「当班は、SSレート喰種ハイセの対処に当たる」
暴走したって訳か、SSレート......
平子班が攻撃を与え佐々木一等、いや......ハイセが、止まると、何かが撃ち込まれ暴走は収まった。
どうやら真戸暁上等が、Rc鎮静剤を撃ち込んだようだ。
「真戸暁上等、すみません。佐々木一等を助ける事は出来ませんでした」
「いや、Aレートに、Sレートだ。仕方ないだろう」
そう言って、彼女は、佐々木一等の元へ向かった。
また、俺は期待外れだった。オロチが来た時、いや、トルソーが来た時に戦っていれば何か変わったとは思えない。死者か、せいぜい負傷者が増えるだけだ。
俺が戦えない理由はいつもそれだ。自分の力の無さを言い訳にするだけだ。
これでは、いつまでも意味が無いのも分かっている。ただ、今思いつくことはトレーニングしか無い。
俺はスポーツジムへと向かってみることにした。きっと、一番必要なものは体力では無いのだろうけれど。
やっとReの1巻の内容に入りました。原作のキャラとの絡みが原作ストーリー上で多くなると難しくなりそうです。