書きたいものあるしそこまで続けられるといいな。
名は体を表す
名前というものはその人やものの性質や実態を表す。という意味の言葉だ。
実際名付けというものはそうやって行われることが多いし、そこには名付け親の願いが籠っているだろう。
それはある種の呪いでもある。「そうあれかし」と望まれたならまだしも、語感がいいから、かっこいい、かわいいからと世間一般からズレた名前を付けられて苦労したという話は耳にすることも多い。
ああ、その人たちには同情する。さぞ大変だっただろう。しかし俺は今、この瞬間だけは、そんな人たちよりも酷く親を、否、その場に流されてこの名字にした先祖を恨んでいる。
「鈴木さん。あなたは後天性名称体質発現症です。」
「またお仲間だ。彼はどんな人なのかな」
後天性名称体質発現症。発症した本人の名字をもとに体組織に異常が発生する病である。症例は多くないがその症状のため、国民の認知度は高い。まあ…身もふたもない言い方をしてしまえば超能力じみた能力が発生するのだ。
治療方法はおろか現代医学では原因も不明。わかっているのは三つ。
一つは発生する異常は本人の名字に基づいたものであること。
二つ目はこの病そのものに命にかかわるような症状は発生していないこと。
最後に同じ名字でも同じ症状が発症するとは限らないこと。
このことからこれになれば超能力が手に入るかも、と期待するものも少なくない。というか俺もちょっとは興味あった。だけど鈴木じゃあなあ…ろくな形にならないだろうしと思っていた矢先にこれである。
いや…もしかしたら自分じゃ思いつかないようなものになってるかもしれない。一応聞いてみるか。
「先生。具体的はどんな異常なんですか?」
「あー…触れた多年生植物の付ける果実が一定期間鈴に変化する。」
「…」
「ざっくり言ってしまえば木に触るとその木の実が鈴になるんだ。」
「やっぱりろくなもんじゃなかった…」
「うんまあ大体ろくなもんじゃないよ」
そう現実はうまくいかない…か。まあ俺農家じゃないし。日常生活に被害は出ないか。
「君が気を付けなきゃいけないのは街路樹とかかな。うっかり
「もし誰かがけがしてしまったら傷害罪になるかもしれないな。」
「なにそれこっわ」
「なにそれこっわ…でも銀杏サイズでそこまでのけがになるかな?」
やっぱ病気は病気か。
「まあ君は比較的病気としての側面が強いね。それでも本当に生活被害が出ている人よりマシだ。」
「うまく付き合っていくんだね。」
「ありがとうございました。」
なってしまったものは仕方なし。うまいこと使えるように練習しますかね。
「とりあえず鈴職人探して弟子入りでもするかな。」
「君だいぶぶっとんでるね!?」
とりあえずでやることではない。鈴木少年。名字はありふれているが性格はぶっ飛んでいた。
鈴木:触れた多年生植物の付ける果実が一定期間鈴に変化する
果物狩りとか一生できなくなる。気を付けないと花見も悲惨なことに。