ペベレル三兄弟とジョニー・ベイリーの新たなる物語   作:凧の糸

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秘密の部屋編
とにかく喧しい魔法界1有名な三人の兄弟


 

 

「ジョニー、準備はできているのか? 備えあれば憂いなしだぞ、私はな、過去にそれを忘れたばっかりに……」

 

「兄貴がまた言ってら……」

 

「兄さん、ジョニーはしっかり者だから十五回も言わなくていいよ……というか毎回同じ事言ってない?」

 

 

 

「ええい! ワシはジョニーの事をな、」

 

 

「うるせえええええぁ!!! 静かにしてくれよ!」

 俺はジョニー・ベイリー。ロンドンから少し離れた屋敷に住んでる。

 

 

 母親はマグル生まれの魔女、父親は純血の魔法使いでそんな二人から生まれてきた。

 

 我が父上曰く『私もお爺さま、つまりお前の曽祖父から聞いたのだが、昔はもっと栄えた家だった』そうだ。よく分からない道具で装飾がついた箱をチマチマと作っていて、あのホグワーツの創設者の遺品にも我が家の先祖の作品があるのだそう。

 

 

 

 俺が6歳の時、部屋で遊んでいると、家宝の大きな絵画にぶつかってしまった。

 

 

 

 一際家の物の中でも高いと言われていたので、ものすごく怒られてしまうのでは無いか。そう心配になったが、幸運にも傷は一つもなくて助かった。

 

 

 

「あれ?」

 絵画を掛けていた壁にはハンドルが付いていた。傷が無かった安堵の心と好奇心が旺盛だった当時の俺は魔法が掛かっているかも確かめずにハンドルをゴリゴリと無理やりこじ開けてしまった。

 

 

 

 

 幸い、何も掛けられていなかったが、扉の向こう側には黄金で装飾された不気味で、何処か恐怖を感じさせる箱があった。

 

 

 

 パンドラの箱を開けるように重厚な蓋を外すと、中から煙のようなものがもくもくと立ち上って来たので、思わず腰を抜かす。

 

 

「ご、ゴースト?」

 三つの煙が立ち昇り、人型を成していく。それは正にゴーストと言っても過言ではなかった。

 

 

 

「ワシはアンチオク・ペベレル」

 

「オレはカドマス・ペベレル」

 

「僕はイグノタス・ペベレル」

 

 

「「「よろしく、少年」」」

 

「うそだろ……」

 寝物語で聞かされる三兄弟が俺の目の前に現れた。そしてそれは、騒がしい日々の到来でもあった。

 

 

 

 

 

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「あー、そんなこともあったな」

 

「懐かしいね、もう5、6年かあ……」

 

「ホグワーツに入学するのであろう? ワシ直々にニワトコの杖を作ってやりたいが……いかんせんこの肉体は不便だ……」

 

 

「兄さん、やりすぎだよ。 面倒ごとに巻き込む気かい?」

 

「兄貴の過保護も大概だな」

 

「う、うるさい! お前たちは子供が居たかも知れんが、ワシにはおらんのだぞ! ちっとくらい可愛がってもよいだろ!」

 

 

 

「兄貴は置いておいてだ。 もしあればだが、オリバンダーの店で買えばいい。アイツらが一番マシだろう」

 騒がしいアンチオクをイグノタスが抑えている間にカドマスがオリバンダーの店や杖についてを細かく教えてくれた。

 

 

 

 

 後で両親にも聞いたところ、オリバンダーは世界一の杖職人だと言う。またアンチオクがそれを聞いて騒いでいたのには三人揃ってウンザリさせられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

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「行ってきます、父さん、母さん」

 

「ホグワーツでも頑張れよ〜」

 

「必ず手紙を送りなさいよ。 何かあったら直ぐに書くのよ〜」

 9月1日の午前11時のキングス・クロス駅。

 

 

 僕ら、新入生を乗せたホグワーツ特急は、生徒を乗せて動き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へえ、今のお菓子はうまそうだな」

 

「嘘だろ? お前だけはマトモだと思ってたんだが……」

 比較的常識人のイグノタスがゴキブリ・ゴソゴソ豆板を見てそんな事を言っている。他の二人も同意しているようで、ウンウンと頷いていた。

 

 

「僕たちの頃にはそんなお菓子もなかったからね。ホントに酷かった……」

 

「東洋人がいつだかに持ってきた菓子は美味だったのを覚えてる」

 

「ワシは茶の方が好きだったな」

 

 

「そ、そうか……」

 歴史学者に聞かせて論文を書かせれば、マーリン勲一等を貰えそうな話を三人はしている。

 

 

 

 気のせいか、チラッとコンパートメントを見てから素通りする奴が何人も居た。

 

 

 

 

 すっかり失念していたが、三人はゴーストのようなものであり、俺以外には見えなかった。学校に着いてから気付かされるのだが、今はまだ知らない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ガチャ……とコンパートメントのドアが開く。

 

 

 

 四人でドアをクイッと一斉に向いた。

 

 

「ここ、いい?」

 それはまあ、変わった少女が入ってきた。コルクで出来たネックレスやラディッシュに似たイヤリングをしている。変わったと言う言葉が似合う人も珍しいものだ。と俺を含めた四人は思った。

 

 

「ルーナ・ラブグッド。よろしく」

 

「あ、ああ。俺はジョニー・ベイリー。その、珍しいね、そのネックレスとか……」

 

 

「うん、ところでナーグルって知らない?」

 

「ナーグル?」

 こっそり三人に目配せをするが、『いや、知らねえよ』と言う顔をしていた。

 

 

 

「ヤドリギに寄生してて、木の下にいるの。パパがいるって言ってた。見たことないの?」

 残念ながら俺はヤドリギを見たことが無かった。

 

 

 

「ナーグルは噂で聞いたことがあるぞ。人型で、ヤドリギの下にいる魔法生物で、そいつがいるヤドリギは杖の材料にピッタリだと聞いた。まあ、結局はニワトコの木を使ったがね。」

 アンチオクは意外にも物知りだった。早速教えてあげよう。

 

 

「人型らしいぞ」

 

 

「へー、そうなんだ! ありがとう、ジョニー」

 この後もルーナの不思議な魔法生物の話を沢山聞いた。父親が雑誌の編集長をしているらしい。「ザ・クィブラー」というそうだ。

 

 

 

 

 

「しわしわ角スノーカックって知ってる? スウェーデンに住んでてね……」

 ザ・クィブラーを見つけたら今度買ってみようと思うくらいに、ルーナの話はロマンに満ちていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「行こうぜ、着いたみたいだし」

 

「うん」

 

 

 

 外に出ると大男が「イッチ年生は、こっちだぞ!!」と大声で案内していた。

 

 

「四人ずつ、船に乗るんだぞ」

 ルーナと共に船に乗って、湖を移動していく。

 

 

 

「ジョニー・ベイリーだ、どーも」

 話さないのも気まずいので、俺から自己紹介をする事にした。

 

 

「ジネブラ・モリー・ウィーズリー。ジニーて呼んで」

 

 

「アンドレ・カミンスキーです。よ、よろしくお願いします……」

 

 

「ルーナ・ラブグッド。ナーグルを見たら教えてね」

 

 

 

 バラバラなメンバーで絶妙に話が噛み合わないが、なんとかホグワーツ城まではもった。

 

 

 

 ホグワーツ城内は家に写真や絵だけで残っている装飾よりも豪華で素晴らしかった。昔見た納入リストに図解付きで載っていたシャンデリアも空中にぶら下がっていた。

 

 

 

 

 上級生たちは既に座っており、一年生は別に座らされた。

 

 

 

 

「組み分けはフレッドとジョージがトロールから逃げ回るって言ってたけど、やっぱりデマカセね。なんだかムカついてきたわ……」

 湖の上で聞いたジニーの双子の兄弟だ。なんと、ウィーズリー家は七人兄弟なのだそう。これには俺たち三人はびっくりした。ルーナさえびっくりしていた。

 

 

 三兄弟はウィーズリー家を知っているらしい。

「ウィーズリーは相変わらず多いのか、オレの友人にもウィーズリーは居たぞ」

 

 

「ワシも名前だけは知っている、子沢山の家系とな」

 

 

「あのそばかすは確かにウィーズリーだ。」

 三人によると、純血で昔からある家系のようだ。ジニーは呼ばれた後、「グリフィンドール!!」と帽子が宣言した。

 

 

 

 

「アンディ、どの寮行きたい?」

 

「うーん、僕は……何がいいんだろ? 分かんないや。でも、ハッフルパフかなぁ」

 

 

「カミンスキー・アンドレ!!」

 

 

「あ、僕行ってくる」

 

 

「ハッフルパフ!!」

 どうやら予想通りだったらしい。こっちに手を振っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ジョニー、もうだよ」

 ボーッとする癖が出ていたらしい。

 

「ありがとう、ルーナ」

 

 

 

「ベイリー・ジョン!」

 ようやくだ。三人も何も言わずに見守っている。

 

 

椅子に座って、さっきまで喋っていた帽子を被せられた。

 

 

『ふむ、君は何処の寮に行きたいかね?』

 

 

「あんまり考えてないんで、決めて貰っていいですか?」

 

『はっは、ここまでとは珍しい。よろしい、傾向としては勇気ある者はグリフィンドール、賢き者はレイブンクロー、優しき者はハッフルパフ、狡猾な者はスリザリンとなりやすいな。しかも、君には面白い者たちが付いている。』

 

 

「へえ、三人が分かるんですか」

 

 

『はっはは、私は組分けの為の開心術を使えるのだ』

 俺の心を介して記憶から見たと帽子は言った。開心術ってスゲーとそんな感想くらいが精一杯。

 

 

 

『ふむふむ、決めたぞ』

 

 

 

 

「グリフィンドール!!!」

 

 

 

 

「よっ、来たぜ。不思議ボーイ!!」

 そう、ジニーの兄だろう双子が囃立てる。

 

 

「おい、ジニー。何言ったんだよ?」

 

「そのままよ、あんたコンパートメントで空中にぶつぶつ話してたじゃない」

 

 

「げ……あれは……」

 

 

「あっ、ルーナよ!」

 誤魔化すようなジニーはともかく、ルーナはレイブンクローに配属された。組分け帽子は思ったよりも適当に決めているのかも知れないと、本当に当てになるのか疑念が湧いてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「え? イグノタス?」

 

「ん? どうしたの?」

 イグノタスにそっくりな人物がいたので、思わず口に出てしまった。とうの本人は空中にプカプカ浮いている。

 

 

「僕の子孫だろうね、彼」

 

 

 

 

「ハリー・ポッター。グリフィンドールにようこそ、ジョニー。」

 

「あ、どうも。よろしくお願いします」

 イグノタスに似ているというだけで、とても親近感が湧いてきた。

 

 

「君とは初めて会った気がしないよ」

 貴方の先祖が頭上に浮いてますよ。というのは頭がおかしい奴扱いされるのでやめておいた。

 

 

 

 

 ハリーの紹介で、ジニーの兄であるロン、マグル生まれのハーマイオニーとも親しくなった。ロンは杖が折れたらしく、終始落ち込んだ気分でいたが、ハーマイオニーは対照的に元気だったのが印象的だった。

 

 

 

 

 

 

「さあ、組分けも終わった。晩餐の時間じゃ」

 ダンブルドア校長の言葉とともに美味しそうなご飯が出てくる。

 

 

 

「美味しそうだ……」

 夕食は楽しみ終わると、ダンブルドアから色々と連絡があるようだった。

 

 

 

「今年から闇の魔術に対する防衛術の先生をしてくださる、ロックハート先生じゃ」

 

 

「うわ、ロックハートだよ」

 今年の教科書がやたら高いのは、こいつのせいだった。予習も兼ねて読んでみると、面白かったが授業に相応しいとは言い難かった。

 

 

 

「嘘くさいわい。 あんなに高いもん買わせおって」

 アンチオクの言葉に二人も納得していた。曰く、『読み物に特化しすぎてて、リアリティが薄れている』

 

 

 

 

 

 

「ジョニーも知ってるのね。ママは好きらしいけど……なんか好きになれないわ」

 

 

「そうかしら、ロックハート様は正に理想よ?」

 ハリーの友達のハーマイオニーはすっかりメロメロのようだった。ハリーとロンは疲れているらしく、大きな鼻風船を作ったり、ずっとうつらうつらとしていた。

 

 

 

 

 

 ロックハートの話はキザったい上に、女性向けのお話が多くて耳が腐るかと思った。

 

 

 

 ロックハートのせいで耳が腐ってしまった俺は目蓋がくっついてロクにこの後の話も聞くことは出来なかった。しかし、長い時間も終わり、それぞれの寮へといく時間がやって来た。動く階段をなんとか走り抜け、監督生から談話室に行く為の言葉を教えてもらった。

 

 

 

 

「へえ、ここがホグワーツの談話室か」

 イグノタスはハリーの方が気になるらしく、何度もチラチラ見て、その度に二人に揶揄われていた。

 

 

「……寝よ」

 あんまりにも眠たいものだから、ベッドに倒れ込むようにしてぐっすりと深い眠りについたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

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「はあ……ロックハートはクソだ……」

 

「同感……」

 

 早速テストをしようと言ったロックハートは、よりにもよって自分の本の中の内容から出してきやがった。あいつの声を聞くだけで耳が腐りそうなのに、今度は目が潰れてしまうかと思った。

 

 

 

 

 ところで、ここの学校には防衛術の先生が一年で辞めてしまうらしい。

 

 けれども後一年間もコイツの授業を聞いていれば、俺は全身が腐敗して死んでしまうのではないだろうかと本気で考えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「グリフィンドールは5点減点」

 

「うげ」

 

「何かな? ベイリー?」

 

「イエ……ナニモ」

 

「よろしい」

 魔法薬学のスネイプ先生はグリフィンドールにとんでもなく厳しい。ハリーやロン、優等生のハーマイオニーでさえそう言っていたが、俺は大袈裟過ぎると思った。

 

 

 

「手順に従い、簡単な魔法薬を作れ。完成したら呼ぶがいい、完成度を見る」

 

 

「うし、作るか」

 協力して、完璧に出来た。見せるまではそう思っていた。

 

 

 

 

「完璧に完成しました」

 思えば、これが余計だった。

 

「……何だ? ベイリーはこれで完成、完璧だとお思いかね?」

 

「……」

 

「グリフィンドールに5点減点」

 

 

 

 

 

 

スネイプ先生はスリザリン生に呼ばれてそちらのテーブルに行って、批評をした。

「ふむ、良いな。スリザリンに5点」

 

 

「嘘だろ……」

 

「スリザリンびいきじゃないか……」

 出来は此方が優れていたが、よりにもよってスリザリンに加点をした。先輩たちが言っていた「スネイプはグリフィンドールにやたらと厳しい」は紛れもなく事実だったのだ。

 

 

 

「あの野郎! ぶっ殺してやる!!」

 

「兄貴、落ち着け」

 

「そもそも干渉できないの忘れてない?」

 アンチオクがスネイプに殴りかかるが、イグノタスの忠告は届かず、ものの見事にすり抜けた。

 

 

 

 

「クソっ、ニワトコの杖さえ……あれがあれば……」

 負け惜しみに聞こえるアンチオクの言葉に、オリバンダーの店で杖を買った時の事を思い出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

「さあ、兄さんがやかましいけど、杖を買いに行こう」

 ダイアゴン横丁で、殆どの物は買い終わって、トランクに放り込んだ。

 

 

 

 

 本当はここまで叔父と共に来ていたのだが、何やら用事があるらしくて先にオリバンダーの店に入っていてくれ。との事だった。

 

 

「杖を買いに来たのかな?」

 

「はい、ホグワーツに入学するので」

 

「そうかそうか。じゃあ、物を取ってくるから少し待ってくれ」

 オリバンダー翁はいそいそと店の奥へ小走りで行く。

 

 

 

「成る程な、あの若造もいい杖を造るのだな」

 店に入るまでは狂犬のようにキャンキャンと吠えていたが、いざ店に入って杖を見ると感嘆の声を上げた。

 

 

「芯材が大まかに三種類。ユニコーンの毛、ドラゴンの心臓の琴線、不死鳥の羽だ。それに木を組み合わせているのだろうが、ここまでの良い出来なのだからワシほどでないにしろ、おそらく今世紀で一番良い杖職人だろうな……」

 

 

「そうなんだ……」

 杖についてよく知らないので、適当に肯くしかない。最強の杖を造ったのだから杖に詳しいのも納得である。

 

 

 

 

「はいはい、ちょっといいかね」

 腕の長さや身長を測ったりしたし、それにオリバンダーは客と喋るのが好きらしい。俺も色々と話し込んでしまった。

 

 

 

 

 

「じゃあ、これ。ナナカマドにユニコーンの毛、29センチ」

 促されるままに持ってみる。何というか……感覚的なものになるのだが、もわっとしていて、ゴツゴツ。良いんだけど、良くはない……のかも?

 

 

 オリバンダーも違うと見たのか、別の杖を持ってきた。

 

 

「イチイの木、ユニコーンの毛、30センチ。これでどうかな?」

 持ってみる。ふわふわで、みっちり。とても良い気分がした。

 

 

「これにします」

 

 

「良かった。イチイの木を使う杖には色々とある。気をつけるといい」

 

 

「は、はあ……」

 警句めいたものを貰い、箱に仕舞われた杖とともにオリバンダーの店から出る。

 

 

 

 

 

 

 

「ニワトコの杖って……結局何使ってるんだ?」

 吟遊詩人ビードルの物語やアンチオクの話に出てくるニワトコの杖。最強の杖ならオリバンダーでも作りそうだと思ったのだが。

 

 

 

「おお、良く聴いてくれた」

 嬉しそうにアンチオクはゆっくりと威厳のある声で話し始めた。

 

 

「ニワトコの杖にはな、まあ、そのままの通りにニワトコの木が使われておる。ボウトラックルがいる木をわざわざ見つけて、譲って貰ったから木は素晴らしいものだ。それでな、杖材にはセストラルの毛を使うておる。なかなか捕まえるのには苦労させられたぞ」

 

 

 

「ニワトコの木かあ……」

 家の庭に植えられていた木の中にニワトコはあったから、身近だった分驚きである。俺にとってのそこら辺の木が最強の杖の材料なのはなんだか不思議に思えた。

 

 

 セストラルがよく分からない。三人は先にふらっと何処かに行ったので、聞くことは出来なかった。親しい者の内で魔法生物に詳しいルーナに今度会ったら聞く事にした。

 

 

 

 

 

 

 

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「この……穢れた血め!!」

 

「ひえっ!」

 

 

「おい! 何やってんだよ!!」

 他の生徒を虐めるスリザリン生。こんな廊下で出会して、気分が害された。

 

 

「げ……逃げるぞ」

 スリザリン生たちは素早く逃げていった。

 

 

 

「嘆かわしい……純血ともあろう者が……」

 

 三人の中では一番カドマスが彼らの姿に嘆いていた。

 

 以前に『高貴なる者の役目(ノブレス・オブリージュ)はなにより大切だ。魔法という技能を扱い、特権を持つからこその魔法族。気高くあれ、ジョニー』

 未だに良くは分かっていないが、何となく今、理解できた気がする。

 

 

 

 

「あ、ありがとう……僕もう授業があるから……」

 そのまま彼は走り去って行った。怯えた目つきが俺にも向けられていて、助けたのにどうして?と少しだけムッとした。

 

 

「全く……嗚呼、どうしてこんなにも血は錆び付いてしまったのか……」

 

 

「カドマス、大丈夫?」

 カドマスの様子が明らかにおかしい。

 

 

「ああ、嘆かわしい……」

 

 

「あ、カドマスの悲劇症候群だな。ああなればどうにもならん。暫くは放っておけ」

 

 

「嘆かわしい……」

 嘆かわしいしか言わなくなったカドマス。よっぽどショックだったんだろう。アンチオクやイグノタスが言う通りに暫く放って置いとく事にした。

 

 

 

 

 次の授業で同じグリフィンドールである事に気づいたが、あちらから避けているようで話しかけずらかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、あの!」

 

「ん?」

 あれから何週間も経ったある日、今日の授業も終わり、寮に帰ろうとしたら、あの時の彼に呼び止められた。

 

 

「何か用?」

 

「あ、こないだは……ありがとう。助かった」

 

「いや、いいよ。目の前で見たくなかったからしただけで……」

 

「それでもいいよ、僕は事実として助かったし」

 

 

「お、おう……」

 彼はコリン・クリービー。カメラがトレードマークでハリーフリークの彼と親しくなり、3日後にはすっかり友達になった。彼と友人になった事でハリー・ポッターの事を人一倍詳しくもなった。

 

 最も、ハリーがドラゴンを素手で倒したという噂を大真面目に信じているコリンには流石に嘘だろうと呆れざるを得なかったが。

 

 

 

 

 

 

 

「ねえ、もっと魔法使いに知りたいんだけど、何かいい物はない?」

 

 彼はただのハリーフリークではなく、魔法に対する探求心もハリーと同じくらい強かった。返答に困った俺は「吟遊詩人ビードルの物語がいいんじゃないか」と勧めておいた。

 

 俺には身近どころか本人たちがいるので、真っ先にこれが思い浮かんだ。大事な教訓が含まれた話だが、細かいところも面白い話でもあるので、コリンが好きな話だろうと思っての事だ。

 

 

「図書館で今度探してみるよ」

 コリンはハリーを激写すべく、彼の下に駆け足で行く。

 

 

 

「うわ、足はやっ……」

 強い熱意は身体能力をも発揮させる。彼がそれを証明してみせた。

 

 

 

 

 

 

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「秘密の部屋は開かれた。継承者の敵よ、用心せよ」

 

 

 ハロウィンの日、管理人フィルチの猫、ミセス・ノリスが石になっている所が発見されるのをキッカケに、ある恐ろしい計画はゆっくりと、そして静かに忍び寄っていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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