大丈夫。あの後サイン書かされたので。
今日という今日こそは、ここに置いてある三体持って帰ってもらいますよ!
ほら、誓約書を書いてください!ハリーハリー!
キャラ変わってるって?先輩のせいですよ!さあ、持って帰ってください!
一つ質問がある?聞いてあげますよ。・・・なんで売れてないのか?
どっかの先輩が魔法少女たちに会うたびに無料で渡すからじゃないですかね?
おかげでコピーが大量に出回っているそうですから。
先輩は転生とかで年齢重ねてモラルとかあると思いますが、他は違いますからね?
まだ著作権とかそこらへんを理解してない子もいるし、そもそも作者がいませんし。
出版社すら存在しないと、誰の著作物なのかも証明できませんからね?
えっ?作者を名乗るのはおこがましいから無理だって?
・・・そもそも、数学できない先輩が書いたって言っても信じてもらえませんよ?
理科とかボロボロじゃないですか。とにかく、持って帰ってください!
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先輩は本当に変わった人だ。だからといって、変人というわけでもない。
いや、小説の登場人物にしたら変人確定だろう。
でも、そうは思えなかった。変人である以上に、優しい人だからだ。
ワルプルギスの夜が街にやってきたときもそうだった。
逃げながら怪我を負った子たちを助けたり、逃げながら必死にサポートしてた。
そして、逃げながら三体という小説を配ってた。うん、やっぱ変な人だ。
変な人だけど、優しい人で、暖かい人だった。
最初は変な人じゃなくて、変人だと思ってた。何が違うのかって?全然違うよ?
どういうわけかSF探しまくってた。私の店は古書店なんだけど?
でも、私も知らない本を先輩は見つけた。確か、『最後にして最初の人類』だった。
その時の先輩の表情は今でも忘れられない。・・・忘れられない。
それからも先輩は何度も訪ねてきてくれた。そして、いつもSFを買っていった。
ある日、先輩はある小説を薦めてきた。それが三体だった。
作者はすごい人だなって思った。でも、調べても出なかった。
そもそも出版社が存在しなかった。それで色々と先輩から聞き出した。
ちなみに、この時に三体Ⅱ黒暗森林と三体Ⅲ死神永生も貰った。
さて、信じられないことに先輩は転生者だった。
先輩は神様から地球往事三部作を無限生成できる能力を貰ったそうだ。
・・・微妙な能力だと今でも思う。それで、三体が先輩の世界にしか存在しないと知った。
劉慈欣も、早川書房も、この世界には存在しない。
それでも、先輩はめげずに雨の日も雪の日も、ワルプルギスの夜でも三体を布教した。
私は今まで多くの本を読んできた。でも、一つの本を徹底的に愛するということはなかった。
だからこそ、先輩に興味を持った。そして、一緒に本を読んだり遊ぶようになった。
それで、先輩が私が知っている人の中で、一番暖かい人だということを知った。
そんな先輩は三体の読みすぎで、目を悪くしたらしい。ここはひとつ賭けに出よう。
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はい、誓約書を書きましたね。もう少し字を綺麗にしてくださいよ・・・。
アイデンティティ?はいはい・・・。そんなアイデンティティは捨ててください・・・。
ところで、ゆっくりとお茶でも飲んでいかれませんか?
アイスティーしかありませんが。
騙されましたね、先輩♡。
目が悪くなったとは聞いていましたが、ここまでとは思いませんでしたよ。
まあ、聞こえてませんね。こんなに効くとは予想外でした。
誓約書を少し剥がすと・・・『婚姻届』でした!
証人もいるから大丈夫ですよ!ななかさんとあきらさんが証人になってくれました!
ぐっすりと眠ってますね。可愛い寝顔ですね。
色々済ませた後に一緒にSF読みましょうね♡
今回の教訓:書類と飲み物には注意しましょう