割と駆け足で書いたので、後日修正するかもしれないです。
「まず一発目、喰らっとけや!」
初撃はハジメの、シュラーゲンによる一撃。
現代兵器を大きく上回る破壊力を宿した超速の弾丸が、紅いスパークが迸りながら
そして、それは目で追えるような速度ではなく、取れる選択は避けるか貫かれるかの二択のみ。
『しゃらくせえぇッ!』
だからこそ、
「は?! うそだろ!」
ファヴニル・ダインスレイフは戦闘の天才であり、
ならば必然的に、その凶悪なフォルムと紅いスパークからシュラーゲンがレールガンであることを見抜くのは
「おいおいおい、冗談じゃねえぞ!」
『さあ行くぜ、お返しだァッ!』
驚き固まるハジメ達に
それは即席の竜の巣穴。生き残りたければ英雄となれ。邪悪な魔性を露と散り、英雄譚を輝かせろと語っている。
ハジメ達は放たれたブレスをそれぞれ散開して回避する。そして、次に
理由は単純、支援・回復役の後方を先に討つのが
ハジメが注意を裂こうとドンナー・シュラークを撃つが、元人である
「…助かった…ありがとう」
「妹の仲間なら守るのは当然だ」
『存外やるじゃないか。それなら、こいつはどうだァッ!』
そして、ブレスで
「ッ!」
それは〝未来視〟による光景で、このままでは訪れる自身の死。シアは咄嗟に後ろにジャンプすると、次の瞬間には自分が立っていた場所に、
『こいつを避けるか。なら、これはどうだ?』
「ッ、そんな?!」
再び“視えた”死の光景。飛んで避けようと足に力を籠めるが、足元に生えた
「きゃぁぁあああッ!」
そしてその身に叩き込まれる
「シア!」
『そう来ると思ったぜ
「なッ!」
兎人族としての気配察知でシアの危機を察知したディルグは、空中のシアの前に飛び上がり、尻尾を受け止めるために槍を構えた。しかし、ディルグに触れる瞬間に反転、炎毒を構えた顎門を兄妹に向けて放射した。
原子、分子単位の精密操作など、ディルグに出来る芸当ではない。結果、視界が晴れてハジメとユエの目に映ったのは、全身が爛れながら地面に倒れ伏す兄妹と、それを見下すように悠々と滞空する
「シア! ディルグ!」
『クハハハハハァッ! さあさあさあ、次のこれはどうやって防ぐよ!』
ハジメとユエは兄妹の元に駆け、未だ魔力を収束している
さらに追加で、金属製の十字架を七つ展開する。ハジメ製のアーティファクト、クロスビットだ。縦六十センチ横四十センチほどの大きさで、内部にはライフル弾や散弾が大量に搭載されている。表面金属には生成魔法で〝金剛〟が付与されているので、防御性能も高い。
北の山脈地帯の探索で使用した鳥型無人偵察機と同じ原理で動いており、つまるところライセン大迷宮の攻略報酬としてもらった“感応石”による遠隔操作。操作という性質上僅かばかり意識を裂くことになる為、極限状態では相性が悪いという欠点もある。
そのため、魔物殲滅戦では使えたのだが、先ほどの竜との戦いでは、そもそも攻撃が通らないということもあり使用できなかった。
ハジメはそのクロスビットの内一つを大盾の前に、残り六つをさらに前に二つずつ並べて配置。クロスビット全ての〝金剛〟を起動し、計五重の守りを構築した。
そして
「ッ! グッ、オォオオオオッ!!」
大盾から伝わる凄まじい衝撃に、ハジメは雄叫びを上げて抗う。魔力塊の起爆から、一瞬で〝金剛〟ごとクロスビットは砕け散り、大盾もまた〝金剛〟が剥がされ砕けようとしていた。しかし、〝金剛〟が剥がされた瞬間に張り直し、大盾に罅が入ったり融解しかける前に、〝錬成〟で修復する。
「ッソォォオオオッ!」
だが、それも時間の問題だ。〝金剛〟や大盾の守りは、あくまで防御力に準ずるものであり、圧力を消すものではない。アンカーを固定していた地面そのものも消滅し、ハジメは〝限界突破〟を使用して筋力を底上げすることで、なんとか耐えている。
しかし少しずつ後ろ擦さり、このままではハジメ諸共四人はこの世から一片残らず消滅するだろう。
「――いいや、
その時、今まで倒れていたディルグが立ち上がり、大盾にそっと手を添えた。そして輝照する
そして、その援護はハジメにとっては非常にありがたいものだ。これで〝金剛〟と〝錬成〟にのみ集中できる。
「「ォォォォオオオオオオッ!」」
二人は雄叫びを上げる。同時、ハジメの〝金剛〟と〝錬成〟の速度も上がり、この破壊の雫を前にしても鉄壁の大盾と化していた。
衝撃波が収まり、
『魅せてみろよ、てめえらの“本気”をなぁッ!』
「は、知ったことかよ。そんなに“本気”が見てえなら、てめえ一人やってろや!」
「〝雷龍〟」
大盾を消したハジメの影からユエが飛び出した。発動させた魔法は、ユエが即時発動できる中では最大規模の威力を誇る〝雷龍〟で、それを
それでも、〝雷龍〟は止まらない。五体の〝雷龍〟は
しかし――
『まだだァッ!』
「ええ、まだですッ!」
咆哮と共に覚醒、雷龍を無理やり
そこに、
そのシアに向けて、
ならばと翼を広げて飛び立って避けようとするが、凄まじい重力が
「……逃がさ…ないッ」
ユエだ。左半身が消し炭のまま、しかし途切れそうな意識を気合で繋ぎ合わせ、範囲だけを絞り、出力の制御を無視した重力魔法を行使している。
剣鱗を射出しようとも、重力魔法が周囲の地面まで影響を及ぼしている為に、土塊一つ動かせない。
「でりゃぁぁああッ!!」
身動き取れない
「ッ、ぁぁぁぁあああッ!」
『まだ、まだぁッ!』
何度も爆裂させることでドリュッケンを押し込もうとするが、まだだ、まだだと覚醒し、
「――シア! そこをどけ!」
そこに、ハジメがシアに代わり、右手に構えた大型のアーティファクト、漆黒のパイルバンカーを突き出す。ミレディ・ライセンとの戦闘時よりも超強化され、それこそシアのドリュッケンをも超える破壊力を叩きだす。
そして遂に、凄まじい轟音とともに打ち出された杭は
「――だからこそ二段構えだッ!」
打ち込まれた杭から放射状に走った罅に、ギミックの〝振動破砕〟と〝炸裂ショットガン〟、そして〝豪腕〟を使って義手を叩き込む。竜骨を砕き、口内まで貫通した拳に握られたのは、臨界点まで魔力を注ぎ込まれた、漆黒に輝く
「その馬鹿みたいに溜めた魔力に、この
目を見開く
『クハハハッ! 正気かよ、自滅まっしぐらだぜそれは!』
「はッ! 誰が死ぬかよ、さっさとくたばれッ!」
そして、ハジメは握りしめた
「ハジメ!」
「ハジメさん!」
爆心は容赦なくハジメも呑み込み、ユエとシアの声が響き渡った。そして、爆煙が晴れたそこには、今にも義手が砕けそうなほどに満身創痍なハジメと、上顎から上の頭部しか残っておらず残骸としか形容できない
『ハハハハハッ――認めようじゃないか、
「…
発声器官諸共吹き飛んでいるはずなのにも関わらず、何故か響く
邪竜戦記の幕は閉じた。
ダインスレイフ、退場。
というのは嘘で、まあ当然ですが生きています。おじさんにはこれからも頑張ってもらわなければならないのです。
次回、悠姫、ティオ 対 ノイント