サインちょうだい!   作:ryanzi

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呉キリカの場合

やあ科幻老師くん!今日もSFを満喫してるのかい?

・・・どうしてそんな風に呼ぶのか?ハハハ!今更聞くのかい!?

SFっていうのは中国語で科幻っていうんだろ?だったら問題ないじゃないか!

それに、今の君は僕の後輩とはいえ、前世では年上だったんだろ?

だったら老師と呼ぶべきじゃないのかい?

それにしても、相変わらず変わった作品を読んでるんだね。

今回・・・『世界の中心で愛を叫んだけもの』?聞いたことがあるような・・・。

うん?『セカチュー』は絶許?ああ、それでか・・・。

それでどんな話なんだい?少し見せてくれ。

ふむふむ・・・。確かに『セカチュー』の作者は謝るべきだね。

でも、君に渡された三体とはずいぶんとまた内容が違うね。SFも奥が深いや。

・・・ところで、科幻老師くん。理科のテストが散々だったと聞いたんだけど?

誰から聞いたのかって?そりゃマミから聞いたんだ。

ちなみに、彼女はさやかから聞いたそうだけどね。話す人は選ぶべきだよ?

それはいいんだ。仮にも科幻老師なのに、理科が苦手とかありえないよね?

まったく、来年は受験生だろ?そんな成績でどうするんだ。

さあ、今日は私が理科を教えてやるから、その見返りに特製チャーハンを用意してくれ!

 

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本当は後輩くんと言うべきなのだろう。

でも、彼は転生者らしいので私よりも年上になる。

だから、ここでは老師くんということにしよう。

そんな老師くんと私が会ったのはまったくの偶然だった。

なぜか魔女空間で三体とかいう小説を配布していたのだ。

戸惑う風見野の魔法少女たちに三体を、正確には地球往事三部作を渡しまくっていた。

ここで少し説明すると、三体というのは地球往事三部作の通称だ。

正しくは三体、三体Ⅱ黒暗森林、三体Ⅲ死神永生の三部作だ。

彼曰く中国語版は三冊だが、日本語版は何冊もあった。

はっきり言って、迷惑行為だ。というより、そもそも一般人がいるのがおかしかった。

もっと言うと、なぜか老師くんは男の子なのにキュゥべえが見えていた。

彼を捕まえて問い詰めようとしたが、逃げ足が速いのだ。

しかも、私までいつの間にか三部作を手にしていた。かさばるんだよ・・・。

仕方がないので、家に帰って読んでみたけど、普通に面白かった。

科学者を襲う怪奇現象、謎に満ちたVRゲーム、並行して描かれる国家機密プロジェクト。

第二部はエンタメ的になって、そこで暴かれる宇宙の真の姿。

第三部になると、もはや説明不能な面白さになる。

改めて、キュゥべえに対する新しい見方ができるようにもなった。

文明の生存は第一欲求とか書いてあったが、そう考えるとキュゥべえの行動原理も理解できる。

むしろ、最近はキュゥべえに対して尊敬の念さえ抱いてきたぐらいだ。

老師くんも同じ考えなのか、キュゥべえを一方的に敵視することはしない。

読み終わった後、老師くんが本屋で立ち読みしているのを見つけた。

そこで色々と聞き出して、彼が転生者だということも知った。

同じ学校ということもわかったので、昼休みとか放課後に会ってたかな。

まだ付き合ってはいないけど、水族館とか遊園地に一緒に行くようにもなった。

あまり男性と関わったことがなかったから新鮮だった。

会うたびに心がドキドキしてくる。どうしてだろう?

織莉子に聞くと、『恋』というものらしい。

だから、今日は告白してみようと思う。

 

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というわけで、好きだ。付き合ってくれないか?

何をポカンとしてるんだ?言っただろ?全部解いたらご褒美があるって。

その・・・恥ずかしいから、早く返事をしてくれないか?

・・・ありがと。うん、もちろんプラトニックな関係でいこう。

・・・やけにプラトニックを強調するね?えっ、貞操を一生守りたい?

ちょっと待って?子供をどうやって生むつもりだい?

・・・子供はボカノフスキー法で生まれるんじゃないのかって?

それ、赤ちゃんはコウノトリが運んでくると同じくらい荒唐無稽だからね?

・・・よかった。やっぱり冗談だったか。

まったく、寿命が縮んだじゃないか!責任とってくれるよね?

そうか、なんでもしてくれるのか?じゃあ、ここにサインしてくれ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

君は責任を取ってくれるといったじゃないか。

なぜ『婚姻届』だとわかった瞬間にペンを引っ込めたのかな?

うん?「ないです」?そんな言い訳が通じると思ったのかな?

さあ、続きを書きたまえ!ちなみに、ドアの前には織莉子がいるからね。

もし君が僕を振ったら殺すつもりだったようだからね。

多分、この状態で逃げようとしても殺されると思うよ?

生きたかったら、サインした方が良いと思うよ?

うんうん!やっぱり老師くんは良い子だね。いや・・・

 

これからは旦那くんと呼ぶべきかな?




今回の教訓:どんなことでも「はい」と言ってはいけない(戒め)
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