あっ、お兄ちゃんお帰りなさい!
ご飯にする?お風呂にする?それとも・・・私?
冗談だって!まだお姉ちゃんたち帰ってないからゲームしよ!
・・・何かいいことあったの?すっごく機嫌良さそうだけど?
・
・
・
お兄ちゃんは転生者だ。突然何を言ってるんだと思われるかもしれない。
でも、それは本当のことだ。なぜか記憶が見えたからだ。
お兄ちゃんは前の人生でもお兄ちゃんだった。
不良に追われながらもSFを読んでたり、川に流された女の子を助けたついでに布教してた。
そんなお兄ちゃんは三体という小説を見つけた。その小説の同人アニメも見てた。
確か『我的三体』とかいう作品だったはず。とにかく、お兄ちゃんはその小説にハマった。
もともと、お兄ちゃんは友達がいっぱいだったので、あっという間に伝染した。
伝染って言い方はきついって?でも、灯火ちゃんもそう表現していたし・・・。
私もお兄ちゃんの記憶で三体のストーリーを把握した。
そんなお兄ちゃんはある日、死んでしまった。最期の数時間はなぜか真っ暗だった。
そして、お兄ちゃんは天国で神様からとんでもない能力を貰った。
三体、黒暗森林、死神永生。その地球往事三部作を生成できる能力だ。
そこで私は目を覚ました。気がつけばお姉ちゃんに抱きしめられていた。
お兄ちゃんは地面に上半身だけが埋まっているという無残な状態だった。
小さいキュゥべえがなぜかお兄ちゃんの過去の記憶も知っていた。
理由はわからないけど。でも、お兄ちゃんがお姉ちゃんたちを助けていたのは確かだ。
・・・ついでに、布教もしてたけど。神浜市の魔法少女たち全員三体を持ってる。
お兄ちゃんは一家に三冊三体とか言ってた。ジンバブエドルの意味がよくわかった。
しかも、噂によると二木市でも三体を持つ人が増えたらしい。つまりはそういうこと。
もう戦いの趣旨も変わってしまったらしい。お姉ちゃんたちは腐っちゃったのだ(意味深)。
確かに、三体には女の子が男の子と比べてあまり登場しないもんね・・・。
お兄ちゃんは男の子なので、複雑な心境らしい。お姉ちゃんとも仲が悪くなったようだ。
でも、たまにこっそり遊びに来てくれる。いつまでもこんな日々が続けばいいな・・・。
・
・
・
えっ、人工冬眠?どういうこと・・・?
・・・知り合いの科学者に三体を薦めたら、あっという間に技術が完成した?
それで、最初の人工冬眠にお兄ちゃんが志願したの・・・?えっ?
数日後?・・・お姉ちゃんたちはどうするの?そんな・・・。
今日はお別れに来た?・・・原作にならって二百年後?
そんな・・・。ううん。大丈夫だよ。私からお姉ちゃんにはちゃんと言っておくよ。
大丈夫!ほら、このまま話してたら未練残っちゃうでしょ!
じゃあ、おやすみなさい!・・・あと、さようなら!
おはよう!お兄ちゃん!
うふふ!やっぱり驚いてる!
ここは二百年後じゃないのかって?正解!でも、私も冬眠したんだ!
お兄ちゃんの後についていくっていったらお姉ちゃんたち反対したけどね。
そもそも、お兄ちゃんが冬眠するっていった時点で怒ってたんだから!
でも、無理やり倒して、あの科学者さんに冬眠させてもらったんだ!
さっき子孫の人から聞いたけど、お姉ちゃんたちも冬眠したんだって!
もうすぐお姉ちゃんたちも目覚めると思うよ!ほら、早く支度して!
どうしてかって?そりゃ、お姉ちゃんたちが殺しにくるからじゃん!
お兄ちゃんは知らないと思うけど、お姉ちゃん明らかに殺そうとしてたよ?
だって、そりゃそうじゃん。急に未来にサヨナラなんて無責任じゃん?
でもさ、しばらくすれば怒りが静まると思うから、それまで一緒に逃げよ?
・・・支度終わった?それじゃあ、逃げよ!
・・・あっ、こら!私からも逃げてどうすんの!ほら、捕まえた!
まったく、まだ冬眠から醒め切ってないのに走るから・・・。
どれだけ未来に逃げても逃がさないよ、お兄ちゃん♡
今回の教訓:ちゃんと関係を清算してから冬眠しよう!