やはりこの世界は間違っている。   作:フラットテスト

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六話

また、佐々木一等から連絡があった。六月が先行で潜入させられるらしい。鈴屋準特等がいるから大丈夫だと思うが万が一が心配らしい。

しかし、今回は俺にはどうしようも出来ない、オークション掃討作戦には参加するのでその時に手伝うと伝え、電話を切った。

そして、オークション掃討作戦が始まった。ビックマダムが上の1番の目標だろう。アオギリの樹の介入の可能性もあるらしい。やつが来るのだろうか?

どうせ司令官である和修政の性格からして民間人より駆逐だろう。

待機中、雪ノ下が近くにいた。

「よう、雪ノ下」

「久しぶりね。比企谷君」

「クインケの使い勝手はどうだ?」

「とても使いやすいわね。真戸上等には感謝してるわ」

「え、俺は?」

「感謝は自分から求めるものでは無いと思うのだけれど。でも、感謝してるわよ」

綺麗な笑顔してんな。

「お、おう」

「自分で感謝を求めておいてなんで照れているのかしら」

「うるせぇ」

「もしかして〜、比企谷先輩ですか〜?」

甘ったるい声が聴こえる。

「この子は一色いろはさんよ。私と同じ時に局員捜査官からアカデミーに入ったの」

「初めましてっ、一色いろは二等捜査官ですっ」

あざとく敬礼してきやがるが本性は真っ黒そうだ。

「雪ノ下先輩のお姉さんと、葉山一等と組んでたってホントですか〜?」

「ああ」

「葉山一等と最期まで一緒にいられたんですね〜」

なんか嫌な言い方だな。もしかしたら恨んでいるのか?喰種捜査官になったのは仇討ちかも知れない。俺の弱さも罪に数えられているのだろうか?あまり関わりたくはない。

「ああ、最期までいたぞ。葉山を殺したやつはアオギリにいる。仇討ちがしたいなら止めておけ赫者だ」

「そうですか〜。強いから仕方ないって言いたいんですね〜」

「何か不満があるのか?」

「いえいえ〜、同意しますよ〜。なんせ葉山一等が勝てなかったんですから」

こいつ目が笑いきってねえ。

すると、作戦開始の号令がかかる。

俺達は正面から行くようだ。佐々木一等達もいる。

突撃した時に先陣を切っているのは佐々木一等達のようだ。

少し進むと目の前の捜査官が一人殺される。一人は佐々木一等が庇ったようだ。でかい甲赫を両腕に纏っている。

ここで和修政準特等から佐々木一等は直進しろとの命令が下る。

「比企谷二等、付いてきて下さい」

俺は佐々木一等に呼ばれ、ついて行く。何故か雪ノ下と一色も。

しばらく進むと六月が喰種と交戦中と言うか一方的にやられていたが、佐々木一等が間一髪で救い、Qs達も攻撃を仕掛ける。あと一歩でトドメといった所で、もう1人喰種が現れる。その喰種は赫子で壁を作って逃げてしまう。

和修政準特等から連絡が入ると佐々木一等は六月を戻らせたいと言っていた。当然の意見だろう。瓜江がついて行くようだが、大丈夫だろうか?

あいつも和修政と似たタイプな気がする。

『比企谷、雪ノ下、一色、お前らは佐々木についていけ』

和修政準特等から命令が入る。

六月と瓜江が気がかりだが仕方ない。

「了解しました」

俺達は取り敢えずついて行く。

俺達が進んでいると捜査官が一人いた。大芝班のメンバーで林村一等らしい。

佐々木一等が彼と話をしていると。

「あぶないッ!!!」

俺達の横を何かが通るとそれを佐々木一等が受け止めた。

が、佐々木一等は弾き飛ばされる。それは喰種だった。奴は佐々木一等と交戦する。明らかに今までの喰種とは違う。

佐々木一等が押されながらも撤退命令を出した。

あそこまでの強さでは俺達は足手まといにしかならない。

少し離れた所で和修政準特等に連絡を取る。不知が連絡するが、動揺しているのか下手くそだ。林村一等が連絡を変わる。奴はレートはSS~に設定された。そして、佐々木一等は単騎で対峙するという。

不知は文句を言うが指揮官の決定ではどうしようもない。上でナッツクラッカーと交戦する事になった。

俺達は上に向かう。

「待ってよ。八幡」

1番聞きたくない声だ。

「トツカサイカ...林村一等達は先に!俺はコイツの相手をします!」

「何を言ってる。比企谷二等」

コイツの相手は俺がしなくちゃならない。

「お願いします」

俺は林村一等に頭を深く下げた。

「ッ、分かった。死ぬなよ」

そうして、林村一等とQsは先へ進んだ。

「雪ノ下、一色、お前らはなんで残る」

「比企谷君1人ではどうしようもないでしょう」

まあその通りだが、正直2人でもどうしようもない。

「コイツが葉山先輩を殺したんですね」

「一色、気持ちは分かるが飛び込むなよ?」

「そんな馬鹿なことしませんよ〜。作戦始まる時にも言いましたが、葉山先輩が負けた奴に私が勝てるなんて思ってません」

それにしても向こうは動きが無い。

「ねえ八幡。死んじゃったと思ってた大切な人が、生きていたらどう思う?」

は?急になんなんだ?

「それは、嬉しいんじゃないか?」

そういったものの、もし平塚上等、真戸上等、亜門さん、小町が生きていたらどうだろう。

一度失ってその価値に気付いてしまったから、最初以上に失う事が怖くなるのかも知れない。

「僕も嬉しいかも」

トツカサイカにも大切な人が居たのだろうか?

優しい家族や友人、あるいは恋人なんかが。

「今回はオークションの護衛で来たんだ。八幡と遊ぶのも良いけど、僕はやる事あるから。これでも、組織へはある程度忠誠を誓ってるからね」

そう言って窓を割り飛び降りて行ったが、トツカサイカの後ろに喰種が居たらしい。

よく見れば姉弟喰種の弟だ。

「姉ちゃんを返せよ」

ゆっくりと歩いて来る。不味い、雪ノ下のクインケは奴の姉から作られている。

「一色!雪ノ下が奴のターゲットだ」

「あの姉ちゃんてのは雪ノ下先輩のクインケですか?」

なかなか飲み込みが速いな。

「ああ」

そして喰種は赫子を出して襲ってくる。

俺達はクインケで防ぐ。防ぎ切れるもののスピードもパワー以前より上がっている。

俺はオブシで受け止めつつもティーチャーで撃つ機会を伺う。

雪ノ下と一色も距離を詰めようとしている。

暫く戦っていると、3人相手は流石にキツかったのか隙が出来る。俺は隙を見逃さずに奴を撃ち抜いた。

そして、奴がよろめいて攻撃が弱まると雪ノ下と一色がトドメを刺しに行く。

その時、窓の外から赤い光が向かってくるのが見えた。

「危ねぇ!」

俺は2人の肩を押して、無理矢理伏せさせる。

この赤い羽赫...間違いない。

「大志君、ダメだよ。危ないよ」

窓から喰種が入ってくる。

「すいません」

その喰種はもう1人を抱えて、また窓から飛び出して行った。

「比企谷君、助かったわ」

「ありがとうございます、先輩」

「ああ」

向こうも殺す気では無く、仲間を助ける目的のみだったのだろう。他の喰種であれば伏せた後にトドメを刺されていた。

「そろそろどいてくれないかしら」

「重いんですけど」

「おお、すまん」

まだ2人に乗っかったままだった。




次でオークション戦終わりです。一色を出しました。

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