青き銃士と戦女神(ヴァルキリー)   作:衛置竜人

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さて、本作はマグナコンボイが主人公の作品なので、書いている合間にマグナコンボイを弄ったりするのですが、そうやってマグナコンボイを弄っているとレジェンズのコンボバットも欲しくなるんですよね。

だから最近探していたのですが、何処もそれなりの値段がするので手出し出来なかったんですが、某通販サイトで約6500円とそれなりの値段だったのでついポチってしまいました。



第43話『ハウリアの決断』

 

ハウリア達が転移した後、ハジメはグランドブリッジを閉じ、碧刃達は厳しい警備を持ち前の技能と魔法で突破して易々と目的の場所―カムがいる場所へ向かう。

 

外の見張りは碧刃が麻酔銃を発砲して眠らせ、3人が扉の前に着くと、中から何やら怒声が聞こえてきた。

中にいるであろうカムが酷い目に遭わされているのではないかと、軽口を叩きながらもボロボロだった先程の家族を思い出して心配する気持ちが湧き上がったのかシアの表情は強張り、ハジメはそんなシアの手を握る。

シアは思わずハジメに視線を向け、それに気付いたハジメは彼女の不安を取り除くかの様に無言で頷く。

その一方で碧刃は音を立てずにドアノブを回し、ドアを少し開けて中の様子を覗き見て、ハジメとシアもそれに続けて覗いた。

「何だ、その腑抜けた拳は!それでも貴様、帝国兵かっ!もっと腰を入れろ、この■■するしか能のない■■野郎め!まるで■■している■■のようだぞ!生まれたての子猫の方がまだマシな拳を放てる!どうしたっ!悔しければ、せめて骨の一本でも砕いて見せろ!出来なければ、所詮貴様は■■ということだ!」

「う、うるせぇ!何でてめぇにそんな事言われなきゃいけねぇんだ!」

「口を動かす暇があったら手を動かせ!貴様のその手は■■しか出来ない恋人か何かか?ああ、実際の恋人も所詮■■なのだろう?■■なお前にはお似合いの■■だ!」

「て、てめぇ!ナターシャはそんな女じゃねぇ!」

「ヨハンよせ!こいつ死んじまうぞ!」

「ふん、そっちのお前もやはり■■か。帝国兵はどいつこいつも■■ばっかりだな!いっそのこと■■と改名でもしたらどうだ!この■■共め!御託並べてないで、殺意の一つでも見せてみろ!」

「なんだよぉ!こいつ、ホントに何なんだよぉ!こんなの兎人族じゃねぇだろぉ!誰か尋問代われよぉ!」

「もう嫌だぁ!こいつ等と話してると頭がおかしくなっちまうよぉ!」

ドアの向こうから聞こえてくる声―捕まって尋問されているはずのカムより尋問している帝国兵の方が追い詰められているという状況に碧刃達は全員無言になった。

特にシアに至っては喧嘩もしたけど何だかんだで優しかった父親というイメージが崩れ落ち、風に吹かれる砂の様に散っていったという感覚に襲われたのだ。

「ねぇ、これ助ける必要あるの?」

「…帰るか?」

とハジメと碧刃も流石にそう言い出す始末である。

「…いえ、すみませんが一応、助けてあげて下さい。多分、自力では出てこられないと思うので…」

ハジメと碧刃にそう頼むシアも在りし日の優しい父親を思ってか遠い目をしている。

そして扉の向こうのやり取りはまだ続いていた。

「ふん、口ほどにもないっ。この深淵蠢動の闇狩鬼、カームバンティス・エルファライト・ローデリア・ハウリアの相手をするには、まだ早かったようだな!」

「…シア。君の親父さん、何か凄いことになってるよ」

「…考え過ぎて収拾がつかなくなった感じだな」

「…父様は私に何か恨みでもあるんでしょうか?娘を羞恥心で殺そうとしてますぅ…まさか、まだ勝手にフェアベルゲンを出た事を根に持って…」

精神的なダメージを受けたシアはしゃがみ込んでしまい、一方の尋問官達も泣き出しそうであった。

「だから、わけわかんねぇよ!こんな狂人がいる場所にこれ以上いられるかっ!もうやだ!ヨハン、お家帰る!」

「待て、ヨハン!仕事だぞ!っていうか、何かそのセリフ、幼児退行してるぞ!」

尋問官が扉へ近付く中、碧刃は麻酔銃を発砲して眠らせ、ハジメやシアと共に部屋に入る。

「まさか…銃士様…ですか?」

「あぁ、そうだ。随分と逞しくなったな」

「は、ははは。どうやら夢ではないみたいですね…おぉ、ハジメ殿にシアまで」

先程のハウリア達以上にボロボロなカムは一瞬、夢でも見ているのかと自分を疑ったが、それでも返答する思考力さ鈍っていないようで、碧刃達が自分を助けに来てくれたのだと直ぐに察した。

「いや、せっかくの再会に無様を晒しました。しかも帝国のクソッタレ共を罵るのに忙しくて、気配にも気づかないとは…いや、お恥ずかしい」

「…父様、既にそういう問題じゃないと思います。ていうか、その怪我で何でピンピンしているんですか?それに一応事情は聞きましたが、まるで別人になっちゃってるじゃないですか」

「気合いで何とかなる。それと、まるで別人?シア、私達はこの世の真理に目覚めただけさ。女帝のおかげでな」

「し、真理?何ですか、それは?」

「基本的にこの世の問題の8~9割は暴力で解決できる」

「やっぱり別人ですね。優しかった父様は、もう死んでしまったんです。というかあと1~2割はなんなんですか」

シアは呆れた視線で父親のカムを見る。ハジメはカムの拘束を解くと神水を彼に飲ませて回復させる。

「他の連中は一足先に逃がした。さっさと行くぞ」

「了解。あ、銃士様、装備を取られたままなのですが…」

「武器はお前達にしか使えないようになっているから帝国兵が使う事は不可能だ」

「それに錬成の鍛錬で作ったもっと性能の良い物が大量にありますよ」

「新しい武器ですか?それは楽しみですな」

こうして碧刃達はグランドブリッジ・キーで帝城から無事に脱出したのだった。

 

 

―side:Magna Convoy―

 

 

帝城から脱出した私達は綾波達と共に待機していたケインズ達と合流した。

「生きていて良かったです、カム殿」

「あぁ、何とか。だが、状況は良くない。我々は少々やり過ぎたようだ」

「どういう状況だ?」

私の言葉に答えたカムの話を要約するとこうだ。

 

 

亜人奴隷補充の為に、疲弊した樹海にやって来た帝国兵をケインズやカム達の部隊は相当な数を撃破したが、その結果、帝国兵をかなり警戒させた。ゾイドの存在もだが、特にハウリア族の殺り方は自分達の特性を生かした言うなれば暗殺に近い形だったからだ。

 

正体不明の金属の魔物らしき存在に暗殺特化集団という驚異を前に、その正体を確かめずにはいられなかった帝国はカム達の部隊を帝都へ誘い込み、包囲した。

 

カム達があっさりと罠にはまってしまったのは、魔物の襲撃で疲弊していた中で帝国が直接樹海に踏み込んで来るばかりでなく看過できない程大勢の亜人を捕獲されてしまい頭に血が上り、焦りが隙を生んだ事に加え、帝国の襲撃が樹海を端から焼き払ったり亜人奴隷に拷問まがいの強制をして霧を突破したりという非道な方法だったのが原因らしい。。

 

しかし、罠にかかった正体不明の暗殺集団が温厚で争い事とは無縁の愛玩奴隷である兎人族で、樹海の中でもないのに包囲する帝国兵に対して連携を駆使して対等以上に渡り合った事は帝国上層部の興味を引いてしまった。

 

「―結果、我等は生け捕りにされ、連日、取り調べを受けていたわけです。あちらさんの興味は主に、ハウリア族(我々)が豹変した原因と所持していた装備やゾイドの出所、そして、フェアベルゲンの意図ってところです」

決して口を割らない彼らに対し帝国、特に何度か尋問を見に来た皇帝陛下など不敵な笑みを浮かべながら、新しい玩具を見つけた子供のように瞳を輝かせていたらしい。

「それで、何か考えている事があるのだな?」

「流石は銃士様、察しが宜しいようで。…私は、いや我々ハウリア族は帝国に戦争を仕掛けるつもりです」

カムの言葉に私とカムを含めたハウリア族、ケインズ以外は理解が追いついていないのか驚愕の余り思考停止に陥ったのか、一切の動きを止めて硬直していた。

「何を、何を言っているんですか、父様? 私の聞き間違いでしょうか?今、私の家族が帝国と戦争をすると言ったように聞こえたんですが…」

その静寂を破ったのはシアだった。

「シア、聞き間違いではない。我等ハウリア族は、帝国に戦争を仕掛ける。確かにそう言った」

「ばっ、ばっ、馬鹿な事を言わないで下さいっ!何を考えているのですかっ!確かに、父様達は強くなりましたけど、帝国と戦争って血迷いましたか!同族を奪われた恨みで、まともな判断も出来なくなったんですね!?」

「シア、そうではない。我等は正気だ。話を…」

「聞くウサミミを持ちません!復讐でないなら、調子に乗ってるんですね?だったら、今すぐ武器を手に取って下さい!帝国の前に私が相手になります。その伸びきった鼻っ柱を叩き折ってくれます!」

シアはインパクトナックルを装備してカムに攻撃をしかけようとするが

「ひゃん!ちょっと何をするんですか鈴さん!」

「ほらほら、此処がええんか?ええんか?」

鈴が背後からシアの毛玉のように丸くてふわっふわのウサシッポを鷲掴みにして揉み始め、シアは早々に崩れ落ちると四つん這い状態になってハァハァと熱い吐息を漏らしつつ、恨めしげに鈴を睨んだ。

「鈴、ナイスだ」

「ありがとう、碧刃」

私は鈴の頭を優しく撫でる。鈴の意図は理解している。私は鈴の頭を撫で終えるとシアの方を向く。

「少しは冷静になったか?シア。カムの話はまだ終わっていない。まずは全部聞いてからだ」

「うっ…そうですね…すいません。ちょっと頭に血が上りました。もう大丈夫です。父様もごめんなさい」

「家族を心配することの何が悪い?謝る必要などない。こっちこそ、もう少し言葉に配慮すべきだったな。…最近どうも、そういう気遣いを忘れがちでなぁ」

「ところでカム、私にその話をしたという事は私達にも参加しろという事か?生憎だが、私は参加する気はないぞ。この世界の者達のいざこざはこの世界の者達で解決しなければ意味がない、私達が介入しても解決した事にはならないぞ」

「分かっています。ただ、決意表明だけでもと、そう思っただけですよ。

我等兎人族は皇帝の興味を引いてしまいました。それも極めて強い興味を。帝国は実力至上主義を掲げる強欲な者達が集う国で、皇帝も例には漏れません。そして、弱い者は強い者に従うのが当然であるという価値観が性根に染み付いている」

「つまり、皇帝が殺すのではなく自分のものにするために兎人族狩りを始めるという事、か」

「肯定です。尋問を受けているとき、皇帝自らやって来て、"飼ってやる"と言われました。もちろん、その場でツバを吐きかけてやりましたが…しかし、逆に気に入られてしまいまして。全ての兎人族を捕らえて調教してみるのも面白そうだなどと、それは強欲そうな顔で笑っていました。断言しますが、あの顔は本気です。再び樹海に進撃して、今度はより多くの兎人族を襲うでしょう。また、未だ立て直しきれていないフェアベルゲンでは、次の襲撃には耐え切れない。そこで、もし帝国から見逃す代わりに兎人族の引渡しでも要求されれば…」

「いくら武器やゾイドがあったとしても数や魔法で圧され受身に回れば手が回らず、文字通り同族の全てを奪われる、か」

「肯定です。ハウリア族が生き残るだけなら、それほど難しくはない。しかし、我等のせいで他の兎人族の未来が奪われるのは、そして他の亜人達に危害が与えられるのは…耐え難い。

我等は兎人族、気配の扱いだけはどんな種族にも負けやしません」

カムはそう言うと不適な笑みを浮かべる。

「暗殺だな」

「肯定です。我等に牙を剥けば、気を抜いた瞬間、闇から刃が翻り首が飛ぶ…それを実践し奴らに恐怖と危機感を植え付けます。いつ、どこから襲われるかわからない、兎人族はそれが出来る種族なのだと力を示します。弱者でも格下でもなく、敵に回すには死を覚悟する必要がある脅威だと認識させさます。

皇帝一族には暗殺への対策が施されているでしょうから我等が狙うのは幾分か守りが薄いと推測される皇帝一族の周囲の人間です。昨日、今日、親しくしていた人間が、一人、また一人と消えていく。最終的に、我等に対する不干渉の方針を取らせることが出来れば十全ですな」

「皇帝一族を暗殺するなどと言うよりは、よほど現実味があるな」

私は共にカムの話を聞いていたケインズに問う。

「ケインズ、お前はどう考えている」

「分が悪い賭けではあるでしょう…ですが、私個人としてはカム殿に賛同します。カム殿の言う通り、現状では今度帝国の襲撃があったらフェアベルゲンはどうなる事か…故に私は彼らの案に賭けたいのです」

「そうか…」

既に全員、覚悟を決めた表情だ。

「…父様…みんな…」

「シア、そんな顔をするな。今、こうして戦える、その意志を持てることが、我等はこの上なく嬉しいのだ。我等は生存の権利を勝ち取るために戦う。ただ、生きるためではない。ハウリアとしての矜持をもって生きるためだ。どんなに力を持とうとも、ここで引けば、結局、我等は敗者となる。それだけは断じて許容できない」

「父様…」

「前を見るのだ、シア。これ以上、我等を振り返るな。お前には銃士様達がいる…彼らと共に真っ直ぐ進め」

カムの言葉は族長としてでも戦闘集団のリーダーとしてでもなく、一人の父親としての言葉だった。

「お前達の覚悟、見させて貰った。さっきも言ったが、私達が介入しても解決した事にはならないが故に私達は直接介入はしない…だが、知恵を貸す事、お膳立てする程度なら構わない。お前らの実力を皇帝に見せつけてやれ」

 

その後、カム達はケインズ達と共に作戦を練り、そこへ私も幾らか知恵を貸す。こうして帝城落としの詳細を詰め、その時に備えて各々休むのだった。

 

 

 

―side out―

 

 

 

第46太陽系の地球、ネスト日本支部の本拠地。其処に夜空を見上げる一人の人物の姿があった。

「やっと見つけたよ」

その人物に声をかけてきたのはあかりだった。

「やっぱり実感が沸かない?」

あかりの言葉に"彼"はこう返した。

「えぇ、そうですね」

「そりゃそうだよね。君からしてみれば信じられない事尽くしだし、仕方ないね」

"彼"の言葉にあかりは同意するかの様に答える。

"彼"がこの第46太陽系の地球にたどり着いたのは碧刃達がトータスへと召喚された後の事、つまり"彼"からしてみれば碧刃とは入れ違いでこの地球に来た事になる。

"彼"はあかり達から碧刃の事や彼が惑星トータスに召喚された事を聞かされて、何なら今までの記録映像を見せて貰ったのだが、未だに実感が沸かないのだ。

「だからこそ彼に、"マグナコンボイ"に会って直接話がしたいです」

「なる程、ね」

"彼"の言葉にあかりはそう呟くとこう口を開いた。

「実はね、何時かまでは決まってないけど、私とヴェルは惑星トータスへ碧刃達の救援に行く事になっているんだよね。

まぁ、現状ではトータスに入る事は出来ない、せいぜい物資を送る事くらいしかできないから結界に私達が入れる位の穴が開けられるようになるか、碧刃達が習得しようとしている神代魔法でこちらと行来できるようになるまで待つしかないんだけどね。

その時に君と君の仲間も一緒に来ると良い…というか来て欲しいかな。相手の戦力が未知数な以上、此方も戦力が多いに越した事はないからね」

「わかりました。是非とも同行させてください」

"彼"の返答はあかりにとっては予想通りの物であり、あかりは笑みを浮かべて"彼"に手を差し伸べる。

「改めて宜しく」

「えぇ、こちらこそ」

あかりと握手を交わす"彼"…その傍らには素粒子コントロール装置で掌サイズにまで小さくなった蝙蝠型のトランステクターが控えていた。

 

 

 

 

To be continue…

 

 

 

 

 




ラストに出てきた"彼"、いったい何処の青い人なんだ…←バレバレ

マグナコンボイの強化について(1の場合、マグナコンボイ自体の外見はそのまま)

  • 1:マトリクスソード進化
  • 2:G2バトルコンボイ型へリフォーマット
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