青き銃士と戦女神(ヴァルキリー)   作:衛置竜人

44 / 62
だいたい原作通り…というか基本的に原作を書き直しただけなんだよなぁ…


実写版ソニックをやっと観た(映画館で観たかったけど、県内の映画館ではどこもやってなかったという悲しみ)けど、エッグマンのトラックってどう見てもAOEガルバトロン(どっちもパラマウント映画だからかな)だし、あのラスト見たら続き見たくなりますよ…

シグルリノンスクランブルの1巻の第1話の宮古のある台詞で「やっぱり宮古は良い女だ」と思ったり←頼むから生き残ってくれ…



第44話『青き銃士、皇帝と対面する』

 

 

―side:Magna Convoy―

 

 

ヘルシャー帝国の帝城は周囲を幅20メートル近くあるうえに水生の魔物が放たれている深い水路と、魔法的な防衛措置が施され、上には常に見張りが巡回して堅固な城壁で囲まれており、入口は巨大な跳ね橋で通じている正門だけだ。

 

帝城に入るには原則として魔法を併用した入城許可証を提示しなけばならず、跳ね橋前の詰所で入城検査をクリア出来なければそもそも跳ね橋を渡ることすら出来ず、詰所での検査も全く容赦がない。

正規の手続きを経て入場許可証を持っている出入りの業者などであっても商品一つ一つに至るまできっちり検査されるが故に荷物に紛れ込んでの侵入なども不可能…つまり、帝城に不法侵入することは至難中の至難であるということだ。

 

私達は入場の列に並んでおり、漸く私達の番が来た。

「次ぃ~、ってあんたはもしかして"青き銃士"か!?」

「あぁ、そうだ」

どうやら門番の兵士は私の事を知っている様だ。

「あんたが出てた武闘大会、見てたよ!あれは凄かったなぁ。思わずファンになっちまったよ」

「なるほど、だから知っていたのか」

私と門番の話に事情を知らなかった者達が疑問符を頭に浮かべるが、綾波やハジメ、優花、ユエの説明で納得したようだ。

「だが、あんたの名前は招待者リストの中にはないんだが…」

「実はリリアーナ姫と一緒に来る予定だったが、急用が入ってな、それも片付いたから今来たところだ」

「そうだったのか。申し訳ないが、上に確認してみるから待合室で待っててくれないか?」

「あぁ、良いだろう」

私達は門番に待合室まで案内され、その門番は他の者達と共に帝城へと向かい、15分後にそれなりの地位にいると思われる帝国兵が私達の元へ訪れた。私達が来た事はリリアーナ姫の耳にも入っていて部屋で待っているらしい。

 

こうして私達はリリアーナ姫が待機している部屋へ通された。部屋にはリリアーナ姫の他にメルド団長の姿があったのだが、当のリリアーナ姫は私達に説明を要求するかの様に視線を向ける。

「なぜこちらに来たのですか?樹海での用事は?もうそろそろ、ガハルド陛下から謁見の呼び出しがかかるはずです。口裏を合わせる為にも無理を言って先に会う時間を作ってもらったのですから、最低限のことは教えてもらいたいのですが」

「リリアーナ姫、そう慌てるな。夜になれば全部わかる。私達の事は用事が早く片付いたから、遠出する前に立ち寄ったくらいに言っておけばいい」

「そ、そんな適当な…夜になればわかるって」

「私達の目的はあくまでも神を名乗る欺瞞者を倒し、地球に帰る事だ。それ以上の干渉をするつもりはない」

その後のリリアーナ姫の話によると、彼女はガハルド皇帝に聖教教会の末路や狂った神の話を伝え、それを聞いたガハルド皇帝もそれなりの衝撃を受けたようだが、流石は実力至上主義、実利主義の国のトップと言うべきか、どちらにしろ今までとやることは変わらないと不敵に笑ったらしい。

寧ろガハルド皇帝としてはリリアーナ姫達がどうやって帝国に来たのか…つまり王国襲撃の顛末はわかったが、それからリリアーナが帝国にやって来るまでの期間が早すぎるというのが気になるとの事だ。

王国との連携については帝国側も直接的な協議の必要性を感じていたから助かりはしたが、いくら何でも襲撃の一週間後に帝国に到着するのは有り得ないし、王国が魔人族の軍勢を追い返した方法にかなり興味を持っているらしく、私が事前に一応許可を出していた事もあってリリアーナ姫は私達の事を話したらしい。

 

そんなこんなで話をしていたら案内役が来て、ガハルド皇帝としても私達に興味があるから一度会ってみたい、という事から私達さ皇帝が待つ応接室に向かうことになった。

通された部屋は30人くらいは座れる縦長のテーブルが置かれた、ほとんど装飾のない簡素な部屋で、そのテーブルの上座の位置に、頬杖をついて不敵な笑みを浮かべているのがヘルシャー帝国皇帝ガハルド・D・ヘルシャーだ。

彼の背後には2人、部屋の中に姿は見えないが壁の裏に更に2人、天井裏に4人、そして閉まった扉の外に音もなく2人が控えているが、彼らも相当の手練だろう。

「お前が、頼尽碧刃か?」

なるほど、これが数十万もの荒くれ者共を力の理で支配する男の威圧か。同じ王族であるリリアーナ姫は息苦しそうに小さな呻き声を上げるし、ハジメ達は思わず後退りしている。

「えぇ、その通り。何時もは遠目に見たくらいでしたから、こうして会うのは初めてですね、ガハルド皇帝陛下」

と私は丁寧に答える。今回は帝城に用事があるので、皇帝の機嫌を損ねて追い出される訳にはいかないからな。

「なぁ、素の態度じゃねえだろ。そんな似合わねぇ喋り方してぇねぇで、普段通り話しな。俺は素のお前に興味があるんだ」

「そうか。それでは普段通りでいくとしよう」

「くく、それでいい。ところであの勇者(ガキ)はいないみたいだな」

「あの勇者(クソ)は同行を許可しなかった。あの野郎は皆に戦争参加を促した癖に人殺しは駄目だと言って肝心なところで役に立たず皆を危険に去らした愚か者だ」

「それには同感だな」

「それに私の妻の綾波を悪く言ったからその怨みもある」

「なるほどな、そりゃお前が怒るのも無理はないな」

私の言葉にそう答えたガハルド皇帝は八重樫に視線を向ける。

「雫、久しいな。俺の妻になる決心は付いたか?」

皇帝に対し雫は澄まし顔をして答える。

「前言を撤回する気は全くありません。陛下の申し出はお断りさせて頂きます」

「つれないな。だが、そうでなくては面白くない。元の世界より、俺がいいと言わせてやろう。その澄まし顔が俺への慕情で赤く染まる日が楽しみだ」

「そんな日は永遠に来ませんよ。…というか、皇后様がいらっしゃるでしょう?」

「それがどうした?側室では不満か?ふむ、正妻にするとなると色々面倒が…」

「そういう意味ではありません!皇后様がいるのに他の女に手を出すとか…」

「何を言っている?俺は皇帝だぞ?側室の十や二十、いて当たり前だろう」

まぁ、地球でも一夫多妻制を認めている所はあるからな。

「ぐっ…そうだったわ。と、とにかく、私は陛下のものにはなりません。諦めて下さい」

「まぁ、神による帰還が叶わず、帰還にはまだ時間がかかる以上、まだまだこの世界にいるのだろうし、時間をかけて口説かせてもらうとしようか。クク、覚悟しろよ、雫」

ガハルド皇帝は八重樫をたいそう気に入っているようで、断られたくらいでは諦めないらしい。

ガハルド皇帝は話をしながら私達を観察していたらしいがそろそろ潮時と判断したのか、今までの覇気を纏いつつもどこかふざけた雰囲気を含ませていたのとは異なり、抜き身の刃のような鋭さを放ち始め、私達との謁見の時間をとった最大の理由に切り込んだ。

「リリアーナ姫からある程度は聞いている。お前達が大迷宮攻略者であり、そこで得た力でアーティファクトを創り出せると…魔人族の軍を一蹴し、2ヶ月かかる道程を僅か2日足らずで走破する、そんなアーティファクトを。真か?」

「ああ。尤も貴殿方に提供するかどうかはまた別の話だ。"神を名乗る欺瞞者"とその一派を倒すのに戦力がいるが、その者達が武器を提供出来る程に信用に値するか見極めてからだ。"周りの者達"に奇襲を命じて奪おうとしても無駄だ。武器には私が許可した者達しか使えないようプロテクトが施されているからな」

「はっはっは、止めだ止め。ばっちりバレてやがる。武闘大会の時から思っていたが、こいつは正真正銘の化け物だ。今やり合えば皆殺しにされちまうな!」

「随分と楽しそうだな」

「おいおい、俺は"帝国"の頭だぞ?強い奴を見て、心が踊らなきゃ嘘ってもんだろ?」

「実に実力至上主義の国の人間らしいものだな」

「それにしても、お前とそこの坊主が侍らしている女達もとんでもないな。おい、どこで見つけてきた?こんな女共がいるとわかってりゃあ、俺が直接口説きに行ったってぇのに…一人ぐらい寄越せよ、頼尽碧刃、南雲ハジメ」

「馬鹿を言うな。その気など微塵もない」

「僕も碧刃と同じです。彼女達を貴方に渡す気はありません」

ガハルド皇帝は咳払いをして気を取り直す。

「俺としては、そちらの兎人族の方が気になるがね?そんな髪色の兎人族など見た事がない上に、俺の気当たりにもまるで動じない。その気構え、最近捕まえた玩具を思い起こさせるんだが、そこのところどうよ?」

シアの目元がガハルド皇帝の発言を受けて一瞬ピクリと反応し、隣に座っていた優花とユエがテーブルの下でそっとシアの手を握る。

「玩具なんて言われても知らないな」

「心当たりがないってか?何なら、後で見るか?実は、何匹か"まだ"いてな、女と子供なんだが、これが中々―」

「興味ない」

カムを通じて捕まった者全員を連れ出したことは確認済みだから、ガハルド皇帝はカマをかけているのだろう。

「ほぉ。そいつらは、超一流レベルの特殊なショートソードや装備も持っていたんだが、それでも興味ないか?」

「ない」

「…そうかい。ところで、昨日、地下牢から脱獄した奴等がいるんだが、この帝城へ易々と侵入し脱出する、そんな真似が出来るアーティファクトや特殊な魔法は知らないか?」

「知らないな」

おそらくガハルド皇帝はハウリア族どころかフェアベルゲンと私達に関係があると察しているどころか脱獄に私達が関与している事に気がついているようだ。

その一方で私達の行動方針も理解したらしく、帝城から追い出そうとしない事からか少なくとも私達と直接相対するような行動は取らない事を選んだらしい。

「まぁ、最低限、聞きたいことは聞けた…というより分かったからよしとしよう。ああ、そうだ。今夜、リリアーナ姫の歓迎パーティーを開く。是非、出席してくれ。姫と息子の婚約パーティーも兼ねているからな。真実は異なっていても、それを知らないのなら"青き銃士"や"神の使徒"の祝福は外聞がいいからな」

 

ガハルド皇帝が退室した後、リリアーナ姫はこう口を開いた。

「今の現状、同盟国との関係強化は必要なことです」

つまり政略結婚という事か。

「それでリリィと皇子が結婚するという事になるのね」

「はい。お相手は皇太子様ですね。ずっと以前から皇太子様との婚約の話はありました。事実上の婚約者でしたが、今回のパーティーで正式なものとするのです。魔人の侵攻で揺らいでいる今だからこそ、というわけです」

「王国には?協議が必要じゃないの?」

鈴の言葉にリリアーナ姫はこう答えた。

「元々、そういう話だったわけですので反対はないでしょう。今は何事も迅速さが必要な時なのです」

リリアーナ姫の決然とした表情に坂上はこう訊ねる。

「…リリィは、その人の事が好きなのか?」

「好き嫌いの話ではないのです。国同士の繋がりのための結婚ですから。ただ、皇太子様には既に幾人もの愛人がいらっしゃるので、その方達の機嫌を損ねることにならないか胃の痛いところです。私の立場上、他の皇子との結婚というのは釣り合いが取れませんから、仕方がないのです。私は王族で王女ですから。生まれた時から、これが普通のことです」

 

 

―side out―

 

 

その後、オーダーヴァンガードの面々は碧刃、綾波、宮古、嵐、鈴のアデプトテレイター組とハジメ達のグループに別けられ、お付きのメイドに部屋へ案内された。メイドが退室した後、集中するようにモニターに視線を向けて"お膳立て"をしていたハジメがふぅ、と一息付いた。優花はそれに気付いたのかハジメに声をかけた。

「ハジメ、どうなの」

「上々、取った感じかな。予定の6割は完了したよ」

「…やっぱりトラップが多い?」

「そうだけど、全てを解除する必要はないかな」

「ふむ、今夜がパーティーというのは幸いじゃの。人が固まれば、色々動きやすいのじゃ」

「最終的にはパーティー会場に集まることになりそうですね。…上手くいくでしょうか?」

シアが不安そうになるのも無理はない。これから始まるのは自分の家族だけでなく故郷の国の未来が決まる一世一代の戦いだ。

ハジメと優花はそんなシアのウサミミをモフり、ユエはシアの頬をムニり、ティオはシアの手を握る。

ハジメ達に対し、シアは込み上げるものを感じながらも嬉し涙であっても涙を流すのはまだ早いからか何時ものように笑みを浮かべる。

ハジメはシアの笑みに対しいたずらを前にした子供のように不適な笑みを浮かべると仲間に力強く告げる。

「さて、主役達のために舞台を整えるよ」

ハジメの言葉にシア、優花、ユエ、ティオも同じような笑みを浮かべて力強く頷く。

 

 

一方、碧刃は静かに時が来るのを待ちながら綾波達の頭を撫でていた。

「大丈夫かなぁ…」

と鈴がボソッと呟く。

「ハジメ達なら大丈夫だ。今頃は素粒子コントロール装置で小さくしたクワガノスやスパイデスでこの城を調べているだろう。それらの情報はカム達にも行き渡っている」

碧刃は鈴の呟きにそう答える。

「それはそうと僕としては嬉しかったよ」

嵐の言葉に碧刃は何がだ?と疑問符を頭に浮かべる。

「皇帝の一人くらい寄越せって言葉に『馬鹿を言うな。その気など微塵もない』って言った事だよ」

嵐は碧刃の真似をしながらそう答える。

「そうだね、綾波だけじゃなくて私達の事も大切にしてくれてるんだねって私も嬉しくなったよ」

嵐に続く形で宮古はそう言う。

「何だかんだで碧刃は優しいよね」

更に鈴も続けて言う。

「そうだろうか?」

「そうですね」

碧刃の言葉にそう答える綾波は笑みを浮かべているのだった。

 

 

一方、地下牢がある建物の外周を魔法由来の炎を灯した松明のようなものが持った二人の帝国兵が巡回警備を行っていた。

「はぁ、今頃、お偉方はパーティーか…美味いもん食ってんだろうなぁ…」

「おい、無駄口叩くなよ。バレたら連帯責任なんだぞ」

「だけどさ、お前も早く出世して、ああいうのに出たいと思うだろ?」

「…そりゃあな。あそこに出られるくらいなら、金も女もまず困らねぇしな…」

「だよなぁ~。パーティーで散々飲み食いした後は、お嬢様方と朝まで、って天国じゃん。あ~、こんなとこで意味のねぇ巡回なんかしてないで兎人族の女でも抱きてぇ~」

「お前、兎人族の女、好きだなぁ。亜人族の女は皆いい体してっけど、お前、娼館行っても兎人族ばっかだもんな」

「そりゃあ、あいつらが一番いたぶりがいあるからな。いい声で泣くんだよ。兎人族って、ほら、イジメてくださいオーラが出てるだろ?俺はそれを叶えてやってんの。お前だって、何人も使い潰してんだろ」

「しょうがねぇだろ?いい声で泣くんだから」

亜人は帝国においてストレスや性欲を発散するためのいくらでも替えの利く道具でしかない為、この2人のみならず亜人を辱め弄ぶのは帝国兵全体に蔓延している常識であった。

「ん?…おい、今、何か…」

「あ?どうした?」

兵士の一人は何かの影を見たからか歩み寄りながら松明を前に突き出し、建物の影を照らしだそうとする。もう一人も疑問の声を上げながらも追随する。

先行していた兵士は人一人が何とか通れる程度の建物と建物の隙間に松明の火を向けるがその先に人影はなかった。

「見間違いだったか…悪い、見間違い…?おい、マウル?どこだ?マウル?」

振り返った兵士だったが、相方の姿がなく足元に彼が持っていたはずの松明だけが残されていた。

兵士は辺りを見渡して彼を探すのだが、周囲に人影はない…と思った次の瞬間、誰もいなかったはずの建物の隙間からスッと二本の腕が音もなく伸び、片手が兵士の口もとを塞ぐと同時に、もう片方の手に握られた艶消しの黒いナイフが一瞬で兵士の延髄に深く突き立てられた。

兵士は痙攣した後、そのまま二本の腕に引きずられて闇の中へと消え、松明の火も消えた。

「HQ、こちらアルファ。Cポイント制圧完了」

『アルファ、こちらHQ。了解。E2ポイントへ向かえ。歩哨四人。東より回りこめ』

「HQ、こちらアルファ。了解」

闇の中から現れたのは全身黒ずくめの衣装に身を包み、覆面の頭上にウサミミを生やした人物…そう、ハウリア族の兵士である。

 

 

 

 

To be continue…

 

 

 

 

マグナコンボイの強化について(1の場合、マグナコンボイ自体の外見はそのまま)

  • 1:マトリクスソード進化
  • 2:G2バトルコンボイ型へリフォーマット
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。