青き銃士と戦女神(ヴァルキリー)   作:衛置竜人

53 / 62
マグナコンボイ達の存在や香織ではなく優花がいたり勇者不在だったりしますが、割りと原作沿い…早くこの章のラストを書きたいのです…


それはそうと某フリマアプリにて出品されてたサイバーバタリオンのグリムロック(と同シリーズのビーのセット)をポチりました。
サイバーバタリオンのグリムロックは長年探していた(というかサイバーバタリオンで一番欲しかった物)のですが、サイバーバタリオン自体が元々BRICs諸国向けという事や再販などがかかった事がないが故に今から入手するのは困難になってたんですよね…
あのシリーズ、デザインとか出来が良いから日本でもタカラトミーモール限定でも良いから出して欲しかった…

あと、ビスハンのヴォイジャークラス プレダキング(Goでドラゴトロンとして出た奴じゃなくてヴォイジャークラスなのにリーダークラス並みにデカくて簡易変形ながら出来が良いやつの方)も某所で割りと安く(6000円くらい)出品されてたのでポチりました←これで年末の楽しみが増えました





第53話『囁く声とフロストゴーレム』

 

 

―side:Magna Convoy―

 

 

 

私達は七大迷宮の一つである氷雪洞窟の内部にある大迷路、その封印された扉の前にて暖を取りながら海鮮鍋を食していた。

材料は海上の町エリセンで仕入れ、宝物庫内に凍結させて保存していたものを使っている。

優花が見事な包丁捌きで魚介類を下拵えし、盛り沢山の野菜と共に絶妙な味付けをした。漬けダレも、ポン酢に似たさっぱりしたもので実に素晴らしい。彼女は家事も完璧であり、ハジメがいい嫁と言ったのも頷ける。

因みにシアや宮古も手伝っている。綾波曰く「私達の中で家事スキルなどの女子力が高いのは優花さん、ミコさん、シアさんですね」らしいが、綾波も女子力?というのは高いと思うのだが…

「碧刃、キラービークが見つけたようだよ」

「そうか、回収を頼む」

「了解」

ハジメはそう言うと箸を置いて(元々、優花やユエに食べさせられているので、ほとんど使ってないが…私?綾波や宮古に食べさせられている)懐から光沢のある灰色の金属プレートを取り出した。先端に凹凸があり、魔法陣が刻まれている鍵型アーティファクト―空間を繋げる"グランドブリッジ・キー"だ。

ハジメはおもむろに後ろを向いてグランドブリッジ・キーを突き出し、先へ進む為の扉を開放するのに必要な鍵を探索させているキラービークとの間に空間を繋いだ。空間に突き刺さったプレートを中心にグランドブリッジが開き、その向こう側に氷壁に囲まれた部屋と黄色の光を放つ宝珠のような物が台座に乗っているのと

「グルァアアアアアアアッ!!」

宝珠の向こう側から鬼の形相で迫ってくる体長5メートルはあろうフロストオーガの姿が見えた。

「「ぶふっ!?」

足を突っ込みながら鍋をつついていた八重樫と坂上が同時に吹き出す。何せ、鍋を食べて団欒していた中でいきなり今まで相対したフロストオーガとは一線を画すレベルの魔物が雄叫びを上げながら迫って来ているのだから普通は慌てるなという方が無茶だろう。

しかしハジメは特に慌てた様子もなくグランドブリッジに手を伸ばして黄色の宝珠を取ると、代わりに宝物庫から金属球を取り出して一瞬放電させた後、ゴミでも捨てるようにグランドブリッジの向こう側へ投げ捨てると直ぐにグランドブリッジ・キーを捻って空間から抜き出しグランドブリッジを閉じた。

遠くで盛大に爆音が鳴り響き、空気の振動が伝わって来たが、ハジメは特に何事もなかったように再び座り直し箸を手に持つ。

テーブルの上には黄色の光を纏う宝珠があり、一連の出来事が現実であることを証明している。

「はい、ハジメ。あ~ん」

「碧刃さん、あ~ん」

そして何事もなかったように優花はハジメに、綾波は私に食べさせ、冷や汗を流していた坂上と八重樫が夢から覚めたように一斉に口を開いた。

「「いやいやいやいや、おかしいだろう(でしょう)!!」」

「ん?」

口に新鮮な魚介類を詰め込まれているハジメが「どうした?」と言わんばかりに首を傾げ、そんなハジメの仕草と平然としている私に坂上がツッコミを入れる。

「頼尽、南雲。さっきのは何だ?」

「さっきのって…見てただろう?」

「えぇ、見てたわよ!だけど、そういうことじゃなくて何をしたのよ」

「何をって、不思議なことを聞くよね。見たまんまだろうに」

「あぁ、そうだな。私はハジメにキラービークで珠の捜索を頼み、ハジメはキラービークで発見した黄色の珠をそのままグランドブリッジで回収し、キラービークが侵入した時点で暴れだしたガーディアンをグランドブリッジからポイ捨てした爆弾で爆殺しただけだ」

「あれ、普通は迷宮では秘宝とかそれを守るガーディアンとか直接相対して倒して手にするもんじゃないのか?」

「こういったのは効率良くかつ出来るだけ楽に集められるならそれに越した事はない」

「そ、それはそうだけど…め、迷宮に攻略が認められなかったらどうするのよ…」

「グリューエン大火山では相当ショートカットしたが問題なく攻略できた。だから1つや2つは省略しても問題ないだろう。残りはガーディアン倒して手にいれればいい」

「うん、ルートは割り出しておくから」

「ねぇ、これでいいのかしら…?迷宮攻略ってこういうもんなのかしら?」

「雫、深く考えるのは止めとこう。深く考えたら負けだ」

その後、無事に2つ目の珠を回収し、残った珠もハジメ達の手によって回収された。

 

 

ハジメが手に持つ宝珠をレリーフの最後の窪みにはめ込んだ直後、氷の扉に掘られた茨の全てに光が奔った。全体を巡り、宝珠が一際強く輝くと両開きの荘厳な扉が音を立てて開いていった。

扉の奥の通路は一見すると今まで通った迷路の道と変わりないように見えるが、氷壁の反射率が高くなっているように見える。

「さて、行くぞ」

私の号令で皆は一斉に扉の向こう側へ踏み込んだ。

封印の扉の先は、案の定、本格的なミラーハウスの様相を呈しており、光を向ければ何処までも乱反射し、両サイドの壁にはまるで合わせ鏡のように無数の私達自身が映っている。

「氷というより完全に鏡だな」

上空を覆う雪煙以外は、まさに無限回廊といった様子で、地面を叩く私達の足音が妙に反響して耳に入る。

「光だけでなく、音まで反射されているかのようだね」

「…何だか吸い込まれてしまいそう」

嵐とユエが氷壁に映る自分達を見ながらポツリと呟く。氷壁の奥は幾重にも重なった世界が延々と続き、深奥は暗がりになっている。

暫くはトラップも魔物の気配もなく、羅針盤の導きに従って順調に進んでいた私達だが、不意に綾波が立ち止まりキョロキョロと辺りを見回し始めた。

「綾波、どうかしたのか?」

「あ、いえ、今、何か聞こえた気がした、です。人の声みたいな、こう囁く感じで…」

「そういうのはメルジーネで十分だよ」

と綾波の言葉に鈴はそう返す。

「他に何か聞こえた者はいるか?」

私は皆に問う。

「いいえ、私には何も聞こえませんでした。人の気配も、ここにいる皆さん以外には感じません」

シアは瞑目し兎耳に集中した後、頭を振りながら否定の答えを告げる。他のメンバーも、特に何も聞こえなかったようで揃って首を振った。

「…確かに、聞こえたと思った、です」

綾波は自分以外の誰も聞こえなかったと分かって気のせいだったのかと困惑の表情を浮かべた。

「魔力反応も確認できない、か…どうやらこの迷宮の氷壁はどうも魔力反応を隠蔽する能力でもあるみたいだな」

「ふむ、もしかしたら何らかの干渉を受けていると考えるかのう」

「確かにそう考えるのが妥当だろう。それがこの迷路の試練の一つだと言うなら、綾波だけでなく、ここにいる全員が干渉を受ける可能性が高い。現時点では防ぐ手立ては思いつかない…総員、十分に注意しろ」

私の言葉に皆は一度顔を見合わせた後、コクリと頷いた。

再び歩いていると綾波がまた立ち止まった…しかも今度は鈴や八重樫、坂上もだ。

「聞こえたわ。女の声だった。どこか聞き覚えがあるのも一緒。"また、目を逸らすのかしら"って聞こえたわ」

「えっと、鈴は"本当は気がついていたよね?"って」

「あぁ~、俺は"何を躊躇う必要がある?"だったな」

3人は揃って心の奥底に土足で踏み入れられたような不快さを感じたかの様な嫌そうな表情を浮かべている。

「抽象的な感じだな。惑わすには間接的に過ぎるような気がするが…」

「3人共、聞き覚えのある声音だったのかの?」

「う~ん、そう言われると確かに、どこかで聞いた気がする…かも」

「私も鈴と同じね」

「俺もそんな気がする」

ティオの確認に3人共頷いた。囁かれる言葉は異なるが、いずれも聞き覚えのある声音らしい。

「…とにかく、進まないと」

「そうだな。何とも不気味だが、立ち止まって悩んでいても仕方ない。迷路を抜け出せば、囁きも収まるかもしれない。ならば、ユエの言う通り、今は先へ進むべきだろう」

私達はいくつもの分岐路を迷わず進んでいき、羅針盤が伝えてくる感覚で出口まで直線で3キロといったところまで来た。迷わず進んでいる為、トラップや魔物が出ても半日もせず踏破できるだろう。

後は断続的に聞こえてくる囁きを極力無視しながら先を急ぐだけだが、綾波達によるとその声は刻一刻と頻度を増していき、いつしか私にも聞こえ始めていた。

"お前はまた喪う。大切なもの全てを"

その声が誰の声なのか、私はふと気付いた。どうやらハジメも気付いたみたいだ。

「ハジメ、気付いたか?」

「うん、これ自分の声だ」

囁き声に意識を割かれそうになっていた皆は唐突に上がった私達の声にハッと我を取り戻した。

「みんな、囁き声に聞き覚えがあるって言ってたでしょ?僕もそうだったんだけど、この声は僕の声だ。

父さんの手伝いでゲーム制作に関わった時に、ボイステストで何度も自分の声を聞く機会があったんだよ。

自分の声って自分で聞くと意外に違和感があるもんだから気がつきにくいけど、確かに、その時何度も聞いた僕自身の声だよ、これ」

ハジメの言葉に、皆は「ああ、そういえば」と得心のいった表情となった。普段聞く自分の声と、録音して客観的に聞いた自分の声は意外に異なるものなので気がつかなかった、というのがハジメの考えだ。

私の場合、模擬戦闘などの様子を記録して見返す事があったからその時に自分の声を聞く機会があった。

「でも、だとすると、この声が言っていることって…」

「…あるいは、己の心の声…かもしれんの。色々と嫌な記憶が蘇って来るのじゃ」

「…ですねぇ。心の中を土足で踏み荒らされているみたいで凄く気持ち悪いです」

宮古が眉根を寄せながら言い渋ると、ティオが後を継いで推測を述べ、シアが同意する。他の者達も一様にその表情は暗く険しい。

暫く進んだ後、私達は小休憩を挟む事にした。囁き声により異常に精神力をすり減らした皆を休ませる必要があるからな。

「シズシズ?どうかした?」

鈴はぼーとしていた八重樫に訊ねる。

「え?いえ、何でもないわよ?それより鈴は大丈夫?」

そう答える鈴も余り顔色は良くないのだが…

休憩を始めて既に一時間が経過した。

「さて、どうじゃ?みな、多少はマシになったかの?」

その間、皆に対して魂魄魔法により精神の安定化を図っていたティオが首を傾げながら声を掛ける。

「ええ。ありがとうティオ。頭の中がクリアになった気がするわ」

「うん。体も少し軽くなったかも」

と優花と嵐は礼を言う。囁き声は、あくまで唯の声であり、精神的負荷は自分で連想して内に溜め込んでしまったものだから魂魄魔法でも本人が悩むことや気にすることを止めなければそれほど効果は発揮されず、あくまでも気分をリフレッシュする程度のものだ。

それでも休憩前に比べれば皆の顔色は随分と良くなっているから、魔力の消費量を考えても悪くない選択だったようだ。

「ありがとう、ティオ」

「なに礼には及ばんよ、ハジメ殿。それより、さっさとこの迷路から出てしまわんとな。あと、どれくらいじゃ?」

「そうだね、直線なら後1キロもないよ。ここじゃあ、休むのもままならないだろうから後は一気に行くべきだよ」

「ハジメの言葉にも一理あるな」

私達は再び探索を始めるが、特に八重樫と坂上はやや腰が重そうだった。

迷路に入ってから既に30時間を超えており、その間一睡もしておらず魔法や魔法薬によって回復はしているが、囁き声と相まって精神的に疲労が溜まっているのだろう。

私達はミラーハウスのような通路をひたすら進み続けるが、相変わらず飽きもせず自分の声で抽象的なされど必ず何かを連想させる不快な声が響いてくる。

それに加え、散発的に襲い来るフロストオーガや嫌がらせのようなトラップがある。集中力低下のため地味に危険度を増している。

 

そうやって進んでいった私達は通路の先に巨大な空間を発見した。

部屋の奥には先に見た封印の扉によく似ている意匠の凝らされた巨大な門が見えた。

「封印の扉のように何かをはめ込むような窪みは見えないからまた宝珠を集めるという面倒極まりないことはしなくてよさそうね」

「そうだね、羅針盤を確認してもゴールで間違いはなさそうだよ」

「ん……見るからに怪しい」

「ですねぇ。大きい空間に出たら大抵は襲われますもんねぇ」

私達は感知系能力をフルに使って索敵を行う。経験則上、ゴール手前の大きな空間で何もなかったためしがないからな。

「…相変わらず、反応はなし、か…。まぁ、行くしかないだろう」

私を戦闘に部屋の中央まで歩を進めたとき、案の定、それは起こった。

「…太陽?どうして?」

嵐は突如、頭上より降り注いだ光に見上げてそう呟いた。

雪煙に覆われた迷宮の上空にて光は輝きを増していく。迷宮内ということを考えれば本物であるはずがないが、確かに感じる熱が太陽だと錯覚させらる。

「碧刃さん。周りが」

と綾波の言葉を受け、私は視線を周囲に巡らせると周囲の全てが煌めいていた。

天空から空を覆う雪煙を貫いて差し込む陽の光が空気中の細氷に反射している…言わばダイヤモンドダストだが、自然界のダイヤモンドダストに比べると些か様子がおかしい。

煌きが明らかに強すぎで、まるで宙に浮く無数のランプの様に一部の氷片が強く、刻一刻とその光を強くしていく。

私の目には、それらの光輝く氷片がまるでエネルギーを溜め込む砲台のように見えた

「ダイヤモンドダストと称するには少々危険だな。総員、防御を固めろっ!」

と私は皆に指示を出すと皆は反射的に一塊になり、ユエと鈴が聖絶を展開した。そしてその瞬間に閃光が駆け巡った。

「っ、まるでレーザー兵器だよっ!」

ハジメの言う通り、部屋の宙に浮かぶ幾百の輝く氷片は、溜め込んだ光をレーザーの如き熱線として解放し、部屋の中を純白の細い光が縦横無尽に奔り、氷壁や地面にその軌跡を描いていく。

ユエと鈴が張った障壁に対してもにも音を立てて傷を付けながら通り過ぎていった

氷片から放たれるレーザーは氷片の回転や移動に合わせて無秩序に変化し、氷壁や地面にはあっという間にいくつもの傷ができ、その度に新たな氷片が撒き散らされる。

「煙に包まれるのは面倒だな。一気に駆け抜けるぞ。鈴!ユエ!」

「ん…鈴、合わせて」

「うん!ユエ!」

私の指示を受け、ユエは鈴に声を掛けつつ熱線が逸れる瞬間を待ち、全ての熱線が外れた瞬間を狙って、聖絶を盾状に変形させ、周囲に展開させる。

「今だ!」

私の言葉に皆は一斉に駆け出した。

レーザーはその間にも容赦なく盾状の聖絶を襲うが、ユエと鈴が随時修復するので出口である門までの百メートル程度なら何の問題もなく通り抜けられると思っていたが、そう甘くはなかったようだ。

 

上空から迫る雪煙から大型自動車くらいの大きさはあろう氷塊が地響きを立てながら複数落ちて来たのだ。そして、その氷塊にはわかりやすく赤黒い結晶が見えていた。

「本命の登場か」

氷塊は一気に形を変えて体長5メートル程の人型のゴーレム…フロストゴーレムとなった。

片手にハルバードを、もう片手にはタワーシールドを持っているフロストゴーレムの数は全部で12体…私達と同じ数だ。

「蹴散らすぞ。アデプトマスター組はトランステクターでやってやれ」

私の言葉に皆は了解、と返し私達はフロストゴーレムとの交戦を開始したのだった。

 

 

 

To be continue…

 

 

 

 

 

 

マグナコンボイの強化について(1の場合、マグナコンボイ自体の外見はそのまま)

  • 1:マトリクスソード進化
  • 2:G2バトルコンボイ型へリフォーマット
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。