~RFC、会議室~
束「ふっふっふっ皆の衆、ついにこの時が来たのだよー!」
円夏「兄さんがISを動かした。」
クロエ「このためにわざわざ試験会場までの誘導しましたからね。」
白夜「ってかIS学園の試験会場、セキュルティーガバガバ過ぎない?」
フィリップ「確かに、あれは軽く引いたね。」
スコール「んんっ、それはそれとして、束の妹さんはどうするの?」
殺那「一夏と一緒に連れていけば良いんじゃね?あの二人幼馴染だろ。」
オータム「俺もそれに賛成だ。」
白夜「んじゃ、決行は明日の午後2時。それまでに束は一夏、千冬、箒の3名に連絡を頼む。以上」
全員「「「了解!」」」
こうして、RFC幹部による一夏、箒の勧誘計画がスタートした。
~翌日、RFC、応接室~
RFCの応接室、その部屋のソファーに2人の人間が座っていた。言わずもがな千冬と一夏である(移動は箒も一緒だったが、途中で別室へ通された)。
千冬「(なぜ、束がこんな所に呼び出したんだ?)」
千冬はもちろん、内心混乱していた。なぜなら篠ノ之束という人間は神出鬼没であり、彼女達に用があるならまず自分から会いに行くタイプであり、呼び出すなんてことはまずしないのである。彼女が一夏の方を見れば、彼も困惑しているのか、若干落ち着きがない様子だった。そして、
―ガチャ
待つこと数分、1人の金髪の女性と白髪の少年が入室してきた。言わずもがなスコールと白夜である。そして、スコールは千冬たちが座っているソファと対面のソファに座り、白夜は部屋の隅の壁に立ったまま寄り掛かった。
一夏「あなたは!」
スコール「2年ぶりね一夏君」
千冬「その節はありがとうございました。」
スコール「いいえ、礼には及びません。私たちは当然のことをしただけですから。」
彼女たちには面識があった。
彼女達とスコールの関係は2年前のISバトルによる世界大会『モンド・グロッソ』、その2回大会で一夏が誘拐された事件が起きた時に遡る。その時にドイツ軍と共に決勝戦を放棄して一夏を助けに来た千冬と協力して彼を救出したのが彼女たち、スコールとオータムだった(ちなみに円夏、男組、束達は留守番)。
千冬「それで、私達をここへ呼び出したのは何故でしょう?」
スコール「理由は主に2つ、いえ3つです。1つ目は一夏君、そして箒さんの保護兼勧誘です。」
千冬「保護兼勧誘?」
千冬が威圧を掛けるように問う。
スコール「はい」
千冬「それはどういう?」
スコール「それを今から説明します。」
そういうとスコールは一拍おいて、口を開いた。
スコール「まずは勧誘についてです。これは身もふたもないことを言えば広告塔です。」
千冬「ッ!貴様!」
一夏「千冬姉!」
シュッ!パシ!
白夜「気持ちはわかるが、殴るなら話を全て聞いてからにしてくれますか?」
千冬「ッチ」
スコールの言い分にキレた千冬が殴り掛かるが、部屋の隅にいたはずの白夜がそれを止め、千冬も渋々席に着き、白夜はまた部屋の隅に移動した。
スコール「先ほどの発言は謝罪します。ですが、そもそも勧誘自体がただの建前です。」
千冬「どういうことだ?」
スコール「そもそも私たちは勧誘等どうでもよく、純粋にあなた方を守りたいだけです。」
千冬「どうしてそこまで?」
スコール「それは私というより束の願いですね。」
一夏「束さんが?」
スコール「はい、束が「女権のゴミ共や無能な政府に大事ないっくん達を渡すものかー!」と息巻いていたため、それに私たちが乗っかった形です。それに、一夏君の願いを叶えたいと思ったからです。」
千冬「一夏の願い?」
スコール「はい、一夏君は二年前、第二回モンド・グロッソの時のことを覚えていますね。」
一夏「…はい、忘れられるわけ、ありません。」
千冬「一夏…」
スコール「その時、君はなんて言ったか覚えてる?」
一夏「『もっと俺に力があれば』と、でもまさかそんな独り言のために?」
スコール「そのまさかよ」
一夏「でもなんで?」
スコール「誰かを助けたいという気持ちに理由なんているかしら?」
一夏「うっ…」
スコール「そういうわけだから、あなたに護衛兼コーチを三名ほどつけようかと。」
千冬「ちょっと待て、一夏のために三人もそっちの人員を割くのか?」
スコール「もちろん、と言ってもそれはこっちの仕事のついでなのだけれど。」
千冬「そっちの仕事?」
スコール「はい。実は一夏君、あなたの他にも男性操縦者が3人いるの。」
千冬、一夏「「え!?」」
スコール「まあ紹介がてら呼ぶわ。入ってきていいわよ。」
殺那、フィリップ「「失礼します。」」
スコールの突然の発言に驚愕している織斑姉弟を余所に彼女が呼び出すと、先ほどスコールと白夜が入ってきたドアから殺那とフィリップが入ってきた。そして、さっきまで部屋の隅で寝ていた白夜が彼らの前まで移動した。
スコール「紹介するわ、彼らが我が社の企業所属男性IS操縦者よ」
白夜「博麗白夜だ、よろしく」
殺那「闇代殺那だ、これからよろしく」
フィリップ「フィリップ・ワームだ、よろしくね」
千冬、一夏「「は、はあ…」」
スコール「そんなわけだけど一夏君、君はどうする?」
一夏「俺は、俺は強くなりたいです。もう千冬姉に頼ってばかりなのは嫌なんです。」
千冬「一夏…」
一夏「だから、最低でも自分の身ぐらいは自分で守れるように、なりたいんです。だから、
だから俺を鍛えてください!」
白夜「ああ、いいぜ」
一夏「え?」
白夜「いや、そこまで間抜け面になんなくても…まあとにかく、一ヶ月でマイティキックを出せるくらいには鍛えてやる」
殺那「いや、マイティキックわかるやつ今の世代そんないなi「「マイティキックを!?」」わかるんだ…」
フィリップ「はは、まあこれから鍛えてくけど、取り敢えず敬語はいらないよ。」
一夏「え、でも…」
白夜「俺らもIS学園に行くし同年代に敬語使われると落ち着かないんだよ」
一夏「そ、そうか。これからよろしくな。」
一夏と白夜達は、固い握手を交わし、一夏のRFC所属が決まった。
しばらくして、スコールが再び口を開いた。
スコール「それでは、二つ目の理由を説明します。」
千冬「はい…」
スコール「二つ目の理由、それは一夏君、あなたの出生についてです。」
千冬「…っ!?」
「一夏の出生」。それを聞いた千冬は、体をわずかに震わせ明らかに動揺していた。
一夏「俺の、出生?」
スコール「はい」
千冬「やめろ」
スコール「千冬さん…」
千冬「やめろ!」
一夏「千冬姉?」
スコール「千冬さん、これは一夏君にとっても大切なことですし、第一一夏君自身もうすうす感づいているのでは?」
一夏「…!?、はい」
スコールにそう言われた一夏は、静かに口を開いた。
一夏「俺は、というより俺達姉弟は少なくとも純粋な人間ではない。違いますか?」
スコール「何故そう思うの?」
一夏「料理をしてる時に包丁で指を切っても次の日には傷跡もなく治ってますし、階段から落ちても痣一つ出来たことないなんて、いくら何でもおかしいと思いますよ。」
スコール「そう、確かにあなたの言ったことはあっているわ。これからあなたの出生について詳しく説明するわ。」
一夏「はい、」
スコール「千冬さん、あなたもかまいませんね?」
千冬「ああ、かまわない」
先ほどまで動揺していた千冬も、落ち着いたのか将又観念したのか、静かに肯定した。
スコール「まずは、こちらをご覧ください。」
スコールは1つの空中投影ディスプレイを取り出し一夏に見せた。
一夏「これは?」
そこに写っていたのは複雑な数式や文字の羅列と1枚の写真だった。
スコール「これは、『プロジェクトモザイカ』もしくは『織斑計画』というものの資料です。」
一夏「織斑計画?」
スコール「織斑計画とは、織斑秋斗という男が発案、研究していた頭脳、身体共に優れた究極の人類を造ろういう計画です。」
一夏「究極の…人類…」
スコール「はい、今までに1002人もの試験体が造られ、成功例はある二例を除いてすべて失敗してしまい、ある時を境に計画は凍結、破棄されました。それは何故か分かりますか?」
一夏はスコールの突然の問に一瞬戸惑うが、その答えはすぐに感づいた。天才的な頭脳に超人的な身体能力、その両方を併せ持った天災ともいえる人間は彼自身の付近には一人しか思いつかなかった。
一夏「束さん、ですか?」
その言葉に、スコールはほそく笑む。
スコール「その通りよ。天然のオーバーハイスペックである篠ノ之束の存在が確認されたことで、研究は意味を成さなくなった。そして、そこまでの過程で生まれた1000人目の試験体であり初めての成功例が織斑千冬さん、そして二人目の成功例が織斑一夏君あなたです。そして、千冬さんはあなたを弟として受け入れ、研究所から脱走した。それがあなた方の出生の秘密です。」
一夏「そう…だったんですか。」
「自分は普通の人間じゃない」覚悟していたこととは言え、直接そう言われたことは相当ショックなことで、一夏は俯いたまま少し身体を震わせ、呼吸がわずかに荒くなっていた。
千冬「一夏…」
一夏「千冬姉…大丈夫だ…スコールさん、なんでこのことを教えてくれたんですか?」
スコール「それは3つ目の理由に関係があります。一夏君、いままで計画で誕生した試験体は1002人、1000人目が千冬さん、1001人目が一夏君あなたです。では1002人目はどうなったと思いますか?」
千冬「それは…まさか!?」
スコール「紹介します。円夏、入ってきていいわよ。」
円夏「失礼します。」
先程殺那達が入ってきた部屋から織斑千冬に酷似した少女、織斑円夏がはいってきた。
スコール「彼女は織斑円夏、我が社のIS実働部隊、亡国機業の隊長であり、一夏君、あなたの妹でもあるの。」
円夏「織斑円夏です。初めまして、お兄ちゃん。」
一夏「ええe」
白夜、殺那、フィリップ「「「ぶふぅぅぅっっっ!」」」
白夜達は普段聞かない円夏の声に思わず噴き出した。
一夏「って大丈夫か!?」
白夜「ゲホッ…ゲホッ…大丈夫、少しむせただけだあいつあんな声出せたのか?」
スコール「いや、私も初めて聞いたわ…まあここの娘が1002人目の試験体で唯一の生き残った失敗例なの。」
千冬「失敗例?」
スコール「はい、彼女は力こそはオーバースペックなんですが、頭脳は平均並みだったために失敗作となったらしいです。」
いきなりのことで頭の処理が追い付かない織斑姉弟に、そこで、とスコールは切り出す。
スコール「そこで、彼女を保護したときに私たちはあなた達本当の家族に会わせてあげようと思ったの。でも、そうなると一夏君に秘密にしていた生まれについても話さなければいけなくなる。と、考えて束から「もういっそのことしゃべっちゃわない?ただしある程度成長した中学卒業のタイミングで。」という提案で本当は中学卒業のタイミングで話すことになっていたのですが…」
千冬「一夏がISを動かしたためにタイミングが少し早まったと?」
スコール「はい、これは束も予想外だったらしく、1日中研究室内で喚き散らしていました。」
千冬「相変わらずの馬鹿が…」
千冬が呆れているところに白夜が口を開く
白夜「それはともかく、俺達は円夏を君たちと一緒に暮らしてやりたいんだが君たちはどうしたい?」
千冬「決まっている、私はこの子と暮らしたい。あの時、私はこの子に気付けなかった。それに、私達と血の繋がっている
一夏「俺も賛成だ。特に拒む必要もないし、めっちゃ千冬姉にそっくりだから兄妹も違和感ないしな。」
それを聞いた白夜は一瞬ほそく笑むが、すぐに元の無表情に戻る。
白夜「決まりだな、んじゃ諸々の手続きはこっちでやっとくから。これで事情説明は以上だな、取り敢えずは篠ノ之箒、だっけ?彼女と合流しよう。社内をある程度案内したいからな。」
そう言って彼らは部屋を出る。しばらくあるくこと数十秒、現在白夜達は箒が案内された部屋の前にいる。スコールがドアの前に立ち、
コンコン
…
ノックをするが返事が無い。
コンコン
…
もう一度ノックするがやっぱり返事が無い
スコール「失礼します。」
痺れを切らして部屋を入ってみるとそこには、
箒「ふー…ふー…」
木刀を構え、息を荒くしている箒と、
クロエ「ふー…ふー…」
フライパンを構え、同じく息を荒くしているクロエと、
束「…Ω\ζ°)チーン」
頭に2つのコブを付けて気絶している
白夜達はその光景に呆れ言葉も出ず、スコールと千冬に至っては軽い頭痛で頭を抱えた。
一応、箒もRFC所属が決まった…。
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