ありふれない怪物は、やがて英雄へ   作:シロマダラ

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第三話 ステータス

 翌日から訓練と座学が始まった

 

 まず全員に十二センチ×七センチ位の銀色のプレートが配られた。

 騎士団長メルド・ロンギスがそのプレートについて説明する。

 

「全員に配り終わったな? このプレートは、ステータスプレートと呼ばれているアーティファクトだ。文字通り、自分の客観的なステータスを数値化して示してくれるものだ。身分証代わりになるから絶対に無くすなよ。アーティファクトというのは現代じゃ再現できない強力な力を持った魔法の道具のことだ。

 プレートに刻まれている魔法陣に、一緒に渡した針で血を一滴垂らしてくれ。所持者が登録がされる。”ステータスオープン”と言えば自分のステータスが表示されるはずだ」

 

 説明の後に、各自ステータスプレートに血を垂らしてステータスを確認していく

 

 ユキも自分のステータスを確認した。

 

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ユキ・ロスリック ??歳 男 レベル:1

天職:神子

筋力:500

体力:500

耐性:500

敏捷:500

魔力:15000

魔耐:12000

技能:星辰光・■■■■・魔力操作・魔力変換・気配感知・魔力感知・言語理解

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「全員見れたか? 説明するぞ? まず、最初に"レベル"があるだろう? それは各の上昇と共に上がる。上限は100でそれがその人間の限界を示す。つまりレベルは、その人間が到達できる領域の限界値を示していると思ってくれ。レベル100ということは、人間としての潜在能力の全てを発揮した極地ということだからな。そういう奴はそうそういない」

 

「ステータスは日々の鍛錬で当然上昇するし、魔法や魔法具で上昇させることもできる。また、魔力の高い者は自然と他のステータスも高くなる。詳しいことはわかっていないが、魔力が身体のスペックを無意識に補助しているのではないかと考えられている」

 

 なるほど、魔物を倒しただけで上昇するわけじゃないのか。

 

「次に、"天職"ってのがあるだろう? それはいうなれば"才能"だ。末尾にある"技能"と連動していて、その天職の領分においては無類の才能を発揮する。天職持ちは少ない。戦闘系天職と非戦闘系天職に分類されるんだが、戦闘系は千人に一人、ものによっちゃあ万人に一人の割合だ。非戦闘系も少ないと言えば少ないが・・・・・百人に一人はいるな。十人に一人という珍しくないものも結構ある。生産職は持ってる奴が多いな」

 

 ユキは自分のステータスを見る。

 

("神子"? 確かに神の使徒と考えればおかしくはないが......

 それに、技能の一つが正しく表示されてない...年齢は...まぁいいか)

 

「後は......各ステータスは見たままだ。大体レベル1の平均は10くらいだな。まぁ、お前達ならその数倍から数十倍は高いだろうがな! 全く羨ましい限りだ! あ、ステータスプレートの内容は報告してくれ。訓練内容の参考にしなきゃならんからな」

 

(さすがに魔力と魔耐の値がおかしくないか? いや、星辰体との感応量≒魔力と考えれば、そんなにおかしくないのか?)

 

 ユキが様々な考察をしていると、光輝が自分のステータスプレートを報告しに行っていた

 

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天ノ河光輝 17歳 男 レベル:1

天職:勇者

筋力:100

体力:100

耐性:100

敏捷:100

魔力:100

魔耐:100

技能:全属性適性・全属性耐性・物理耐性・複合魔法・剣術・剛力・縮地・先読・高速魔力回復・気配感知・魔力感知・限界突破・言語理解

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「ほお~、流石勇者様だな。レベル1で既に三桁か......技能も普通は二つ三つなんだがな......規格外な奴め! 頼もしい限りだ!」

 

 どうやら彼の天職は勇者だったらしい。昨日見た感じ、如何にもらしい天職だと思ったが、エヒトが召喚した=神子ではないとなれば、ユキは自分の天職はまずいのではないかと思った。

 

(神が絶対であるこの国で天職が神子なのはまずいか。自由に動けなくなる可能性が高い。

 それに、勇者より高いステータス。公表はしない方がいいか)

 

 するとユキにメルド団長が近づいてきて

 

「後はお前だけだぞ?」

 

 どうやら全員報告し終えたらしく、まだ報告していないユキのところに来たようだ。

 

「申し訳ない、メルド団長。ステータスの報告は拒否させてもらう」

「なに? どういうことだ? ステータスを報告してくれなきゃ、訓練内容が組めないだろう」

「俺は軍人だ。自分の訓練ぐらい自分でできる。それに、これでも激戦区上がりでね。死線はいくつも潜り抜けてきたつもりだ」

「しかし...」

「それに、なぜ自分の弱点になりえる情報を自分から開示しなきゃならない? 戦いで最も重要なのは情報だぞ」

「......わかった。だが、内容はともかく訓練には参加してもらうぞ。他の者たちの訓練相手になることもできるだろう?」

「ああ、それでいい」

 

 そう言いながらユキは周りを見渡すと、一部の者が騒がしいことに気が付いた。

 

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南雲ハジメ 17歳 男 レベル:1

天職:錬成師

筋力:10

体力:10

耐性:10

敏捷:10

魔力:10

魔耐:10

技能:錬成・言語理解

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 どうやら、南雲ハジメのステータスが一般人と同等だったらしい。

 

 ユキはハジメのステータスを見ながらハジメに話しかけた

 

「良い技能じゃないか」

「え? でもこんなステータスじゃ...」

「ステータスなんて後からどうにでもなる。低いなら後方支援に徹していれば良い。

 錬成、というのは鉄鋼業技術者(エンジニア)、鍛冶師のようなものだろう。だったら出来ることははるかに多い。重要なのは、自分に出来ることをどう使うかだ」

 

 そい言いながら、ユキはハジメの錬成について考える

 

(錬成、か。鍛冶師ってことは鉱石の加工もできるってことか。使い方によっては銃の生産もできるんじゃないか? もしそうならすさまじい技能だ。

 俺の発動体の調律の問題もある、昨日の様子のことも含めて彼なら信用できるな)

 

 一方、ハジメ自身もユキの言葉に感謝しながら、ユキに憧れの視線を送っていた。

 

(ここまで考えてくれる人がいるなんて思わなかった。自分に出来ることをどう使うか、か...

 よし、錬成で出来ることをしっかり考えよう。そしてみんなを見返してやろう)

 

 みんなとのステータス差に軽く絶望していたハジメだったが、ユキの言葉に気を持ち直し前向きに考えていこうと決意した。

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