すごく短くなってしまって申し訳ないです。
悠姫とシスティがしんみりとした空気の中、何やら言い合いが聞こえてきた。
半ば分かっていたことだが、ハジメとミレディだ。
もっと珍しい鉱石があるだろ、迷惑料だ全部よこせ。これは迷宮の修繕、維持管理の為なんだからダメ。よこせ、ダメ、よこせ、ダメ――
悠姫としてもハジメの気持ちは分からないわけではないが、さすがにこれ以上は無視できないと、ハジメを止めた。
「それ以上はもう強盗だ。その程度にしておこう」
「…だけどよう」
「ミレディは兎も角、システィの為にも見逃してやってくれ」
「…それなら、まあ」
兎も角とはなんだー! と騒ぎ立てるミレディとキラキラした眼で悠姫を見つめるシスティ、少々不満ながらも引き下がるハジメ。
先ほどまで壮絶な戦いをしていたとは思えない緩んだ空気に笑ってしまうのは、決して間違ってはいないだろう。
「はぁ~。まったく、この可愛いミレディちゃんがこんな目に合うなんて…もぅ、いいや。君たちを外に出すからね」
ミレディは天井から下がっている紐を掴み、そのまま下に引っ張り…引っ張…
「あ、あの…シーちゃん? 手を放してくれないかなぁって、ミレディちゃんは思ったり…?」
「船くらい用意しろよ、このク〇姉が。排〇物かなにかと勘違いしてんのか、こら」
「さっきから感情の上下が激しくないかな!?」
ミレディには、システィの背後に般若が立っているように見えてる。
おかしい…私の可愛い妹はこんなじゃなかったはず…
全てはあの孫を見るように微笑んでいる
迷宮に彼用の準備をしてる私達の期待も大概だけど、こんな期待はしてないんだぞ!
「なに睨みつけてんだよ。さっさと準備しろよ駄姉」
「シーちゃんがグレた~。……はい。これに入って…」
反応するのも疲れたと、消沈しながらミレディは何かを取り出した。
ミレディが取り出したのは船と言うより、複数人が入れる程度の透明なカプセル。
「下に地下水脈が流れてるから、その流れに任せていれば外に出られるよ。本当はそのまま流してやりたかったんだけど……うん、なんでもない。さ、入って入って」
チラッとシスティの顔を見てすぐに訂正する。鬼の顔なんて見ていない見ていない。
ハジメ、ユエ、シアと順番に入り、最後に悠姫が入ろうとしたところで、ミレディが悠姫を呼び止めた。
「…絶対に、
「……ああ。必ず」
悠姫がカプセルに入り――
「「願わくば、人が自由な意志の元に生きられる世界になりますように」」
――ライセン大迷宮から脱出した。
地下水脈をカプセルで漂うことしばらく、特に大きな問題は起きることなく一行は無事に地上に出られた。道中、シアが人面魚がしゃべったと騒いでいたが、疲れて幻覚を見たに違いない。
出た場所は、ブルックの町から一日程度の位置にある湖。
丁度、隣町の親戚に会いに行っていたマサカの宿の看板娘ソーナ・マサカ、依頼帰りの冒険者三人、服屋を営む筋肉モリモリマッチョ
ブルックの町までの道中はかなり賑やかだった。
前にブルックの町に来た時は、悠姫はユキだった。当然、そのことについてソーナ(+ギルドで見たらしい冒険者)から質問攻めに遭う。とはいえ、まさか「一回死んで蘇った」などと言えるはずもなく、のらりくらりと躱すしかない。最終的に、頑張ったご褒美として良い雰囲気になっているハジメとシアに、ソーナを擦り付けていた。
次いで、クリスタベルが悠姫を気に入ったということもある。悠姫は、男性としては中性的な容姿になる。スラム時代はその容姿を使って体を売っていたこともあるほどだ。そんな悠姫の容姿がクリスタベルのタイプに直撃したらしく、とても気に入ったようだった。
なお後日、様々なジャンルの衣類が悠姫にプレゼントされ、他数人と共にファッションショーが開かれたとか開かれていないとか・・・
――とある地方都市――
陽は既に落ち、静まり返った夜の都市。その水面下で蠢く陰がそこにはあった。
「――さあて、そろそろ仕上げと行くか」
「「――――――」」
人間。否、人型の怪物たち。
巨大な籠手から長い爪が生えたような
[指名依頼:金ランク「光姫」「幻姫」]
「さあ、
怪物の帰還を待ち望む二人の少女に、
次回、ヒロイン二人回です。
おかしい…なぜか未だにメインヒロインがまとも出てない……