「生まれ変わっても一緒になろうね」そんな言葉を言うカップルや夫婦もいるだろう。そんなに幸せなことができるはずがないと思っていた。
直人は今年高校生になった。コミュ障だった直人は中学のときから友達がいなかったし、高校で友達ができるか心配だった。
直人は高校でも孤立した。最初でつまずくと友達なんてなかなか作れない。友達がほしい。人生をやり直したい。違う人生を歩めたらいいのに。なんて空想を思い描きながら一人いつもの帰り道を歩いていた。
そんなとき「これ落としてるよ」と直人は後ろから肩を叩かれた。同じクラスの女子だ。「ほら、このキーホルダー」バックにつけていたキーホルダーを落としていた。直人はそのキーホルダーがお気に入りだった。「ありがとう」「どういたしまして。君もこのドナえもん好きなの?」ドナえもんとはとあるアニメのキャラクターだ。直人は自分以外にもそのキャラクターを知っている人がいて嬉しかった。「うん。小学校の頃から好きでさ」「へぇ、知ってる人がこの学校にいるとはね…君名前なんて言うの?」「直人」「私は茜。よろしくね」直人は友達ができた。夢をかなえてドナえもんとはよく言ったものだ。
それから直人と茜はよく話すようになった。茜はのんびり屋だった。話していると楽しいし、気が楽だった。直人は初めて学校に行きたいと思った。「そういえば明日ドナえもんの映画だよ!」茜は言った。「そうだね」「一緒に行かない?」「もしかして俺以外に行く人いないの?」煽るように直人は言った。「そういう直人は一緒に行く人いるのかしら?」「うっ…それは…」「ドナえもん知ってるの直人しかいないの!行こうよ!」「そうだな。行こうか」
そして二人でドナえもんの映画を見に行くことになった。直人は初めて女子と二人で映画に行く。やはり二人きりだと緊張する。間は持つだろうか。服はどんな格好で行こうか。直人はこんなことを気にするのも初めてだった。
そして当日―――
直人は自分の中での精一杯のオシャレをした。とてもオシャレとは言えない服装だった。しばらくすると茜が来た。
「遅いぞ茜」「ごめんなさい信号が全部赤だったんです」
「その言い訳使ってるやつ始めてみたよ」直人は笑った。
「行こうか。早めに席は取っとこう。」「うん、そうだね」二人は歩いた。この時間すら長く感じた。直人は感じていた。初めての感情を。
「面白かったね!今年も最高だったわ!」「思ったよりも席空いてたね。やっぱりマイナーなのかな」「面白ければいいのよ!」茜は笑っていた。直人は茜が笑っていると嬉しかった。眩しかった。そして直人は気づいた。
これが恋だと。初恋だと。
直人は一度目の初恋をした。
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