やはりこの世界は間違っている。   作:フラットテスト

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五話

翌朝俺は喰種と戦った事を小町に話した。

「えー、お兄ちゃん一撃も入れれなかったの?」

小町がつまらなそうに聞いてくる。このままでは情けないお兄ちゃんなので反論をする。情けないお兄ちゃんのままじゃいられん。

「でも、ノーダメだぜ?」

キメ顔で言ってやると小町はじとーっと見てくる、

「そういうのは、ちゃんと倒してから誇るものだよ、ごみいちゃん。投げたりとか出来なかった訳?」

「投擲なんてしたら一本になっちまうだろ?」

一本だと逃げる事しかできそうにない。流石に無茶だ。しかし、小町はご不満なようで、

「そんなのその隙に一気に攻撃すれば良いじゃん。攻撃は最大の防御って言うでしょ?」

妹が物凄い脳筋な事を言っているが、平塚上等の言っていた、踏み込みとはこういう事なのだろうと察せられる。だから、小町の言っている事は正しいのかも知れない。俺も倒さねば俺だけでなく小町が殺されるとなれば踏み込んで戦う事が出来たのだろう。生活していくためなんてそんな弱い理由では踏み込めるはずも無かった。もしかしたら、理由なんてほとんど無いのかも知れない。

しかし、そんな事を言ってしまえば小町に呆れられ見捨てられるかも知れないので、やる気があることはアピールしておこう。面接はやる気が大事って言うしね。CCGの採用面接ではアピール出来てた気があまりしないけど。ただでさえやる気の無い目だからな。最終的な面接なんてほとんど落ちないけど。

「頑張って攻撃入れれるようにはするよ」

「しっかり仕事しなよ?餌になっちゃうよ?」

小町は頷くと食べ終わったのか食器を片付け始めた。

「俺も準備しますかね」

俺はそう言って食パンを口に含んでコーヒーを流し入れた。糖分足りねぇ......砂糖入れ忘れた......

 

✕ ✕ ✕

 

CCGの平塚上等のデスクに着くとアタッシュケースを渡された。

「これが君の訓練に使う甲赫だ。君を鍛えるという意味でキタエという名前にしておいたぞ」

ネーミングセンスがひでぇ......

すると、その表情を察されたのか、

「文句あるかね?なら君が考えたまえ」

と、言われたが何も思い浮かばないので、

「いえ、文句ありませんよ」

と、答えておいた。

「なら結構。早速起動してみろ。」

局内で良いのか?と思いながらもクインケを起動する。アタッシュケースが形を変えTHE日本刀の形を作っていく。

「一般的で特に癖も無い甲赫だ。これで慣れたまえ」

これでも捜査官なのである程度体は鍛えてある、重いとはいえ何とか扱えそうだ。

「では行くぞ比企谷、先ずは聴き込みだ。」

俺はクインケを戻して平塚上等の後を追った。

 

✕ ✕ ✕

 

複数の事件を調べていたが、目撃証言にはいくつか共通点があった。

「喰場が一定では無さそうだな。いくつかの補食事件は同一犯だろう。赫子痕が分かりにくいかったが、これである程度確定したな。周期が一定ではないから待ち伏せといったところだろう。喰場になりそうなところへ行ってみるか」

そうして俺達は1ヶ月半ほどいろんな路地裏を通ってった。その間の休みも稽古をされ甲赫にも慣れてきたころに目当ての喰種にたどり着いた。

「テメェらは鳩だったのかぁ!コロスコロス」

喰種が切れて叫ぶ。話していない間もコロスコロスと呟いている。相当狂ってんな。

「テメェらが弟を殺して!それから四年経った!復讐をしようと思ったがさすがに俺もバカじゃねぇ。だから俺は鍛えてきたんだよ!この日テメェらをぶっ殺す為になぁ!コロスコロス」

俺のもとに赫子が伸びてくる。発動が間に合わない。その時銃声が響いた。喰種の赫子が俺の前で切り落とされる。

「比企谷!怪しいと思ったらすぐにクインケを起動しろ!」

平塚上等が喰種の赫子を撃ち抜きながら叫ぶ。俺もクインケを起動して構えた。

「鳩がコロスコロス二人程度コロスコロス大したことねぇなあ!コロスコロス」

奴から日本目の赫子が出てきて、平塚上等に襲い掛かる。

「比企谷!一本頼む!」

俺は言われた通りに一本の赫子を受け止める。喰種のもう一本の赫子は平塚上等の攻撃で消滅し、俺の受け止めている一本だけになった。

「今度はリーチが足りる!踏み込め!比企谷!」

「うぉりゃあ!」

俺は赫子を一気にいなして喰種に近づき止めを差した。喰種の血が顔に掛かる。

「畜舎......鳩がぁ!みんな死ねぇコロスコロスコロスコロスコロスコロス」

喰種の断末魔は路地裏で響き渡った後も俺の耳で響き続けた。喰種の呟き続けた言葉はいつまでも耳に残り続けるだろう。きっとふとした事で思い出す。

「比企谷、良くやった。回収班は呼んだから局に戻ったらシャワーを浴びろ。手続きはまた明日やればいい。今日は休んでおけ」

そう言われたが上の空で局に戻ってシャワーを浴びつつも考え続けた。

生き物を殺す感覚はこんな物だっただろうか。蟻を踏んでも蚊を叩いてもこんな感じでは無かった。見た目が人とあまり変わらないからだろうか。それとも家族を殺されていたからだろうか。俺も小町が殺されればああなってしまうのだろう。そういった確信だけは持っていた。




喰種の台詞が読みにくくなってしまいました。そろそろオブシ完成です。
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